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「無名の人生」 その7 渡辺 京二

2018年02月10日 00時08分19秒 | 生活信条
 「無名の人生」 その7 渡辺 京二  文春新書 2014年

 序 人間、死ぬからおもしろい その7 P-15

 われわれは、年をふるにつれて知識や経験を積むこともあれば、老いてますます人間関係などがまずくなることもあります。しかし、100年生きようが500年生きようが、あるいは1,000年以上生きようが、生まれたときから同じ一個の人間です。その間に成長したりすることは多少はあるとしても、所詮、高が知れている。たとえ100年生きても退屈きわまりないものです。人間の生命に限りがあるのは、退屈さにピリオドを打つためではないのでしょうか。
 中略

 人間、死ぬから面白い。
 こんなことを言うと、お叱りを受けるかもしれません。しかし、人間、死ぬからこそ、その生に味わいが出てくる。かく言う私だって、まだまだ死にたくはありません。今でも世の中には執着がある。けれども、死ぬからこそ、今を生きていることに喜びが感じられるのです。

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