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ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

誰が地獄に堕ちるだろう

2007-01-08 | 政治
年末にイラクのフセイン大統領が死刑に処せられた。誰が大統領を死刑にしたのだろう。アメリカが死刑にしたがっていたかどうかはよくわからない。すぐにでも死刑を執行したがったのはマリキ首相などの傀儡政権だったという。

 フセイン大統領の処刑の様子が、処刑のすぐあとに世界中に公開された。処刑に立ち会った人が密かに写して一般に公開したという。しかし、秘密で写した割にはきわめて鮮明に処刑の様子が写されていた。政権が意識的に写させて一般に公開させたと思った方が自然だ。

 「地獄に堕ちろ」と叫ぶ政権幹部(シーア派)の声がはっきりと聞こえる。一方、フセイン大統領は「神は偉大なり」と叫んで、目隠しも拒否。逆に執行者たちが黒覆面で顔を隠すという不思議。

 イスラム教には罪を憎んで人を憎まずという気持ちはないのだろうか。観念して死刑台に上る人にこのような罵声を浴びせる人のこころの醜さ。イスラム教はそれを認めるのだろうか。

 米軍は処刑を警戒してフセイン大統領引き渡しを一度は拒んだという。しかし、マリキ首相からの強い要請で身柄を引き渡した直後に処刑がなされた。この処刑がフセイン大統領にイラクから亡命させられていたマリキ首相ら現傀儡政権の個人的な復讐の色合いが強かったことを示している。そしてこの処刑の様子は、個人的な復讐をシーア派とスンニ派の確執に理由をなすりつけようとしている傀儡政権の思惑が透けて見える。シーア派が処刑を本当に望んでいたかどうかはわからない。

 このニュースを聞いて、私は不覚にもイスラム教のことをよく知らなかったことに気が付いた。イスラム教に地獄はあったのだろうか?と。しかし、よく考えればイスラム教とキリスト教は兄弟みたいなもので、同じユダヤ教から派生した宗教なのだから、当然「天国」と「地獄」の観念はある。そもそも天国と地獄の観念がない宗教は非常に少ないのだろう。

 イスラム教では、人々は最後の審判を受けて天国と地獄の道をたどる。イスラムの地獄には8つあり、イスラム教徒が堕ちる地獄は「ジャハンナ」という。ジャハンナムは劫火が燃えさかる深い穴。しばしば奇怪な怪獣として描かれ、巨大な口を開けて罪人たちを飲み込んでいる。その底に生えているのがザック―ムの木で、悪魔の頭のような実が生っており罪人達はその実を腹が破れるまで食べさせられる。

 イラク戦争の大義名分が無いことがはっきりした今、フセイン大統領を処刑できるのは誰だろうか?地獄に堕ちるのは誰だろうか?世界法廷がブッシュを裁くことができるのはいつのことだろうか?