お腹が鳴る

愛犬は、お腹をすかせている。
それも、そのはず、昨日の夜、寝る前にドッグフードを食べなかったせいである。
よく躾けられた愛犬は、父の号令がないと、ドッグフードを食べないのである。
昨日、父は、風邪をひき、早くに寝室に閉じこもり、病気と闘っている。
父の号令のないままに、愛犬は、ドッグフードに見向きもしないで、寝ようとしていた。
何度、呼んでも私では言うことを聞かない。

案の定、今朝から、愛犬は、お腹を鳴らしている。
お肉をあげても、口にせず、やせ我慢をしている。
どえらい号令を教えたものである。
かわいそうな愛犬は、お腹を空かせたまま、今も耐えている。

もうすぐ、父の入院の日が、近づいてくる。
その間、愛犬は、どうするのだろうか。
ずっと、お腹を空かせたままでいるのかも知れない。
父の入院は、それほど心配ではない。
愛犬のお腹が減るのが心配だ。
よく言うことの聞く愛犬に、気の毒に思う。