肩の凝らないスローライフ

ようこそtenchanワールドへ。「一日一笑」をモットーに・・・日常生活の小さなことを笑いに変えるtenchanの雑記帳

越南旅行記⑤ きのこ鍋

2010-06-08 13:20:28 | 旅行
往復7時間のハロン湾ツアー。
途中の渋滞もあって、ハノイ市内に着くのが予想外に遅くなってしまった。
長時間のバスの移動で、家族はみんなヘトヘトだった。

ツアー会社のバスは、ホテルまで送り届けてくれることになっていたが、
ホテルに戻ってから食事に出かけると、更に遅くなってしまう。
それに、部屋に入った途端、みんなリラックスモードになって、
もう外に出たくなくなるだろうから、
このまま直接、レストランで降ろしてもらうことにした。

今夜は「きのこ鍋」がおいしいと評判のASHIMA
前日のブラザーズ・カフェと同様、
ここも夫が会社同僚から教えてもらっのだそうだ。


まず最初に、ベースになるスープを選ぶ。

クコの実や高麗人参の入った薬膳スープと
肉類の食べられない義母のためにベジタブルスープの二種類をオーダー。

それから中に入れるキノコ類を選ぶ。



日本で定番のエノキ、シメジ、シイタケはもちろん、
初めてお目にかかる珍しいキノコも頼んでみた。


鍋に入れたり、つけ分けたりするのは
全部お店の女の子がやってくれる。



コリアンダーは家族に不人気なので、
全部私のところに集合。(笑)

このままでも充分おいしいが、
画像の右上の方に薬味が入った小さな器があるのがわかるだろうか。
唐辛子・香草・胡麻・ニンニクなどが合わさっているのだが、
スープを少し注ぎ混ぜ、つけだれにして食べるのも、またおいしい。




↑松茸も頼んでみた。ちゃんと香りがしたのでうれしかった~♪

もうお腹がいっぱい。

でも、鍋っていえば、〆のアレがないと!



キノコのエキスがいっぱい出ているスープに
麺を入れていただく。

夫がメニューを指さして頼んでいたので
何麺か分からないけど、
色から判断して、多分米麺だろう。


ASHIMAはフレンチビラを改造したお店。
市内の建物はどれも間口が狭い。
そのため、店は奥には長いが幅が狭く、
テーブルとイスを置くと、真ん中に一人通れるだけのスペースしかない。

私たちの隣のテーブルには
ベトナム人男女のグループが座っていた。


非常に騒がしい・・・・・。


私たちが会話しようと思っても、彼らの話し声と笑い声に消し去られてしまう。
オーダーするのにも一苦労だ。

おまけに、鍋をつついてビールを飲んで、腹が膨れたのであろうか、
みんなイスにデーンと反っくり返って座っている。
私たちが座っているイスの背もたれにぶつかりそうになるくらいだ。

狭い店内なんだから、お互いに気を遣って
ちょっとイス引いて座りましょう、なんてことは思わないらしい。

お店の女の子がキノコの入った大皿を運んでいるのに、
イスを引くのは私たちの方ばかり。
彼らは微動だにしない。

夫が教えてくれた。
「あの男の人たち若いけど、お金持ちなんだよ。
こういうレストランに来られるっていうだけでもわかる。
それから、奴らみんなお腹が出てるだろ。
ベトナム人は痩せてる人が多いけど、痩せてるとモテないんだって。
彼らみたいに、『ちょっとお腹が出てる人』がモテるんだ。
お腹が出てるとお金があるって見なされるからなんだ。
だから、ああやって若い女の子をお店に連れてきてるんだ。」

うーん、そういうことを聞くとちょっと複雑だわ。
あなたは「ちょっと」どころか「随分」お腹が出てるから、
すなわち「お金がたくさんある」モテ派に属するってことでしょ。


隣のテーブルのお客に自分たちの会話を遮られ
ちょっと苛ついていた私たち。
すると、お調子者の長男が突然手を挙げてこう提案した。
「あのさ、やつらに対抗して、俺たちも大声で会話して
あちらが会話できないようにしようぜ!」

あはは!さすが長男。君のそういう明るいところが好きだよ。

よし、じゃあ~こっからは、遠慮しないで大きな声で話そう!

そう決意したところで、お隣さんはお開きに~。
食べ散らかしたテーブルと四方八方に散らばったイスを残し、
彼らはガヤガヤと帰っていた。

お店には一気に静寂が戻った・・・・・。


私たちも〆の麺が終わり、
デザートのフルーツが運ばれてきた。

出てきたのは、スイカ・・・・

まただ・・・・。

食べられないんだってば!


デザートも食べ終わり、お会計をする。

夫はベトナム語で店員に「お会計。」と声を掛けた。

2月に赴任してまだ3ヶ月しか経っていないのに、
日常で使うベトナム語は少しなら話せるようになっている夫。

「毎日会社で『ベトナム語3文会話』っていうのを
ローカル社員の前ですることにしてるんだ。
自分で三つ文章を考える。結構大変だよ。
みんなそれを聞いてクスクス笑うんだよ~。
違う違うって!
特に声調が難しい。何回も直される。」

ふーん、がんばってるんだね。

「会社の人の中には、ホントに上手に話す人もいるんだよ。

おもしろいのはさ、ベトナム人の社員が、
『あ~あの人、とても上手です。でも、あの人のベトナム語、
女言葉です。』
って、言うんだ。
要するに、ベトナム人のおねいさんと仲良くなって、
おねいさんと会話するから上手になったってわけ。」


そうかー。
それを聞いてますます心配だわ。
今度あなたに会った時、前回よりもっともっと流暢にベトナム語を話していたら
あなたもベトナム人のおねいさんとお友達になっているかもしれないってことでしょ。

でも、一つ問題がある。
あなたの話すベトナム語が、
女言葉か男言葉か、私には判断できないってことよ!






越南旅行記④ 世界遺産 ハロン湾 後編

2010-06-04 13:08:52 | 旅行
船の中に戻ると
白いテーブルクロスが引かれ、
キュウリの切ったものが載せられていた。

   

ニンニクのみじん切りが振りかけられていたが塩味がない。
お椀に入れた醤油をかけろということだろうか。

次に出てきたのはネギ入りの卵焼き



その後も料理は一皿ずつ出てきた。 



厚揚げとトマトの炒め物。これはけっこうおいしかった。



空芯菜の炒め物。ベトナムでは定番らしい。
塩味のシンプルな一品だがこれもおいしかった。

 

イカと玉ねぎの炒め物



なんだか分からない魚の上に生姜、ニンジン、コリアンダーなどを載せて蒸したもの。
鱗は付いたままだし、身は川魚のような臭いがした。
テーブルを見渡しても、みんなあまり箸が進まないようだった。

義母は、どの料理も少し遠慮がちに食べている。
肉類は入っていないので、食べられるものばかりだが、
どうかしましたか、と、声を掛ける。

「実は、さっきね、
作るところを見てしまったの。
あれを見たら、ちょっと食べられないわ。」
と、ため息をついた。

厨房は船の後ろの方にある。
お世辞にもキレイとは言えない。
私も下ごしらえをしているのを見たが、
床にたらいを置き、その中にホースを引っ張り込んで食材を洗っていた。
切るのも調理台の上ではなく、床にペッタリ座った状態で行う。
切り終わったものは、これまた床に置いたざるにぶち込む。

あぁ・・・・・・
スーパーきれい好きな義母がこれを見たら、
多分ダメだろうな、
と、予想はしていたが、
案の定、食が進まないようだった。

「もう仕方がないから、ご飯だけ食べるわ。
ふりかけでも持ってこればよかったね。」

ハロン湾クルーズとはいっても
地中海クルーズとは違う・・・・
なんてったって、アジアンクルーズだから、
このくらいの衛生状態は、予想していたけれど・・・・・


食事が済んだら、今度はまた外に出て、
小舟に乗って周りを見学する。

船頭のお兄さんが乗船料としてUS$を集めている。
えぇっ?!これって別料金なの?
ツアーの説明文には書いてなかったけど・・・・・。
お兄さんのお小遣い稼ぎなのか。



潮の満ち引きの関係で
この時間帯しか見られない場所に連れて行ってもらった。
長い年月で岩が浸食されて、こんな風に面白い形になるんだ。

船に戻ってまた出発。

こんな形の岩が見えてきた。



ガイドさんは「ライオン岩」と言ってたけど、
ちび姫は「ゴリラ、ゴリラ~!」
と、大喜び。

船は鍾乳洞のある場所で泊まった。
降りて中を見る。

この鍾乳洞は、台風の時、偶然逃げこんだ水上村の人が発見したのだそうだ。



派手な色でライトアップされている。

鍾乳洞には色を付けないほうが美しいと思うのだけど、
このあたりも国民性の違いなのだろうか。

歩道のあちこちに置かれたペンギンゴミ箱。



イルカバージョンもあったよ。

鍾乳洞見学が終わり、
ハロン湾クルーズはこれでお終い。
港まで戻る。

そして帰りもまた3時間半、バスに揺られていく。

外はもう暗くなり始めていた。
街中を走っていても、何となく灯りが少ない気がする。
夫の話によると、地方では節約のため夜間は停電になるのだそうだ。


街の様子を眺めていると、ベトナム語の看板が目に付く。
アルファベット表記だが、
よく見ると、文字の上や下に「.」とか「^」とか「'」とか、
いろんな小さい記号がついている。

「ねえ、上側に付いている小さい「?」の下の点がないヤツがあるでしょ、
ほら、『フォー』のお店の看板に書いてあるじゃん。『Phở』って。
なんか、クエスチョンマークみたいだね。
『フォー食べてく?』って書いてあるの?」
と、夫に聞いてみた。

すると彼は、呆れながら、
「違うよ~。
あれは声調といって、中国語にもある母音の上がり下がりの記号の一つ。
あの記号は、下がってから上がるんだ。」

へ~そうなんだ。


水田→住宅地→商店街→水田と
同じような風景が続く。
ところが、住宅地でも商店街でもない場所に
4階建てくらいの建物が、
何軒か固まって並んでいるのを時々見かけた。

ピンクのド派手なネオンで、「nhà nghỉ」 と書いてある。

夫が小声で教えてくれた。

「あれはさ、
ベトナム版

nhà は 家、nghỉ は休むっていう意味で、
文字通り、宿屋なんだけど、
性質としては『連れ込み宿』的なところ。」

言われてみれば、妖しげな光を放つネオンが
日本のそれと同系だと気付く。

ところが変わっても、あるところにはあるんだ・・・・・。
しかもちょっと街から離れたところにある、っていうのも似ている。

ん?
ひょっとして・・・・・車じゃなくて、
みんなバイクでやって来るのかい?



それにしても、
クエスチョンマークだとさっきまで勘違いしていた「?」の下の点がないやつのことが、
どうしても頭から離れない。

「nhà nghỉ」

と書かれた、ピンクのネオン文字を見るたびに
「お兄さん、寄ってく?」「泊まってく?」「遊んでく?」
っていう誘い文句に思えてしまうのだった。



越南旅行記③ 世界遺産 ハロン湾 前編

2010-06-01 12:45:42 | 旅行
翌日は、世界遺産「ハロン湾」へ向かった。

夫があらかじめ現地のツアー会社で頼んでおいたのだ。
日本語を話すガイドさんが同行してくれる。

ハロン湾はハノイの北、中国との国境に近いところに位置する。

サイトの画像を見るとお分かり頂けるだろうが、面白い形の岩が海からニョキニョキ出ていて、
まるで中国の桂林(行ったことないけど・・・・)みたいだ。

朝、8時○○分にお迎えに伺います。
ツアー会社からのメールではそういう話だったが、
予定の時間を30分過ぎても来ない。
夫がツアー会社のオフィスに電話した。
渋滞で少し遅れている、とのこと。
ま、外国ではよくあることだから、これくらい待たなきゃ。

ハノイからハロン湾までは約3時間半かかる。
世界遺産に指定されてから観光客も増え、
道も整備されたようだが、
高速道路・・・・・らしきものを降りてからは
一般道を延々と走る。

お店が立ち並ぶ「街」をしばらく走ると
次は水田の中をずーっと走っていく、
そしてまた「街」の中を走る、
という繰り返しだった。

家と家との空き地にはバナナが生えている。



「バナナってさぁ、『草』なんだって。
自然にこうやって生えてんだけど。
1年で枯れて、脇からまた生えてくるんだ。」
夫が教えてくれた。

へぇ~そうなんだ。バナナって『木』じゃないんだ。
木じゃないってことは、分類からすると果物じゃなくて野菜なんだね。
夫の話によると、バナナの花をサラダに入れたり、
青いまま調理して食べることもあるそうだ。

ベトナムの家はフランス統治時代の名残を受けて
ほとんどがフレンチ様式。



間口によって税金が高くなるので、
上に高く奥に長く建てるそうだ。

建築中はこんな感じ



「耐震」ということはあまり考えないのかな。


水田の真ん中に時々、
ミニチュアのお寺みたいなのを見かける。




これはお墓。
土葬なんだって。

生きているうちは仏蘭西様式で暮らし、
仏になると中華様式に変わるのね。





1時間半くらい走ったところで、休憩する。
日本でいう「道の駅」みたいな場所だ。



ハロン湾に行く観光客は、必ず立ち寄る休憩所。
日本から来た団体のお客様もいっぱいいる。

売店では「蓮の茶」を無料でいただける。
可愛らしいお盆にのせた小さい湯飲みに
お茶がなみなみと注がれている。
当然お盆にも溢れる。
でも店員さんは全く気にする様子もない。
ビシャビシャのまま、滴が溢れるのを気にしながら飲み干す。

「オカシ ドウゾ。」
と勧めてくれるのでお盆の横を見ると、
キャラメルくらいの大きさのお菓子が積まれている。
「キナコ ト、ピーナツ ハイッテ マス。」
ちび姫は喜んで食べていた。

お茶をいただいて一服したら
店内を隈無く歩いて、何かお土産に良さそうなものを探してみる。



お茶と一緒に出てきたお菓子も売っている。
食べておいしかったら是非買ってね、といったところか。

夫は「香木」のコーナーでお兄さんに捉まった。
「コレ、イイニオイ スル。」
買わないから、と言っても、
「チョット ミテ。」
と、わざわざ袋から出してくれるもんだから、
仕方がなく手にとって匂いをかいでみる。
「ごめんね。買わないから。」
と、品を返すと、
「ジャ、コレハ ドウ。」
と、次を出してくる。
これは堪らん、と手を振ってもう一度断っていた。

義母はテーブルクロスのコーナーで、
アオザイを着たお姉さんと交渉している。
買おうか買うまいか、煮え切らない義母に、
お姉さんは
「コレ、トテモ キレイ。」
と、全体がよく見えるよう大きく広げて見せてくれる。
お姉さんは更に、
「コレ、キヌ デス。ホンモノ ホンモノ。」
と、口調を強めて迫ってくる。
・・・・・絹~?・・・・どこが絹?
どう見たって木綿でしょ。
さすがの義母もそれには納得できず、結局買わなかった。

一つでもお土産を売ろうと、どの店員さんも必死だ。
気持ちが伝わってくるから、断るのが余計に辛い。


ここではアオザイを作るコーナーもあった。
ハロン湾に行って帰るまで、6時間はかかる。
行きに採寸だけしておいて、
帰りに立ち寄った時に、出来上がりを受け取るというシステムだ。

本当に作る人いるのかな?と思っていたら、
帰りの休憩の時に団体ツアーの日本人女性が、
完成したばかりのアオザイを身に纏って出てきたのを目撃。
目の覚めるような素敵なブルー。
「似合う~似合う~。」
「きれいだよ~。」
と同じツアーのお客さん達から賞賛されていた。

20年若かったら、私もああやってアオザイ作っただろうか?
でも、貧乳だものな~。
やっぱAAカップのブラして誤魔化さないと着られないよね。
な~んて想像し、一人笑ってみる。

「道の駅」を出て、さらに1時間半、
ついにハロン湾に着いた。

もの凄い混雑だ。

外国人観光客も大勢来ているが、
国民の休日ということで、ベトナム人もいっぱい来ている。

出航までしばらく待つ。



ちび姫、久しぶりに会う大きい兄ちゃんを当然のことながら独占。(笑)

30分ぐらい待っただろうか、
いよいよ乗船だ。

私たちの乗る船はこちら。



海を静かに進んでいくと、
こんな風景になってくる。



さらに奥に進み、「水上生活村」に到着。



ここで一旦船を下り、
村の生活の様子を見学する。




養殖した魚を売って生計を立てているのだそうだ。



小舟に乗って野菜や果物を売りに来たおばさん。

私たちが外で見学している間、
船内では昼食の用意がなされていた。

後編に続く。