長男と次男は小さい頃から寝付きが悪く、
抱っこして寝かせないと寝てくれなかった。
やったぁ、寝た!というところで、
そーっとベッドに横たわらせるのだ。
ところがこの作業は簡単ではなかった。
なにせ二人とも、
背中にセンサーが付いてるんじゃないかと思うほど敏感で
ちょっとでも衝撃を感じると
何かにしがみつくように手を上げて
泣き出してしまうからだ。
そうなるともうダメ。
もう一度抱っこして最初からやり直し。
体を左右に振り、「ゆりかごのうた」を歌いながら
寝かしつけるのだ。
最後の方は座布団ごと抱え、
寝たらそのまま下ろしていた。
気候のよい日は外に出て
家の前の道を行ったり来たり。
暗闇の中でも目がパッチリ、
そんなに早く寝るものか、寝かせられるものかと、
幼子は首に力を入れてギュッとしがみつく。
そんな我が子を抱きしめて、
ゆっくり、ゆっくりと歩き回る。
焦って速く歩こうものなら
こちらの気持ちを感じ取るのであろう、
ますます寝てくれない。
まさに母と子の根比べだった。
そんな中、月が明るくきれいな夜には
今思い出しても感動してしまうことを
言ってくれたものだ。
「ママ~、月、取って~!」
一茶の句「名月を 取ってくれろと 泣く子かな」
にも詠われているが
小さい子って、本当にそんなことを言うのだと
その時はびっくりした。
そうね、お月様きれいね。
じゃあ、うーんと高く抱っこしてあげるから
取ってごらん。
両脇に手を入れ
月に向かって高い高いをしてやる。
「取れない~!」
もっとノビノビしてごらん~
両手をぐーっと上げて月を取ろうとする。
ほんとにかわいいな~。
毎晩外に出て抱っこするのは
大変なことだったが、
こんなに可愛いことを言ってくれる我が子が
愛おしくて仕方がなかった。
小さな頃の幸せな思い出。
あの頃は二人とも可愛かったな~。
そんなエピソードを
塾のお迎えの時に雑談として話していたのだが、
隣りで聞いていた次男がこう言った。
「俺、なんか覚えてる。
漠然とした記憶だけど、『月取って。』と言った気がする。」
まあ、小さい頃の話だから覚えていないと思ったけど、
ちゃんと記憶にあるのね。
ねえ、写真で残した思い出より、
これってもっと素敵だと思わない?
「ママ、お月様取って!」
二人とも私の腕の中でそう言ったのよ。
ちなみに、ちび姫は
寝る時はベッドに寝かせるだけで寝てくれる子だったので、
夜空の下で30分も抱っこすることはなかった。
ただ、ロンドンの空の下、青々とした芝生のお庭で
「飛行機取って~!」
と、手を伸ばしていたっけ。
抱っこして寝かせないと寝てくれなかった。
やったぁ、寝た!というところで、
そーっとベッドに横たわらせるのだ。
ところがこの作業は簡単ではなかった。
なにせ二人とも、
背中にセンサーが付いてるんじゃないかと思うほど敏感で
ちょっとでも衝撃を感じると
何かにしがみつくように手を上げて
泣き出してしまうからだ。
そうなるともうダメ。
もう一度抱っこして最初からやり直し。
体を左右に振り、「ゆりかごのうた」を歌いながら
寝かしつけるのだ。
最後の方は座布団ごと抱え、
寝たらそのまま下ろしていた。
気候のよい日は外に出て
家の前の道を行ったり来たり。
暗闇の中でも目がパッチリ、
そんなに早く寝るものか、寝かせられるものかと、
幼子は首に力を入れてギュッとしがみつく。
そんな我が子を抱きしめて、
ゆっくり、ゆっくりと歩き回る。
焦って速く歩こうものなら
こちらの気持ちを感じ取るのであろう、
ますます寝てくれない。
まさに母と子の根比べだった。
そんな中、月が明るくきれいな夜には
今思い出しても感動してしまうことを
言ってくれたものだ。
「ママ~、月、取って~!」
一茶の句「名月を 取ってくれろと 泣く子かな」
にも詠われているが
小さい子って、本当にそんなことを言うのだと
その時はびっくりした。
そうね、お月様きれいね。
じゃあ、うーんと高く抱っこしてあげるから
取ってごらん。
両脇に手を入れ
月に向かって高い高いをしてやる。
「取れない~!」
もっとノビノビしてごらん~
両手をぐーっと上げて月を取ろうとする。
ほんとにかわいいな~。
毎晩外に出て抱っこするのは
大変なことだったが、
こんなに可愛いことを言ってくれる我が子が
愛おしくて仕方がなかった。
小さな頃の幸せな思い出。
あの頃は二人とも可愛かったな~。
そんなエピソードを
塾のお迎えの時に雑談として話していたのだが、
隣りで聞いていた次男がこう言った。
「俺、なんか覚えてる。
漠然とした記憶だけど、『月取って。』と言った気がする。」
まあ、小さい頃の話だから覚えていないと思ったけど、
ちゃんと記憶にあるのね。
ねえ、写真で残した思い出より、
これってもっと素敵だと思わない?
「ママ、お月様取って!」
二人とも私の腕の中でそう言ったのよ。
ちなみに、ちび姫は
寝る時はベッドに寝かせるだけで寝てくれる子だったので、
夜空の下で30分も抱っこすることはなかった。
ただ、ロンドンの空の下、青々とした芝生のお庭で
「飛行機取って~!」
と、手を伸ばしていたっけ。