今日は、蝶々でした。
会社のPCを触っていたら、覚えてないくらい昔に保存した、
大学時代に愛した、女性の写真を見つけてしまいました。
過去の全てを認めて、
前を向いていたはずの私でした。
けれど、その写真を見ただけで、
いとも簡単に、想いを引き戻されました。
そして帰宅した私は、女性を想い、
こんな文章を綴ったことを思い出しました。
---
『蝶々』
半分の左手で包み込めるような、
ホンの少しばかりの幸福が、僕を変えた。
こんな気持ちは、どこで忘れていたのだろう。
“好き”なのか、“愛”なのか、
今は、“恋”と呼びたい。
その日の僕は、
いつもより優しさが前に出ていて、
どこか、からまわりしてた。
誘われて、舞い上がっていた、
イチョウ林の、蝶々のように。
蝶々は、翔ぶことなく、
土のクッションに変わっていく。
でも、僕は、そんなクッションにさえ、なれなかった。
アスファルトの上、
竹のホウキで流される、羽根だけの蝶々。
そんな、僕だったのに。
半分の右手が、ひとつに繋いだ。
冷たい瞳に、氷の僕を、温めてくれた。
瞳よりも、この手の温もりが、
心の百葉箱で、こうして表している。
そう、思えて。
誕生日には、
お互いの好きなもの、半分づつ贈ったよ。
喜びと一緒に、
僕のこと、もう少し知って欲しかったんだ。
わかり合えなくても、
わかり会えれば、それでいい。
それでいいんだ。
留守電には、
おめでとうの吐息だけ吹き込んだよ。
旅行中だって、
緑のペンで白いメモ用紙を染めていたから。
羽根をひとつに添えて、小さな波を待ってるよ。
触角を高く伸ばして、みっつで待ってるよ。
ありがとうの台詞が欲しいわけじゃないんだ。
ただ、半月振りの声を聴ければ、それでいい。
今は、それでいい。
そして、いつか。
「大好き」よりも、「愛してる」よりも、「I love you」よりも、
僕は、「I do love you」の言葉を、そっと贈りたい。
英米語学科の耳で聴くと、
笑われそうな発音だろうけど。
そう、囁いてみたい。
I do love you...
ありきたりな台詞だけど、
君に恋してる。
蝶々。
---
実のところ私は、
過去の全てを認められてなんかいません。
過ぎ去った女性に想いを馳せる哀れな男は、
多くの人に笑われてしまうことでしょう。
もっと素敵だと思える女性にも出会いました。
次の恋を踏み出そうとも思いました。
それでも私に夏は来ないのです。
いつまでも心の中を、
あの日の蝶々が飛び続けているのです。
早く心の中を、君の知らない場所にしたいよ。
もう、いいよね。
会社のPCを触っていたら、覚えてないくらい昔に保存した、
大学時代に愛した、女性の写真を見つけてしまいました。
過去の全てを認めて、
前を向いていたはずの私でした。
けれど、その写真を見ただけで、
いとも簡単に、想いを引き戻されました。
そして帰宅した私は、女性を想い、
こんな文章を綴ったことを思い出しました。
---
『蝶々』
半分の左手で包み込めるような、
ホンの少しばかりの幸福が、僕を変えた。
こんな気持ちは、どこで忘れていたのだろう。
“好き”なのか、“愛”なのか、
今は、“恋”と呼びたい。
その日の僕は、
いつもより優しさが前に出ていて、
どこか、からまわりしてた。
誘われて、舞い上がっていた、
イチョウ林の、蝶々のように。
蝶々は、翔ぶことなく、
土のクッションに変わっていく。
でも、僕は、そんなクッションにさえ、なれなかった。
アスファルトの上、
竹のホウキで流される、羽根だけの蝶々。
そんな、僕だったのに。
半分の右手が、ひとつに繋いだ。
冷たい瞳に、氷の僕を、温めてくれた。
瞳よりも、この手の温もりが、
心の百葉箱で、こうして表している。
そう、思えて。
誕生日には、
お互いの好きなもの、半分づつ贈ったよ。
喜びと一緒に、
僕のこと、もう少し知って欲しかったんだ。
わかり合えなくても、
わかり会えれば、それでいい。
それでいいんだ。
留守電には、
おめでとうの吐息だけ吹き込んだよ。
旅行中だって、
緑のペンで白いメモ用紙を染めていたから。
羽根をひとつに添えて、小さな波を待ってるよ。
触角を高く伸ばして、みっつで待ってるよ。
ありがとうの台詞が欲しいわけじゃないんだ。
ただ、半月振りの声を聴ければ、それでいい。
今は、それでいい。
そして、いつか。
「大好き」よりも、「愛してる」よりも、「I love you」よりも、
僕は、「I do love you」の言葉を、そっと贈りたい。
英米語学科の耳で聴くと、
笑われそうな発音だろうけど。
そう、囁いてみたい。
I do love you...
ありきたりな台詞だけど、
君に恋してる。
蝶々。
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実のところ私は、
過去の全てを認められてなんかいません。
過ぎ去った女性に想いを馳せる哀れな男は、
多くの人に笑われてしまうことでしょう。
もっと素敵だと思える女性にも出会いました。
次の恋を踏み出そうとも思いました。
それでも私に夏は来ないのです。
いつまでも心の中を、
あの日の蝶々が飛び続けているのです。
早く心の中を、君の知らない場所にしたいよ。
もう、いいよね。