「半貝」 落語 破礼話(ばればなし)→わいせつな話
大道商いのガマの油、これが儲かるというので、同業者がたくさん出てきた。
自然、競争がはげしくなったので、油屋、一計を案じ、年頃の娘に男装をさせ、
父親が「一貝が百文、半貝は五十文」と口上をのべたて、娘に油を売らせたところ、
娘の色っぽさが人気を呼んで大変よく売れた。
ところが、油屋の父親、酒が過ぎて病気になってしまう。
一家の稼ぎ手が病気になられては大変、娘はさっそく王子の名主の滝で、
真っ裸となって水垢離(みずごり)をとり、父親が一日も早く治るように祈っていた。
ここを通りかかった八公(はちこう)、
「おう、ねえさん、感心じゃねえか、これで親父にうめえ物でも食わせてやんな」
と、胴巻きから百文をつまんで娘にやると、娘は感激、両手を差し出してこの金を受け取った途端、
(娘の大事なところの)繁みがすっかり見えてしまった。
八公、大喜びに喜んで長屋に帰り、得意げにこの話をする。
うすのろの熊公(くまこう)、これを聞いて「よし、おれもひとつ」とばかり、
スケベ根性を燃やして名主の滝に出かけた。
案の定、彼女、今日も水垢離(みずごり)をとっている。
百文出せば、熊公、いい男なのだが、しみったれて五十文渡すと、敵もさるもの。
彼女、片手で大事なところを押さえて、片手でこの金を受け取る。
「おい、八公の時みてえに両手を出しなよ」
「五十文では片手です」
「それはまた、どうしてだ」
「五十文は半貝でございます」
大道商いのガマの油、これが儲かるというので、同業者がたくさん出てきた。
自然、競争がはげしくなったので、油屋、一計を案じ、年頃の娘に男装をさせ、
父親が「一貝が百文、半貝は五十文」と口上をのべたて、娘に油を売らせたところ、
娘の色っぽさが人気を呼んで大変よく売れた。
ところが、油屋の父親、酒が過ぎて病気になってしまう。
一家の稼ぎ手が病気になられては大変、娘はさっそく王子の名主の滝で、
真っ裸となって水垢離(みずごり)をとり、父親が一日も早く治るように祈っていた。
ここを通りかかった八公(はちこう)、
「おう、ねえさん、感心じゃねえか、これで親父にうめえ物でも食わせてやんな」
と、胴巻きから百文をつまんで娘にやると、娘は感激、両手を差し出してこの金を受け取った途端、
(娘の大事なところの)繁みがすっかり見えてしまった。
八公、大喜びに喜んで長屋に帰り、得意げにこの話をする。
うすのろの熊公(くまこう)、これを聞いて「よし、おれもひとつ」とばかり、
スケベ根性を燃やして名主の滝に出かけた。
案の定、彼女、今日も水垢離(みずごり)をとっている。
百文出せば、熊公、いい男なのだが、しみったれて五十文渡すと、敵もさるもの。
彼女、片手で大事なところを押さえて、片手でこの金を受け取る。
「おい、八公の時みてえに両手を出しなよ」
「五十文では片手です」
「それはまた、どうしてだ」
「五十文は半貝でございます」