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サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

死の商人の手先と愛国

2011-09-09 | 政治
支持率が大幅に上がって、まずはめでたい野田民主党政権の誕生だが、やはりこの政党で気になるのは、前原政調会長の存在だ。民主党代表選挙の一次投票で、本人にとっては「まさかの敗北」。不本意だったのだろうが、反小沢で野田にまとまり、政調会長に納まったと思ったら、さっそく調子に乗ってやらかした。武器輸出三原則の見直しと、PKOにおける武器使用原則の緩和だ。しかも、アメリカへ行って英語で演説して、日本の安全をアメリカに売るような言動をする。天木直人さん(小泉政権のイラク戦争荷担に反対して解任された元レバノン大使)のブログでも、前原売国奴とののしられている。

 前原誠司という人は、小泉とよく似た性癖を持っている。アメリカに頭が上がらないところだ。アメリカが右と言えば右を向き、左と言えば左を向く。それが日本の国益だと思い込んでいる。外務大臣を外国人からの献金事件によって辞めた後も、沖縄へ出かけて裏工作を続けていた。もちろん普天間飛行場を辺野古に移転させるための工作だ。日米合意をなんとしても実現してアメリカに喜んでもらうのが日本の国益だと信じている前原だから、辺野古基地建設をなんとしても進めたいと思っているのだろう。裏工作とは、辺野古基地建設にあくまでも反対を貫いている名護市長を次の選挙で引きずり下ろし、辺野古基地建設に賛成する市長を実現することである。名護市長が反対する以上は、辺野古移転は一歩も進まないことを一番よく知っているのが外務大臣であった前原誠司その人だからだ。

 彼は、基地推進派の島袋前市長や地元建設業者らと何度も会って、外務大臣だったころに官房機密費を懐に、そのお金をこれら賛成派の選挙運動に貢いでいたという噂もある。なんとしてもアメリカさんに辺野古の基地を提供しなければ日本の国益にならないという思いが、前原氏にはあるらしい。彼の愛国心はどこで間違ったのだろうか。その彼が、民主党政権の政調会長になり、あらゆる法律案は、政調会で議論し、政調会長の承認が無ければ政府案も提出できないという強権を持とうとしているのだ。まさに小沢一郎の内閣一元化という理念を完全に葬り去って、自民党政権とまったく同じやり方を復活させ、そして自分がその権力を握ろうとしている。恐ろしいことだ。

 日本は、先の大戦を経て、二度と戦争をしない国になることを誓った。そのために、公権力が武器を取らないことを誓った。そして核兵器をもたず、つくらず、もちこませないという三原則を作った。さらに武器の売買で設ける死の商人になることを拒否して、武器輸出三原則を確立してきた。さらには、軍隊を持たず、自衛隊という武力も外国には派兵しないことにしていた。それを自公政権は、少しずつ経団連の死の商人になりたがっている人たちのために、規制を徐々に緩めてきた。それをアメリカも望んでいる。内政干渉とも言うべきアメリカからの政策要求が毎年日本政府に届いているが、郵政民営化もアメリカからの要請に基づいて行われた。武器輸出三原則の緩和も、PKOにおける武器使用原則の緩和も、みんなアメリカが陰に陽に圧力を加えてきた結果なのだ。それをもっとも従順に、そして積極的に動いているのが、自民党であり、民主党では前原誠司という男なのだ。売国奴とは、そういう人のための言葉ではないか。

どじょう内閣に期待しないこと

2011-09-03 | 政治
涼しさの北海道から、一気に九州へ南下した。台風12号が四国に上陸し、こちらも荒れている。北海道も大雨が降っているようだ。久しぶりの台風の上陸で、各地で大変な対応を迫られている。東日本大震災の復興がまだまだ見えない中、しかもフクシマ原発事故の影響が各地にこれから顕在化しようという中だから、台風対応も大変そうだ。佐賀県では、久しぶりの雨とかで、台風は恵みの雨をもたらしている。

 天災や人災に気を取られている間に、菅政権が終わって、野田新政権ができたようだ。ノーサイド政権とかいわれているが、いったい何のことだろうか。訳が分からない。全員野球とかノーサイドとか、どうして政治にスポーツ用語が使われるのか、私には分からない。政治とスポーツは違うだろう。

 小沢一郎を排除するかどうかが問題になっているらしいのだが、民主党に政権を取らせるに当たってもっとも功績があった政治家を排除して民主党政権が成り立つとも思えないのに、なぜ排除しようとするのか、これも訳が分からない。検察が小沢を貶めようとしたことは、元秘書の国会議員の裁判で早くも破綻を来している。検察はアメリカの意向を受けた政治家におもねるように小沢を引きずり下ろす計画だったようだが、いずれその企みは破綻を来す。政権交代の効果が徐々に裁判の判決に現れてきている。まだまだおかしな判決も多いが、少しずつ正義が復活しつつある。

 なにはともあれ、政権交代した民主党政権が、内輪もめしていては自民党や公明党に足を掬われるだけだろう。三党合意などは、まさに自公の思うつぼだ。小沢グループを排除して民主党政権が維持できるわけがない。なぜ、そんなことをしようと菅総理が考えたのか。前原や仙石に乗せられたのかもしれないが、ちょっと信じられない。自信過剰だったのだろうか。

 というわけで、野田政権の人事は、当たり前の結果だった。やっと人は揃ったといえるだろう。民主党政権のあらためての発足に、とりあえずは期待をしておこう。ただし、野田首相の公約だった「大連立」「大増税」は、なんとしても止めてもらいたい。「大連立」と「大増税」は、内閣で意見不一致のまま先延ばしを期待したい。興石東幹事長の手腕はまだよく分からないが、ぜひ民主党をマニフェストの実行へ引っ張っていって欲しい。野田首相の役割は、財務省官僚の思うような方向に内閣を引っ張るのではなく、内閣の意見調整に徹することだ。ゼイゼイとうるさい「どじょう内閣」には、風邪薬を調合したい。

 もう一つ、防衛大臣になった一川保夫議員が、辺野古問題をどう扱うか、日米合意をなんとしても進めようとする前原政調会長を押さえることができるかどうか、期待したい。

大連立なんて とんでもない

2011-08-16 | 政治
 民主党代表選挙が近々行われると言うことで、再び自民党公明党との大連立構想が首をもたげてきた。野田財務相が火をつけた格好になっているが、岡田や前原など代表経験者がここぞとばかり大連立を推進する発言を繰り返している。でも、自民党・公明党との連立というのは、原発推進に限らず、自公政権のこれまでの失政の責任を問わないと言うことを意味する。自民党は、幹部たちがぶつぶつ呟くように自民党にも反省すべきことがある、というようなことを言っているが、公式にはこれまで行ってきた原発推進、原発の安全神話を造ってきたことへの反省も懺悔もいっさい無い。誰一人責任を取ろうと言う政治家はいない。自民党はこれだけの原発災害を日本に負わせながら、いまだに原発推進の姿勢を変えようとしていないのだ。そのような自民党や公明党と連立を組むというのは、民主党も同じように何の反省もしていないことを自ら認めようと言うことなのだろう。

 東京電力はこれだけの人災を与えながら、会社は存続する。自公民の賛成で作った法律で、東電の賠償責任は国が代わって面倒見ることになった。つまりは、電気料金の値上げとわれわれからの税金で東電の賠償をカバーするという東電救済法だった。そんなことがどうして許されるのか。政権にも原発安全神話の責任があるのは当然だが、それを国民の税金や電気料金でまかなおうというのは、泥棒に追い銭だ。東電がぬくぬくと存続し、責任を取って止めたように見せかける幹部たちには巨額の退職金が支払われる。東電を逃がしてはならない。あらゆるところで東電の賠償責任を追及しなければならない。これから頻発してくる被曝者の健康被害、避難者の生活支援などでも東電が賠償しなければならないことは無限にある。原発を推進してきた東電には、無限の責任を負わせなければならない。

 自民党よ。公明党よ。そして民主党の腐った幹部たちよ。おまえたちの責任を明らかにし、責任をどう取るか、はっきりさせよ。政権につくことなど当分許されないと思って欲しい。責任をどうとったかをはっきり示してから、はじめて選挙に出てこい。そうでないと、福島原発事故で故郷を追われた人たちの無念はいつまでも晴れない。次の選挙では、自民党でも民主党でも公明党でもない、原発廃止を主張し続けてきた政党こそが国民の投票を受ける政党なのだ。

脱原発の菅首相を支持する

2011-07-14 | 政治
菅首相が脱原発社会を目指すとはっきりと記者会見で述べた。当然と言えば当然なのだが、「いまだに安全対策をすすめていく、原発は必要だ」とか、「原発なしでは日本の経済はなりたたない」などと、命よりもお金を大事にしようという人たちの発言が相次ぐ中で、首相の脱原発発言は、大いに評価したい。菅憎しの民主党内の人々や、原発政策を進めてきた自民・公明のA級戦犯が、いまだに原発は大事という姿勢を示しているのは、もうどうしようもない人々だと思う。読売、産経、日経などの新聞が、菅たたきをやっているのも、自分たちが原発安全神話を作り上げた責任を顧みない姿勢が批判されないように、ごまかしているのだろう。

 菅首相のいろいろな言動や、消費税増税、国民総背番号制など、おかしなことはいっぱいあるが、いまは、菅首相の姿勢を大きな声で支持したい。菅首相、辞職をなるべく先に延ばして、少しでも脱原発の路線を築いて欲しい。与謝野大臣のように表立って反対するものは、首にしてもいい。脱原発の具体的な工程を提示して、解散総選挙を行うべきだ。原発は是か非か、この一点で、選挙をしよう。コイズミの郵政選挙など、アメリカのための解散よりは、よっぽど大事で必要な選挙になるだろう。菅首相+福島みずほ副首相の組み合わせで新しい脱原発政府を作り、ドイツ、イタリアと脱原発新三国同盟を作ろう。

 子供たちや孫たちが生き残れるかどうか、日本が存続できるかどうかは、経済が落ち込むかどうかなどよりももっと重要なことなのだ。消費型経済が冷え込んでも、再分配をきちんとやれば、日本人は大事な命を守り、幸福な生活を送ることができる。私たちは、一部の金持ちとアメリカの金儲けのために、命を投げ出し、不幸になることを選択する日本人ではないはずだ。

海江田大臣は 九電のために働く?

2011-07-03 | 政治
海江田万里経済産業相が、佐賀県を訪れ、古川佐賀県知事に面会して、玄海原発の安全を宣告して原発の再稼働を承認するよう要請した。福島第一原発の事故が収束の見通しも見えない中で、玄海原発の再稼働を求めるとは、いったいいかなる了見なのだろうという、誰もが考える疑問はもちろんだが、それにもまして私が不思議でならないのは、いったい彼はどのような立場で行ったのかということだ。

 経済産業省が、安全性を二の次にしてこれまで原子力発電を推進してきたことは、よく分かっている。そしてそれが大きな批判を今浴びていると言うことも。私も上関原発の埋め立て工事を一時的に中断して環境アセスを見直すように、民主党議員の紹介で経済産業省にお願いに行ったことがある。しかし、民主党政権でも経済産業省の大臣も副大臣も、原発計画の変更などと言うことは、聞き置くだけという態度だった。まったく相手にしない。その経済産業省に原子力安全・保安院があり、そこが原発の安全性をチェックするということだった。

 経済産業省は、国の省庁である。その代表は国の閣僚である。その閣僚が、九州電力という一企業の事業である原発の再稼働を、知事に同意するようお願いに参上するというのは、どう考えてもおかしい。いったい、いつから海江田大臣は九州電力の社員になったのだろうか。なぜ国のお金を使って、九電のために出張しているのだろうか。佐賀県知事にお願いに上がるのは、九電の社長でなければならない。玄海原発の安全が保証されるかどうかは、原子力委員会か、原子力安全・保安院がチェックして言うことだ。それも九電の社長が出向いて、安全性を立証し、お墨付きをもらう。経済産業大臣が出向いて知事を説得するのは、国民の税金を使って九電の仕事をする、いわば背任行為にあたるのではないか。どう考えてもおかしい。それとも九電からお金を貰っていったのか。

 経済産業省から、まず原発のチェック機関を外へ出し、経済産業省の官僚の手によらない人選をしなければならない。福島第一原発の事故を反省したら、まずやることはこのことではないか。これができなければ、政府に原発の安全宣言など、やる資格もない。そうでないなら、経済産業省を無くしてしまうことだ。経済産業省は、経済を上向かせるという口実で、常に経済界の代弁をしてきた。国民のことを考えたことはない。こんな経済産業省はいらない。即刻解散し、せめて公務員の大幅削減に貢献すべきだ。

 さらに不思議なことがある。海江田大臣が佐賀県知事を原発再開に向けて説得したことに、どのメディアも一言もおかしいと言わなかったことである。こんな明白な越権行為、背任行為に、メディアはまったく鈍感だ。権力に飼い慣らされた記者クラブのメディアは、もう存在価値もない。

今はその時ではない

2011-05-29 | 政治
最近の政治には、何かおかしいと思えるものがある。参議院議長が公然と記者会見で菅首相の退陣を迫るというのは、良識の府の参議院議長としてとても許し難いものがある。小沢一郎氏の言動にも不審なものがある。菅首相のやり方に批判的であるのはわからないでもない。私も管首相に対して大いに不満もある。しかし、いま自民党が内閣不信任案を出そうとしているときに、それに賛同しようという動きには、不審の念を抱かざるを得ない。もし、衆議院で小沢派の議員の賛成で不信任案が可決したら、いったいどうなるか。解散総選挙をして、自民党政権が再びできることになる可能性が最も高い。小沢さんは自民党と連立しようとしているのだろうか。菅憎しだけで自民党と野合するのは、それこそ民主党のマニフェストを信じて投票した多くの民衆の意志を踏みにじるものになるだろう。マニフェストを見直すという菅首相よりももっと悪いことになる。

 菅首相が選挙公約を見直して、自民党と変わらない政策を打ち出そうとするのは、私も許せない思いだ。しかし、東日本大震災とフクシマ原発事故の収束に全力を注ぐべきときに、菅内閣を引きずり下ろすのは、あきらかに国民の意思に反している。ましてや、浜岡原発を停止させ、今後のエネルギー政策の見直しを明らかにした菅内閣に反対して自民党の不信任案を通すことは、これまでの安全神話に基づいた原発推進策を続けることでしかない。自民党に復活させては、第二、第三のフクシマ原発事故を招き、日本は崩壊してしまうだろう。不満は大きいだろうが、いまは菅内閣を支え、原発事故の収束と脱原発による新しいエネルギー政策の構築に全力を向けることが民主党員、および日本人のやるべきことである。菅首相を引きずり下ろすのは今ではない。

東電の手先 与謝野を罷免せよ

2011-05-20 | 政治
菅内閣の支持率がわずかながら上向いたという。おそらくこれは浜岡原発の全炉を停止するよう東電に要請したことが主な原因だろうと思う。他の原発を停止させないために機先を制して浜岡原発を止めたのだろうという思い込みを言うマスコミもあるが、私はやはり高く評価したい。さらに菅首相が踏み込んだのは、エネルギー計画の見直しだ。原発をこれから14基も新しく作り、プルサーマルを大半の原発で行い、高速増殖炉を動かし、六ヶ所村の核燃料再処理施設を軌道に乗せるという、これまで自民党・公明党が進めてきたエネルギー計画は大幅に見直さざるを得ないだろう。自民党の谷垣総裁さえも、これまで自民党が進めてきた核利用政策を反省する必要があると言っている。しっかり見直して、脱原発の施策を大きく前進させてもらいたい。菅首相にはいっぱいおかしなこともあったけど、フクシマ後の方向性はかなりいい線行っていると思う。

 とくに枝野官房長官は、頑張っていると思う。「もう寝ろ、枝野。目を覚ませ、管」などと言われて枝野官房長官の奮闘ぶりは有名だ。でも、それよりも、東電の責任転嫁を許さず、賠償責任を国に頼ろうとする姿勢を厳しく追及する姿勢を、私は評価したい。それに比べていまいましいのは、与謝野経済財政相の態度だ。自民党の総裁でさえ、反省の弁を垂れているのに、この男は「東電は頑張っている」「原発は必要だ」と反省の色もない。自分は自民党にいてずっと原発推進を言い続け、安全神話を広める役目もしてきた。その上のこの惨事なのに、何の反省もなく、いまだに原発推進姿勢を隠そうともしない。

 極めつけは「フクシマ事故は神の仕業」と言い、「東京電力には何の落ち度もない」と東電をあくまで庇う。いったい彼は東電の回し者なのか。東電の賠償金をできるだけ減らすことに一生懸命だ。これだけ一企業のために国民のことを顧みもしない大臣がいるということに、私は心底驚いている。今は、民主党政権なのだ。こんな自民党崩れで民主党とまったく相容れない人間が大臣をいつまでやっているのだろうか。菅首相はただちに与謝野経済財政相のクビを切るべきだ。許しておけない。与謝野大臣はトロイの木馬だ。そのまま大臣に置いておけば、かならず民主党政権に牙をむくだろう。東電のためなら、なんでもするだろう。東電に責任はないと言っているのだから、賠償責任も認めないのだろう。そうすれば、原発被災者への賠償は、結局電気を使う国民にすべてかかってくる。いや、電気を使おうと使うまいとすべての国民から消費税という形で搾り取ることになるだろう。

 何度でも言う。与謝野経済財政相はただちに罷免すべきである。民主党政権とは相容れない。菅内閣の支持率をもっと上げようと思うなら、与謝野をそのままにしていてはいけない。

上関原発、中止へ うれしいニュース

2011-05-19 | 政治
うれしいニュースが舞い込んだ。山口県上関町に建設予定の原子力発電所の建設に先立って、中国電力は長島田ノ浦の海を埋め立てる工事を進めようとしていた。それを、田ノ浦の対岸にある祝島のおじいやおばあが体を張って阻止してきたことはこのブログでもたびたび書いてきた。中国電力は今年2月21日に、800人にものぼる社員と警備員で2-30人の反対派の人たちを囲い込んで、工事を強行しようとした。警備員に押さえ込まれ失神して救急病院に運ばれたおばあさんも出た。そんな中で、福島第一原発の事故が起こった。

 さすがに山口県は、これ以上工事を進めさせるわけにはいかないと、工事の一時中断を申し入れ、中国電力も様子見をするために、一時中断を受け入れた。しかし、それでも中国電力は、上関原発の建設は止めないと工事を続ける姿勢を明らかにしてきた。そして、埋め立て工事は中断したものの、陸上での地質調査のボーリングは、福島の事態が続いている間も止める気配はなかった。

 しかし、今日の毎日新聞のニュースでは、山口県二井関成知事が原発容認から反対へと大きく姿勢を転換したと報じている。来年10月に切れる埋め立て工事免許を延長しないと表明した。埋め立て免許は着工後3年以内に工事を終えなければならないことになっている。免許は2年前に知事が原発建設のためにむりやり認めた。しかし、それから1年間、中国電力は反対派の阻止行動に遭って工事を進めることができなかった。祝島の漁協が賠償金11億円の受け取りをあくまで拒んだということもあり、強行すれば反対派の思うつぼだと思ったのかもしれない。工事の着工は1年後の一昨年10月だった。着工から3年は、来年の10月になる。それまでに埋め立て工事を続行することは、この情勢では難しいだろう。知事の延長を認めないという言葉は、実質的な埋め立て免許の取り下げを意味する。中断だった上関原発建設計画が、どうやら本当に中止に向かう可能性が大きくなった。こんなうれしいニュースはない。

 チェルノブイリ事故のあと、当時のヨーロッパ、ロシアなどでは、明らかに原発計画への人々の視線が変わった。チェルノブイリ前とチェルノブイリ後という言葉ができたほどだ。オーストリアでは、原発建設の禁止を憲法に明記した。原発先進国のアメリカでさえ、それ以後の原発建設は大幅に減少した。日本だけが、アメリカに押しつけられた原発を作り続け、さらにはベトナムや中国などへ原発を売ろうとまでしていた。そして、ヒロシマとナガサキに続いて、フクシマが日本を襲った。

 事故直後の世論調査では、それでも原発は必要だと考える人が半分以上いた。いったい何を考えているんだろう、日本人は、と哀しくなったものだ。しかし、原発問題を隠し続けていたマスコミも、フクシマの事故を報道しないわけにはいかなくなった。人々も少しずつ理解し始めたようだ。4月10日の東京高円寺の反原発デモには、主催者が驚いたほどの15000人が集まった。大阪でも4500人が集まりデモをした。4月26日のヒロシマでのデモでは、1000人が「原発無くして暮らしたい」と歩いた。各地でデモが続き、少しずつ多くの人が集まるようになってきている。

 そして、6月11日。日本全体で脱原発を要求する大集会とデモが各地で開かれる。100万人の反原発集会が、現実になるかもしれない。現実になれば、為政者も原発をこれ以上作り続けることはもちろん、今の原発を減らし、脱原発の日本を造る道を選ぶかもしれない。それにはとにかく一人でも多くの人が脱原発の意志を見せることだ。世論というのは、多数の意見を見ているものが多い。しっかりした意志を持った意見が30%を超えたら、一気に多勢がそちらに動く。デモに言っても署名をしても何も変わらないと嘆くなかれ。千里の道も一歩からなのだ。さあ、みんなで6月11日は近くの脱原発集会へ行こう。

電気料金値上げは許さない

2011-05-06 | 政治
福島第一原子力発電所の事故の補償額を判定する審議会に、東京電力が補償額に上限を設けるように申し入れたという。許しがたい行為と言わざるを得ない。また、東電が補償金を払うために、電気料金を大幅に値上げする計画をしているとか。政府もそれを認可するタイミングを計っているという。なんということだろう。原発は安全と言い続け、安全対策を値切り続けた結果起こった事故なのに、そのツケを消費者に回そうというのだ。冗談じゃない。政府も、東電が株式会社として存立できるようにと、この値上げを認めようとしている。消費者は東電がつぶれてもかまわない。いや、こんな事故を起こした以上、東電はつぶれて当たり前だ。債務超過でつぶれたら、役員たちの財産を差し押さえ、最後まで補償金を支払わせ、それでも支払えない場合は、いったん国営化して、いくつかの会社に東電のシェアを譲り、自由化すれば良い。そうすれば、原発で電気を造ろうとする会社と自然エネルギーで電気を作る会社が分かれ、消費者が電気を選ぶことができるようになる。スエーデンなどすでに行っていることだ。かの国の人に聞いたら、なぜ電気を選ぶことができないのか、不思議だといっている。映画「ミツバチの羽音と地球の回転」の中で紹介されている。

 民主党政府に、原発事故の責任の一端があるという菅総理のいうのは、たしかにその通りである。民主党政権は、それまでの自民党や自公政権がとってきた原発推進政策を継続したのだから。しかし、あくまで原発を造ったのは電力会社であり、政府は監督者の立場である。賠償責任は第一義的に東京電力が支払うべきである。会社がつぶれても、東電は支払わねばならない。それを値上げでまかなうなんて、考えるべきではない。どのような値上げの正当な理由もありえない。それを政府が、会社を存続させるためと言って認めるようなら、政府をわれわれは認めない。与謝野大臣などは、東電を潰さないために、政府がしっかり肩代わりすべきだと言い、原発推進は変えるべきではないと言った。これだけ世界に迷惑をかけた上でも、まだ原発推進などと言う人間が政府の中枢に座っているというのは、もはや言語道断ではないか。経済界の国民の命よりも金儲けという姿勢をみごとに代表して発言している。彼はまだ完全に自民党の意識のままなのだ。菅首相はただちに与謝野の首を切るべきではないか。

 数年前、東電がデータの改ざんがばれて、すべての原発を停止したときがあった。それでも停電することもなく夏を超えた。節電して、東電もそのつもりになれば原発はなくても電力は十分ある。計画停電は、東電の脅しでしかなかった。原発推進派の政治家や財界は、頭を冷やして欲しい。国民の命よりも金儲けが大事か。自民党の推進派が、脱原発に反対するために、活動を始めたという。こんなときに良くそんなことが言えるなあと思ったが、財界が応援しているから、彼らはそんなことを言えるのだろう。また、原発がなくなると生活ができなくなるとマインドコントロールされている人々が半分くらいいるというマスコミの世論調査をみると、マスコミの世論操作も罪深い。マスコミは電力会社のCMを一切断ることなしに、原発問題を云々する資格は無い。

なぜリビア侵略を支持するのか

2011-03-23 | 政治
日本中が地震と津波と原発の事故で右往左往している最中に、まるで火事場泥棒のごとき侵略が行われていた。フランスとイギリスが主導し、アメリカが全面的な支援をしたリビアへの軍事行動だ。英仏米は、この軍事行動を「リビアの国民を独裁者からの虐殺から守るため」という理由をつけて人道的な行為と正当化しているが、それがウソで固められたものであることは、ガザにおけるイスラエルの反人道的な行為(市民への爆撃や狙撃)に対して、これらの国はイスラエルを支持し続けたことを見るだけで、簡単に分かってしまう。

 ベネズエラのチャベス大統領がいみじくも言ったように、「英仏米はリビアの人民に何の関心もない。あるのはリビアの石油利権だけ」なのだ。アメリカは及び腰だが、その理由はイラクでもアフガンでも泥沼化したアメリカ軍の戦争維持だけでも手がいっぱいなのにという理由に過ぎない。リビアの石油はのどから手が出るほど欲しい。

 しかし、英仏米の多国籍軍が頼みにしたアラブ連合の参加や、イタリア、北欧などの参加はどうやら躓きつつある。アラブ連合は攻撃に参加する戦闘機を引き返させた。イタリアもスエーデンも出撃した戦闘機や爆撃機はリビア攻撃に参加しないまま、自国に引き揚げた。アメリカもできるだけ早く逃げ出したい。リビアの石油利権を欲しいフランスがどこまでこれら消極的な国を率いて多国籍軍を維持できるのだろうか。

 ここでもっとも腹立たしいのは、日本の民主政権がいち早く多国籍軍の軍事侵攻を支持すると表明したことだ。まるでイラクへ侵攻した米英軍を即日支持すると表明したコイズミアメリカのポチ首相と同じような反応が、民主党政権から出てくるとは思わなかった。でも冷静に考えれば、昨今の菅政権の自民党化、アメリカべったり化を見ていると、コイズミ路線の継続者は、麻生でも安部でもなく、菅直人であることが分かる。そうみると、菅政権がいち早く軍事侵略の支持を表明したのも、むべなるかなである。

 地震と津波と原発事故の対応に手一杯のはずの菅政権が、なぜいち早く支持を表明できたか。それは外務官僚がアメリカの動きを常に追い、アメリカが何を望んでいるかを常に把握することを最大の仕事と思っているからだ。アメリカに忠誠を尽くす外務官僚にとっては、地震も津波も原発事故もアメリカとの関係でしか見えないのだろう。そして、その官僚にすべて依存することで自らのクビを長らえることにした管直人にとっては、外交を官僚に任せてコイズミと同じ道を歩むことに何の痛痒も感じない。そして、日本は壊れ、人々は見捨てられていく。