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■ 高速実質値上げ?

時事通信 6月1日(水)2時49分配信(→記事

「国土交通省は31日、東日本大震災で大きな被害を受けた東北地方を中心とした高速道路の無料化を6月20日から始める方針を固めた。同時に高速道路料金の「休日上限1000円」を全国で廃止。各地域で行っている高速道路の無料化社会実験も一時凍結する。
無料化されるのは、東北地方一帯の高速道路で、水戸エリアの常磐道も含まれる。対象は東日本大震災の被災者で、地方自治体が発行する罹災(りさい)証明書を料金所で提示すれば、全車種で無料となる。被災者の避難先が全国に及んでいることを踏まえ、対象地域外で高速道路に乗って対象地域内で降りる場合やその逆も、走行した全区間を無料とする。
一方、被災者以外の一般利用者は、復興に向けた物資輸送を支援するため、トラックなど中型車以上に限り、対象地域内のみ無料化する。」
(筆者追記、夜間・通勤割引などは残る見込み。導入検討されていた平日2,000円上限は見送りの見込み。)

とんだ茶番の国会の陰で、ひっそりと発表されていたこのニュース。

整理すると、無料になる対象はつぎの2者
1.東日本大震災の被災者で、地方自治体が発行する罹災証明書所持者
2.中・大型車
(ただし、国交省は第二次補正が通れば1年間全車種を対象とする方針示す)

無料となる区間はつぎの3路線 → 確定情報
1.常磐道、水戸IC~広野IC
2.東北道、白河IC~青森IC
3.磐越道、新潟中央IC~いわきジャンクション

被災者と中・大型車は↑のエリア内で乗り降りすれば無料です。どこから乗ってもどこで降りても、途中本線上の料金所を通らなければ一切無料。
なので、おそらく、水戸、白河ICなどでは中・大型車で大混雑になるでしょう。
手前のICで降りたら何千円も取られるところを、水戸、白河ICで降りればタダ・・・。多少遠回りしても水戸、白河ICまで乗るわな・・・。
だから東京方面に折り返す道路はトラックで大渋滞??

ブレまくる民主党の高速関連政策。
一般観光客の料金体系はほぼ元のかたちに戻るので、多くの国民にとっては「高速無料化」から逆行することになる、あまりにわかりやすすぎる公約違反。

1000円高速で観光客数が増えたエリアのひとつは(たぶん)東北地方。
復興支援のボランティアだってこの制度に助けられた人が多い筈。

1000円高速で客足をとられたといわれる近隣観光地でも、無料化社会実験区間、たとえば中央道「大月~河口湖」間、東富士五湖道路などは元の料金に戻り、富士五湖周辺などはおそらく影響大。

ものごと、一旦値下げしたものが値上がりすると、反動で値下げ前より需要が減るのは世の常。
「被災地支援のためと言われれば、納得するしかない。」というのが世論の流れかもしれぬが、「『震災で予定がくるったのはわかるが、期日ぐらいはハッキリしてほしい。(1000円終了を知らずに)走ってしまって、後で請求書来たらブッ飛んだなんてことが考えられる』と思わぬ高額請求への警戒を強めた。」(J CASTテレビウォッチ)というのが本音のところか・・・?
はやくもWeb上では6/19までに行けるところ(観光地)に行っておく。(でもって、その後は行かない・・・)というカキコ多数。

関東周辺の温泉地でずいぶん増えていた関西方面ナンバーも、6/20以降はめっきり少なくなるでしょう。
ホテルや旅館の廃業ペースがふたたび速まらなければいいですが・・・

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確定情報 (国土交通省発表2011/06/08)→ 詳細

1.上限料金制を廃止(休日1,000円)
2.実施中の無料化社会実験は一時凍結
3.通勤割引、夜間割引、休日割引(大都市圏3割引、他5割引)などは継続
4.平日上限制度(2,000円)は導入せず
5.エコカー割引は導入せず
6.本四とNEXCO乗継割引は導入せず
※ 廃止日:平成23年6月20日(月)午前0時

ま~、休日5割引が残ったのはまだしもだけど、首都圏から離れた観光地への影響は避けられないわな・・・。 
それにしても、しょ~もない条例ひとつ通すのにも1ヶ月近い周知期間を確保するこの国で、どうしてこんな重要な施策が6/8公表の6/20施行???
政策の整合性もガタガタ・・・。

つ~か、そもそも日本の高速道路って、償還主義(料金収入=費用)をとってるので、建設費や金利が償却された時点で無料になるはずなんですが・・・(→ 資料
※ 厳密には維持管理費分は残る、それとネックはプール制

追記、各地の反響 (6/10収集)
■ 北陸3県、1000円高速終了で観光客の反動減懸念(→ 日経新聞 2011/06/09 6:12
・無料化実験による効果で観光客数が1割増えたというだけに、天橋立観光協会(京都府宮津市)は「(無料化終了で)遠距離からの観光客に旅行を手控える動きが出るのでは」と警戒。

■ 四国知事会議、福島第一原発事故を受けての国の防災基本計画の早期見直しや、高速道路の「休日上限1000円」の継続など、5項目の緊急アピールを採択。(→ YOMIURI ONLINE 2011/06/09
・四国支社管内の通行台数は、09年9月で前年比29%増の約19万2千台。四国の3区間で無料化の社会実験が始まった10年6月以降はさらに増えて今年4月には21万8千台。3年前に比べると41%増えていた。(asahi.com 2011/0609)

■ 船もう1隻もない 高速上限廃止 フェリー業界"恨み節" (→ 産経経済 2011/06/02

『滴』 今井美樹 (Chorus:川江美奈子)
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