日常の些事にかまけていると、いつのまにか文月になってしまった。今年も半分が過ぎ去ったことになる。光陰矢のごとし。梅雨も盛りで、毎日のように雨が降る。長らく北海道に住んでいたので、この梅雨の気分にはまだ慣れてこない。特に最近はかなり強い雨が降るようになったように感じる。昔もそのような集中豪雨が時々観察されたが、梅雨明け前の一時的なものだった。豪雨と雷があるとまもなく梅雨が明けると予想できた。いまや集中豪雨は梅雨の間ずっとだし、ひょっとすると季節さえも問わなくなったような気がする。
鹿児島県と宮崎県は今日、集中豪雨下にあるようだ。口蹄疫で25万頭以上の牛や豚を殺処分したあと、豪雨が襲ってきた。両県の人たちにはご愁傷様としか言いようがない。日本で畜産を奨励し、農業の構造を変えたのは戦後のアメリカ文化の導入以来であり、それまで日本人はよほどのお祝いでもなければ肉は食べなかった。その食文化が日本人を育ててきたのだ。口蹄疫のこの不幸な流行は日本での農業のあり方を再考する礎にして欲しいものだ。大量に家畜を飼育することの不自然さと不健康さ。いずれ殺されて肉にされる家畜といえども、生きて生活をしている動物なのだから、過密に飼われての不自然な生活にはストレスもかかるし、病気にもなる。
上関原発の建設に反対している祝島の人たちは、原発に頼らずに自然と共に生きる一次産業で生活をしていこうと決意している。漁業でも魚を獲りすぎないように、一本釣りを主な手段として鯛などを釣ってきた。無農薬のびわとびわ茶の栽培、島で出てきた野菜屑などの有機廃棄物を餌として家畜小屋に囲わないで養豚を行うなど、自然を壊さず、自然と生きる道を探してきた。中国電力の社員は、そんな彼らに「一次産業だけで食っていけると思うのか」と侮蔑の言葉を投げかけた。そんな社員が住む社会は、経済効率だけを推し進め、牛や豚を生き物ではなく肉を生産する機械としか考えていない社会だろう。口蹄疫はそんな社会への自然の報復である。
そんな上関の原発建設現場では、先週から緊迫した空気が流れている。島根原発での1000カ所を超える点検修理漏れへの対応で忙しく、上関原発建設予定地の長島田ノ浦の埋め立て工事も、しばらく様子見だったが、大型台船を工事現場に動かし昨年の台風で壊れたブイを新しいものに交換している。祝島の漁師は船をだして台船を取り囲み、応援のシーカヤックの若者たちもその列に加わっている。中国電力も今のところ口で妨害行為を止めろと言うばかりで無理に工事を始めようとはしていないが、工事を阻止しようとする住民を裁判所に訴えて、妨害行為一日あたり一人950万円を支払えという地裁のまったく不当な決定を背景に、妨害行為をやらせて損害賠償額をふくらませ、住民たちに工事の阻止をあきらめさせようという作戦と考えられる。
まだ原子炉の設置許可さえ出ていないのに、埋め立てを強行しようとしている背景には、経済産業省はかならず許可を出すだろうという予測があるのだろう。民主党政権は、自民党時代とまったく変わらず、いやさらに原発推進を掲げている。その大きな理由は、東芝・日立というような原発利権と結びついた経団連の意向があり、経済成長を原発に頼ろうという菅政権の思惑もある。さらに、民主党の大きな支持団体の連合の重鎮である電力労組が、経営者側とまったく一体となった原発推進を強く望んでいるという事情もある。民主党は祝島の人たちから、もっと日本人の生き様を学んで、これからの日本の道を見つけて欲しいものだ。
鹿児島県と宮崎県は今日、集中豪雨下にあるようだ。口蹄疫で25万頭以上の牛や豚を殺処分したあと、豪雨が襲ってきた。両県の人たちにはご愁傷様としか言いようがない。日本で畜産を奨励し、農業の構造を変えたのは戦後のアメリカ文化の導入以来であり、それまで日本人はよほどのお祝いでもなければ肉は食べなかった。その食文化が日本人を育ててきたのだ。口蹄疫のこの不幸な流行は日本での農業のあり方を再考する礎にして欲しいものだ。大量に家畜を飼育することの不自然さと不健康さ。いずれ殺されて肉にされる家畜といえども、生きて生活をしている動物なのだから、過密に飼われての不自然な生活にはストレスもかかるし、病気にもなる。
上関原発の建設に反対している祝島の人たちは、原発に頼らずに自然と共に生きる一次産業で生活をしていこうと決意している。漁業でも魚を獲りすぎないように、一本釣りを主な手段として鯛などを釣ってきた。無農薬のびわとびわ茶の栽培、島で出てきた野菜屑などの有機廃棄物を餌として家畜小屋に囲わないで養豚を行うなど、自然を壊さず、自然と生きる道を探してきた。中国電力の社員は、そんな彼らに「一次産業だけで食っていけると思うのか」と侮蔑の言葉を投げかけた。そんな社員が住む社会は、経済効率だけを推し進め、牛や豚を生き物ではなく肉を生産する機械としか考えていない社会だろう。口蹄疫はそんな社会への自然の報復である。
そんな上関の原発建設現場では、先週から緊迫した空気が流れている。島根原発での1000カ所を超える点検修理漏れへの対応で忙しく、上関原発建設予定地の長島田ノ浦の埋め立て工事も、しばらく様子見だったが、大型台船を工事現場に動かし昨年の台風で壊れたブイを新しいものに交換している。祝島の漁師は船をだして台船を取り囲み、応援のシーカヤックの若者たちもその列に加わっている。中国電力も今のところ口で妨害行為を止めろと言うばかりで無理に工事を始めようとはしていないが、工事を阻止しようとする住民を裁判所に訴えて、妨害行為一日あたり一人950万円を支払えという地裁のまったく不当な決定を背景に、妨害行為をやらせて損害賠償額をふくらませ、住民たちに工事の阻止をあきらめさせようという作戦と考えられる。
まだ原子炉の設置許可さえ出ていないのに、埋め立てを強行しようとしている背景には、経済産業省はかならず許可を出すだろうという予測があるのだろう。民主党政権は、自民党時代とまったく変わらず、いやさらに原発推進を掲げている。その大きな理由は、東芝・日立というような原発利権と結びついた経団連の意向があり、経済成長を原発に頼ろうという菅政権の思惑もある。さらに、民主党の大きな支持団体の連合の重鎮である電力労組が、経営者側とまったく一体となった原発推進を強く望んでいるという事情もある。民主党は祝島の人たちから、もっと日本人の生き様を学んで、これからの日本の道を見つけて欲しいものだ。