さくら前線

とうとう、我が家の近所まで桜の満開前線がきてしまった。
あまりの嬉しさに、カメラを取り出し、一番近い枝を写しまくった。
やっぱり、桜はいい。
ベビーピンクの花が、可愛い。

前に、一本の桜の下で、花見弁当を食べている家族を見たことがある。
そう。
桜は、多ければ多いほどいいとは限らない。
一本の桜があれば、そこで花見が出来る。
その家族にあやかって、お昼にどこかの公園でお弁当を食べたいと思っている。

ある一本の桜の木の下で、おじさん3人が、ワンカップで酒盛りをしていた。
それもありだと思う。
しかし、その桜は、切られ町の公民館になってしまった。
なんという悲しいことだろう。
木は、何年もかかって成長し、花を咲かせる。
誰も使わない公民館が、一体何の意味があるのだろう。

家の近所の桜を探してみようと思う。
どこかにひっそりと咲いているような気がする。
「どうか、私に気づいてください。」と、花びらを落とす。
桜の下には、笑みが似合うと思う。