肩の凝らないスローライフ

ようこそtenchanワールドへ。「一日一笑」をモットーに・・・日常生活の小さなことを笑いに変えるtenchanの雑記帳

月、取って~!

2011-02-07 15:01:20 | 子供の話題
長男と次男は小さい頃から寝付きが悪く、
抱っこして寝かせないと寝てくれなかった。

やったぁ、寝た!というところで、
そーっとベッドに横たわらせるのだ。

ところがこの作業は簡単ではなかった。
なにせ二人とも、
背中にセンサーが付いてるんじゃないかと思うほど敏感で
ちょっとでも衝撃を感じると
何かにしがみつくように手を上げて
泣き出してしまうからだ。

そうなるともうダメ。
もう一度抱っこして最初からやり直し。
体を左右に振り、「ゆりかごのうた」を歌いながら
寝かしつけるのだ。

最後の方は座布団ごと抱え、
寝たらそのまま下ろしていた。


気候のよい日は外に出て
家の前の道を行ったり来たり。

暗闇の中でも目がパッチリ、
そんなに早く寝るものか、寝かせられるものかと、
幼子は首に力を入れてギュッとしがみつく。
そんな我が子を抱きしめて、
ゆっくり、ゆっくりと歩き回る。

焦って速く歩こうものなら
こちらの気持ちを感じ取るのであろう、
ますます寝てくれない。

まさに母と子の根比べだった。

そんな中、月が明るくきれいな夜には
今思い出しても感動してしまうことを
言ってくれたものだ。

「ママ~、月、取って~!」

一茶の句「名月を 取ってくれろと 泣く子かな」
にも詠われているが
小さい子って、本当にそんなことを言うのだと
その時はびっくりした。

そうね、お月様きれいね。
じゃあ、うーんと高く抱っこしてあげるから
取ってごらん。

両脇に手を入れ
月に向かって高い高いをしてやる。

「取れない~!」

もっとノビノビしてごらん~

両手をぐーっと上げて月を取ろうとする。



ほんとにかわいいな~。


毎晩外に出て抱っこするのは
大変なことだったが、
こんなに可愛いことを言ってくれる我が子が
愛おしくて仕方がなかった。

小さな頃の幸せな思い出。
あの頃は二人とも可愛かったな~。

そんなエピソードを
塾のお迎えの時に雑談として話していたのだが、
隣りで聞いていた次男がこう言った。

「俺、なんか覚えてる。
漠然とした記憶だけど、『月取って。』と言った気がする。」

まあ、小さい頃の話だから覚えていないと思ったけど、
ちゃんと記憶にあるのね。

ねえ、写真で残した思い出より、
これってもっと素敵だと思わない?


「ママ、お月様取って!」

二人とも私の腕の中でそう言ったのよ。



ちなみに、ちび姫は
寝る時はベッドに寝かせるだけで寝てくれる子だったので、
夜空の下で30分も抱っこすることはなかった。

ただ、ロンドンの空の下、青々とした芝生のお庭で
「飛行機取って~!」
と、手を伸ばしていたっけ。