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ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

不思議な日本人

2011-04-19 | 環境
やはりどこかおかしい、日本は。日本人は。ひょっとしたらチェルノブイリを超えるほどの原発災害を引き起こしていながら、会社の存続を第一に考える東京電力。そしてそれを一体だと言って支える日本政府。原発の現状を維持すべきだという人がこの現在でも50%を超えるという不思議。もうこの国の存在そのものが不思議としか言いようがない。福島原発の事故をあと3ヶ月で終息させるという工程表を出した東京電力の言い分に何もおかしいと言わないマスメディア。溶融している燃料を取り出す方法さえわからない東京電力に、3ヶ月や6ヶ月でこの事故を終息させることなどできるわけがないのは、もはや自明だろう。それでも政府は東電と一緒になって、3ヶ月か4ヶ月したら、放射能のレベルが減少したとか言って終息宣言をだそうとするだろう。それでも放射能物質の流出は、5年も10年も続く。あのチェルノブイリの原子炉もいまだに放射能物質を出し続け、周辺の土地には人が住めない状態が続いているのだ。あれから25年もたっているというのに。

 「がんばろう!ニッポン」「われわれは一つ」などというスローガンは、原発を推進してきた電力会社や自公政権、そしてその利権構造をそのまま受け継ごうとしてきた民主党政権の責任を国民全部で負いましょうというごまかしのスローガンでしかない。ましてや復興財源と称して消費税の増税を企むなど許せない。国債発行してもその財源を東電の尻ぬぐいに使うことは絶対に許せない。東電が支払えないなら、原発は安全と言い続けてきた全電力会社が共同で支払うべきだ。それでも足りない場合は、原発利権で懐を暖めてきた自民党の議員たちが支払うべきだ。国民からとろうなんて、絶対に許せない。

 脱原発のデモに向かって「俺たちの生活は原発で支えられているんだ!原発がなかったら生活できないぞ」と叫んだ男がいた。同じような言葉が多くのマスメディアから聞こえてくる。これまでの電気の使い放題生活をそのまま維持しようという発想しかできない人は、ぜひとも福島原発に行って、原子炉の中に入ってみて欲しい。そこにあなたが執着する電気まみれの生活の本質がある。日本はいま、核の被害者の立場から明らかに加害者の立場になっている。それもまだいつまで加害し続けるのかさえ、わからない。いますぐあらゆる核開発を止めるべきである。原子力の平和利用と称しているが、原発は核開発そのものでしかない。実際、日本政府はアメリカと一緒になってイランや北朝鮮の原発建設を核開発と言ってきた。自分がやれば平和利用で、敵対国が行えば核開発と言う。二枚舌で核を扱うべきではない。核はいまだに人間が制御できないエネルギーのままだ。技術を過信してはいけない。いますぐ核開発を止めよう。すべての原発を廃炉に。原発の電気を使わない生活をしよう。


今頃気がついた16人の原子力科学者

2011-04-04 | 環境
4月馬鹿という言葉がある。4月1日は何を言っても許される日と思ってか、本当に馬鹿な人たちが16人も集団で、4月馬鹿を実践した。元原子力安全委員長(佐藤一男、松浦祥次郎)や、元原子力学会会長(斉藤伸三、住田健二、田中俊一、成合英樹)、東芝で原発を造っていてその功績で東京大学の特任教授に招かれた諸葛宗男など、これまでに原子力発電を積極的に推進してきた学者・技術者たちが、こともあろうに4月1日に、これまで自分たちが原発を安全だと言って推進してきたこと、そして今回のような事故の対策を考えてこなかったことを謝罪する声明を出したのだ。

 謝れば済む問題ではないと彼ら自身が語っているが、そのとおりだ。それにしても、原発がこのような事故を起こしたときの対応を何も考えていなかったというのには、本当に驚いた。東電、経済産業省、原子力安全・保安院、原子力安全委員会、そして原子力学会のお偉方がこれまで口をそろえて「原発は安全」「地震があっても大丈夫」と言っていたのは、彼らにその予測能力が無かったからだった。けっして彼らはウソを言っていたわけでは無かったのだ。すべて「想定外」だった。つまり、彼らの予測能力はほとんど無能としかいいようのないレベルだったのだ。「ただちに健康には影響が無いレベル」だ(笑)。

 ようやく彼らは自分たちの無能力に気がついて、正直に言うことにしたらしい。原発は安全だから事故が起こったときにどうするかなどは考えもしなかったということを正直に言った。それにしても腹が立つ。今更何を、と被害者たちは言うだろう。さらにもっと腹が立つのは、彼らの声明は謝罪のところはほんのわずかで、大部分は日本のあらゆる専門家の知恵を結集して、事故の収拾にあたるべきだといっていること。つまり、この期に及んでなお、政府に自分たち専門家を使って事態収拾にあたらせろと言っているのだ。まあ、知らんぷりを決め込むよりは許せるかもしれないが、やはり私には彼らのそういう言い方を許せない。俺たちが出て行かないとどうにもならないぞ、と暗に自慢たらしく言っている。俺たち専門家をもっと重用しろと。本当に自分たちが悪かったと認めるならば、だまって引っ込んでいて欲しい。できることは家屋敷財産を売り払って被害者救援に寄付をし、自分は頭を丸めて世間に顔出しをしないことだ。

 日本政府は東京電力を国有化しようとしているらしい。でも今国有化をすることは、償いきれない罪を犯した東京電力を救うことにしかならない。東京電力はこの原発震災で健康被害と財産損害を被ったあらゆる補償をしなければならない。その額は10兆円を超えると言われている。とても東電が払いきれないだろうから政府が国有化して肩代わりするということらしいが、それは許されない。水俣病を引き起こした(株)チッソの例もある。会長、社長を筆頭にあらゆる役員、社員がすべての財産、家屋敷を売り払ってでも賠償をしなければならない。国民から消費税の値上げで原発震災の被害を補償しようなどと思ってはならない。東電の社員は死ぬまで補償するために働かせなければならない。そうしてはじめて電力会社が原発を建設する本当のコストを理解することになるだろう。それでも電力会社の社長さん。原発を造りたいですか。

 このブログでも時々紹介していた上関原発建設のための埋め立て工事は、祝島の人たちの30年間の強い意志による反対行動で、進んでいなかった。しかし、2月21日から中国電力は500人以上の警備員を動員し、海上保安庁に守られながら埋め立て工事を強行しようとした。毎日のように平均年齢70歳という島のおじい、おばあの身体を張った反対をついて埋立が進みつつあったその時のこの原発震災。山口県は工事を慎重に進めるように求めた(中止を求めたわけではなかった)。中国電力は埋め立て工事の一時中断を表明したが、山下中国電力社長は「原発建設は推進する」と述べた。これだけの原発震災事故があっても、原発推進するというのは、やはり国からもらえる多額の補助金でいかに電力会社が潤っているかを証明している。電源立地法などの電気事業三法の根本的な見直しが必要だ。

 ドイツでは、原発推進を掲げていた与党が見直しをいったにもかかわらず、地方選挙で負け続けている。世界各国が原発廃止に向けて動き始めた。日本はどうするのだろう。原発推進をかかげて原発利権構造に乗ろうとした民主党は、選挙を戦えるのか。原発を全面的に廃止せよと主張してきたのは、唯一、社民党だけだった。社民党の票がどれだけ伸びるか、私たちは注目している。




あとは時間の問題なのか!

2011-03-16 | 環境
いやあ、あきれてものも言えない。菅首相が東電本社に出かけて怒鳴り挙げたが、その内容を知って驚いた。東電では、福島原発の事故はもう手に負えないから、あとは国に任せようという「東電撤退論」がでたというのだ。東電はいったい何を考えているのか。菅首相ならずとも怒るよ!

 事態は深刻な様相を呈している。第一原発の定期点検中の原子炉も含めた6基中5基でメルトダウンが起こっているようだ。もう炉心の爆発を止める手段は無くなったという。あとはどのくらい遅らせることができるかだけだという。現場で対応している自衛官からのメールでは、以下のような恐ろしい事態を知らせている。

以下、転送:
フリーライターの島田健弘さんが、被災地入りしている自衛官と携帯メールでやり取りした中で、福島第一原発は14日からメルトダウンが始まっており、爆発を遅らせることしかできないとの書き込みあったことを知らせてくれました。なるべく多くに知らせて欲しいということなので、転送いたします。ちなみに、福島第一原発の燃料は、使用済み燃料を含めるとチェルノブイリの5~6倍あり、しかも3号機はプルトニウムなので爆発するとかなり大変なことになります。

ちなみに私は月曜日に既に、子どもを岡山に送っております。
それぞれ冷静に判断していただければと思います。

<転送ここから>
(私=島田健弘さんです)
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3/14 20:10
(私)救助活動中か。原発はどうなってる?
(自衛官) 逃げろ。出来るなら今すぐに。

3/14 22:28
(自衛官)嫁さんだけでも西日本に避難させとけ。逃げ遅れた被災者は悲惨だぞ。

3/15 1:30
(私)メルトダウンするってこと?スマン。もう少しくわしくきけるか?いま被災地?
(自衛官)メルトダウンは昨日からしてる。化学防護の部隊が踏み留まって頑張ってるが、爆発を遅らせることしかできないらしい。もう現場の一人は死んでるという噂。被災地は酷い。死体だらけで酷い匂いだ。2日寝てないのでもう眠らせてくれ。とっとと避難しとけ。
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東電と政府は、できるだけ知らせる情報を減らそうとしているように見える。東電は都合の悪い情報は隠し続けようとする。一号炉の水素爆発の時に4人負傷したと発表があったが、一人死んでいるという情報もある。でもそれは隠蔽されたという。あと頼れるのは自衛隊の化学防護隊と米軍の核戦争対処班くらいだろうが、それも爆発を防ぐことはできないだろう。遅かれ早かれ日本列島は地獄になる。原発を推進してきた「天罰」だろう。

東電さん 私たちを救って下さい

2011-03-13 | 環境
ついに福島原発は第一も第二もメルトダウンの状態に陥っているようだ。チェルノブイリの大事故でも原発から30km以内の人たちを避難させた。福島原発では早くも20km範囲の住民を強制避難させている。深刻な事態になっていることを政府も認めざるを得ない状況だ。第一原発1号炉では、水素爆発が起こり、大量の放射能をばらまいた。住民が100人以上被曝した。官房長官は、健康に被害を及ぼさない放射能だと、アホなことを言っているが、そんな放射能はありえない。ヒロシマ長崎の原爆で、日本人ならみんなよく知っている。

 第一原発の3号炉も1号炉と同じようなトラブルになっている。いつ水素爆発が起こってもおかしくない。原子炉格納容器が爆発しなければ大丈夫みたいなことを官房長官は言っているが、そんなことはない。爆発を防ぐために、放射能を含むガスを外へ逃がし続けている。3号炉では、そのガスを逃がす弁がうまく動かず、格納容器そのものが爆発する危険も大きくなっている。そうなるとチェルノブイリの大事故に匹敵する悲惨な事態がうまれる。

 東電の人たちよ。体を張って事故を防いで下さい。安全だとあれほど言っていた原発です。あれほど作りたがった原発です。地震があっても安全だと言っていた原発です。事故を起こし、放射能をまき散らす事態だけは避けて下さい。身をもって防いで下さい。お願いします。下請けの労働者を危険な作業にさらさないで、東電の社員が、社長を先頭に、原発の建屋に入って、身をもって日本国民を救って下さい。そうしたら、私たちはあなたたちの献身的な努力を称えます。あの人たちのおかげで私たちは助かった。もう二度と原発に頼ったりしない生活をしようと。そう、東電の社員たちのお墓の前で誓いましょう。

福島原発 大量の放射能を放出開始

2011-03-12 | 環境
福島原発は地震により損傷し、緊急停止したものの緊急冷却装置のすべてが働かず、第一原発の1号炉では、原子炉の圧力が高まり、爆発の危険性が高まってきた。冷却水も通常の最大60℃という限度を超え、冷却水の温度が100℃を超えて沸騰し始めているようだ。

 そのため、経済産業相は原子炉の空気を逃がすことを命令した。これにより大量の放射能が大気中に放出されることになり、日本列島が放射能に汚染され始めることになる。このことを予想して、政府は半径10kmの範囲の住民を避難させることを決定し避難を強制している。
 また、第二原発でも同じことが起こっており、冷却水の急速な蒸発で燃料棒が露出する危険性も現実のものになってきた。これで、日本の経済回復もなにもかもすべておじゃんになりそうだ。原発を建設して経済発展などと経済界のあほどもに踊らされた自民党や民主党の政治家の責任は大きい。

原発を地震列島の日本に作ることの愚かさを政府は肝に銘じてほしい。

福島原発がメルトダウンのおそれ

2011-03-11 | 環境
緊急!

福島の第一・第二原発が緊急冷却装置がすべて使えなくなったらしい。冷却水の水位が低下しつつあり、燃料棒が露出しつつあるらしい。メルトダウンが起こりそうだ。福島の人はすぐにも避難した方が良い。政府も原子力非常事態を宣言している。東京電力も会社始まって以来初めての緊急事態体制を取っている。IAEAも緊急モニタリング体制を取った。なのに、テレビもあまり緊急性を持って報道しない。

これは怖い。チェルノブイリ級の事故が起こりそうだ。

原発は直ちにすべて止めてほしい。

上関・諫早・辺野古の海を守る講演会・写真展

2011-01-25 | 環境
今月30日に京都市で「海の生き物を守る会」という団体が、上関・諫早・辺野古の海を守ろうと講演会と写真展を開く。是非見に、聞きに行って欲しい。
以下、海の生き物を守る会のホームページから

いま、日本の海でもっとも守ってほしいホットスポットと言うべき海が、開発の危機に直面しています。その矛盾が突出している代表的な三つの海域について、そこにどのような海の生き物たちが棲んでいるのか、そこでどのようなことが起こっているのか、どうすれば海の生き物を守っていけるのか、などについて、現地で活動しているキーパーソンたちに現状をお話ししていただきます。講演内容は、
13:40~14:20 瀬戸内海の最後の楽園「長島」 高島美登里
14:20~15:00 諫早湾の干潟復活の意義 佐藤正典
15:00~15:20 休憩
15:20~16:00 辺野古・大浦湾の自然 安部真理子
です。
日にち:2011年1月30日(日)
時間 写真展:10:30~16:20 講演会:13:30~16:10
場所:京都府立総合社会福祉会館(ハートピア京都)
京都駅から地下鉄烏丸線丸太町駅から地下直通
参加費:無料
お問い合わせ:hiromuk@mtf.biglobe.ne.jp  向井まで

心と体を癒しに 熱帯雨林とガムラン音楽

2010-10-02 | 環境
先日、「森里海連環学と地球環境」というシンポジウムを聞きに行った。一般市民を対象にしたシンポジウムであったが、それほど多く集まらなかった聴衆の中で、一般市民らしき人は数えるほどで、大部分が研究者か学生であったような気がする。でも、まあまあ面白い話が多かったように思う。その中でとくに面白い話を聞いた。高周波がうつ病やガンに効くという。

 インドネシアの熱帯雨林が先進国の需要で伐採され、熱帯雨林の減少が続いている。そんな数少なくなったインドネシアの熱帯雨林の中で、環境の音を収録して解析すると、50キロヘルツ以上の高周波が波を打つように記録されるらしい。同じように日本の田舎や都会で環境音を収録して解析すると、ほとんどの音が30キロヘルツ以下の低周波だけしかないのだそうだ。50キロヘルツ以上の高周波の部分はまったく音が記録されないという。この高周波の波のような音は、熱帯雨林のみで記録されるらしい。

 さらに面白いのは、インドネシアの民族楽器として有名なガムランの音には、その高周波の音が含まれているらしい。インドネシアの環境にある特別な音が、インドネシアの民族楽器に反映されているというのは、きわめて興味深い。ちなみに、西洋音楽の楽器にはどの楽器の音にもこれらの高周波音は無いという。日本の民族楽器の尺八には、それでも多少とも高周波が含まれているらしいが、それでもせいぜい50キロヘルツ程度なのだ。

 この自然の中の高周波を出す音源は一体何だろうか。はっきりとは確認されていないが、どうやら熱帯雨林に棲む多様な昆虫が出す音ではないかという。熱帯雨林の生物多様性が極めて高いことはよく知られているが、それが音にも現れているのだという。興味深いのは、この高周波を含む音を聞くと、心も体も癒され、うつ病やストレスが軽減されるだけでなく、ガンのような病気も治るのだという。近年、癒しの音楽として流行っていたアルファ波は、この原理を応用したものらしいが、残念ながらアルファ波の音楽として市販されているのは、それほどの高周波を含んでいないらしい。せいぜい、日本の田舎で記録できるていどの周波数らしい。なぜなら、熱帯雨林の環境音を普通のCD再生機で聞いても、50キロヘルツ以上の高周波は再生できないからだ。その高周波を聞くためには、特別仕様の音の再生装置が必要らしい。現在では特殊な研究用にしか無いという。

 熱帯雨林の環境音をそのまま聞くのは、熱帯雨林に出かけて聞くしかないのだ。近い音がガムランの音楽にある。ガムランの民族音楽を聴くと、熱帯雨林と同じように、心と体の癒しが得られるという。うつ病もガンも良くなるなら、ぜひとも聞かせたい人がいる。明日、京都の法然院でガムラン音楽と舞踊の夕べが開かれると言うことを聞きつけてきた。心を静めにストレスでずたずたになりそうな心を癒しに、明日はガムランの音を聞きに行こう。

狂った夏 サンナシ小屋で

2010-09-18 | 環境
狂ったような暑い夏が続いている。仲秋の名月である9月22日や秋の彼岸の23日まで、関西地方は30℃を超えると予想されている。京都では8月の平均気温が、記録を取り始めてから130年来の最高記録だという。京都府の京田辺市では最高気温が39.9℃を記録したという。もっともこの記録は温度計の誤測定だったと後から発表されたらしい。まあ、記録はともあれ、激しく暑い夏だったことは間違いない。これは世界中の気候に連動している変化らしいから怖い。

 暑さがまだ盛りの頃の9月はじめ、北海道の釧路へ飛んだ。京都の暑さにもうダウン寸前だった私は、釧路へ行くことでパラダイスに行けると思ってその日を楽しみにしていた。ところがこの猛暑は釧路にも来ていた。釧路を中心とした道東太平洋岸は、8月も半ばを過ぎれば秋風が吹き、トリカブトやキンミズヒキ、ミソハギなどの秋の花が乱れ咲く。ところが今年は釧路も猛暑の影響を受けて暑い。道東で夏といってもじっとしていて汗をかくことなど経験したことがなかったが、今年は汗が出てくるような気温が続いていた。日射しもまるでジリジリと炙られるような、これも経験したことがないような暑さだった。道東では夏と言っても過去の記憶では半袖になることが少なかった。せいぜい一週間ほど半袖を着ていたが、すぐに長袖になった。8月でもストーブを入れていた夏もあった。それが今年は暑い暑いというほどだ。冷房を入れた事務所や店もあったようだ。普通の家では冷房はおろか扇風機もない家が多い。暑い夏も団扇一つで十分乗り切れたのだが、そろそろそれもダメになりつつある。

 サンナシ小屋に行く途中の野原では、見渡す限り無数の黄色い蝶が乱れ飛んでいた。よく見ると90%くらいがモンキチョウだ。一部、モンシロチョウやスジグロシロチョウも混じっているが、とにかく蝶が多い。道路にも蝶が押し寄せていて、車を走らせている間に蝶に次々とぶつかる。40分くらい車で走っている間におそらく数百匹の蝶とぶつかって殺したことだろう。それほど蝶が大発生していた。これも今年の猛暑と関係あるだろうと思う。道東では寒い夏には蝶をほとんど見ないこともある。数年に一度くらい蝶がたくさん見られる夏があったが、こんなに多くの蝶をみたことは一度もない。

 日本の上に、いや地球の上に、なにかたいへんなことが起こっているように思う。それはよく言われる地球温暖化の現れなのかもしれないが、ひょっとしたらもっと大変なことが起こっているのではないかと、恐ろしく思う。得体の知れない恐ろしいものが、狂暑の京都でも、極楽のように見える蝶の乱舞するサンナシ小屋でも、姿を見せ始めているのではないかという恐怖が襲ってくる。

 IPCCの気候変動を論議している研究者たちが、22世紀に入る頃には気温が今より4℃から6℃も上昇しているかもしれないという予想を発表していたが、そんなのんきなことを言っている場合ではないじゃないかと思ってしまう。2100年には、人類は生きていける場所がほとんど残っていないのではないかと危惧する。でもマスコミも政府も、2050年までにCO2の排出量を今の半分に減らすなどという目標を立てて、それでも目標が達成できそうもないなどとシラッとして言っている。たとえ半分にしたっていまよりはもっとCO2の濃度は上がっているのだ。今でもこれだけの異常気象が起こって、それが毎年のように規模が拡大している。2050年までにそれが壊滅的にならないなどといったい誰が言えるのだろうか。それでも経済界では明日の自らの利益を上げることだけに目を奪われて、人類が破滅の危機に立っているかもしれないという意識など持ってはいない。

 排出量を今より減らすなどという議論ではもう手遅れだろう。目標は大気中のCO2濃度をいかにして減らすかという目標をつくらないといけない。それができない以上は、今年よりも来年はさらに大規模な異常気象が起こり、さらに再来年はもっとひどくなるということになるだろう。温暖化は一部の学者がつくりだしたウソだという言説が最近流行っているが、ではそう言う人は温暖化はウソだと証明したのだろうか。けっしてそうではない。科学的には確かにCO2濃度と温暖化の間の関係が本当にあるのかという問題は完全に解決されていないことは確かだが、だからといってその結果が起こるまで対策を取らないというのは自殺行為になりかねない。刑事事件では犯罪が証明されるまでは推定無罪であるが、環境問題に関しては、推定無罪というわけにはいかない。その関係性のおそれがないと科学的に証明されるまではあくまで関係性があると推定して対策を立てるべきなのだと思う。

 風が寒くなってきた釧路から帰ってきたら、京都もさすがに少し涼しくなっいた。予報によると今月末から急激に冷え始めるという。今年の冬は逆に極寒の冬になりそうな気配でもある。やれやれだが、これも人間の仕業であることは間違いないだろう。

CO2は減らさねばならない

2010-07-08 | 環境
ずいぶん暑くなってきた。京都の暑さはひとしおだ。今年も暑さに苦しめられそうだ。と思っていたら、ニューヨークやヨーロッパの都市で気温が40℃近くまで上がる熱波に襲われているという。世界的な傾向のようで、やはり気象がおかしくなっている。毎年のように、今年の気候は変だと言ってきた。変な気候が毎年続くようになっただけでなく、そのおかしさが毎年増幅していくような気がする。気候が大きく変わり始めたのだろう。その理由はよく分からないが、やはり人間の所業が原因であることは間違いない。

 地球温暖化による危機が迫っているというIPCCの報告を作る上で、不正なデータの歪曲使用があったと一部の人たちから問題にされている。たしかにそう言う面もあったのかもしれないし、CO2の排出だけが問題なのではないだろう。でも、しかし、だからといって、CO2の濃度がどんどん高くなっている現実をそのままにして置いて良いはずはない。CO2の濃度上昇がどのように地球の環境に影響するかは、まだ人類が経験したことのないことなのだから、科学といえども予測に万能な訳はない。科学は科学に論争はまかせておいて、政策としてCO2を減らすような努力をしていかねば、ひょっとしたら人類が(その一部かもしれないが)滅亡することもあり得るのである。環境問題で大事なのは予防原則。予測が不確かな場合は、最悪のシナリオを想定して対策を講じるというのが、予防原則だ。

 でも、しかし、今の政府がやっているのは、本当に必要で効果的な対策なのであろうか。エコ商品と称して、ハイブリッド車を売り込み、大型で薄型のテレビを買わせるのは、本当にCO2の排出抑制になるのだろうか。これはどうみてもCO2排出を増やすことにしかなっていない。今の車とテレビをもっと大事にいつまでも使う方が絶対にCO2を減らすことになるはずだ。それなのに政府は一生懸命エコポイントや還元金などを出して、商品を買わせようとしている。結局、これは環境税さえにも反対を続ける企業側とその意向で動く経済産業省の景気浮揚策でしかない。実際にCO2は減ってはいない。こんな詐欺同然のやり方に、民衆は簡単にだまされるのだなあ。

 しかも、CO2削減に原子力発電が有効だからといって、民主党政府は原発建設に拍車をかけ、さらに外国にまで原発を売り込みに総理大臣が率先して行っている。原発建設はけっしてCO2の削減にならないし、温暖化防止にも役に立たない。原発は作り出した核熱エネルギーのわずか30%程度しか電気に変えられず、残りの70%は廃熱として海に捨てられる。海水は温められて、温暖化を進める。本来、温暖化が起こったら気温が上昇し、それから海水温が上昇するのが当たり前の順序なのだが、日本の周辺の海水は気温の上昇以上に上がっている。気温はそれでも上がったり下がったりの変動が大きくて、本当に気温が上昇しているかどうかは、専門家でも論争が続いているのだが、海水温の上昇はもはや誰の目にも明らかだ。それが原発の温排水の影響でないとどうして言えるだろうか。

 最近、IPCCのスキャンダルなどから、温暖化はウソだというキャンペーンが騒がしくなっている。養老孟司などの有名人までがそれに同調している。さらにサンケイ系の週刊誌など右系からも、そういう動きがある。環境税や企業圧迫の政策をとらせないという経済界の意向を踏んだ動きなのだろうが、CO2の濃度が確実に高まっているのは事実である。これは誰も反対できない。それが温暖化につながるかどうかが議論されているはずなのに、温暖化はウソだという人たちはいつの間にかCO2の上昇もウソだと取られるような言い方で言いつのっている。CO2の濃度を下げなければならないことは自明の理だが、味噌もくそもいっしょに批判してしまっているのは、一体何のためなのだろうか。

 エコポイントやハイブリッド車や原発がCO2の削減につながらないことははっきり言っておかねばならないが、それでも鳩山さんが言った2020年までに25%のCO2を減らさなければいけないことは明らかなのだ。それにはどうすればいいかを議論すべきで、温暖化はウソだと言うだけでは、結局のところ2020年までに人間は異常気象現象による災害で、多くの人が犠牲になるだろう。それは明日の私かも、あなたかもしれないのだ。