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アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

当ブログへようこそ

 アフガン・イラク戦争も金正日もNO!!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!

 これが、当ブログの主張です。
 詳しくは→こちらを参照の事。
 「プレカリアート」という言葉の意味は→こちらを参照。
 コメント・TB(トラックバック)については→こちらを参照。
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紹介:大阪でのWE反対/建国記念日不承認の取組み

2007年02月07日 10時06分23秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を
●過労死促進法・家庭破壊法・残業代ゼロ法 「ホワイトカラー・エグゼンプション」導入を絶対に許さない!~大阪法律家7団体共同シンポジウム~(2月9日)

趣旨:
一定以上の年収のあるサラリーマンを「8時間労働制」の枠から外すという、とんでもない「ホワイトカラー・エグゼンプション」法案に、急速に反対の声が広がっています。安倍首相は1月16日、今国会への法案提出の見送りを表明しましたが、7月の参院選が終わればまたぞろ持ち出してくることは確実です。
今こそ、この過労死促進・家庭破壊・残業代不払い合法化の法案を完全に葬るとともに、横行する違法なサービス残業をなくし、人間らしい生活、団らんのある家庭を取り戻していく絶好の機会ではないでしょうか。
そんな思いから、7つの法律家団体が手を取り合って、共同シンポジウムを行うことにしました。人間らしく働きたいと願う労働者、家族、市民の皆さん!共に学び合い、声を上げていきましょう。ご参加を心からお待ちしています。

日時:2007年2月9日(金)午後6時30分~(開場午後6時)
会場:エル・シアター(エル・おおさか 2階大ホール)
    電話 06-6942-0001
    京阪本線・地下鉄谷町線「天満橋」駅から西へ300M
講演・報告: 
   西谷 敏さん(大阪市立大学教授・労政審分科会労働者代表委員)の講演
   田島恵一さん(自治労全国一般評議会幹事)による情勢報告
   各職場からの実態報告と過労死遺族からの訴え
参加無料:
主催:連合大阪法曹団・大阪労働者弁護団・民主法律協会・大阪社会文化法律センター・自由法曹団大阪支部・青年法律家協会大阪支部・日本労働弁護団大阪支部
 http://homepage2.nifty.com/lala-osaka/070209annnai.htm


●「建国記念の日」反対!教職員は子どもの人権を守れ!大阪集会(2月11日)

日時:2月11日午後1時~(午後12時30分開場)
場所:大阪市立北区民センター(大阪市北区扇町2-1-27)
地下鉄堺筋線「扇町」駅・JR環状線「天満」駅下車すぐ)
映画上映:ドキュメンタリー映画「君が代不起立」
講演:
河原井 純子 さん(東京教員・「君が代」不起立での被処分者)
黒田 伊彦 さん(ホットライン大阪事務局)
「国のため ひょんと 死ぬるや」-建国神話と新教育基本法-
料金:1,000円(改訂版「一問一答集」付き)
主催:「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪
TEL:090-6918-1172
関連サイト:
ドキュメンタリー映画「君が代不起立」 紹介サイト(「ビデオプレス」より)
 http://vpress.la.coocan.jp/kimi.html

 http://bund.jp/modules/piCal/?smode=Monthly&action=View&event_id=0000001247&caldate=2007-2-7


●2007年2月11日「建国記念の日」不承認 大阪府民のつどい(同日)

趣旨:
 戦前、「紀元節」は、初代神武天皇即位の日とする天皇制国家の重要な祝祭日でした。戦後、「紀元節」の復活をねらう政府は、1966年に「紀元節」の日であった2月11日を「建国記念の日」と制定しました。「建国記念の日」は国民主権を基本とする憲法の民主主義的原則に反し、歴史の真実を歪めるものです。
 とりわけ、イラクへの自衛隊派兵とともに、アジアへの侵略戦争に対する「過去の反省」の怠りは、世界と東アジアに戦火やトラブルを誘発・拡大し、ひいては憲法第九条の存続を脅かしています。つどいでは、平和と憲法第九条について皆さんとともに考えたいと思います。

日時:2007年2月11日(日)13時開会(12時30分開場)
場所:アピオ大阪 小ホール(TEL.06-6941-6331)
   (JR環状線又は地下鉄中央線「森ノ宮」下車)
講演:渡辺治氏(一橋大学大学院教授)
   「憲法9条「改正」で日本は平和になるのか-安倍政権における改憲の新段階-」
参加費:500円(高校生以下無料)
主催:「建国記念の日」反対大阪連絡会議
事務局団体:大阪教職員組合・大阪歴史学会・大阪歴史科学協議会・大阪歴史教育者協議会・関西マスコミ文化情報労組会議・大阪民衆史研究会
連絡先:大阪教職員組合 TEL.06-6768-2330
 http://wwwsoc.nii.ac.jp/historia/event.htm 

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 前段2月9日のWE(ホワイトカラー・エグゼンプション)反対の取組みは、当日仕事が終わり次第、時間的には少々きついが何とか参加するつもり。後段2月11日の建国記念日不承認の2つの取組みは、いずれも完全に勤務時間に重なるので参加は無理。
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屋外生活者排除の大阪・長居公園行政代執行を糾弾する!

2007年02月07日 00時07分04秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を
 柳沢厚労相の失言問題と愛知・北九州の首長選挙に世間の耳目が集まっていたこの2月5日月曜日に、大阪・長居公園では屋外生活者(ホームレス)排除の行政代執行が強行されました。昨年の靱公園での代執行に引き続いて二度目の暴挙です。靱公園の時の口実は世界バラ会議、今回の長居は世界陸上と、またしてもイベント利権に群がる輩の金儲けの為に、屋外生活者の方たちの生活権・人格権が侵害されました。

 大阪市は「代替の自立支援施設を用意している」なんて言っていますが、そこで行われている自立支援策なるものは殆ど形だけのお座なりなもので、半年後の居住期限が過ぎれば、自立出来ていようがいまいがそんな事には一切お構いなしに、また外に放り出されるだけなのです。この様に、大阪市の言う「自立支援施設」というのは、屋外生活者排除を正当化する為のアリバイ的なモノでしかないのです。その発想においては、北朝鮮の政治犯収容所とも何ら変わらない代物なのです。

 屋外生活者問題は、現代の日本ではワーキング・プアやプレカリアートの問題とも密接に結びついています。先日のテレビ番組では、失業し家賃も滞納して住処を追われた若者たちが深夜営業のネットカフェに寝泊りしながら日払いでどうにか食いつないでいる姿が映し出されていました。低賃金、長時間・不規則な勤務、重労働、不安定・不定期雇用、何の保障も無い無権利状態。これらの矛盾は、屋外生活者が従事し搾取されている寄せ場・飯場の日雇い労働にこそ最も鋭い形で集中的に現われてはいますが、それは今や屋外生活者のみに止まるものではなく、それ以外のワーキングプア・プレカリアートや、今現在はかろうじて正規雇用に止まっている労働者にも広がってきているのです。謂わば「非ホームレスのホームレス化」ともいうべき労働実態・生活実態が広がっているのです。

 しかし、正社員労働者やワーキングプア、プレカリアートにも人間としての暮らしがあるのと同様に、屋外生活者にも人間としての暮らしがあるのです。世間一般がイメージする所の住宅にこそ住んではいませんが、彼の人たちにも住処があり日々の仕事(空缶・古紙回収など)や暮らしがあるのです(拙ブログでも以後は基本的にはホームレスではなく屋外"生活者"の語を使用する事にします)。彼の人たちの生活権・人格権が一方的に侵害されて良い筈がありません。若しそんな論理を一旦認めてしまえば、次に排除されるのは、「今はとりあえず辛うじて非ホームレスに止まっている」ワーキングプア、プレカリアートであり正社員である「私たち」なのです。

 斯くいう私も、この間は前述の柳沢発言等の関連記事投稿にかまけて、長居公園での行政代執行に対しては殆ど何もアクションを起こせませんでした。この事をまず始めに反省します。もう既に代執行が行われてしまった後になりましたが、それでも「長居公園での真実」を少しでも多くの方に知っていただく為に、下記の投稿をこちらにも遅ればせながら転載させてもらう事にします。


(以下転載)
皆様の長居への支援に敬意を表します
投稿者:草加耕助 投稿日: 2月 5日(月)21時16分34秒

前日の夜より、長居公園の強制排除抗議行動に行ってきました。できるだけ早く詳細な報告を書かねばと思いますが、呼びかけさせていただいた皆様へのご報告として、「速報版」をアップいたします。

 とりあえず私は、せっかく完成させた新品の「旗旗2号(手押し宣伝カー)」をボコられたことと、怒鳴りすぎて声が出なくなったことを除けば無事に帰還することができました。

 さて、抗議行動ですが、朝になって市の職員が集まりだしたところを見計らって、一番手前にあったテントの屋根(ブルーシート)がはがされはじめました。「野宿者が自分でテントを撤去しはじめたのか?」と言えば、さにあらず、なんと、シートの下からは、今まで隠されていた芝居用の舞台(櫓)が姿を現したのです!こんなものを極秘に作っていたとは!

 そして居並ぶ市の職員、ガードマン、報道陣、野次馬、支援の人々を前にして、舞台の上では今回排除される人々による寸劇がはじまりました。さすがに「女優」は支援の人のようですが、順番に排除当事者の人達が主役になって、大阪市を風刺し、ホームレス問題を訴える劇が次々と上演されていきます。基本的にはドタバタ喜劇風ですが、脚本から衣装、メーキャップ、小道具にいたるまで、すべて排除される当事者の皆さんの手作りです。

 支援団体の人々は、舞台の下を3重のスクラムで座り込んで守っています。その数約50人。さらにその外側に私達のようは個人参加の人々がいるという感じ。支援側は総勢約200人。市側の排除部隊は約500人くらいです。

 実は当事者の方々は、自分たちがすべてを奪われて追い出されることを覚悟していました。そして長年住み慣れた長居を後にする最後の最後に、自分たちの思いを精一杯表現する行為として選んだのが、単なる「阻止行動」によるぶつかりあいではなく、この「芝居」だったのです。

 これこそが、非暴力不服従と、当事者の思いを優先する「長居スタイル」そのものでした。事前に私たち支援が決めたことは、「無用な衝突で逮捕者や怪我人を出さない」ということと、そして「何が何でもこの芝居が終わるまでは舞台を守って持ちこたえよう」ということの二つでした。

 市の対応は、私が野宿労働者支援に立場にいたから言うのではなく、本当に血も涙もない酷いものでした。舞台を取り囲んでスピーカー3台で芝居の邪魔までした。私が「もう排除されることを覚悟しての芝居なんだ!君たちには血も涙もないのか!せめて芝居が終わるまで邪魔しないでくれ」と訴えますと、指揮者ではない二人はためらいを見せて妨害をやめましたが、市の部隊指揮者だけは、よけいにこれみよがしな大声で妨害をはじめ、あまつさえ、舞台を防衛している人達に罵詈雑言を浴びせかける始末。この指揮者の雰囲気がだんだんと職員全体に伝播していき、同じ排除するにあたっても、徐々に一人を数人で逆さに吊り上げて地面をひきずり回すというような非道な方法にエスカレートしていきました。

 もともと本来の「非暴力不服従運動」とは、暴力はもちろん、罵倒なども行わないことが基本です。あらかじめそのことは支援にも伝わっていたと思いますが、あまりといえばあまりの酷さに、こらえきれずに罵倒が飛びかいます。私も思い切り罵倒してしまいました。ごめんなさい。でも、この指揮者に対するあまりの怒りのため、怒髪天をついて手や足もブルブル震えてカメラも持てないくらいの状態になり、とうてい我慢できるものではありませんでした。

 そうやって次々と無抵抗の仲間たちが暴行を受けて排除され、住人たちのテントが目の前で粉々に破壊されていくという修羅場の中で寸劇は進み、出演者たちはそれでも笑顔を絶やさずに立派に劇をやりぬきました。そして結果的に私たちは、すべての長居の仲間たちが主役をつとめて劇が全部終わるまで、満身創痍になりながらも、舞台を守りきることができたのです。私たちは今日の闘いに勝利したのだと信じます。

 何人もの方々から、携帯電話への転送メールをいただきました。それらはいよいよ舞台が破壊されそうになって必死にこらえている仲間たちに向かい、お名前はふせた上で「旗旗2号」を使って読み上げ、確かにお伝えしました。「この瞬間にもあなた方を全国の人達が応援しているのだ」と、そして「市の蛮行をこの瞬間も監視・抗議しているのだ」と。

 途中ははしょりますが、全員が排除されてしまった後、広大な公園の片隅に避難した私たち支援全員に向かって、今まで笑顔を絶やさずに演技してこられた長居公園の当事者の方が最後の挨拶に立たれました。すべてを奪われ、まだ劇の扮装をしたままの彼は、私たちにむかって体が折れてしまうのではないかと思うくらい深々と礼をされながら、この時にはじめて涙で声を震わせて「今日はほんとうにありがとうございましたぁ!」と叫ばれました。その姿はまるで名優がカーテンコールに立っているようでした。そしてそれにふさわしく、「観客」からも万雷の拍手と共に、「よくやった!」「最高だった!」という掛け声が飛びました。

 私はこの時の光景を思い出して、今も涙が止まりません。
 確かに市側の指揮者によって、人間の嫌な面もたっぷり見せ付けられました。しかしそれと同時に、もう二度と見ることのできない最高の舞台を見れたこと、どんなに虐げられても人間の明るさを失わない尊敬すべき人々とたとえ一日でも連帯できたこと、そして、この素晴らしい一瞬に同席できたことを、私は心から誇りに思います。もう少し「人間」を信じて生きてみようと思います。
(転載終了)
 http://6305.teacup.com/mappen/bbs?
 http://bund.jp/modules/wordpress/index.php?p=333

(参考資料)

・大阪・長居公園:野宿者テント撤去 市が代執行(毎日新聞)
 http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20070205dde041040048000c.html
・長居公園行政代執行に対する研究者声明(若手研究者有志一同)
 http://rootless.org/nagai/index.php
・長居公園行政代執行に対する抗議声明と抗議要請(のじれん=渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合)
 http://www.jca.apc.org/nojukusha/nojiren/declare/osaka.html
・釜パト(釜ヶ崎パトロールの会)活動日誌
 http://kamapat.seesaa.net/
・釜ヶ崎支援機構
 http://www.npokama.org/
・自立生活サポートセンター・もやい
 http://www.moyai.net/ 
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柳沢厚労相の人格否定発言を巡って2

2007年02月05日 09時57分12秒 | お笑い安倍政権
●戦前封建アタマ+冷酷な自己責任論者=柳沢伯夫・安倍晋三

>なかなか今の女性は一生の間にたくさん子どもを産んでくれない。人口統計学では、女性は15~50歳が出産する年齢で、その数を勘定すると大体分かる。ほかからは生まれようがない。産む機械と言ってはなんだが、装置の数が決まったとなると、機械と言っては申し訳ないが、機械と言ってごめんなさいね、あとは産む役目の人が1人頭で頑張ってもらうしかない。(女性)1人当たりどのぐらい産んでくれるかという合計特殊出生率が今、日本では1.26。2055年まで推計したら、くしくも同じ1.26だった。それを上げなければいけない。<
 http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20070130-OHT1T00025.htm

 上記が、柳沢厚労相が1月27日に実際に吐いた暴言です。一部のウヨク系ブログの中にはこれを捉えて「何だ大した事言ってないじゃないか」なんてピント外れな事を書いている所もあるようですが、どうしてどうして、柳沢という閣僚(ひいては安倍内閣)の本質が露呈した立派な暴言ではないですか。

 昨今の少子化現象の原因は何処に在るのですか。女性が怠慢こいて子どもを産まないのが原因ですか。違うでしょう。給料は安い、雇用は不安定、旦那も自分も長時間労働や共働きで子どもを産むどころではない、年金も健康保険も切り縮められる、医療改悪と公立病院のリストラで産科不在の病院や子どもも産めない地域が広がっている。子どもを産みたくても産めないというのが実情でしょう。
 そういう政治を散々しておいて、その張本人である厚労相の言った言葉がこれですか―「あとは産む役目の人が1人頭で頑張ってもらうしかない」。軽薄な自己責任論の極みそのものですね。この人の精神構造は戦前の家父長制そのまんまで、その男尊女卑の封建オヤジの感覚の上に、人間を将棋の駒としてしか見ない現代の冷酷な市場原理主義・新自由主義の自己責任論が乗っかっているのです。これは柳沢発言を擁護する先のウヨク・ブログの精神構造も同じです。
 柳沢も先のウヨク・ブロガーも、ともども、安倍内閣・自民党の象徴とも言える人物であり発言であると言えます。しかし、今は戦前などではなく21世紀なのです。そんな感覚など世界でも日本でも通用しないのは当たり前です。

●愛知県知事選・北九州市長選でも表明された「柳沢・安倍辞めろ」の民意

・僅差で1勝1敗…愛知は与党候補当確も現職大苦戦 柳沢厚労相「職責全うするだけ」(産経イザ!)
 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/localpolicy/37867/
・高市特命担当相「私は不良品!」 柳沢発言に不快感(産経イザ!)
 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/37136/

 昨日2月4日に投開票された標記2つの地方選挙結果については、「下馬評通の結果だ」「1勝1敗で踏みとどまった」「柳沢は辞めずに済む」などという評価も政権の一部にあるそうですが、これも民意を見誤った見方です。

 民主系が与党系候補を破った北九州市長選ですが、ここでは巨大コンテナバースや紫川に掛かる橋の装飾に金をつぎ込んで市財政を借金まみれにしておきながら、生活保護申請は切り捨て餓死者を続出させる、景気も冷え込んで市外への人口流出が止まらない(既に百万都市ですら無くなっている)、そういう冷酷な政治の在り方が争点になりました。こういう結果になったのは当然です。

 与党系現職がかろうじてその座を守った愛知県知事選ですが、票差を見ると民主系候補がかなり与党系に肉薄しており(142万余対135万余票)、共産系と合わせた票数では野党系が与党系を大幅に上回っています。
 ここはトヨタ王国のお膝元で民主党も今までオール与党県政を支えていたのが、ここにきて急遽一転候補を擁立するようになった(それも、旧民社党ゆずりの反共・労使協調路線故に共産党からの統一候補擁立の申し出も蹴って己の点数稼ぎだけの為に)、謂わば「与党と"隠れ与党"のニセ対決」の形で、愛知限定のトヨタ・愛知万博・中部空港開港景気の余波もあって最初から与党有利の選挙でしたが、それでも蓋を開けてみたら与党が際どい所まで追い詰められました。

 勿論、これは「民主党が自民党に勝った」という事では全然ありません。民主党もそれまではオール与党の一員として保守県・市政を支えてきた事は、愛知でも北九州でも衆知の事実でした。無党派層の決起が限定的であった(投票率は大幅にアップしたもののそれでも5割前後に止まった)のも、所詮は「与党と"隠れ与党"のニセ対決」である事が無党派層に見抜かれていたからなのです。
 それでも尚、柳沢大臣の人格否定発言を契機に、それまで燻っていた格差社会への庶民の怒りに愈々本格的に火がついて、それが保守二大政党制下では非与党系候補への投票という形で現われたのが、昨日の選挙結果だったのです。つまり、今回の選挙は「民主党が追い詰めた」のではなく「世論が与党をここまで追い詰めた」という所にこそ最大の意義があるのです。「柳沢・安倍辞めろ」、これが今回の選挙で示された民意です。
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柳沢厚労相の人格否定発言を巡って1

2007年02月03日 00時07分56秒 | お笑い安倍政権
●ウチの職場でのちょっとした出来事

 柳沢厚労相の「女は子どもを産む機械」発言(1月27日、松江市の自民党決起集会にて)を巡って、実はウチの職場でもちょっとした出来事がありました。
 31日の昼休みに休憩室でこのニュースを見ていた所長がいきなり、「厚労相もああやって謝っているのだから許してやれよ」とテレビに向かって言ったのです。その場には私も居て、私は普段は面と向かってやり合う事は余り無いのですが、その時は流石にその発言にはカチンと来て、「トンデモ発言を糾弾して何が悪いのか」と言っちゃいました。それに対して所長曰く、「発言は確かにトンデモだが、謝っているのだから良いではないか」という、そういうやり取りがありました。まあそれはその一瞬だけの出来事で終わって、後に尾を引く事も全然無く今日まで来ているのですが。

●人間は機械の部品ではない!

 このニュースの取り上げられ方ですが、当該発言を「トンデモ」視する側がこの問題を人権問題として捉えているのに対して、「別にどうって事ないじゃないか」視する側は、単に男女間の対立・軋轢としか捉えていないのではないか。そして、何か「女どもが何をギャーギャーほざくか」みたいな捉え方をしている。そういう感じがします。(その他にも、民主党の点数稼ぎだとか、果ては隠れ小泉派による安倍降ろしの陰謀だとか、色々諸説が飛び交っていますが、これらの諸説の真偽にまで言及していると話がややこしくなって私の手に余りますので、とりあえずは横においておきます)

 柳沢失言の根底に女性蔑視があるのは間違いないです。これは当人が、自分の奥さんを今までずっと「家内」と呼んできた事や(こちらのニュースは世間では余り問題視されていない様ですが、この呼称は戦前家父長制の名残そのもの)、今回の事件に際しても、「自分の娘は男子とも分け隔てなく育ててきた」と言い訳している事からも(そんな事は男女平等の世の中では当たり前、それを今更言い訳にするか?)伺えます。

 ただこの事件を、単に女性蔑視やバックラッシュの観点から<だけ>で非難していたのでは、逆に、この問題を単に「男女間の対立」として興味本位にしか捉えない商業メディアや芸能記事の、格好の餌食にされてしまってそれで終わってしまうだけではないか。そういう懸念があるのです。

 柳沢大臣が主管している厚生労働行政は、今焦眉の問題として政局を揺るがしている労働法制改悪(WE、労働契約法の導入、解雇自由化、裁量労働制の拡大)の主戦場でもあります。そういう大臣の失言であるという事を、まず念頭に入れて考えなければならないと思います。「女は子どもを産む機械」という心性の持ち主が、男性労働者だけを人間扱いする事など、絶対に在り得ない!これは即ち、「男は利潤を生む機械である」「労働者は単なる企業の歯車、奴隷でしか無い」という事を意味します。「ある社会の女性解放の尺度は、その社会の人間解放の尺度でもある」とはフランス革命当時の空想的社会主義者フーリエの言葉ですが、そういう意味では、この柳沢発言というのは、「女性」だけではなく「男性も含めた人間全体」の問題なのです(記事の表題を単なる女性蔑視ではなく人格否定としたのも、その為です)。

●謝ってそれで済む場合と、それだけでは済まない場合がある。

 「謝っているのだから許してやれよ」という先述の所長発言に関して言うと、これはその問題の性質や中身によります。柳沢厚労相は「××は機械である」と言いましたが、これが若し「××はエタである」と言ったとしたらどうでしょう。若し自分が未解放民だったとしたら、こんな事を言われて聞き流す事が出来ますか。いくらその発言の前後に「ごめんなさいよ」とか「こういう喩えで何ですが」とかいう言い訳、アリバイめいた言葉を挿入していたからといって、そして事後に上辺だけの陳謝をしたからといって、「それで済む話」などという事には絶対にならないでしょう。

 その事後の陳謝にしても、ただ鸚鵡返しの様に「女性蔑視だった、迷惑をかけて悪かった」と言っているだけではないですか。自分の発言やその背景となる歪んだ認識の「何処が女性蔑視だったのか」、その事で「誰がどれだけ傷ついたのか」という事に対する総括がなければ、謝罪した事には全然なりません。一般人が、待ち合わせ時間に遅刻したり借金を期日までに返せなくて謝るのとは、訳が違うのです。まかり間違えても、「惻隠の情」などという生半可なモノで、ウヤムヤに出来る問題などではありません。

●「柳沢発言擁護論の裏にあるもの」を考える

 ウチの所長とは、この問題についての遣り取りはそこで終わったので、どういうつもりで「謝っているのだから許してやれよ」と言ったのかは、私には分りません。あんまり政治絡みの話題で直属の上司をネチネチ追い掛け回すのもアレですし。そこで、ここではあくまで一般論として、柳沢発言擁護論が出てくる背景についても少し考えてみました。

 擁護論といっても、単に「謝っているのだから許してやれよ」とか「別にどうって事ないじゃないか」レベルのものから「女どもがギャーギャーと煩い!」「男たるもの女を思い通りにしてナンボ」レベルの男尊女卑の確信犯まで、その幅は広いと思うのですが。

 柳沢発言擁護の立場のサイト・ブログで展開されている言説も幾つか読ませてもらいましたが、押しなべてそれらに共通して私が感じるのは、「生意気な女が、ギャーギャーと煩い!」という心理です。やっかいなもの、こみいった問題、政治的な話題、マイノリティな意見・・・。これら全てを「鬱陶しいモノ」と看做し、「黙っとれ!お上のやる事にいちいちケチをつけるな!」と、有無を言わさず暴力的に排除する。そして臭いモノ、見たくない事には蓋をして村八分にして、自分たちだけの「旧態依然の村」の中で「仲間うちだけで群れる」―そういう心理が。政府が、「格差」や「貧困」という言葉を嫌って、公式の場での使用をなるべく避けようとしていると聞きますが、それと同じ心理ですね。

 政治対立が激しくなると、得てしてこういう輩が出てくるものです。政府が法案を強行採決したのに政府ではなく審議拒否した野党が悪いとか、米国の言いなりになって大義名分のないイラク戦争に派兵した政府を責めずに自衛隊撤退を主張した人質家族をバッシングするとか、そういう風にして主客を転倒して物事を捉える「プロ奴隷」が。そういう輩は、「長いものには巻かれろ」という自分自身の本性が露になるのが怖いので、マイノリティ排除に走るのです。

(参考記事)

・「女性は子ども産む機械」柳沢厚労相、少子化巡り発言(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/politics/update/0128/002.html?ref=doraku
・厚労相発言:野党4党の女性議員有志が辞任求め緊急集会(毎日新聞)
 http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20070201k0000m010149000c.html
・柳沢発言 政府幕引き狙うが、適格性に疑問の声やまず(同上)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070130-00000003-maip-pol
・世界で報道「怒りかりたてた」/厚労相「産む機械」発言/“世論 追及をゆるめず”/世界のメディア いっせい報道(しんぶん赤旗)
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-02-01/2007020101_04_0.html
・【Webウォッチ】「女性は産む機械」にあきれ気味(JANJAN)
 http://www.janjan.jp/living/0701/0701309124/1.php
・「女性は子供を産む機械」発言(珈琲Time)
 「機械はお金で買えるもの、そのうち国家予算を組んで(若い)女を海外から調達するとか言い出しそう。いや、どうせなら子供そのものを輸入したほうが手っ取り早いとか。とにかく人権感覚のない政治家がたくさんいますからねえ。」にはワロタ。
 http://kaorunokimi.at.webry.info/200701/article_28.html
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