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「Law&Order」が好きだ!!(邪道にて)

海外ドラマ「Law&Order」が好きです。
とにかく叫びたいので、ブログに叫びます。

シーズン0.78  「ジャックさんとジェイミーさん」その2

2012-10-29 19:13:08 | シーズン0
S7 #11『MENACE』の途中から・・・


裁判所外。マッコイとジェイミー。

「マーシュが供述を変えて、カレンの飲酒が争点に」
「脅されたのか?」
「マクドゥーガンなら、やるはず」
「偽証について捜査する時間はない」
「一度取り下げて、仕切り直しては?」
「再び訴追できるとは、限らん」
「このままでは、暴行で終る」
「または無実か」
「どうすれば・・・?ジャック・・・」
急に笑顔のマッコイに、ムカッとジェイミー(笑)
「何か?(ムッ)」
「ふと、楽しくなった」


「楽しくなった、ですって!!
 冗談じゃありませんよ、ジャック!!失礼なッ!!」
「いや、ちょっと、君の困っている顔が見たら・・・
 いつも自信たっぷりの君が、と思ってねぇ」
「だから、笑ったって言うつもりなですか?
 部下が困っているのに笑うとは・・・失礼じゃありませんか?」
「そんなに怒るなって。冗談だよ・・・。
 それにこの案件は、君がやりたいというから任せているんだぞ」
「そうです。分かってます。で、今は困っているんでしょ?
 それを・・・・! ジャック!!
 まさか自分が誰にも迷惑をかけていないと思ってるんじゃないでしょうね?」

「いや・・・そんなことは思っていないが・・・
 私は、誰かに迷惑をかけているのか?」
「当然でしょ!私にですよ、私に!!
 今時、書類を手書きで書いてるの、あなた位ですよ。
 私がワードで打ち込んでいるのご存じでしょ?」
「あぁ、それは知っている・・・手書きじゃダメなのか?」
「ダメとは言いませんよ。読みにくいってことなんです。
 だから、最低でも裁判関連は、直さないと・・・苦情が来るんですよ」
「だが、今までも手書きだったし・・・
 今までもアシスタントが直してくれていたんだが、文句はなかった・・・」

「そりゃ、過去4人のアシスタントさん方は、あなたと愛人関係だったからでしょ?
 私は違いますから・・・愛情による余計な仕事はしたくないんですよ」
「あぁ、そうだな・・・ しかし、私も古い人間で・・・」
「何、意味不明なこと言ってるんですか?
 時々仕事中、チャットしているの、知ってるんですよ!
 チャットできるんなら、書類をワードで作成できるでしょ!」
「あぁ、そうだな・・・君の言う通りだ」

「それに、このフロアの清掃担当者から、何と言われているか知ってます?」
「いや・・・何を言われているんだ?」
「あなたの執務室が、異常に汚いって言われているんですよ。
 その度に、私が謝って・・・少し整頓したらどうです?」
「それほど汚くもないだろ?そんなこと言われたことないぞ」
「それは、担当者があなたを怖がっているからじゃないですか?」
「怖がっている?私を?なぜ?」
「そんなこと知りませんよ。私が苦情言われるのは、こりごりだって言ってるんです」
「しかし、君の娘は私を怖がっていなかったぞ。
 ほら、運動会に行った時」
「娘は、『世にも不思議なアメージング・ストーリー』とか
 ホラーが大好きなんですよ。怖いもの見たさ、じゃないんですか?」
「私は、ホラーの領域なのか?」

「じゃ、今後、どうしましょ?
 ふざけないで。真面目に」
「評決か、取り下げか。君の心に従え」

「・・・・本当にどうでも良さそうな意見ですね。
 分かりました。あぁ、腹が立つ・・・
 今日のランチ、ジャックのおごりですからね」
「なんで、私が・・・いや、分かった・・・検事局の平和のためだ・・・
 君は怒らすと、クレアより厄介かもしれん・・・」

「なに、ごちゃごちゃ言ってるうですか?行きますよ!
 書類の件よりも、掃除をちゃんとして下さいよ。
 家の中も汚いんですか?運動会の朝、入った時はそれほどは・・
 エッ?掃除したんですか?あれで????まぁ・・・・・!
 もう、どんな生活してるんですか?掃除してくださいよ。
 今度、自宅にチェックしに行きますからね・・・ホントに、もう・・・!」


で、#19『DOUBLE DOWN』に、続く・・・・


。。。。。。。。。。。なんて、裏話があったら・・・・ないって。。。。。。。。。。。。。
 

シーズン0.78  「ジャックさんとジェイミーさん」

2012-10-19 21:55:00 | シーズン0
検事局。金曜の夜、帰宅しようとオフィスを出るマッコイ。

「アッ、ジャック!ちょっと待ってください!」
「なんだ、ジェイミー?残業か?」
「いえ、私も今帰ることろです。
 ところでジャック、明日の土曜、予定ありますか?」
「いや、特にないが・・・何か用か?」

「ええ、今、弟から電話があって・・・
 明日頼んでいた用事をキャンセルさせて欲しいって。
 弟を当てにしていたんで、困っているんです」
「で、私に?できることなら手伝ってやりたいが」
「簡単なことですよ。お願いできますか?」
「まずは、用件を聞かせてくれ。返答はそれからだ」
「そうですよね。では、お願いしたいことは・・・・
 娘の保育所の運動会に付き合って欲しいんです」

「・・・・運動会だって?私が?」
「ええ、娘は今年、親子障害物競争に出るんですよ。
 一緒に弟が走る予定だったんですが・・・
 弟の奥さんが、急に産気づいたって連絡があって。
 急なことで、他の人に頼めなくて、あなたにお願いしてるんです」
「私に走れと?」
「ええ、走れるでしょ?走れないんですか?」
「・・・・・なぜ、君が走らないんだ?母親でもいいんだろ?
 色んな事情の家があるはずだ、必ず父親がいる訳じゃないだろ?」

「勿論です。しかし、毎年・・・なぜか男性が参加してるんですよ。 
 母親が関係者を駆使して、男性を父親役として参加させている。
 もう母親が出る親子は、いない状態で。
 娘も弟が来てくれるって、喜んでいたし。
 今更、私が出て、娘をガッカリさせたくないんです」
「そんなこと、おかしいだろ?母親が参加してもいいはずだ」
「あなたと、そんな論争しても意味ないですよ。
 保育所は、法廷じゃないんですからね。
 保育所ルールに従わないと・・・で、出て下さるんですか?」
「走るのなら、断るよ」
「娘が泣きますよ・・・母親はいつも残業ばかりだし・・・・」
「残業は、私のせいだと?」
「いえ、そんなことは言っていませんけど・・・。
 何か、気に障りましたか?
 で、断る理由は、走れないからですか?お年の関係で?」

「・・・・・いや、年のせいでは・・・
 それに、そんなプライベートを一緒に過ごすと、誤解されるかと・・・」
「一体、誰が誰を誤解するんですか?私とあなた?まさか!
「まさかって、どういう意味だ?」
「いえ、全くそんな気が無いので・・・なぜ誤解を恐れるのかなって?
 あなたの過去はいろいろ聞きましたが・・・・私は5番目じゃないし。
 そんなこと、気にしなくてもいいんじゃないですか?」

「全くそんな気が無いって・・・・・まぁ、ハッキリと言うな」
「ええ、ハッキリさせないと。お互い誤解があると、困るでしょ?」
「私じゃなくて、もっと若い奴に頼めないのか?」
「検事局の男性は、私を怖がって寄ってきませんよ。なぜかしら?」
「・・・・・・分かる気がする・・・」

「で、どうなんですか?助けて下さいます?」
「わかった・・・走るのは気が進まんが・・・
 確かにいつも残業させて、娘さんに寂しい思いをさせているのは確かだ。
 できるのなら、手伝おう」
「有り難うございます。あぁ、助かった・・・
 アッ、できるだけ、若い服装で来てくださいね。保育所の娘がいる雰囲気で。
 おじいちゃんじゃ、無いんですから」
「・・・・いつもの、こんな恰好じゃダメなのか?」
「ウ~ン、もう少し若作りで、お願いできませんか?」
「・・・・一体どんな格好をしろと?」

「じゃ、明日、私が迎えに行ったときに、見立てますよ。
 それで、イイですか?」
「私の家に入ってくると?」
「ええ、嫌なんですか?ササッと、服を見繕うだけですよ。
 そんな言くらいで、ガタガタ言わないで下さいよ」
「・・・・・ガタガタって・・・・・」
「あぁ、私、アダムから聞いたんですよ。
 私を補佐役にするのを嫌がったそうですね。
 確か、私の前任者は、あなたがわざわざ御指名したとか。
 私は、あなたの好みじゃなかった、ということでしょうけど・・・
 まぁ、互いに妥協して仕事しているわけですから・・・仕方ないですよね」
「・・・・で、何時に迎えに来るんだ?」

「6時半ころですね」
「6時半?一体、なぜそんなに早く・・・・?」
「場所取りですよ、ジャック。保護者席の場所取り。
 やったこと、ないんですか?」
「・・・・あぁ、やったことはない・・・」
「娘さんがいるのに?あぁ、娘さんの運動会に行ったことがないんですね。
 娘さん、お可哀想に・・・」
「一体君は、私にケンカを売っているのかね?」
「いいえ、お願いしているんですよ、ジャック。そう聞こえませんか?」

「・・・・・じゃ、明日、6時半に」
「お願いしますね。朝食や昼食は用意しますから」
「あぁ、ありがとう・・・」
「お礼に、娘のお泊り会の時、飲みに行きましょう。
 私が奢りますよ。ジャンジャン飲んでください」
「あぁ、分かった。楽しみにしているよ」
「私、別に、あなたが私を嫌がったこと、根に持っていませんから。
 気にしないでくださいね。ただ覚えているだけです」
「・・・・それが、怖いんだろ?」
「明日走って怪我したら、看病しますから」
「いや、いいよ。怖いから」
「どうして、私を怖がるんですか?」
・・・・・・正面からジッと見つめるジェイミー

「私を怖がらないから、怖いんだよ」
「何を子供みたいなこと、言ってるんですか?
 (クスッ)弟と話してるみたい」
「・・・・・・じゃ、明日・・・・・」

・・・・・敗北感漂わせ、その場を去るマッコイ・・・・・ 




シーズン0 #8「魅了の瞳」 (原題『Bette Davis Eyes』)

2012-10-12 15:42:56 | シーズン0
検事局。ジャック・マッコイの執務室。
横の扉がノックされる・・・

「アダム、いつもノックなんかしないでしょ!
 あぁ・・・・ベンか。どうした?アダムの所に来たのか?」
「あぁ、呼ばれてね。過去に私が担当した事件のことでね。
 いや、大したことじゃない。参考意見を言いに来ただけだよ。
 今アダムは電話中で・・・・長引きそうなので、ちょっとお邪魔しに来たんだよ」
「そうか・・・スマン、オレ、今素晴らしく忙しくて、話す暇ないんだよ」
「仕事中なんだから邪魔はしないよ。
 でも、補佐役、来たんだろ?それでもそんなに忙しいのかい?」
「あぁ、マイクかぁ・・・奴はちょっと難ありで・・・・」
「ンン?何かあったのかい?
 私が聞いた話だと、切れ者で仕事は完璧ということだったが?」
「オレもそう聞いていたんだけど・・・なんか違うんだよなぁ」
「違う?どうしたんだい?」
「おい、身を乗り出すなよ、ベン・・・あんたも噂話、好きだなぁ」
「いや、私は噂など・・・君が困っているのを見て、助けたいと思って」
「そりゃ、有難いけど・・・あぁ、アダム、来ましたか・・・」

「ベン、ココにいたのか?どこに消えたのかと心配したぞ。
 ジャック、なんだこの散らかり様は・・・キチンとせんか!
 マイクはどうした?マイクに手伝ってもらえば良いだろうが」
「アダム・・・いや、イイです・・・
 ベン、頼むからアダムを連れて行ってくれないか?オレ、仕事が・・・」
「バカもん!上司に向かって何言っておるか!!」
「アダム・・・ジャックは今、忙しさでイラついているんですよ。
 さぁ、そう怒らずに・・・カッターに原因があるそうですよ」
「なに?マイクがどうしたんだ? 文句のつけようのない人選だがな」
「アダム・・・マイクは、正直使えませんよ。ミスばかりで・・・
 余計仕事が増えている状態なんですよ、今・・・・」
「それはおかしい。仕事は正確で早い。それが評判な男だが」
「そうオレも聞いていたんですよね。オレの所に来てから、単純なミス連発ですよ」
「・・・何かあるんじゃないか、ジャック?君が苦手だとか?」
「いや、ベン。オレの補佐にして欲しいと言ってきたのは奴だから」
「フム・・・じゃ、原因は何だろう?気になりますね、アダム?」
「そうだな、ベン・・・ジャック、本人に直接聞いてみたらよかろう」
「あぁ、そうですね・・・そうしますか・・・
  じゃ、2人とも、もう行ってくれていいですよ」

「いや、ジャック、その問題を片付けないと・・・君も大変だろ?」
「あぁ、有り難うベン。でもオレ1人で何とかするから」
「いやいや、待ちたまえ、ジャック。ここは独りじゃなく3人だろう」
「へッ??3人って??なんだ??」
「そうですよね、アダム。私たちもジャックの力にならなければ・・・」
「ウム、勿論だ、ベン。ジャックは検事局のエースなんだからな。
 戦力後退は、検事局に多大な影響を与える・・・」
「・・・・・・・・ベン・・・・あんた、単に暇なんだろ?」
「いや、いつも世話になっている君に、少しでも恩返しを・・・」
「いや、暇なんだな。それならアダムの部屋で、寛いでいればいいじゃないか?」
「ジャック・・・我々は君を心配して・・・そうですよね、アダム?」
「私はマイクが心配だよ。マイクはベンの再来と言われるような逸材だからな。
 ジャックの元で、潰されては困る・・・・」
「じゃ、オレの所によこすなよッ」

そこでノックの音が・・・カッターが書類を持って入ってくる。

「・・・ジャック・・最終弁論の資料、まとめて来ました・・・
 あぁ、シフ検事長にMr.ストーン、こんにちは・・・・」
「あぁ、マイク、この2人は放っておいてくれ。資料、大丈夫か?」
「ハイ・・・何度も確認しました・・・今度は大丈夫かと・・・」
「どうした、マイク!自信なさげだぞ!」
「アダム、口を挿まないで下さいよ。ベン、アダムを見張ってくれよ」
「何だと!上司に向かって・・・!!」
「ハイハイ、分かりましたよ。表現を変えましょう。
 ベン、アダムに伝えてくれ。今度口を挿んだら、
 知事じゃなくFBI長官が速攻で来るような騒ぎを起こしますよって」

「・・・・なんですか、アダム?知事って・・・?」
「あぁ、1か月ほど前の法廷で、審理無効になったのに腹を立てて
 こんな法律くそくらえ!だの陪審に何考えてるんだ、と暴言を・・・」
「・・・・ジャックがですか?」
「あぁ、どう考えても被告人卑劣極まりないんだが
 弁護人が、被告の生い立ちの悲惨さで同情を引いて・・・それに腹を立てた、と」
「で、知事が、やって来た・・・ですか?」
「判事が結託して、ジャックの解任を求めて・・・知事も登場ってことだ」
シフとストーン、大溜息・・・それを聞きとめるマッコイ。
「はい、そこ!コソコソしていない!!」

「・・・マイク、ちょっとイイか?座ってくれ・・・
 あぁ、そこの2人は気にしなくていいからな」
「アダム・・・落ち着いて。ジャックの話を聞きましょう」
「ベン、ちゃんとお守りしていてくれよ(シフ怒)
 マイク、お前、オレが怖いか?どうして単純なミスを繰り返す?
 お前は、検事局でも優秀で評判だ。こんなミスをするとは信じられない。
 いや、お前を責めているんじゃない。オレと相性が悪いんなら、配置換えしてやる。
 このままミスが続くと、お前自身の将来にも影響が出るかもしれない。
 お前は優秀なんだから。オレの所で、悪い評判を立てる必要な無い」
「・・・・ジャック・・・僕はあなたの元で働くのが夢だったんです・・・」
「そりゃ、夢見てくれて有り難う、だがなぁ。現実にはコレだ。
 何か原因があるのか?自分で何か分かっているのか?」
「ええ・・・多分・・・あなたの元では、気を抜いているのかと・・・・」
「ハァ????気を抜いてる????」

「・・・・・ジャックと一緒にいて気を抜くなんて・・・大物ですね、彼は」
「ウム。やはり君以来の逸材だよ、マイクは」
「ソコ!!今度喋ったら、追い出しますよッ!!」

「気を抜くって?どういう意味だ?」
「はい・・・あのぉ・・・・僕の経歴、
 仕事上だけでなく、それ以前の経歴もご存じでしょうか?」
「あぁ、一応知っている・・・英国生まれで、両親とこっちに来たんだろ。
 で両親と死に別れて、身寄りがないので養護施設へ」
「そうだ、ジャック。マイクは苦労人なんだぞ。もう少し優しくしてやれ」
「・・・・ベン・・・・!」
「アダム・・・静かにして下さい。怒ったジャックは怖いでしょ?」
「そうです。僕は元々気が弱くて、人と話すのが苦手で・・・
 で、施設で庇ってくれて世話を焼いてくれた人がいて・・・。
 ずっと年上なんだけど、死んだ弟を思い出すからって」
「・・・・そいつのこと、兄貴のように思っていたんだな」
「そうです。で彼が言うには、自分たちのような境遇のものは
 偉くなるか、悪になるかどっちかだって。
 僕は頭が良いから勉強して弁護士になれって」
「そいつは?悪の方に行っちまったのか?」
「ええ・・・僕に色々援助してくれた・・・どんな金だったか察してはいたが・・・
 でも、数年前、抗争に巻き込まれて呆気なく・・・」
「死んだのか?」
「ええ、そうです・・・・寂しかった。毎日泣いていました。
 そんな時、ジャック、あなたが僕に言ってくれたんです」
「????何を?オレには、全く覚えがないが?」

「一体何を言ったんですかね、ジャックは?」
「どうせ、下らんことだろう。マイクも何に感銘されたのやら」
「・・・・・・・ベン、覚悟はできているんだろうな・・・・・!」

「でも僕は覚えている・・・・ジャック、あなたはこう言ったんです。
 『自分がそう思ったのなら、それを貫けばいい』って」
「・・・・案外いいこと言いますね、ジャックは」
「誰でも言いそうな言葉にしか聞こえんがな」
相手の心臓を射抜くような視線で2人を睨むマッコイ。
さすがの2人も、大人しくする様子を。

「言葉は違うけど、いつもアトキンが言っていたことと一緒だった。
 ビックリして、ジャックの顔を見てしまった・・・
 顔は全然似ていないのに、アトキンがいるのかと思った・・・」
「兄貴分の名はアトキンなのか・・・」
「ええ、それで何とかジャックと一緒に仕事できないかと、必死に頑張りました。
 そして、優秀だって言ってもらえるようになり、あなたが補佐を捜しているって聞いて」
「申し込んだ?」
「その前に、同じく補佐希望の女性検事補たちに圧力をかけ・・・」
「圧力?お前が?」
「はい。僕、結構汚いこともしますので・・・これもアトキンに習ったんですが。
 それで、誰も希望者がいなくなった頃に、シフ検事長に直談判して、採用されたんです」
「ア~ッ、女子職員が誰も希望しなかったのは、お前のせいなのか?」
「ええ・・・女性の方が良かったですか?」
「いや、過去女性の補佐しかいなかったから・・・・」
「でも、一部の女性検事補たちは、あなたがすぐ手を出すと・・・」

「ホラ、結構評判になっていますね、ジャックの女癖が」
「ウム。幾ら個人の自由と言っても、程があるからなぁ」
「マイクで良かったんじゃないですか?」
「ウム。しかし、マイクに手を出さないと言う保証は・・・・」
「黙る、ということが分かりませんかね?検事長に元次長検事さん方は!!!」

「で、オレがアトキンと似ていると思っていることは分かったが、ミスの原因は?」
「申し訳ありません・・・アトキンと一緒にいる気がして、気が緩んで・・・
 本当に、コレじゃダメだと思っているんですが・・・段々慣れてきていますから」
「あぁ、ちょっと緊張するってことか?そんな考えでいいのかな?」
「ええ、確かに・・・一種の緊張かと」
「しかしお前、さっき言っていたが、結構汚い手も使うって・・・
 それで、そんな緊張もするのか?」
「僕、気を許した相手には、弱いんですよ。
 アトキンの前でも、弱虫で泣き虫のマイクのままでした・・・」
「あぁ、それなら、分かった。じゃ、ココで仕事するようにしろ。
 一緒に仕事して飯食って、喋っていたら、段々慣れてくるだろ?」
「あぁ、そうかもしれない・・・」
「じゃ、そうするか。早速、今の案件の仕事、持って来い」
「ハイ、そうします(フゥ大溜息)」

カッター、少しホゥッとした表情で退室。

「良かった、良かった。解決じゃありませんか、アダム」
「まぁ、これからだがな。じゃ、行こうか、ベン」
「ちょっと待ってくださいよ、アダム。座ってください・・・
 あんたもだよ、ベン。座ってくれ」
「????一体何だい、ジャック?もう話は済んだんだろ?」
「その通りだ。仕事しろ、ジャック」
「人の話に口を挿むなと、あれほど言ったでしょ?何ですか、アレは!」
「何って・・・補足?いや解説かな?」
「お前の話を、2人で精査して、より良くしようと・・・」
「いーや!単に突っ込んでいただけでしょうが!!
 ベン、アダムのお守り、頼んだだろ?あんたまで一緒になって・・・」
「いや、ジャック、誤解だよ。さぁ、私もそろそろ・・・」
「おぉ、そうだな、ベン。我々も資料を整えねば・・・」
「いや、そこに座って下さいよッ!!2人とも!!
 どうしてオレが、検事局の暴れん坊だと言われているのか、分かっていないようですね」
「いや、よ~く、分かっているよ、ジャック!」
「一体いつも誰が、お前の尻拭いをしていると思っているんだ?」
「ええ、ええ、オレもよく分かっていますよ、アダム、ベン。
 で、今日はどうやったら大統領を直接呼べるのか?
 よ~く、お2人にお話しして差し上げようかと・・・!
 なんならお望みなら、国連事務総長でもお呼びしましょうか??」


。。。。。。。。。。。。
   私は、何故こんなに長くなるのか、ジャック君に教えてもらいたい
                                 。。。。。。。。。。。。。。。。

シーズン0 番宣2!

2012-10-03 16:46:15 | シーズン0
ナレーター:

「笑ミ~賞サスペンスお笑いドラマ部門、作品賞ノミネート!

 『L&O』シーズン0!!」(チャンチャン)


新キャラクター!

『L&O』史上、最高のヒロイン!!

マイケル・カッター登場!!!


(ミユージック)
(ナレーター)

ベン・ストーンの新たな挑戦が始まる!
ストーン「やはり語学力がモノを言うかと・・・」
マッコイ「だから、どうしてフランス語なんだよッ
     まぁオレはロシア語とクメール語、ちょっと話せるけどな」
ストーン「何だって!本当か?」

華麗な容姿な裏は、なかなかの策略家。
その一途な思いは、通じるのか?
(マッコイの執務室)
カッター「僕、以前からジャックのこと、尊敬してました。
     一緒に仕事ができるなんて・・・何でも言って下さい!
     一生、ジャックについていきます!!」
キラキラ瞳のカッターの顔を、真ん丸目で見つめるマッコイ。
マッコイ「ハァァァァァァ?」

上司と部下、その壁を越えた新たな絆が!
(シフの執務室。言い争うマッコイとシフ)
マッコイ「だからどうして!補佐がマイクなんだよッ!!」
シフ「男がダメだとは、一言も聞いとらんぞ!!」


(ミュージック、劇的に)

(キャスト、紹介画面に)


一体何故今フランス語なのか?
自分でも分からないが、多分格好いいからかも?
ベン・ストーン!!
(フランス語教室で、一生懸命勉強中のストーン。
 メガネずり落ちそうでも気にせず、ノートに書いています)

検事局女子職員の好奇の眼差しが!
強引グマイウェイだが、決めた相手にはトコトン尽くします!
マイケル・カッター!!
(検事局の廊下。
 書類を胸に抱いて、いそいそマッコイの執務室へ向かうカッター。
 その背後で、例の検事局女子職員3人組がヒソヒソ噂話)

ベンに加えてマイクかよッ!
まぁ取り敢えずは、何か食わなきゃ!
検事局の永遠のお守り役、ジャック・マッコイ!!
(ホットドッグ、頬張りながら
 好物のチキン・サラダサンド&ツナサンド、追加注文中)

一体いつになったら孫とのんびりできるのか?
夢の年金生活は遠退くばかり!
アダム・シフ!!
(執務室で孫の写真を眺め、大溜息)


ナレーター:

「更なるステージの幕が、今切って落とされる!
 これを観ずして、検事局三大次長検事は笑えない!
 L&O シーズン0!
 担当者の妄想と笑い 
 そして暇と体力の都合より、細々と公開中!」

(チャンチャン)



。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。知~らないっと(ヘヘ) 

シーズン0 #7「約束された勝利」 (原題『Laevateinn』)

2012-10-02 15:22:16 | シーズン0
検事局。ジャック・マッコイのオフィス。
扉がノックされる・・・・

「はい、どうぞ・・・ベン!どうした?」
「やぁ、ジャック・・・なにやら忙しそうだな。入っていいかい?」
「勿論!入ってくれ。今日はもうバタバタだよ。クレア、いないし・・・ 
 ランチもまだ食っていない・・・・もう、疲れたよ」
「そうか・・・いや、今日は仕事じゃないんだ。ホラ、差し入れだよ」
「オッ、なんだ・・・?オォ!!ケーキじゃないか?ウマそう~。
 手作りだな?誰の手作りだ?」
「アーサーの奥さんだよ。パメラのケーキだ。そら、こんなに・・・」
「エェ!3つも!!こりゃ、凄いぜ!腹減ってたんだよ~、助かる!
 ベン、時間あるんだろ?一緒に食おうぜ。
 あぁ、座ってろ、ベン。あんた、動くと、そこら中散らかるから・・・」

いそいそ、コーヒー&ケーキの用意をするマッコイ。
言われた通り、座って大人しく待っているストーン。

「・・・・ウマいなぁ!本当にウマいッ!!腹減っているからかな?」
「いや、パメラのデザートは美味しいと評判らしいよ。 
 まだ事務所が小さかった時は、
 パメラがランチやデザートの差し入れをしていたらしいが
 当時からの職員たちは、美味しいことを覚えているよ」
「ヘェ~、いや、本当にウマいよ、これ。
 で、ベン、差し入れに来ただけなのか?」
「アーサーの言いつけでね。君を先ず美味しいもので釣って来いってね。
 いつアーサーの家に食事に来るのか、聞いて来いってさ」
「なんだ・・・・いつでもいいぞ、オレは。いつの週末でも空いている」
「ホォ~、ジャック・マッコイが週末のお相手もいないとは・・・事件だな」
「何言ってるんだよ・・・オッ、種類が違うケーキなのか・・・こりゃいいぞ」

再びノックの音。今度は横にあるドアからだ。
返事を待たずに扉が開き、シフが入ってくる。

「ジャック、おい・・・あぁ、ベン!いたのか・・・!よく来たな」
「御無沙汰してます、アダム。お元気そうで」
「何を他人行儀な・・・いつでも戻ってこい。君の場所はいつでもあるのだからな」
「アダム・・・有り難うございます」
「ちょっと、アダム、それって、オレにどけってことか?」
「そうだ。そう聞こえなかったか、ジャック?」
「ヒデェなぁ。オレ、検事局で勝率トップでしょうが」
「あぁ、そうだな。同時に判事への侮辱行為も苦情率もトップだ」
「そりゃ、仕方ないさ・・・なぁ、ベン」
「ベンの時は、こんなことはなかった・・・・一体お前は、何考えてるんだ?」
「まぁ、そう言わずに、アダム・・・ジャックはまだ若いのだし」
「エッ?オレ、アンタより年上だぞ、ベン?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・知らなかった・・・・・・・・・・・・・・・」

「まぁ、アダム、ケーキ、食べませんか?ウマいですよ」
「ケーキ?こんな時間に、何サボってるんだ?」
「だって、オレ、今日ランチ食ってないし。イイでしょ、休憩しても」
「クレアがいなくて、大変なんだろ、ジャック」
「どうして、クレアはいないんだい、ジャック。休んだのかい?」
「いや、嫁に行ったんだよ、ベン」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・嫁に行った?????????」
「アァ、そうなんだ。ですね、アダム」
「そうなんだ、ベン。クレアは結婚退職というやつなんだよ。
 まだ結婚はしていないがね。予定、ということで」
「一体、相手は誰なんですか?私も知っている男ですか?」
「いや、知らないんじゃないかな?ボルティモアから来た刑事と仲良くなってサァ。
 そのまま、結婚話が出たそうで・・・ボルティモアに行ったんだよ」
「それは・・・・・意外だ・・・刑事・・・・ボルティモア・・・・」
「いや、オレの前からいなくなることが重要だ!」

「だから、今忙しいんだろ、ジャック。
 補佐役は、まだ決まらないのか?何をやっているんだ?」
「募集だって、大々的に声かけているんですけどね。皆、敬遠して・・・
 オレ、人気無いなぁ。モテてるって自信、あったのにナァ」
「クレアの変貌を見て、女性検事が戦々恐々としているんだよ」
「クレアの変貌は、オレじゃなくて、ベンのせいじゃないかと・・・」
「何を言う、ジャック!ベンのせいにするなど、私が許さん!」
「ハイハイ・・・もう、アダムはベンが大好きなんだから・・・
 ベン、検事局、戻ってくるか?オレが代わりにゴールドの所に行くわ」
「イカン。それもイカン!」
「ジャック・・・アダムは君のことも好きだよ」
「そうだ、ジャック。お前がいると退屈せん」
「・・・・オレは、退屈しのぎかよ・・・
 アダム、オレの補佐役、捜してくださいよ。頼みますよ」
「ウムム・・・・どんな希望があるんだ?」
「まずは笑顔が可愛くて、愛想がよくて、気配り上手で・・・
 あぁ、美人でお願いしますよ。後は、仕事、できればOKかと」
「・・・・・・・・!お前の嫁さがしではないぞ、ジャック!!」
笑いをこらえるストーン。
「勿論、分かってますよ、アダム。嫁じゃなくて補佐役!」
「どう考えても、お前の好みを言っているだけではないか?」
「嫌だなぁ~。まぁ、この条件で頼みますよ」
「・・・・・・私は退散するよ。ケーキ、少し包んでくれ。
 ベン、またゆっくり話そう」
「オレのいない所で頼みますよ、アダム」
「勿論、うるさいお前抜きでだ! 一体だれが、お前を次長検事に・・・」
「あなたですよ、アダム。あなたが決めたんですよ、忘れましたか?」
「あぁ、そうだな、ベン。君がいなくなって、気が狂っていたのかもしれない・・・」
「ほら、自分で決めて忘れるなんて・・・年には勝てませんって、アダム」
「・・・・・・ベン、コイツをいつか起訴してくれ。極刑にするなら、どんなでっち上げも許す!」
アダム、ケーキを携え、退室。

「ジャック・・・クレアの結婚のことなんだけど・・・」
「あぁ?まさか、未練があるなんて、言い出すんじゃないだろうな」
「まさか・・・いや、結婚のお祝いをしていないから・・・」
「あぁ、オレがあんたと連名で、プレゼント、渡しておいたよ。
 勝手なことして、悪かったかなぁ?時間もなかったし・・・」
「そうか~!有り難う、ジャック!それなら安心だ・・・済まなかったナァ。
 で、何をプレゼントしたんだい?」
「実用的なものだよ・・・ポットにカーディガン。必需品だろ?」
「・・・・その2つを?大丈夫だったかい、ジャック・・・」
「アダムがいる場所で渡して、中を見ていたから・・・
 顔が赤くなって、オレを睨み付けたけど、アダムの前では何もしないだろ」
「そうか・・・考えたな、ジャック」
「あぁ、別に・・・実用的だしな。
 ポットは昔ながらのデザインで、ステンレス製だ。丈夫で長持ち」
「それが一番だよ・・・懐かしいなぁ・・・で、あの・・・」
「カーディガンだろ?もちろん紺色だよ。
 カーディガンは紺色に決まってる。そうだろ、ベン?(ニヤッ)」


・・・・・クレア、今回で退場です。
シーズン0のクレアを喜んで下さった皆様(いるの?笑)有り難うございました。

アダムがジャック君を「お前」と呼ぶのは、ココだけですね。
アダムは、上品だから・・・「お前」なんて言いませんよね(ニコッ)
アダム登場で、ベン様と相思相愛が確定的に!!(クスッ)
ジャック君は、相変わらずお笑い系&ベン様お世話係ッ(クスクス)

シーズン0 番宣!!

2012-09-19 17:58:36 | シーズン0
ナレーター:
「サスペンスお笑いの、最後方!!(チャンチャン!!)
 L&O シーズン0!!」

ベン・ストーン帰還!
(マッコイの執務室を訪れるストーン):「私のポットは?」

新旧次長検事の立場が、今明らかに!!
ストーン:「クレアは、私に気があるのかも?」
マッコイ:「どうしたら、そんな考えが浮かぶんだよ!」

執念の追跡が始まる!!
クレア:「・・・絶対許さない・・・・・!」

衝撃走る検事局!!
(検事局の廊下。話し合う女子職員たち)
「ベン様が戻って来たわァ!」
「私は、ジャックで十分よッ!」
「じゃ、私はアダム一押しよッ!」

(その様子を眺め、首を振るシフ)
「検事局もお終いだ・・・」

(ミュージック、劇的に)

(キャスト、紹介画面に)


辞めても検事局に多大な影響!ベン・ストーン!!
(何かを探し回るストーン)

仕事よりも、ストーンのお守りに奔走!ジャック・マッコイ!!
(ヤレヤレ顔のマッコイ)

いつまで恨むのか?執念の女!クレア・キンケイド!!
(鋭い目つきのクレア)

一体いつになったら引退??アダム・シフ!!
(疲れた姿で、椅子に寄りかかっているシフ)

ナレーター:
「これを見ずして、NY州地方検事局を笑えない!!
 L&O シーズン0!!
 担当者の気まぐれで、細々と公開中!!」

(チャンチャン)



。。。。。。。。。。。。。。。ごめんなさい。。。。。。。。。。。。。
夕食作り最中に、脳内に浮かんで・・・・出さないと、いつまでも脳内に留まるから・・・


シーズン0 #6「運命の幕」 (原題『Gjallarhorn』)

2012-09-15 08:56:32 | シーズン0
ゴールド事務所の慰労パーティ。
規模は小さいが、料理も評判の洒落たグリル。
事務所の職員、招かれた人・・・・それぞれが楽しんでいる。
案内され、会場に入るジャック・マッコイ。
入り口近くで、声を掛けられる・・・

「ジャック!やっと来たな!待っていたよ」
「やぁ、ベン。遅れちまった。まだ大丈夫だろ?」
「勿論だよ。先ずは・・・アーサーに挨拶だな」

ゴールド夫妻を捜し、挨拶するマッコイ。
「お招き、有り難う、アーサー」
「オォ!ジャック!待っていたよ。先日は済まなかったな。
 今日は、そのお礼だ。存分に楽しんでくれ。
 あぁ、妻のパメラだ。パメラ、こちらはジャック・マッコイ。
 検事局の暴れん坊だ」
「何だよ、それ・・・Mrs.ゴールド、初めまして」
「こちらこそ、Mr.マッコイ・・・夫同様、ジャックとお呼びしていいかしら?」
「勿論ですよ。じゃ、私もパメラとお呼びさせていただいても」
「ええ、ええ。そう呼んで頂戴」
「・・・ところで、ジャック・・・また、何かやらかしたのか?
 裁判所で、アダムが走り回っていたぞ」
「あぁ、大したことじゃないよ・・・申し立て審理で・・・
 判事が弁護側の肩ばっかり持つから・・・小声で『やってられネェよ』って言ったら
 判事に聞こえたらしくて・・・まぁ、そんなことだよ」
「・・・・・アダムが火消しに躍起になっていたのか・・・
 もうアダムも年なんだから・・・労われよ、ジャック」
傍で、コロコロ笑い転げるMrs.ゴールド。
「分かったよ・・・もう解放してくれるか?」
「あぁ、なぁ、パメラ。ジャックは面白いヤツだろ?
 ジャック、良かったら、今度ウチに遊びに来てくれよ。
 ベンと一緒に・・・パメラの作る食事は素晴らしいぞ」
「本当かい?ウ~ン、ベンに連絡しておいてくれよ、じゃぁな」

再びストーンと合流するジャック。

「ゴールドの奴、俺の最新情報、知っているぜ。嫌だなぁ」
「(笑いをこらえて)仕方ないよ・・・君は検事局の名物検事なんだから」
「名物って・・・いい意味でなら、ナァ。
 ところで、ベン!あんた、先週末、若い女の子とデートしていたのか?」
「エッ?・・・・若い・・・あぁ、レストランで食事したことかな?」
「うん、多分・・・で、若い女の子は誰なんだよ?」
「彼女はアーサーの姪っ子だよ。NYに遊びに来ていたらしい。
 急にアーサー達が外出することになって・・・それで私が頼まれたんだよ。
 姪っ子と食事して、夜景でも見せてくれって・・・私は特に予定もないしね・・・。
 でもどうして、知っているんだ?ジャック?」
「そのレストランに、クレアもいたらしいぞ。クレアが大騒ぎして広めていたぞ。
 ベンが若い子を連れ回してるって・・・民事法的に罪じゃないかって」
「・・・・刑事法じゃなくて、有難いよ・・・」

そこに、シャンバラ・グリーン嬢がやってくる。
彼女も、招かれていたのだ。

「ベン、ジャック、お久しぶり」
「やぁ」「本当に、そうだな」
「ねぇ、ベン・・・約束したお寿司屋さん、いつ連れて行ってくれるの?
 まさか・・・私に対して口約束だったとは・・・言わないわよねぇ」
「も、勿論だよ。ちゃんと覚えている・・・近いうちに連絡する、絶対だ」
「そう・・・じゃ、待ってるわ。大人しく・・・じゃぁね」

「チェッ。俺は無視かよ・・・ベン、モテてるなぁ」
「いやぁ、そんなことはないよ・・・ジャック・・・ちょっと頼みが・・・」
「また頼み?厄介ごとじゃないだろうな?」
「いや、簡単なことだよ・・・
 クレアに、私のこと、どう思っているか聞いてくれないか?」
「・・・・どこが簡単なんだよ?俺に死ねって言ってるのか?ベン?」
「いや、最近、ふと思いついたのだが・・・クレア、私を意識していないか?
 もしかしたら、私に・・・その・・・気があるのでは、と思って」
「・・・・・・・一体どう考えたら、そんなことが思いつくんだよ?」
「いや、何となくだよ。軽い考えなんだが・・・
 どうだろう、クレアに聞いてくれないか?それとなく。
 君はクレアと、その、関係があるのだから、気軽に話せるかと」
「もうクレアとの関係は、ないよ。もう終わったの。
 でもベン、クレアがアンタと寝なかったことについては、どうなんだよ?」
「多分・・・恥ずかしかったからかも、とも思えるし・・・・」
「じゃ、アンタに対する一連の騒動も、愛情の裏返し、だと?」
「まぁ、そんなところだ。どうだろう、引き受けてくれないか?」
「でもこのミッションは・・・多大な犠牲を生む恐れが・・・」
「評判の店で夕食と飲み代で、どうだ?」
「・・・・・やってみるか・・・」

数週間後。ゴールドの事務所。ストーンの執務室。
電話が鳴る・・・

「ハイ、あぁ、つないでくれ・・・
 やぁ、ジャック。どうした?何を慌てているんだ?」
「ベン・・・クレアは、まだ来ていないか?」
「??あぁ、来ていないが。どうした?」
「例の件、今日聞いてみたんだよ。
 朝から機嫌が良かったし、一仕事済んでコーヒー飲みながら、何気なく・・・
 最初、顔が真っ赤になったので、もしかしたらアンタの言う通りかも、て思ったら
 サ~っと真っ青になって、部屋から飛び出して行って・・・」
「それから?」
「恥かしがって逃げたのかなって思ってサァ。でもちょっと気になって。
 捜していたら、職員の女の子が『クレアは検事局から凄い形相で出て行った』ていうから」
「凄い形相?」
「うん、で『ベン・ストーン、今度は許さないッ!』って口走っていたって言うから。
 アンタの所に向かったんじゃないかと思って」
「・・・・どの位前に?」
「もう20分は経っている・・・ちょうど到着する頃じゃないか?」

その時、遠くから声が聞こえてくる。耳を澄ますストーン。

「ベン!ベン・ストーンはどこにいるの!!」
クレアの声だ。そう考えても、好意的とは言えない声色・・・・・

「ジャック!クレアが来た!!私はどうすればいいんだ!!」
「まずは逃げろ!今すぐにだ!!
 ポットとカーディガンを、忘れるなッ!!!」



 **********

クレア、本編S6退場と同時に、S0でも退場予定。
それまで、悔いのないように暴れてもらわないと(クスクス)

シーズン0 #5「危険な座」(原題「Galahad」)

2012-09-08 13:50:51 | シーズン0
寒さが厳しいNYの昼近く。
ベン・ストーンのアパートを訪ねるジャック・マッコイ。

長く待たされた後、ようやく扉が開く。
そこにはパジャマ姿の、ぐったりしたストーンの姿が・・・

「おい、ベン、大丈夫か?やっぱり調子悪かったのか。
 中に入ってもいいか?失礼するぞ」
「・・・・あぁ、散らかっているが・・・構わないよ・・・」
「無理して喋るなって。横になっていろよ。何か飲んでいるか?
 オレ、ドラッグストア寄って、買ってきたから、ホラ。
 何か気に入った物、飲めよ。横になってろって」
「・・・・済まない・・・じゃ遠慮なく貰うよ・・・(少し飲んで)あぁ、ウマいなぁ」
「横になってろって・・・・寝室に行こう。入ってもいいか?」
「あぁ・・・悪い・・・」
ベッドに横たわるストーン。
ベッドの傍に椅子を運び、座るマッコイ。

「アーサーから電話があって。アンタと連絡がつかないから心配だって。
 アーサーは仕事でアトランタにいるらしくて、
 様子を見に行けないから、オレに行ってくれって、頼むから。
 良かったよ、来てみて。大分辛かったみたいだな」
「・・・仕事もハードだったしなぁ・・・・疲れが溜まったのかも」
「アーサーもそう言ってた。仕事、任せ過ぎたって。
 だから余計心配しているようだった」
「有り難う、ジャック。でも、君、仕事は?」
「オレ?有給とったよ。取れって総務もうるさいしね。
 オレがいなくても、検事局は潰れないって。
 それにクレアは、オレがいなくて万々歳、だろうよ」
「そうか・・・申し訳なかったな」
「いいって、サボれる口実だしな(ニヤッ)
 単に体の不調だけなら、いいけど・・・大丈夫か?」

「あぁ・・・・・」
「嫌なら、無理して喋らなくてもいいんだぞ」
「いや・・・別れた妻から連絡があってね・・・」
「あぁ、ポットを買ってくれた嫁さん?」
「そう、ポットもカーディガンも買ってくれた妻だ・・・
 電話があって・・・再婚するらしいんだ」
「ヘェ~。そりゃ、めでたいな。良かったじゃないか」
「そう、良かったんだよ・・・・(フゥ~)」
「なんだ、その溜息?まだ未練があるのか?」
「いや、そうじゃなくて・・・電話でまた彼女、ケンカ腰になってしまって」
「アンタが何か、言ったんじゃないのか?気に障ること?」
「・・・何も言わなくても、彼女は私が気に入らないんだよ・・・」
「なんだそりゃ?それって失礼じゃないか?一度は好きで結婚したんだし」
「別れる時も、私の性格を、散々こき下ろしてくれたからなぁ」
「フ~ン、そうかぁ。でもオレみたいに、人類最低じゃないだろ?」
「それは言わないが・・・細かく性格について、言われたんだよ」
「・・・なかなか小うるさい嫁さんだったんだな」

「人の話を聞かない、そのくせ自分の意見を言わない、優柔不断・・・」
「・・・・・・・・・・・・・並べたなぁ・・・・」
「そして、面白くない、一緒にいて楽しくない・・・・・」
「・・・・・・・・・・結婚する前は、そんなこと言わなかっただろ?」
「そりゃそうだよ。優しい、人の話を聞いてくれる、穏やか・・・」
「・・・・・・つまり・・・・同じ性格を、反対に言っている訳か」
「まぁ、そういうことだ」
「まぁ、そんな嫁さん、もう見切りつけてさぁ。
 新たな出会いってやつを、捜した方が賢明だ。そうだろ?」
「・・・・・・私は君のように、気持ちの切り替えが巧くできないからなぁ。
 それに、妻は・・・・」
「なんだ?まだ何か言われたのか?」

「今度再婚する相手は、私と違って性的魅力を感じるって・・・」
「ハァ~?なんだそりゃ?そんなこと言うのか?何と言う鬼嫁だッ!
 失礼にも程がある。全く気に入らん!
 そんな女、別れて正解だぞ、ベン!って、もう別れてるか・・・」
「ハァ=、私は・・・そりゃ、女性に大モテって訳でもないが・・・
 まぁ普通に、とは自分では思っているのだが・・・・妻にそう言われると・・・」
「ウンウン、でも失礼なのは向こうだよ。なんだよ、一体・・・(ブツブツ)
 検事局じゃ、アンタ、人気あるんだぜ。
 ベンが検事局に来ると、女性たち、廊下でキャーキャー言ってるぜ」
「・・・・知らないなぁ、そんなこと・・・・そうなのか?」
「あぁ、クレアがそう言ってた・・・検事局にいた時から、結構人気あったって」
「全然・・・誰にもそんなこと言われたことなかったし」
「そうか・・・でも、コレ、本当だぜ」
「・・・・ちょっと嬉しいな(ニコッ)で、クレアは、何か言っているのか?」
「クレアは・・・『あの子たち、ベンの本当の姿を分かっていないのよ』とか言って
 騒ぐ女の子たちに、訴えてるぜ・・・・どうして、クレアはあんたが嫌いなんだろうネェ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・それは、私も知りたいよ・・・・・・・・・・・・・・・・」

そこにジャックの携帯電話が鳴る。相手はゴールド。
「あぁ、アーサー、ウンウン、ベンは大丈夫だ。心配ないよ。
 ウンウン、そう。大分辛そうだったけど、大丈夫だ。
 エッ?礼はいいよ。ンン?今度、パーティ?オレも行っていいの?
 そりゃ、楽しみだ。ウン、連絡頼むよ。じゃ」

「今度仕事がひと段落したら、慰労会開くって。オレも参加してくれってさ」
「アーサーは君が気に入っているんだよ、ジャック」
「そうなのか~?いつも、オレをからかっているんだけどなァ」
「アレがアーサーの愛情表現なんだよ。私も最近気が付いた・・・」
「そうか・・・じゃ、喜んで、参加させてもらおう」
「事務所の女性たちも、君を気に入っているよ・・・確か・・・セクシーだって・・・」

自分の言った言葉に気づき、ジッとマッコイの顔を見つめるストーン。

「ジャック・・・君はセクシーだって言われているのか?」
「誰が言ったんだよ?オレは、知らんぞ」
ちょっと気力が出てきたストーン。

「しかし、確かにそう言っていた・・・セクシーな男・・・
 君は、私にないものを持っているのか・・・・」
「また始まった・・・。そんなこと、他人が勝手に言ってるんだろ。 
 オレの知ったことじゃないよ。そんなに食いつくなよ」
「いや、済まない・・・・妻の言葉が、思ったより響いているようだ・・・」

「だってさぁ、そんなことは自分じゃ分かんないだろ?
 アンタも検事局で、人気あるんだって」
「じゃ、検事局の私は、どんな理由で人気があるのだ?」
「えっと・・・クレアの話だと・・・誠実・・・優しい・・・親切・・・」
「・・・・・・・・面白いとか、楽しい、は、無いようだね・・・・」
「いや、待て・・・物腰が上品とか、知性を感じる、もあったぞ」
「・・・・・・・・・・しかし、セクシーは無いんだな・・・・・」
「ベン!オレは、上品とか知的とか誠実なんて言われたこと、無いぞ!
 でも、オレはそんなこと、気にしちゃいないけど・・・」

「・・・・・一体、どうしたら身につくのだろうか・・・・?」
「真剣に悩むなって!人の言うことなんか、気にするなって!! 
 嫁さん、検事局や事務所の女の子の言うことなんて、気にするなって!
 アンタはそのままで、十分魅力あるんだから、さぁ。
 オオカミの言うことも、気にするなッて!!分かったか??」


分かる方には分かるが、分からない方には分からない・・・・・・(ニッコリ)

ゴールドは、お名前アーサーです。Arhtur Gold。
これは公式設定ですので・・・。

ギャハハ笑いではなく、ニンマリ笑いを目指したんですが・・・
MM&SW、詳しくないと笑えないかも?とちょっと反省・・・・(ペコリ)

シーズン0 #4「願い」 (原題「Rosario」)

2012-09-02 16:21:16 | シーズン0
NYの冬。特に寒さが増している、ある日の昼下がり。

検事局。ジャック・マッコイの執務室。
扉のノックに、顔をあげるマッコイ。

「どうぞ・・・あぁ、ベン!待ってたんだ。わざわざ悪いな」
「いや、構わないよ。今日は、もう仕事もないんだ」
「そりゃ、良いなぁ。じゃ、ゆっくりしろよ。上着、脱いでさぁ。
 (ベンの上着をハンガーに掛けたり、コーヒー出したり、お世話係のジャック)
 ・・・・ちょっと相談に乗っくほしいんだけど?」
「ああ、構わないよ。どんな相談だい?」
「オレの娘のことなんだけど・・・娘、いるの、知ってるだろ?」
「ああ、最初の奥さんとの間の娘さんだろ。何か、あったのか?」
「いや、娘に会いたいな、って思ってサァ。オレ、会えないんだよ」
「どうして?離婚時の取り決めに入っていなかったのかい?」
「最初の嫁さんとの離婚の時って・・・オレが仕事に行っている間に出て行っちゃってさぁ。
 勿論娘、連れてね。で、連絡も取れなくなって・・・離婚弁護士から連絡があって。
 『奥さんは、慰謝料も財産分与もすべて放棄するから、二度と顔を見せるなと言ってます』って。
 もう、修復不可能だなって感じでさぁ。面倒だから、オレもその条件を飲むってことになっているんだよ」

「そりゃ、なかなか大胆な条件だな。で、それ以来娘さんに会っていないんだな」
「そうなんだよ。でも、ホラ、街歩いて、女の子の姿が目に入るとサァ。
 あぁ、娘もどんな風になっているんだろ、って考えると、会ってみたくなって」
「フムフム、君の気持も分かるよ。娘には会いたくなるものだよ」
「そうそう!そうだろ?ベン、あんたにも娘がいるんだから、分かってくれるだろ?」
「勿論、分かるよ、ジャック。私は取り決めで一カ月に一回面会することになっている」
「フ~ン、じゃ養育費は払っているんだな」
「そうだよ、ジャック。君は払っていないから・・・あまり楽観はできないな」
「でもさぁ、アッチが要らないって言ったんだから」
「でも、そうなる理由があるってことなんだろ?」
「だってサァ、女って勝手なことばかりだよ・・・独身時代は、仕事熱心なあなたが好き、なんて言ってて
 結婚したら、家庭を顧みない最低夫、って罵るんだしさぁ」
「(ククク・・・笑いをこらえて)それは酷いな、ジャック。で、2番目の奥さんとの離婚原因は?」
「あぁ、あいつは浮気したんだよ。それで、オレに有利だって離婚申請したら・・」
「したら?」
「すげぇ、フェミニストばりばりの弁護士と組みやがって、酷い目に遭ったんだよ。
 調停で、オレは仕事で家庭を顧みないばかりか、男として最低だって、言いやがって」
「最低?どんな風に?」
「理由?日頃の言動、全てだとよ。オレって、そんなに最低か?ベン?」

「いや、それほどでもないよ(ククク・・・笑い堪えに必死)
 で、離婚は出来たんだよな」
「そりゃ、あっちの浮気が原因だからな。で、一銭も払わずに離婚ってことで」
「へぇ、そのやり手弁護士、よく引き下がったな」
「引き下がる前に、オレを人類最低の男と認定てくれたよ。
 その記録、今でも家裁に残っているんだろうなぁ~ア~ア」

「・・・・娘さんの話に戻ろう。どう、説得する?」
「どう思う、ベン?どうしたら会えるかな?半年・・・1年に1回でもいいんだよ。
 あんたの弁護力で、何とかなんないか?」
「・・・・・・、何か、娘さんのためにしてるってこと・・・無いよなぁ、ジャック」
「ンン?実はオレ・・・離婚した後、娘名義の口座作って、お金溜めているんだよ。
 娘が大学に行きたいとか言い出したら、何かの役に立つかなって思ってサァ。
 まぁ、オレが勝手にやっているんだけど」

「それは、良いよ!ジャック!!それなら、何とか話を持っていけるかも」
「そうか、ベン。それは嬉しいなぁ。ダメ元でいいから、助けてくれないか?」
「エッ?私が?私が、君の代理人になるのか?」
「ダメか?こんな事、ちょっと誰にでも言えることじゃないし・・・
 それに、オレ、家裁も認める最低男だしな(ニヤニヤ)
 友達のあんたに頼めるなら、有難いよ」

「・・・・!友達?私と友達って・・・?」
「ンン?友達だろ?オレたち?だって、お互い、人には言いにくいことも言い合えるし。
 オレ、結構ベンには気を許してるんだ・・・頼りになるしね。あんたは違うのか?」
「いや・・・私も同じだよ、ジャック。そうだ・・・友達なんだな、私たちは・・・」
「??うん、そうだとオレは前から思っていたけど・・・
 おっと、薄暗くなってきたな。有り難う。もう事務所に戻ってくれよ、ベン。
 (いそいそ、またベンの帰り支度のお世話をするジャック)
 また連絡してくれるか?あんたも忙しいのに・・・わざわざ、済まない。感謝してるよ」
「ああ、じゃ、またな。それまでに戦略、練ってくるよ。
 また、連絡する(ニコッ)」

笑顔を残し、立ち去るベン。
椅子に座るジャック。ベンの忘れ物に気が付く・・・・
手に取り、扉を開け、ベンに向かって叫ぶジャック・・・

「おい!ベン!忘れ物だぞ!
 グレーのカーディガン・・・クレアに見つかったら、またゴミ箱行きだぞ~!」


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。グレー・カーディガンは死守!!(クスクス) 

シーズン0 #3「楽園の蛇」 (原題「Eden」)

2012-08-23 20:44:34 | シーズン0
昼過ぎの裁判所前。屋台前には、多くの人が集まっている。
ベン・ストーンも、その一人だ。
お気に入りの店でプレッツェルを買い、齧りながら歩いている・・・。

「オイ、ベン。あんたもメシか?」
ジャっク・マッコイの声に振り向くベン。
ジャックは、ホットドッグに齧り付いている。

「ジャック・・・この間は有り難う。お蔭で少し気持ちが楽になったよ」
「あぁ、良かった。俺も役に立てて嬉しいよ」
「うん・・・ジャック・・・もう1つ、頼みがあるんだが」
「アァ?何だ?まだ気になることがあるのか?」
「君がオフィスに引っ越して来た時、私の荷物はなかったかい?」
「いや、何にもなかったけど」
「そうか・・・ポットを置いたままだったのだが」
「ポット?あんたのポットなのか?」
「そうだよ。私は、ポットにコーヒーを入れて持って来ていたのだよ。
 まぁ、マイ・ポットってやつだな」
「毎朝、自分でコーヒーを煎れてきたのか?」
「あぁ、自分の好みの豆に、好みの濃さ・・・仕事もはかどるだろ?」
「そうか?オレには、朝から暇だなぁってしか思えないけど」
「・・・・・それでポットだが、知らないか?ステンレス製で、ちょっと古い物なんだが」
「いやぁ、オレ、見たことないなぁ。でも新しいヤツを買ったらいけないのか?」
「ジャック・・・あのポットには、思い出があるのだよ・・・」
「あぁ、思い出ね・・・で、そんな大切な思い出のポットを、どうして置いて行ったんだ?」
「・・・・それは・・・急な旅立ちだったので・・・・」
「あぁ、別に構わないけど。で、思い出のポットを取り戻したいんだな」
「そうだよ。そうなんだよ、ジャック。あのポットは妻が買ってくれたものなんだよ」
「妻って、別れた嫁さんのことか?」
「あぁ、そうだよ。妻が、新婚時代に買ってくれたものなんだよ」
「元妻ね・・・そりゃ、ポット位買うだろ」
「私のために買ってくれたものなんだよ、ジャック。その重大さが分かるだろ?」
「いや、全く分からんが。オレの別れた妻も、色々オレに買ってくれたけどな」
「じゃ、そんな大切な品々は、家にあるのか?」
「さぁ・・・?家にあるか、別れた時持っていたのか、覚えてないや」
「私は君じゃないからな・・・・・妻は毎朝、コーヒーを煎れてくれたんだよ。
 あなたの好みの豆、好みの濃さ・・・お仕事頑張ってねって」
「別れた妻がね。で、別れてからは、自分で淹れていたってことだな」
「・・・・ポットは、どうしたんだろうなぁ。未練がましいが、取り戻したいんだよ」
「別れた嫁さんが買ったんなら、この際キッパリ縁を切って、
 新しいポットを買えば、イイんじゃないか?」
「ジャック・・・人の気持は、そう簡単に割り切れないものだよ。妻の思い出が詰まっているんだよ」
「でも、その妻から別れたいって言われて、離婚したんだろ?」
「・・・・・・でも幸せな時もあったんだよ。ポットはその象徴なんだよ」
「象徴でも未練でも構わないけど・・・で、オレはポットを探せばいいのか?」
「お願いしていいかい?」
「多分・・・クレアが知っているんじゃないかな?聞いてみるよ」
「有り難う。また連絡してくれ」
「あぁ、分かった。で、ちょっとあんたのプレッツェル、齧らせてくれよ」
「・・・・・・あぁ、どうぞ・・・・」

数日後、ベンの元にジャックから電話が。
「ベン、ポットのことだけど、クレアが知っているって。
 時間がある時、検事局に来てくれよ」

そのまた数日後、検事局、ジャック・マッコイのオフィス。
「ジャック、お邪魔するよ。連絡、有り難う」
「いや、まぁ座れよ。クレアを呼ぶから」
 ・・・・・・・・・・・・
「ジャック、何の用かしら?アラ、ベン、また来たの?」
「クレア・・・もう少しベンに愛想よくしてやれよ」
「・・・・で、私に何の用なのかしら?」
「ベンのポット、知っているだろ?どこにあるんだ?」
「ポットって・・・ベンが毎日持って来ていた、あの古臭いポットのこと?」
「・・・・そうだよ、そのポットだよ。どこにある?」
「アラ、私、知っているなんて、言った?」
「言ったよ。どうなったか知ってるわって言ったろ」
「あぁ、知ってるわよ。ゴミに出したのよ。捨てちゃった」
蒼白&震えが止まらないベン。やばっ!とジャック。
「クレア、あのポットがベンの大切なものだって知ってたんだろ。
 どうして、そんなことしたんだよ。ベンに謝れよ」

「ベンに謝る?私が?」
「あぁ、当然だろ」
「・・・・・!ちょっと言っていいかしら?ベン?ジャック?」
「あぁ」「もちろん」

「ベンがいきなり去った後、私がどんな目に遭ったか知ってるでしょ、ジャック?」
「ウ~ン、まぁ」
「なに言ってるのよ。特別チーム編成して、ベンがそのまんま残して行った懸案、後始末して。 
 起訴中の案件は精査して、他の検事補に回して・・・どんな修羅場だったか、知ってるでしょ」
「クレア、そんなことになっていたとは・・・」
「何言ってるのよ、ベン!あなたが『クレアに後は任せた』なんて言ったから
 み=んな、私にツケが回ってきて・・・1カ月ほど毎日午前様だったのよ。休日返上よ」
「おい、クレア、落ち着けよ」
「落ち着いてなんかいられないわッ。そしてベン、あなたは優雅にヨーロッパ旅行?」
「いや旅行じゃなくて、色々考えてみようと・・・」
「それじゃ旅行と一緒よ。なぜヨーロッパなの?ハワイでも良かったじゃないの」
「いや、ヨーロッパとハワイは、違うだろ」
「何が違うのよ!どうせグチグチ悩んでいるだけなんだから、どこも一緒よ!」
「クレア・・・悪かった。迷惑をかけた・・・」
「そうよ。あなたが迷惑をかけたのよ。そんな時、あなたの忘れ物見たら・・・
 私が、どう思い、どう行動したか、分かるでしょ?」
「分かるって・・・?」
「みんな、ゴミ箱にブチ込んだのよ。当たり前でしょ!」
「じゃ、ポットはもう無いんだね・・・」
「そうよ、もう無いの。だから新しいものを買ってちょうだい。私は買わないからね」
クレア、捨て台詞を吐いて、出て行く。
嵐が去って、ホッとするベン&ジャック

「怖かったナァ・・・あれじゃ、本気でぶち込んだろうナァ。諦めなよ、ベン」
「あぁ、分かったよ。妻との思い出が、また1つ無くなってしまった・・・」
「だから、いい機会だから、新しい物を買って、新しく出直そうぜ」
「分かったよ、ジャック・・・迷惑をかけたね。いつも済まない」
「いや、オレは構わないさ。また、何でも言ってくれよな」
「それじゃ・・・私の紺色のカーディガンも捨てたか、クレアに聞いてくれないか?」
「それは・・・無理だわ」


今回はベン様、そんなに苛めていないと思うのですが・・・(ペコリ)
自画自賛で失礼しますが、ジャック君は、なかなかイイ味出しているかと(クスクス)