ねーさんとバンビーナの毎日

「静」→ 「淡」→ 「戻」→ 「無」→「休」→「解・涛」→「涛・停」→「抜」→24年「歩」 最終章序章スタート!

ハゲタカ

2009年05月31日 01時46分20秒 | 観たぞねーさん
死を前にしたカリスマはたかってきたハゲタカにこう言った。


流した血を汲み取ってやれるのか。

やり直したいなら何もやらないことだ。




父を死に追いやられ、弔い合戦を仕掛けた息子(新鋭IT企業をおこす)は、結局力のあるバックに躍らされ、冷静さを失って突っ走って、全てを失った。


自分が担当していた町工場への融資が、上司の許可を得られずに「貸し渋り」となり、町工場の社長を自殺へと追い詰めてしまった元銀行員。
上司への反発心は「矛盾した正義」となって、海外投資ファンドに転職、病んだ日本企業の負債を買いあさって救済することが「彼の正義」にすりかわる。
しかしゆく先で彼は「あやまちを二度侵してしまう恐怖」から自分の都合でアメリカの命令を捩曲げる行為をした。
命令を理屈で通そうとしたって通用しない訳だ、あくまで命令なので。
そして彼もすべてを失う。


電気会社社長は外資に乗っ取られると自分が犠牲になってしまうという自分の保身に走って、新鋭ITの投資話に手を出してしまう。
新鋭ITは弔い感情の暴走からやはり危ない橋を渡っていた訳で、それが検察にばれて話しはオジャン。
社長も結局全てを失う。


元銀行員のやり手は「銀行のしがらみの中では本当の企業救済が出来ない」と自分の理想を突き通したいが為に銀行を辞め、電気会社に転職。
しかしやはり外資に乗っ取られた後はコストカッターとして利用されてしまう。
そんな中で、昔自分が部下に味合わせた得意先社長の自殺同様、自分の部下を自殺に追い詰めてしまい、同じ心の苦しみを味わうこととなってしまってもがき苦しむ。



カリスマの真実

心の傷を欲望とスレスレの復習劇にしてしまった息子

心の傷を正義にすり替え、その正義の使い場所を間違えた元銀行員のハゲタカ

心の傷を理想に切り替え、その理想を貫きたいが為に、大事なものを失うこととなってもがき苦しむ元銀行員。



誰も別に悪くない。
その時そのように動くことしか出来なかっただけ。

だけどひとつだけ言えることは「欲望」「理想」ってやつは本能のまま突き進めばどこかで必ず崩壊にぶちあたるということだ。
そして知らず知らずに誰かを追い詰めているってことだ。


そこだけは本気でみんなが肝に命じてくれたらいいよなぁって思う。
そうなったら随分世の中も変わるだろうに。


だから「欲」も「理想」も子供の頃から捨ててるし、あたしゃ。
受けた傷を誰かに対して「復讐」する気もない。
受けた傷を「正義」にすりかえる気もない。
傷を受けたからって「逃避」する気もさらさらない。
そんなことより「実」ありき、「義務の遂行」ありき、「使命感」ありきだし、あたしゃ。


とにかく案外子供の時から型を決めてやってきてる。

だから、

「動じないし、強いね。」

とか

「ホントいい人なんだからー(あんな人のかたをもつ必要ないじゃん的な)」

って言われる由縁かも。



あの方からこの方から、

「おとなしいのは損だよ、自己アピールしなよ。」

だのと言われ続けてますが、あたしゃこういう型だから仕方ないのだ。

どう考えても悪いことしてないからこのまま行かせていただくのだー!(笑)


ということが分かったドラマです、ハゲタカ。(笑)



そうそう。

「流した血を拭ってやれるか」って、血を流してくれなけりゃ、拭う気持ちにはなかなかなれないのが人間。

今って「血が流れない人間風ロボット」が多いのも事実、ということも書き留めておこう。

「窮地に追い込まれる」と「窮地に立たされる」

2009年05月31日 00時21分16秒 | 2種分ねーさん
理念にがんじがらめになって、何もしてこず、負債を膨らませて窮地に追い込まれた企業にたかるは、ハゲタカ。


理念にがんじがらめにならず、新手な手法を先手先手で打って、儲けと損を重ねながら、窮地に立たされた企業に突き付けられるものは、一体何?


多分答えはもうすぐ明らかになるよね?

ほんの豚ですが

2009年05月30日 12時20分44秒 | 紹介屋ねーさん
ほんの豚ですが (中公文庫)
佐野 洋子
中央公論新社

このアイテムの詳細を見る



これ好きなんですよ、おすすめしちゃうんですよ。


「鯨」より (ねーさん流に置き換えさせていただきます、すんません。)

世の中で私たちより大きな生き物はいない。
私たちは世の中で、悠々と泳ぎ、時々、噴水に似た笑みを吹き上げ、ゆったりとした時を生きて来た。

ある日突然、先進国から金色にキラキラ光る物体が世の中に突っ込んで来た。

「お前なにか、私たちをどーする気か」

私たちは困惑して、どんどん積み上げられ、ぶくぶく膨らんでゆく、羽根のある巨大な物体に問いかけた。

物体はどんどん積み上げられ、空につきあたり、宇宙に到達して、神様の手元にまで届き、逆鱗に触れ、倒壊した。

「あいつ身の程知らずなんだ。私たちは空を目指して積み上げようとなんて思わないもんな。
あいつ自分の重さ気がついていなかったのかしら」


ふふふ。
いろいろな動物が教えてくれる。
この方の洞察と表現力で動物が教えてくれる。

佐野洋子さんは「100万回生きたねこ」もいいけれど、こっちもシンプルですごい好き。
なんか、シニカルさがいいんだよね。

頑固な人が言う皮肉じゃないのよ、この方の皮肉って。

頑固な人が言う皮肉はちょいと思いやりにかける。
「切り捨てちゃってるなぁ、それなぁ。ひえーーーこえーーー」っていうかさ。

案外このかたも強情だったんじゃないのかなぁ。
皮肉の中に「なみだ」がちゃんと込められている。



シニカル【cynical】
皮肉な態度をとるさま。冷笑的。嘲笑(ちょうしょう)的。シニック。


池袋ウェストゲートパーク

2009年05月29日 00時06分52秒 | 観たぞねーさん
今更観ました。
初めて観ました。


最終回で不覚にもボロボロ泣けてしまいました。


え?

「窪塚君が死んじゃう~、長瀬の熱さに何か心が打たれる~~~」

で泣けたんじゃないですよ。



「え~(愕然)2000年のあの時代に若者がこのドラマに熱狂したの?
病んでるよなぁ。
怒ってるよなぁ。
いや、その病みすら「トレンド」みたいに扱われてなぁ。
何なんだよ、一体よぉ。
でも、みんな、自分なりの一生懸命で活きようとしてるなぁ。
えーっ、2000年にこれをやってたんだぁ。
あたしゃなんだか公私ともども毎日バタバタ忙しかったなぁ、テレビなんてろくに観てなかったなぁ、あの当時は。
そんな時期にこれなんだ。うわーぁ。(参ったな風)」


って思って泣けたの。


クドカンの脚本だからなんとか観てられるけど、これ相当に深刻だよねー。
「所詮ドラマ!」って言えないリアルさ。



印象に残ったのは、GBOYSの頭・タカシの、マコトに対する台詞。

「強いだけじゃ人はついてこないのよ~ん!」


いつも面倒臭いことを背負っちゃうマコトの十八番。

「あ゛ーっっ、面倒臭せーっ!!」



面倒臭いことを背負う役の人は、「俺について来い!」って言わなくても、結局誰かを「よっこらしょ」と背負って行くのよね。
で、独りに見えながらもいっつも誰かが関わってる感じでね。


人がついてくる人ってのは、一歩間違えると「支配者」とか「教祖」みたいになってっちゃうから気をつけないとマズイんだよね。

「正義」ってのが「俺についてくる仲間だけを守る」ってことの一点集中になってしまって、(自覚のない、悪気のない)潰し合いを吹っかけていく。

それが殴り合いのような暴力じゃなくて物静かで冷静そうであっても、蝕んで腐らせて潰すような何かをしていく。

「ことそのこと」に対する使命感も冷静な公平さなんてものもない。

単に自分の「支配欲」を満たしたいだけ。

だから「(人を背負う人じゃない)人がついてくる人とか人をはべらすだけの人は慎重に関わらないと。」って思う訳。


あの中でのタカシは支配者でも教祖でもないよね?
えーだって、欲望より怒りを抱えてるから。

父の十八番

2009年05月28日 21時04分20秒 | 父言集
♪帰ろかなぁ~
♪帰るのよそうかなぁ~



BY北島三郎



「あ~あ、田舎(静岡)を懐かしんじゃってさ~~。
早く垢抜けた都会人になりきっちゃえよ、親父さんよ。
そんなに帰りたきゃ帰っちゃえば?」


とか心の中で毒づきながら(時々口にしながら。笑)聴いてましたけど。



まぁでも知ってるんだ~。


「親父の反対押し切って横浜に出て来ちゃった俺、これで良かったのかどうなのか。」


そんなこと思いながら考えながら唄ってしみじみしてたんだぜ~。


なんかこっちまで「しみじみ」が伝わってきて泣けてくる感じがしてさ、こっぱずかしいから毒づきたくなるっていうかさ。怒りたくなるっていうかさ。(笑)