民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

語り手のわたしと聞き手のあなたが
一緒の時間、空間を過ごす。まさに一期一会。

「棒を振る人生」 佐渡 裕 

2020年08月31日 13時16分06秒 | 身辺雑記
 演奏会はサーカスの綱渡りに似ている。綱を渡るパフォーマーが綱から落ちてしまっては困るが、絶対落ちないとわかっているのもつまらない。落ちそうで落ちない、サーカスの面白さは、そのハラハラドキドキのスリリングな緊張感にある。
 演奏会でいえば、もちろん演奏が破綻してはいけない。では、安定していればいいかというと、これもまた面白くない。言ってみれば、指揮者はオーケストラに綱渡りをやらしているようなものなのだ。

「棒を振る人生」 指揮者は時間を彫刻する  佐渡 裕 PHP新書 72ページ