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サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

iPS細胞で世界はどうなるのか

2012-11-02 | 日記風
京都大学の現職教授である山中伸也さんが、iPS細胞の開発で、ノーベル賞を受賞した。京都大学では、ノーベル賞受賞はそれほど珍しくないのだが、それでも京都の町では山中教授の話でもちきりだ。まずは、おめでたい。が、本当におめでたいのだろうか。新聞やテレビでの取り上げ方を見ていると、ちょっと心配になる。

 山中教授が開発したiPS細胞を使って、あらゆる種類の体細胞が作れるようになると、病気で機能を失った細胞の代わりに新しいiPS細胞から作られた細胞で入れ替えて、病気を治すことができる可能性が開かれた。マスコミの騒いでいるのは、この可能性についてだ。森口某という東大の特任研究員が、マスコミの期待を背負って、みごとな詐欺師ぶりを働いたようだ。そういえば、東大からはまだ一人もノーベル賞受賞者がでていない。政府・文科省の顔ばかりを見てきた大学が、良い研究を育てられないのは、十分な理由がある。

 しかし、一方で気になるのは、iPS細胞で万能の病気治療ができるようになることが、そんなに良いことなのだろうか。その結果はどうなるのか。人々が病気で死ななくなった時に、どういうことが起こるだろうか。高齢化は極端に進み、若者は生まれてこなくなる。ロボットのような人間ばかりになり、やがて人類は消滅するだろう。iPS細胞で病気治療をしようとしている医学者は、そこまで考えているのだろうか。目の前の患者が助かるようにしたいという思いはよく分かるが、その結果を医学者は十分考えていない。医学界は、そこまで結果に責任を持って欲しい。戦争に勝利し、戦争を止めるために、原爆を開発した科学者たち。その結果を彼らは考えただろうか。山中教授のノーベル賞受賞の理由が、iPS細胞が病気の治療に道を開いたということであるなら、それは危険な方向かも知れない。まあ、ダイナマイトを作ったノーベルの賞なのだから、現在の悲惨な戦争の罪滅ぼしにもならない。山中教授の本当の業績は、病気治療ではなく、細胞の分化を制御する遺伝子の解明にあったのだが。

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