とうちゃんのぷらぷら日記

アウトドア系の日記及びうんちく

テレーズ・デスケールー モーリアック(遠藤周作訳)

2016-06-25 21:12:31 | 本、作家
今日たまたまある本を探していたら、本棚の隅にモーリアックの「テレーズ・デスケールー」を見つけた。
薄っぺらな文庫本なので存在そのものを忘れていたが、この本を読んで感銘を受けた記憶があつたので思わず手に取りペラペラとページをめくってみた。

すると驚いた。
ページとういページに赤線やマーカーが引かれ、書き込みだらけになっていた。
まったく記憶になかったが、この汚い字は確かに自分の字だ。
文庫本の発行日からすると、20歳ぐらいの時に読んでいるようだ。

何を書いているのだろうと見ると、
テレーズ・デスケールーのタイトルの上には「夜の沈潜への旅」と書いてある。
バサス、サンクレールとあるのは、小説の舞台となっている地名のようだ。
ところどころに、トニオ・クレーゲルがどうのこうのと書いてある。
どうもトーマス・マンの「トニオ・クレーゲル」とこの小説を比較していたようだ。

「夏の暑さ」
「火と水」
「火はテレーズの離れた場所で燃えている」
「テレーズとベルナールとの間が悪くなるほど火が強くなる」
すぐには、ピンとこないが、どうもこの小説のキーワードのようだ。
他にも、いろいろなことがくどくどと書いてあるが、
すぐには意味が解らない。
なんだか恥ずかしい。

モーリアックは三島由紀夫にも多大な影響を与えた小説家のようだが、小説家の遠藤周作も自ら訳している。遠藤周作もよほど思い入れがあったのだろう。

だんだん思い出してきた。
この小説は、人間の本質に迫る問題作で、フランス文学の傑作なのだ。

妙蓮寺駅から、旧東海道 神奈川宿へ

2016-06-19 20:25:45 | 横浜散歩
今日は妙蓮寺の駅から、旧綱島街道、かつての東横線跡を通り、安藤広重の東海道五十三次に描かれた神奈川の宿を歩く。

妙蓮寺の近くには、菊名池がある。
このごろの公園はよく整備されている。自分の家の近くにもこんな公園があったらいいだろうなと思う。
このアオサギは、菊名池を根城にしているようだ。


旧綱島街道は、狭い道だが個人経営の商店が並んでいる。

綱島街道のすぐ横にある白幡池へ寄った。
釣り糸を垂れている人が沢山いる。釣り堀みたいだ。


緩やかな上り下りを繰り返して六角橋商店街へ到着。
六角橋仲見世商店街


東白楽駅のすぐ先、旧東横線の跡地を利用した遊歩道を歩く。


しばらく進むと昭和20年の空襲で破壊され廃駅となった新太田町駅跡のプレートがある。


この先反町の高架橋跡へ上る階段があり、いよいよ横浜駅に抜けるトンネルとなる。

「タイムトンネル」そういう感じだ。
そんな名前の海外のテレビ番組があったのをご存じだろうか。
反町の高架橋からトンネルのあたりは、かろうじて昔の東横線の面影が残った。

さて、トンネルを抜けると雪国ではなく、旧東海道と交差する。
この辺は横浜市の街づくりの一環として、近年だいぶ整備されたようだ。
いわゆる観光コースとなっている。
本覚寺あたりがこのコースの出発点だ。

本覚寺には、江戸時代アメリカ領事館が置かれていた。

寺から高台の道を進むと旧東海道の裏手の場所になる。
かつて目の前には入り江が広がっていたことを想像しながら歩く。
途中下ると旧東海道だ。
有名な田中屋さんは、背後に海を控えた場所に立っていた。
(浮世絵参照)


田中屋さんのすぐ横には急な階段がある。かつてはこの下が海だったのだ。


現代の道も浮世絵と同じく緩やかな坂道となっている。


ここから、もと来た道を反町へ引き返し本日は終了。



梅酒 梅干 梅蜜を作る

2016-06-11 21:22:10 | 料理 食 道具
今年の梅はあまり出来がよくないが、三種の梅漬を作る。

梅酒は久しぶりに泡盛で漬ける。
石垣島のしらゆり30°


前の時には43°の泡盛を使用した。氷砂糖は少なめの500gほどだった。
砂糖が少なめの場合は、程よい味になるまで時間がかかる。
3年目ぐらいで、とてもマイルドで美味しい梅酒になった。

今回は氷砂糖800gほどで挑戦する。
さっき泡盛のしらゆりを飲んだら、そのままでも当然ながら美味しかった。
それ以上の味にならなければ元が取れない。

梅干は弁当に便利だ。
作ってからの年数でも味が違うので、理想は毎年作るとよい。

梅蜜は最近我が家で流行だ。
夏場の飲み物に最適だ。

鮎川信夫と「荒地」展を見る

2016-06-11 19:59:23 | 本、作家
私が学生のころ、古本屋に並ぶ詩集「荒地」には、通はこれぐらい読んでおくのは当然だろうというオーラがありました。
私もウーンそうだよなと思い手に取りましたが、私には理解するのが難しいレベルの詩ばかりでした。
そんな分けで「荒地」には畏怖とあこがれがありましたが、今となるまで鮎川さんの詩をまともに読んだことはありませんでした。
今回は展覧会なので、そのへんの苦手意識が少しでも柔げばと思い見学しました。


展示室を進むと
鮎川さんは中学時代に朔太郎の「月に吠える」を読んでいるようです。
エリオットの「荒地」の翻訳を読んだのは大学生の頃のようです。
すぐさま早稲田の友人たちと「荒地」を創刊しているのですからよほど衝撃が大きかったのでしょう。
エリオットの「荒地」について鮎川さんは、こう書いています。
「詩が社会に向き合う上で感性的な認識手段として有効であることを知った」
鮎川さん達の「荒地」の詩が難しいのは、この辺に原因がありそうです。

さて、戦争体験者である鮎川さんたちが、社会に対する詩を書いたのは、当然の選択肢の一つであったのかもしれません。

このごろの詩人で鮎川さんたちのように話題となるような詩人達はいなくなってしまいました。
残念ながら日本の近代詩は大正時代ぐらいがピークで、その後は下降線をたどっているようです。
私の持っている(すべて復刻版ですが)当時の装丁の詩集には、様々な工夫や、美的センスを感じることができます。

美大の学生さんとかが、なにか新しい工夫で取り組む余地はないものでしょうか。


鮎川さんも中学生時代に読んだ萩原朔太郎の詩集ですが
特に月に吠えるは、田中恭吉の挿絵が印象的で、私的には、日本語の詩集の最高傑作であると思います。


萩原恭次郎 死刑宣告

活字にまで詩的表現の余地はないかと考えぬいた斬新さは大正時代だからこそ出来たことなのかもしれません。


ほとんど知られていない石川善助のマニアックな詩集ですが、序文を高村光太郎が書いています。
装丁がこの詩集らしい清楚な印象で好感が持てます。


ご存じ佐藤春夫の殉情詩集
こんな装丁の本が出たら内容はともかく買ってみたくなりませんかね。



いきなり西山温泉(南アルプス早川町)

2016-06-05 21:08:28 | 旅行
今回泊まった西山温泉慶雲館は世界最古の温泉宿の一つだそうです。
自慢の日本料理がおいしい。
私なんかには分不相応な気もしますが、こういう旅館もたまにはいいものですね。



目の前を流れる早川は、南アルプスの核心部を延々と流れて来た流れです。
このすぐ先には、白根三山の濃鳥岳への登山基地である奈良田(奈良田温泉)があります。

川の流れを見ていると、この先の南アルプスの景色を想像してしまいます。

展望露天風呂はこのすぐ横で、同じような景色がお風呂からも眺められます。


なかなかの景色のお風呂です。
普通、露天風呂の周りには、岩などを並べていることが多いですが、写真の様なさつきとどうだんつつじに囲まれた風呂です。
3分の1ぐらいには屋根があり雨が降っていても入れます。

温泉近くのつり橋へ行ってみる。


つり橋からの早川


上流方向


温泉は、ほんのり硫黄の匂いがする柔らかくて優しい泉質です。湯量も豊富。
途中の道は相変わらずの難路で、ところどころ崖崩れも起こしており、大雨の時には注意が必要です。