アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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沖縄・辺野古 現地からの報告

2014年08月03日 22時12分42秒 | 沖縄の犠牲の上に胡坐をかくな
 

 今回は沖縄・辺野古(へのこ)新基地建設問題を取り上げます。本土ではほとんど報道されませんが、沖縄では今やこの話題で持ちきりです。
 左上写真が沖縄県中部の宜野湾(ぎのわん)市にある普天間(ふてんま)の米軍基地です。大阪で言えば西の阿波座から東の森ノ宮・大阪城辺りまですっぽり入る程大きな基地が市域のど真ん中に居座っています。10年前には、この基地から飛び立った米軍ヘリコプターが近くの沖縄国際大学に墜落する事故も起きています。
 そして右上写真が、その普天間の移設先として工事が進められている沖縄北部・名護(なご)市にある辺野古の基地建設予定図です。現在、辺野古にある米軍基地キャンプ・シュワブの沖合を埋め立て、V字型の2本の滑走路が建設されようとしています。

 日本本土の0.6%の面積しかない沖縄県に全国の米軍基地の74%が集中しているのは何故か。それは、戦後長らく米軍占領下に置かれた沖縄で、米軍が「銃剣とブルドーザー」で住民から有無を言わさず土地を取り上げ、基地建設を強行してきたからです。その状態は沖縄が日本に復帰した今も全然変わりません。沖縄県民は、その間ずっと、基地の騒音や墜落事故、レイプや強盗・麻薬等の基地犯罪に苦しめられて来ました。戦後日本の平和は、この様な沖縄の犠牲の上に築かれてきたのです。
 その中で転機が訪れます。1995年の米兵による少女強姦事件を機に、全県ぐるみの基地撤去運動が盛り上がる中で、とりわけ住宅地に隣接し危険な普天間基地の移設がクローズアップされるようになります。当時も今も、県民の7割以上が普天間基地の県外・国外移設を求めています。それを日米両政府は、同じ沖縄県内の辺野古への移設に話をすり替え、県議会や市町村議会の度重なる抗議決議も無視して、辺野古の新基地建設を強行しているのです。辺野古沖の海には絶滅危惧種のジュゴンが生息し、国際環境保護団体からも建設中止要請が出ているにも関わらず。

 このたび、当ブログともお付き合いのある新聞「コモンズ」編集者の「まっぺん」さん(「レッドモール党」サイト管理人)も、この辺野古新基地建設反対の闘いに参加され、現地の様子を携帯の写真でネットに公開されました。その写真を、これまた当ブログともお付き合いがあり、実際にオフ会でもお会いした事のある東京在住の「草加耕助」さん(「旗旗」サイト管理人)が、自身のブログで動画に編集してユーチューブやツイッターに公開して下さいました。その内容の紹介・拡散が今回の記事のテーマです。パソコンで動画で見れる方はどうかその動画で現地の息吹を感じとって下さい。この記事のコピーを職場新聞でしか見られない私の職場のバイト仲間は、申し訳ないが、動画の後に付けた私の解説文や新聞記事の引用文で、その内容をつかみ取って下さい。

 今年の秋には沖縄県知事選挙が闘われます。今や沖縄では、県民を裏切り辺野古移設容認に寝返った現職知事の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)に対し、那覇市長の翁長雄志(おなが・たけし)氏が自民党県連幹事長の職を投げ打って移設阻止を表明されました。このまま基地を受け入れ続けても失業解消には全然ならず、ますます事故や犯罪が増えるばかり。それどころか、下手すればテロの標的にされ観光客も来なくなる。今や辺野古移設反対は従来の保守・革新の枠を超えて県民の総意となりつつあります。先日、安倍首相が地元の頭越しで九州の佐賀空港に米軍輸送機オスプレイの一部受入れを表明したのも、このままでは敗色濃厚の知事選を、何とか有利にしようと焦った結果です。

 それでも「中国や北朝鮮が攻めてくるから多少の犠牲はやむを得ない」と言う人は、果たして安倍の軍拡一本槍のやり方で国が守れるかどうか、一度冷静になって考えて見たらよろしい。かつてのソ連や今の米国・イスラエルの姿も参考にして。ソ連は核軍拡競争で国がつぶれました。もう一方の米国も今や破産寸前。路上には戦場で精神に異常をきたした米兵くずれのホームレスがウヨウヨ。イスラエルも年がら年中戦争に明け暮れ。そうなれば消費税も8%や10%では済まなくなります。戦場には行かず生活にも困らない安倍はそれでも良いでしょうが、その身代わりにされる我々は堪ったものではありません。「ブラック企業もブラック国家も、嫌な物は嫌だ」と、この際はっきりと有権者の意志を表明しようではありませんか。

辺野古新基地建設阻止!シュワブゲート前、現地闘争! 2014.7.24~26 「横暴許さない!」


 以下、安倍政権の横暴性 県民にこそ正当性がある(7月27日付 琉球新報)より引用。
 これほど沖縄と敵対する政権が過去あっただろうか。住民運動へのどう喝、かく乱、だまし討ち。普天間飛行場の名護市辺野古への移設を強行する安倍政権の横暴性が、いよいよ露骨になってきた。県民はいま「県内移設ノー」の訴えを平然と押しつぶす政権の横暴と差別性を目の当たりにしている。
 海底ボーリング調査に向け、夜間や未明にキャンプ・シュワブへ資材が搬入された。住民からは「だまし討ち搬入を許さない」という抗議の声が上がった。基地反対運動の裏をかく沖縄防衛局の常とう手段であり、県民の声を切り捨てる安倍政権の抑圧的な性格もここに表れている。
 中城(なかぐすく)海上保安部がシュワブ沖500メートルにある長島に設置した「使用・立入禁止」と記した看板も不可解だ。上陸時に利用する桟橋の使用を禁じたものだ。長島は常時立ち入り禁止とされる「臨時制限区域」の境界線近くに位置する。
 保安部は「島自体への立ち入りを禁止するものではない」と説明する。ところが桟橋を使わなければ上陸は困難といい、保安部の説明は全く理解できない。島自体への立ち入りを事実上禁止しており、抗議行動を封じ込める狙いがあることは明らかである。
 これらを見るだけでも、普天間飛行場の辺野古移設に固執する安倍政権には民主主義を踏まえた正当性が存在しないことが分かる。辺野古沿岸部を埋め立て、新基地を建設するためには手段を選ばないという乱暴さが前面に出ている。
 このようなことが日本の他地域で許されるとは到底思えない。もしも沖縄ならば可能だと安倍晋三首相が考えているのであれば、この政権が抱える差別性の極みである。(後略)

辺野古新基地建設阻止!シュワブゲート前、現地闘争! その2 2014.7.27 「横暴許さない!」


 この動画の肝は二つ。
 一つは、沖縄防衛施設局は後ろに退き、地元採用の警察官やアルソックの民間警備員を住民弾圧の矢面に立たせている事。自分は手を汚さずに、同じウチナーンチュ(沖縄人)同士を対立させて運動を分裂させようとしているのだ。オロオロする若い警官を居丈高にどやしつける米軍兵士。今も沖縄が事実上、米国の「植民地」である事がよく分かる。
 もう一つは、同じ頃に沖縄の宜野湾市民会館で開催された「島ぐるみ会議」結成総会の様子。会場には2千人余りが詰めかけ、会場に入りきれなくて諦めて帰る人も。従来の基地反対派だけでなく、それまで基地を渋々受け入れてきた保守派や経済界の代表も加わり、基地のない沖縄を目指す建白書(けんぱくしょ=意見書)を採択。

 以下、前述「コモンズ」7月30日付掲載の沖縄特派員報告より引用。
 昨日の闘争はなかなかハードでした。しかし、こちらへ来て感じたことがあります。それは「沖縄のこころ」みたいなものです。温かく優しいものを感じるんですね。例えば東京の下町の人情にも似ているけど、もっと独特な連帯感です。山城ヒロジさんは、その沖縄マインドを持って若い機動隊員たちにも語りかける。「君たちをここまで育て上げた親たちを裏切る行為だぞ」「県民のための警察官となれ!防衛局の犬になるな!」
 何度も語りかけて来ました。すると防衛局は機動隊の数を減らし、警備会社アルソックのガードマンを増やして来た。面白い現象です。
 また、警察の側でも抗議者たちを決してケガさせないように、との指示が出ているようでゴボウ抜きした時の警官も対応がどことなく優しい。官邸前など本土で体験してきた事務的で敵対心むき出しの機動隊とは全く違う。沖縄全体をやさしく包むこの独特の「沖縄の連帯感」は、400年にわたる薩摩、明治政府、米軍支配の中で育まれて来たのでしょうね。(後略)

 そして、以下の辺野古阻止「再結集を」 島ぐるみ会議、建白書実現求める(7月29日付 琉球新報)の引用も参考に。
 県内政財界や労働・市民団体の有志、有識者らでつくる「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」の結成大会が27日午後、宜野湾市民会館であり、主催者発表で2千人余が参加した。米軍普天間飛行場の県内移設断念などを求めて県内全市町村長と議会議長、県議らが署名し、昨年1月に安倍晋三首相に提出した建白書の理念実現に向け、全県民の再結集を訴える結成アピールを採択。普天間飛行場の名護市辺野古移設や米軍基地の過重負担に象徴される沖縄への「構造的差別」の解消を訴えた。(中略)
 共同代表の一人の呉屋守将金秀グループ会長は「経済活動は大事だが、ウチナーンチュ(注:沖縄人)の尊厳、基本的人権、平和はもっと重要だ」と訴えた。辺野古移設に反対する候補を支援したとして自民党を除名された仲里利信元県議会議長は「沖縄で保革がけんかして喜ぶのは日本政府と米国。金で人の心を奪い、それに乗る沖縄の偉い人もいるが、世論調査でも県民はあくまで県外・国外と言っている」と述べ、県民が一致する必要性を強調した。(後略)

辺野古新基地建設阻止!シュワブゲート前、現地闘争! その3 2014.7.28~30 「横暴許さない!」


 ついに沖縄施設局はなりふり構わぬ弾圧に出てきた。何とゲート前の公道に、山型のギザギザがついた鉄板を敷き始めたのだ。この上で乱闘騒ぎになれば、多数の死傷者が出る事を承知の上で、公道にこの様な危険な違法構造物を設置したのだ。「泥落としの鉄板」とのウソまでついて。これは憲法で保障された請願権や「表現の自由」を侵害する行為に他ならない。この落とし前は必ず次の沖縄県知事選挙と総選挙で、県民を裏切った仲井真と国民に敵対する安倍晋三に「NO!」を突き付ける事で示さなければならない。



 以下、辺野古「殺人鉄板」 直ちに撤去し人命守れ(7月31日付 琉球新報)より引用。
 国策に抵抗する者は負傷しても、死んでも構わないというのか。県民の生命を差し置いても普天間飛行場の辺野古移設を強行しようとする政府の手法に怒りを覚える。
 沖縄防衛局がキャンプ・シュワブのゲート前に三角形の突起が並んだ鉄板を設置した。移設に反対し、座り込みを続ける市民らは抗議行動の排除を狙ったものだとして反発している。
 防衛局はゲートに出入りする工事車両の「泥落とし」だと説明している。この説明を真に受ける県民はほとんどいないであろう。
 「泥落とし」が目的ならば、ゲートの内側に鉄板を据えればよいではないか。工事現場でタイヤや車体に付いた泥はその現場の出口で洗い流せば済む話だ。舗装された国道を長く通行してきて、ゲートに入る車両に多量の泥が付着するとは思えない。防衛局の説明は矛盾している。市民が指摘するように抗議行動の抑止が目的であることは明らかだ。(中略)
 米軍統治下の反戦・反基地運動のさなか、憲兵隊は銃剣を突き付けた。基地のない平和な島を希求する大衆運動に対する威嚇(いかく)行為だった。その非人道的な行為が普天間の辺野古移設の名の下に再現された。これも安倍内閣の専横の表れだといえる。
 県内移設を拒む県民世論に支えられた抗議行動を敵視し、市民の生命を奪うような行為は断じて許されない。憲法が保障する「表現の自由」に照らしても「殺人鉄板」を直ちに撤去すべきだ。 
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