民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

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「バナちゃん節」 博多 淡海

2013年05月01日 00時53分16秒 | 大道芸
 「バナちゃん節」 博多 淡海  you tubeアリ

 バナちゃんの因縁 聞かしょうか
生まれは台湾 台北で 台湾土人に 育てられ
青い時から もぎ取られ

 国定忠治じゃ ないけれど 
唐丸カゴに 詰められて その上荒縄 くくられて
金波銀波(きんぱぎんぱ)の 波越えて 大波小波の 波越えて
着いた所が 門司港

 門司は九州の 大都会 
門司の港で 検査され
一等二等と ある中に 私のバナちゃん 一等よ
長い汽車に 乗せられて 着いた所が 箱崎八幡 宮の前

 夜店小店に さらされて
冬は電球で 温(おも)されて 夏は氷で 冷やされて
私のバナちゃんば 食うたなら 35年の 長生きよ 
長生きするのは 福笑い

 さぁ始めましょ 始まましょ 
始めあったら 終わりある 尾張名古屋は 城で持つ
城の中には 池がある 池の中には 蓮がある
蓮の花には 穴がある 穴で私は 苦労する

 さぁまけたか ゴンパチ(58)か
権八ゃ昔の 色男 それに惚れたが 小紫

 もひとつまけたか ゴウヨン(54)か
ゴウヨン鳴るのは 鎌倉名産 鐘の音

 もひとつまけたか ゴウサン(53)か
五十三次ゃ 東海道 昔ゃおカゴで行ったけど 
今は拓(ひら)けて 汽車電車

 またまけたか ヨンキュウ(49)か
ヨンキュウか ここよく聞けよ ヨンキュウか 
子宮は女の 良か所(とこ)で それが男の 好く所

 姉ちゃんアンタに 婿さん無いならば 私が婿さん 世話しょうか
世話するまでの 間に合わせ 私のバナちゃんで どうかいな

 もひとつまけたか ヨンパチ(48)か
四十八ゃ久留米の 連隊で いつも戦8いくさ)にゃ 勝ちどおし
私のバナちゃん 泣きどおし

 またまけたか ヨンシチ(47)か
四十七士の 歴々は 師走半ばの 14日
雪がちらちら 降る中に 吉良の屋敷に 乱入し
ついに本懐 遂げました

 まだまだ もひとつまけたか ヨンヨン(44)か
ししは赤子の 寝小便(ねしょんべん)
はがいかば はがいかばい

 もひとつまけたか サンゴウ(35)か
産後の後家さん 気が早い

 またまけたか サンサン(33)か
三三 杯(さかづき)めでたく 済みました
緞子(どんす)緞子の 掛け声で できた子供が この子です

 人は一代 名は末代
うちの先祖は 犬殺し 
オヤジは墓場の 骨せせり 息子は遊郭 穴せせり

 帰りの土産に 何もろた
淋病 梅毒 横根搔(が)き
あとに残りし 質札 シラミとノミだらけ

 もひとつまけたか イッチンか
オチには学校の 先生で
ここらでお手手を 叩きましょ

ヨーイサーノ ヨイサノ 手締め
 

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