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「半貝」 落語

2013年03月22日 00時21分16秒 | 伝統文化
 「半貝」 落語 破礼話(ばればなし)→わいせつな話

 大道商いのガマの油、これが儲かるというので、同業者がたくさん出てきた。
自然、競争がはげしくなったので、油屋、一計を案じ、年頃の娘に男装をさせ、
父親が「一貝が百文、半貝は五十文」と口上をのべたて、娘に油を売らせたところ、
娘の色っぽさが人気を呼んで大変よく売れた。

 ところが、油屋の父親、酒が過ぎて病気になってしまう。
一家の稼ぎ手が病気になられては大変、娘はさっそく王子の名主の滝で、
真っ裸となって水垢離(みずごり)をとり、父親が一日も早く治るように祈っていた。

 ここを通りかかった八公(はちこう)、
「おう、ねえさん、感心じゃねえか、これで親父にうめえ物でも食わせてやんな」
と、胴巻きから百文をつまんで娘にやると、娘は感激、両手を差し出してこの金を受け取った途端、
(娘の大事なところの)繁みがすっかり見えてしまった。

 八公、大喜びに喜んで長屋に帰り、得意げにこの話をする。
うすのろの熊公(くまこう)、これを聞いて「よし、おれもひとつ」とばかり、
スケベ根性を燃やして名主の滝に出かけた。
案の定、彼女、今日も水垢離(みずごり)をとっている。
百文出せば、熊公、いい男なのだが、しみったれて五十文渡すと、敵もさるもの。
彼女、片手で大事なところを押さえて、片手でこの金を受け取る。
「おい、八公の時みてえに両手を出しなよ」
「五十文では片手です」
「それはまた、どうしてだ」
「五十文は半貝でございます」

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