BCPは、実際のリスク事象が起きないと、計画が有効であったのかの検証ができない。かと言って対策を放って置けば、東日本大震災のようなことが起こると、そこで企業の命運は尽きてしまう。
事業はリスクを取るから収益が生まれるという側面もある。
一般的な企業のリスク管理では、通常の経済活動を前提に、その中で企業の許容出来るリスク額を探り、一定以上の過剰なリスクを取ることを回避する行動をしている。(リスクを実現させない管理能力こそが、その企業の強みではあるが。)結果は期間収益に現れ、毎年安定した利益があげられていれば、リスク管理に問題はなかったということになろう。
BCPでは非常事態を想定している。原発事故、コロナウイルスの蔓延、自然災害など、事前に予測困難な重大リスクが対象だ。
平時の企業経営では、それを想定していない。
致命傷を避けながら、企業としての社会的責任を最大限発揮していく方法を練るのがBCPだ。策定には、事業をリアルタイムで俯瞰できる高度な能力が必要だ。
ところがコストがかかり収益にも直結するので、ゆとりのない企業の経営者には渋い顔をされてしまう。
オーナー社長でないサラリーマン経営者には、関心の薄い所となってしまうだろう。「自分が役員である間にそんな余計なことをしてくれるな。自分の役員としての取り分が減ってしまうではないか。」そんな本音があるかもしれない。
国としてはどうだろうか、再三思う所だが、
東京への一局集中というのは、経済の効率面では優れているだろう。
しかしながら今後最も想定される震災リスクに耐えられるのだろうか。
BCPは国家にこそ必要だと思う。担うのは政治家だ。コロナウイルス対策よりはるかに深刻であると受け止めてもらいたい。
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