アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

続・プレカリアートのガラパゴス日本脱出計画

2012年12月14日 00時23分30秒 | 都構想・IRカジノ反対!
 前編で日本脱出の理由について書いた。ここではその方法について、もう少し具体的に考えてみる。

(1)いつ逃げるか?

 直近12月16日投開票の衆院選に続き、来年には参院選がある。今のままでは、自民党や「維新の会」などの改憲勢力が全議席の2/3以上を占める事が確実だ。そこで改憲発議がされ、国民投票でも恐らく過半数の賛成で自民党のトンデモ改憲案が通ってしまうだろう。あんな改憲案なぞ、一昔前なら絶対に通る筈がなかった代物だ。トンデモの中身が広く国民に知られれば、国民投票の土壇場でひっくり返す事もまだ不可能ではないが、今の情勢では恐らく難しいのではないか。「9条の会」運動の広がりに一縷の望みを託したものの、情勢を根本的に変える事は出来なかった様だ。
 勿論、国民投票で改憲を阻止出来れば、わざわざ海外に逃げる必要はないのだ。その為に最善を尽くすのは言うまでもない事だが、そこで阻止できなければ、いよいよ海外脱出などの緊急避難策を講じなければならなくなる。その際は国民投票の翌日から脱出準備にかかる。

(2)どこに逃げるか?

 海外脱出の直接の目的は徴兵忌避だ。だから脱出先も徴兵制でない国である事が大前提だ。記事冒頭に掲げた世界地図の、赤色が徴兵制、水色が志願制、黄色が3年以内に志願制に移行予定の国で、緑色が軍隊を持たない国だ。水色か緑色の国に逃げる事になる。但し、単に志願制であれば良いという訳ではない。軍事優先で弱肉強食の国や、何でもお上言いなり奴隷根性の国では、わざわざ日本から脱出する意味がない。その意味では中国も米国も失格だ。ましてや、赤色国で準戦時下にあり、社会も閉鎖的な韓国やイスラエルなぞ、間違っても行く気はない。
 出来れば、ベトナム脱走兵をかくまったカナダや、フランス革命の母国フランス、多数の政治亡命者を受け入れてきた北欧諸国や、カストロやチェ・ゲバラ、チャベス、モラレスなどを輩出し、日本とは対極の「アンチ米国流資本主義、アンチ格差社会」の道を歩む中南米諸国あたりが脱出先として理想だ。幸い中南米には日系人社会もある。そこに語学習得や現地食生活への適応難易度も勘案される。語学に関して言えば、フランス語よりもスペイン語の方が、発音もスペルも日本人向きの様に思える。いずれにしても、早めに脱出先を決めて語学習得などの準備に入らなければならない。

(3)どの様にして逃げるか?

 最後の手段は日本国籍放棄だが、そこまで行かなくても労働ビザやワーキングホリデービザ、永住ビザの取得などで対応できないかと考えている。実の所を言うと、私は海外旅行の経験も皆無なので、正直言って暗中模索状態である。

(4)別の方法はないか?

 国外脱出はあくまでも最後の手段だ。憲法改悪以降も国内に止まって徴兵に抵抗出来るものなら、その方が良いに決まっている。この間、徴兵忌避の歴史についても少し調べてみた。
 明治初期の大規模な血税(徴兵)反対一揆の影響もあって、最初は数々の兵役免除規定が設けられていた徴兵制も、明治憲法発布や日清・日露戦争、第一次大戦を通して、国民が次第に国家主義や大国思想に絡み取られていく中で、徴兵忌避は次第に困難になっていく。しかし、その中でも、戸籍が未整備の北海道や外地(朝鮮・台湾・満州)に本籍を移したり実際に逃げたり、「醤油の一気飲み」による徴兵検査逃れや(一時的に肝炎と似た症状を引き起こして検査を免れようとした)、弾除け祈願の形をとっての「赤紙」忌避祈願などの形で、徴兵忌避が広まっていた事を知った。幾ら国民皆兵とは言っても、根こそぎ動員してしまったら国の経済が持たないので、第二次大戦末期以外は、実際に徴兵されるのは対象年齢層の1/4ぐらいまでだったのだ。その中で、著名人では夏目漱石、大杉栄、小田切秀雄、鶴見俊輔、山下清、里村欣三、三国連太郎などが、あの当時にあって「非国民」と詰られながらも、消極的な形ではあっても抵抗を貫いていたのだ。今は当時よりも遥かに情報化が進んでいるので、どこまで抵抗出来るか分からないが、全く可能性がない訳でもないだろう。
 「戦争なんかで死にたくはない」、ましてや「帝国主義の、不正義の侵略戦争でなぞでは、尚更死にたくはない」と思うのは、人間として当然の感情である。この際はっきり言うが、その人間性に忠実に生き戦線離脱を試みた人や、もっと積極的に反戦活動に挺身した人の方が、ただ単に「長い物に巻かれろ」「お上言いなり」で戦争に加担し、後になってから「家族を守る為には仕方なかったのだ」と誤魔化す不誠実な人間よりも、よっぽど根性があるし真の愛国者だと思う。

(参考記事)
・徴兵制度(ウィキペディア、冒頭の世界地図もここから拝借)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%B4%E5%85%B5%E5%88%B6%E5%BA%A6
・兵役逃れ(同上)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B5%E5%BD%B9%E9%80%83%E3%82%8C
・丸谷才一と徴兵忌避(猫を償うに猫をもってせよ)
 http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20110425
・徴兵忌避をめぐって(里村欣三HP)
 http://www.geocities.jp/satomurakinzou/tyouheikihi.html
・日本の兵役制(軍事板初心者用FAQ)
 http://www6.atwiki.jp/army2ch/pages/311.html#id_ffdb8b85
・反戦思想と徴兵忌避思想の系譜 御厨貴ほか編『岩波講座 日本文化論10 戦争と軍隊』岩波書店、1999年
 http://www4.ocn.ne.jp/~aninoji/evasionofconscription.html
・徴兵制と徴兵忌避
 http://www.tosyokan.pref.shizuoka.jp/data/open/cnt/3/50/1/ssr4-45.pdf
・徴兵忌避の系譜(戦闘教師「ケン」 激闘永田町編)
 http://kenuchka.paslog.jp/article/782243.html
・コスタリカが軍隊をすてたわけ
 http://ha6.seikyou.ne.jp/home/AALA-HOKKAIDO/costarica/costarica2.htm
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4 コメント

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徴兵よりも (あるみさん)
2012-12-14 08:27:17
「休日は全家庭で日の丸揚げろ」とか、ボランティアへの「強制参加(むしろこれが「徴兵」か?)」、天皇関係の行事への参加義務(これじゃ北朝鮮と同じ)が、罰則付き政令で次々とやってきそう…

いちばんいいのは、これらに徹底的に反対することで「弾圧」され、「政治亡命」を求めるのがいいかも?

でも、そうならないように、自公(民)政権が出来ても、抵抗を続けねば・・・

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教育改革をまた掲げてますね (うろこ)
2012-12-14 23:55:18
>罰則付き政令で次々とやってきそう…

こんにちは、前アベ政権では教育改悪に力を注ぎましたからね…国家国旗強制をますます強化は絶対するでしょうし、以前、防衛省が出していた「レンタル制度」はやる気がします。
私が恐れている「秘密保全法案」も真っ先に可決されると思います。
日本脱出は私も考えています。多分、その頃には脱出したいって人が大勢いるだろうから、その人たちと協力して「集団脱出」すればいいか~って。なので、語学力つけておかないとね…
猫ひろしは良かったね。日本国籍捨てといて…
…そんな風に考えないとやっていられない…;
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アジテーション (草加耕助)
2012-12-15 13:22:03
徴兵制が敷かれても、私ら中高年が駆り出されるようになったらむしろ末期。一番に狩られるのは選挙権も与えられていないような若者たちで、「日本を守るため」などと騙されて連れて行かれる。その奴らの言う「日本」という記号が何を指しているのか、何を「守る」ために自分の命が消費されようとしているのか、彼ら若者がその中身に気がついた時にはすでに「靖国の檻」の中だろう。

我が身や家族を守って逃げることは一つの選択で、真剣に考えないといけない時代が来ているとは思う。とりわけ自分の子供は逃がしたい。だが、若者に対する大人の責任というのもある。「非国民」「卑怯者」と罵られながら、それでも正義と信念のために耐え忍んで闘う若者が一人でもいるなら、それを見捨てて逃げるのは良心が咎める。どこまでやせ我慢できるか自信はないけど、可能なら最後までとどまって、小林多喜二のように殺されようではないか。

実際、徴兵制の実施までには改憲や法令の準備だけではなく、人的・物理的な受け入れ準備もあり、完全実施までには10年かそれ以上はかかると思う。まだまだ世論の地ならしや、反対勢力の弾圧・一掃も絶対不可欠。たかだか過半数や6割弱程度の支持で、世論が割れた状態では戦争なんてできない。アメリカのイラク戦争は、開戦時に7割以上の支持があったからできたのだ。7割と言えば、もう体感的には街を歩けば誰もが賛成しているくらいのイメージだ。対して現在の自民党の支持率は20パーセントちょいしかなく、驚くべきことに大惨敗した前回の政権交代選挙の時と、ほとんど変わっていないのだ。民意を歪める小選挙区制のペテンに騙されてはいけない。

だから3割以上の「明確な反戦派」をつくることはすごく重要だし、それは決して不可能でもなんでもない。私たちで、来るべき、そして反原発運動への大量逮捕に見られるように、「自民圧勝」を見越してすでにはじまっている大弾圧に抗する(抗しきる!)ことで、「勝つ」というより「負けない」でい続けることに大きな意義がある。やがてそれは中東のジャスミン革命のようなものにつながっていくだろう。「負けない」こと「持久戦」が私たちの戦略だ。

それは言うほどたやすいことではないし、一時的には「民意」に逆らうような局面もあるだろう。だが、時の政権が、民衆の抵抗を“弾圧だけで”完全に平定しきることなどもはやできない。超長期的に見れば、たとえカタツムリの歩みでも、やはり「正義は必ず勝つ」のであって、そういう意味とスパンで見れば、やはり私たち民衆は必勝不敗だと思う。大切なのは特定の党派の人にしか理解できないような内ゲバ的な内容ではなく、普遍的な民衆的正義に立脚して唯一、強者や権力とこそ闘い、そして目に見える形で存在し続けることだ。

何よりも恐るるべきは権力や弾圧ではなく、民衆の中での不毛な内輪もめであり、また、私たちの内部に、手段と目的をはきちがえ、「理想」の名のもとに非人道的なことも平気でできるような存在に成り果てる部分を生み出してしまうことである。そうなったら、正義の名のもとに滅ぼされるのは、他ならぬ私たち自身ということになってしまうし、そんな悲劇を私たちは歴史上にいくつも見ることができるだろう。とりわけ初期状態の時には、そこに弾圧が加わることによって混乱し、民衆から遊離し、耐えきれずに壊滅してしまう。つまり弾圧で潰されたのではなく、むしろ自壊していくということだ。そこさえ間違わなければ、私たちは不敗である。
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職場の反応 (プレカリアート)
2012-12-16 07:21:59
 前編に続いてこの続編にも多くのコメントをお寄せいただき、有難うございます。特に最後の草加さんの「そこさえ間違わなければ、私たちは不敗である」とのコメントには励まされました。
 このガラパゴス日本脱出計画の内容については、実はバイト先の何人かにも話した事があるので、その時の反応をかいつまんで報告しておきます。ミクシイ・ボイスにも同様の内容で投稿しましたが、あそこでは字数制限で詳しくは書けなかったので、その補足も兼ねて。

 まず私の今のバイト先ですが、「職場人権レポート」シリーズで取り上げた前勤務先よりも、はっきり言ってバイトの意識は低いです。まあ以前の勤務先は、時給や労働条件の切り下げもあって、みんなそれには相当怒っていましたから。今の所も、この間の職場レポートにもあるように、潜在的な不満はみんな結構持ってはいるものの、前任地のような露骨な労働強化までには至っていませんから。

 その今の職場で、このエントリー記事を書く数日前の、朝礼終了後のトイレでの雑談で、数人で「年金も貰えなくなるし消費税も上がるわで、踏んだり蹴ったりやな」「貰うもんも貰えなくなるのに、もうアホらしいて年金なんか払てられへんわ」とぼやいていた中で、私が「おまけに今度の選挙で自民党が勝ったら憲法改正して徴兵制やるらしいで、そうなったら、もうこんな国なぞこっちから出ていったるわ」と言ってやりました。
 そうしたら、そのうちの一人(Fさん)が冗談めかして「そりゃあアンタ非国民やで」、私「非国民で結構、何で野田や安倍や橋下や石原や、あんな腐った奴らの為に殺されなアカンねん、俺は真っ平や」、F「そしたらアイツ(職場の有名人でこの場にはいなかった)を徴兵の替え玉に立てたら良い、アイツなら喜んで行くわ」と、まあそんな感じでその場は終わりました。

 そして、その日の昼休みに食堂で、同じ脱出話を別の同僚Tさんにも話しました。このTさんも職場の先輩ですが、私より年下の若者で、以前IT業界に勤めていた事もあって、ネットの話題や政治の事にも詳しいので(サウンドデモやプレカリアートの意味も知っている程に、但し政治的にはノンポリだが)、私はこの人とは政治的な話も雑談でよくしていました。
 そうしたら、その日の帰りに一緒の電車になり、もうその時には「海外に逃げるとしたら、奴隷根性の今の日本とは対照的な反米左派大陸で、日系人社会もある中南米あたりを考えている」という話をしていました。そうしたらTさんからは、「僕も韓国と豪州に旅行した事があるが、旅行者と永住者では苦労が全然違う、永住する以上は現地に溶け込まなければならない、そうでなければ、今の在日朝鮮人の様に排斥の対象となる」みたいなアドバイスを受けました。

 その後もTさんとは、このブログ記事の内容をかいつまんで話したりしています。昨日も「選挙区は共産党と未来の党のどちらに入れたら良いと思うか」という話をしていました。
 職場でも北朝鮮のミサイルの話などは雑談で割とよく出ますが、ここまで突っ込んで政治の話が出来るのはTさんと位です。他のメンバーは投票にも行かないし、そんな人にいきなり政治の話をしてもシンドイだけなので、適当に他の話題で気を紛らわせています。以上がウチの職場の反応です。
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