肩の凝らないスローライフ

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帰国子女枠受験

2010-03-11 12:26:23 | 受験ネタ
今日は岐阜県公立高校の一般受験が行われている。

3年前、うちの長男も特色化選抜で結果が出ず、
2度目のチャンスにトライしたのだが・・・・・
実は、「一般受験」ではなく「帰国子女枠受験」をさせてもらったのだった。

岐阜県の公立高校では
定員とは別に「帰国子女枠」というのを「若干名」設けている。

受験する資格があるのは
「海外で2年以上生活し、帰国後2年以内の者」

長男はロンドンで4年過ごし、帰国して1年が経っていた。
まさにこの条件に当てはまる。

受験科目は
「国語」、「数学」、「英語」
それに
「小論文」と「面接」が行われる。

現地校に通っていた長男は
日本の科目を殆ど勉強していなかったので、
理科と社会がないのは非常に助かる。

ただ、こういう受験方法があることは、ギリギリまで本人に伏せていた。

何故なら、帰国枠があることを話すと、
ああいう性格なので、理科社会を勉強しなくなってしまうからだ。

1月に入ってからの懇談、
私は本人のいない席で、担任の先生に
「帰国枠を積極的に使いたい。」と、打ち明けた。

先生は
「僕が受け持った生徒で帰国枠を使う子は初めてですが、
教育委員会に聞いて準備します。」
と言って下さった。

「ただ、特色化選抜が終わるまでは、
本人には一般受験をするのだと言っておきましょう。」

先生はそう約束してくれた。


帰国枠受験を申請するためには
現地校での成績証明や在学証明書などの書類が必要になる。
実は帰国する時に、こういうこともあるかもしれないと
書類を揃えておいたのだ。



特色化が終わったとき、私は長男を呼び、
帰国枠で受験することを初めて告げた。
「受験科目は、英数国、それに小論文と面接」

それを聞くと、長男は
「やったー!俺、超ラッキーじゃねぇ?」
もう、理社をやらんでいいんだよね。?」
と、有頂天。

「・・・・・でも、帰国枠使うって、なんで最初から言ってくれんかったの?」

「そんなことをしたら、君が理社を全く勉強しなくなるのは目に見えているでしょ。
勉強してないと、高校に入ってから困るのよ。
それに、3科目だけだっていっても
小論と面接があるからね。
担任のM先生が特訓するそうです。」

「えー!マジかよ~!」

次の日からM先生の特訓が始まった。

先生は長男にテーマをいくつか与えて文章を書かせ、
誤字脱字を直し、書けない漢字を書かせ、
文法的におかしいところを添削してくださった。

面接の練習もして下さった。


そして本番の日。

長男の受験番号は2001番。
帰国枠で受けるのは一人だけだった。

みんなと離れた教室に用意された机とイス。
試験官の先生が一人同席する中、問題を解く。

休み時間に、同じ中学の子と廊下で談笑することはできたが、
他の生徒達から
「ねぇ、あそこで一人だけ受けてる子、誰?」
みたいな視線を感じたそうだ。

午後は小論文と面接。

小論文では、
なんと、M先生が与えて下さったテーマの一つが
そのままではないが、殆ど同じ意味のものが出題されていたそうだ!

「これだったら俺にも書ける!」

リラックスして書くことができたそうだ。

面接でも、先生と練習した時の質問が似通っていて
落ち着いて答えることができたそうだ。

ただ、一人の面接官が
「我が校の運動部で、一番活躍しているのは何部か知っていますか?」
と聞いてきて、
これには長男、
「すみません、分かりません。」
と、正直に言うしかなかったそうだ。

そして合格発表の日、
一般受験の発表掲示板からちょっと離れたところに、

帰国生徒等に係る入学者選抜
2001番

長男の番号が張り出されていた。


合格できてホッとしたが、
あとで、当日の点数を聞きにいって愕然とした。


国語が悪いのは仕方がないと思っていたが、
得意の英数でも点数は伸びていなかったからだ。

これで一般受験だったら、確実に落ちていただろう。
滑り込ませてもらって本当に感謝している。

当時、長男の合格を決めて下さった先生方、
3年後に大学受験で学校に貢献したということで
借りをお返ししたと見なしていただけないだろうか・・・・(汗)




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13 コメント

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やはり... (Chun)
2010-03-11 16:37:34
tenchanさん、只者ではない。
先を考えて周到に用意しつつも、長男君の性格を見越して
本人にはあえて伝えない...
やはり、この母だからこそ!の今回の春(^^)なのね。

日本を離れる時、校長先生から「帰国後の生徒の中には
都合よく自己主張だけを学んでくる子がいて、こちらも
指導しにくいんですよ」と言われました。
先生方の中には少なからずそういう印象があって、
わからないことを認めることができた長男君の素直さが
好感触だったのではないですか?

このごろの先生は...と思うことが多々ありましたが、
ちゃんと子供の本質を見てくれる先生もたくさんいるんですね。

うちの長女は楽することにはアンテナが動くので、
すでに帰国枠のことはご存知。
楽ができると思っていますが、今以上に英語の勉強が必要だとは
ご存知ありません(^^; ははは
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これからを (tatu_no_ko)
2010-03-11 20:47:31
tenchanさんの知識と読みの深さに感服です。帰国枠は知ってはいましたが、受験側に素直さがなければ枠は枠で終わってしまう、そんな気がしました。
2人の息子さん、それぞれ希望通りの進路を獲得され楽しみでしょう。
少し大人になられたお二人の様子を楽しみによませてください。
返信する
確か、 (Mrs.B)
2010-03-11 22:03:44
長男君の高校受験のことを考慮して、お子さんたちとtenchanさんが
先に帰国されたんでしたよね?
将来のことを考えてされた、とても賢い選択だな~と思っていましたが、
今回の記事で更に、行き当たりばったりじゃないtenchanさん、偉いわと。

それにしても「帰国子女」という言葉。
どうして「女」なんでしょうね?
ず~っと不思議に思っています。
返信する
さっすが…痛快母親像! (yattaro-)
2010-03-12 09:48:09
子を思う親心。
ロンドン生活4年の後、高校受験するハンディみたいなものを払拭してあまりある母の姿。
やったね、tenchanさん。
その母親の心意気に感じるものがあったのでしょう、学校も教育委員会も担任の先生も、全てが一人の高校生を育てる為にうまく機能したのだな~と関心しきりです。
そうなんです、入学試験などふるい落とすためにあってはならないですよね。
問題は、卒業するために如何に3年間を努力するか、ここに教育の意義を求めたいですね。
大学受験がその典型です。入学なんて広き門でいいのです。問題は卒業が狭き狭き門。努力しなければくぐれない卒業という門。
tenchanさんの母親像からこんなことまで考えてしまいました。
やっぱり素敵な素敵な愛すべき可愛いお子さんたちですね。
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長男くん、合格おめでとう! (Sandie/自閉症児の挑戦)
2010-03-14 15:59:10
いやー、なかなか記事に上がってこなかったんで、気になってたんですよ。
今でも銭湯に通う『めぞん一刻』系下宿はあるのかな?かつて岐阜で遊んでた銭湯のおやじさん、個人的には馬鹿受け!!バックには『柳ヶ瀬ブルース』by美川憲一で(爆)
帰国子女枠受験、最近は多いみたいですね。こちらの子達、補修校の日本史とか苦労してるもん。身近に日本の歴史を感じさせるゆかりの地はないし、覚えろたってまいるよね~。
返信する
Chun様 (tenchan)
2010-03-15 14:28:32
高校受験は帰国枠というお膳立てがあって合格させてもらったようなもの。
大学受験は親の出る幕はなし。
学校と塾の手厚い指導のお陰だと思っています。

うちは、帰国して受験するまでに1年あったから、
日本の雰囲気に多少なりとも慣れていたというのも
よかったのだと思います。
帰国のタイミングは難しいです。
それぞれに合った時期がありますよね。

帰国枠、推薦、
使えるのもは何でも使って下さい。
外国暮らしのハンデを
少しでも取り除いてあげて下さい!
英語に関して言うと、
うちの息子達、決して「出来た」わけじゃないんですよ。
帰国後は日本の受験英語に翻弄されてました。
でも、苦労するのは中学まで。
真の力を発揮するのは高校英語です。
特に長文読解は圧倒的に有利でした。
もちろん、単語とか文法は勉強しないとダメだけどね。
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tatu_no_ko様 (tenchan)
2010-03-15 14:31:16
最初から帰国枠を使うとわかったら
絶対に勉強しなかったと思っていました。
だから、ギリギリまで伏せていたんです。

4月からの新生活に向けて、
動き出したところです。
二人ともさらなる目標に向かって
頑張って欲しいです。
返信する
Mrs.B様 (tenchan)
2010-03-15 14:33:51
よく覚えていらっしゃいますね。
そうなんです。
受験のために私と子ども達だけ先に帰国したんです。

色々悩みましたが、結果的にはよかったと思ってます。

そうですね、「帰国子女」
なんで「女」なのかしら?
今はあまり使わないけど、
「ご父兄」っていうのもなかった?
最近は「保護者」っていうのが一般的かな。
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yattaro-様 (tenchan)
2010-03-15 14:37:30
家では反抗ばかりしていたけど、
学校では素直な面を出していたんですね。

長男が出会った多くの人が
やる気のない子をその気にさせてくれたのだと感謝しています。

春からは新しい目標に向けて
頑張って欲しいです。
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Sandie様 (tenchan)
2010-03-15 14:44:22
ありがとうございます。
お陰様でようやく合格です~。
やっと春が来ました。

銭湯のおじさん、おもしろかった?
「岐阜で遊んだ」って言われた時
どうやって答えたらいいか悩んだわ。
ただ、「~そうですか・・・・」
とだけ言った記憶がある。

関東圏からロンドンに来ていたお子様は
塾に通って小6で帰国枠の中学受験する子が多かったですね。
親子とも大変な様子でした。

理科と社会は、どうやって勉強させるか悩みましたね~。
次男は通信講座をコツコツやったけど
それでも帰国後は大変だったみたい。
なんせ、歴史で覚えたことは
「ヘンリー八世と5人の妻」ばかりだから~(笑)

長男?あの性格だから通信講座も購読したけど、全くやらなかったわ。
これではいけないと、一応日系の塾に通わせたけど、
帰国後全く授業が分からなかったそうです。
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