「中高年のための文章読本」その15 梅田 卓夫 著 ちくま学芸文庫 書き下ろし 2003年
「<謎>を含む文章―――<空白>の魅力」 P-239
文章の魅力は、必ずしも、わかりやすく納得できるということだけにはよらないものです。
途中に<飛躍>したり<欠落>している部分があって、その<空白>がかえって読者の興味と関心をそそり、くり返して読み味わいたくなるということもあるのです。
<メモ>の段階では当然、論理的にも、時間的にも、つながらない発想の<断片>が記されています。
これを論旨のつながるものとして叙述していく際に、作者は飛躍や欠落のかげにあるストーリーを探っていくわけです。
それは自身にとっても、ときには謎であり、ときには意外性に満ちた発見の連続です。
文章を書くことの楽しみですね。
読者のためにも、この楽しみを残さなければなりません。
叙述にはある程度の<飛躍>と<欠落>をのこして、読者がそれを補う(=ストーリーをつくる)楽しみを保証したほうがよいのです。
それが読者に対する、作者としての信頼であり、よき読者は、あなたの作品をいったん受け止めたあと、さらに自分のこころのなかで再生していってくれるものです。
「<謎>を含む文章―――<空白>の魅力」 P-239
文章の魅力は、必ずしも、わかりやすく納得できるということだけにはよらないものです。
途中に<飛躍>したり<欠落>している部分があって、その<空白>がかえって読者の興味と関心をそそり、くり返して読み味わいたくなるということもあるのです。
<メモ>の段階では当然、論理的にも、時間的にも、つながらない発想の<断片>が記されています。
これを論旨のつながるものとして叙述していく際に、作者は飛躍や欠落のかげにあるストーリーを探っていくわけです。
それは自身にとっても、ときには謎であり、ときには意外性に満ちた発見の連続です。
文章を書くことの楽しみですね。
読者のためにも、この楽しみを残さなければなりません。
叙述にはある程度の<飛躍>と<欠落>をのこして、読者がそれを補う(=ストーリーをつくる)楽しみを保証したほうがよいのです。
それが読者に対する、作者としての信頼であり、よき読者は、あなたの作品をいったん受け止めたあと、さらに自分のこころのなかで再生していってくれるものです。