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家族旅行よりママ友旅行が増えてきました。

憧れの U★S★A

2008年03月18日 | 徒然なる日々

私が小学生のときのお話。

私が住んでいたのは、名古屋の中心地に行くのには、バスと地下鉄を乗り継いで、一時間くらいかかるような、名古屋といってもかなり田舎だった。

50棟も市営団地が立ち並び、学校は団地のはずれにあり、学校の友達は、みーんな団地に住んでいた。

引越しでどっかへ行っちゃう子なんていないし、転入生なんて来ることもなく、ずっと同じ顔ぶれで、遊ぶのも、習い事も、買い物も、全てが団地の中という狭い世界で過ごしてきた。

そんなある日、私のクラスに、転校生がやってきた。 5年生のときだったと思う。

転校生なんて、あまりにも珍しいので、学校中が見に来る有様。

転校生ってだけでもびっくり仰天だというのに、こともあろうに、その子はなんと、アメリカから来たというではないか!!

その子は 「後藤さん」 という女の子で、カリフォルニアに住んでいたらしく、日焼けした肌に、なんとピアスをしていた。

先生は、「後藤さんは、アメリカ生まれなので、ピアスというものをしていますが、アメリカでは当たり前のことなので、みんなは気にしないで下さい。」 というようなことを言った。

約30年前で、名古屋の片田舎で、その男の先生自身も、きっと 『ピアス』 というものを生で見たのは初めてだったに違いない。 禁止するとかどうとかっていう問題ではなく、どう対処したらよいかもわからず、とりあえず 「気にしないで下さい」 としか言い様がなかったんじゃないかな。 

もちろん、私も 「ピアス…? 子供なのにイヤリング? 耳に穴? 痛くないのだろうか…?」 と 不思議に思うばかり。

田舎の子供達は、アメリカと言う外国から来た、ピアスという謎の物体を耳につけている後藤さんに、どのように接したらいいのかわからず、ただ、戸惑うばかりだった。

しかし、当の後藤さんは、さすがに 「カリフォルニア・ガール」 

さらりと自分から話しかけ、すぐに打ち解けて行ったのだった。

体育の時間には、みんなが開脚前転の練習をしている中、後藤さんは、こともなげに、倒立から体をそらせてくるりと回転して見せたりして、私は、「外国の子はみんなあんなことができるのか…」 と感心したものだった。

もともと外国に対して、ただならぬ憧れを抱いていた私は、後藤さんとお話してみたかったけど、後藤さんは英語もしゃべれて運動神経も抜群で、ちょっと近寄りがたかった。

そんなある日、後藤さんのお家に遊びに行くことになった。

後藤さんの家は、団地が立ち並ぶエリアから一本道路を渡った一軒家のエリアにあった。

私の家も、団地からこの一軒家のほうに引越ししていたので、後藤さんの家は近かったので、呼ばれたんだと思う。

後藤さんの家は、当時としては珍しい鉄筋コンクリートで、ドアがチョコレートみたいになっている洋風なハイカラな家だった。

どうやらその家は、海外駐在から帰国した家族用の家らしく、外観もハイカラだったが、中身はもっとハイカラだった。

後藤さんが、「マミ~、お友達連れてきたよ~」 

マ、マミ~…???

と度肝を抜かれてると、そのマミーがお台所にいて、手の平ほどもある、大きなクッキーをくれた。 そのクッキーはチョコチップとかナッツが入っている見たこともないようなものだった。

そしてふと気づいた。 マミーがいるのは、「台所」 ではなく 「キッチン」 なんだと。

キッチンには、絵本の中では見たことがあった大きなオーブンが備え付けられいて、マミーはそこでクッキーを焼いていたのだ。

そして、ベッドルームには、部屋の真ん中にベッドがあった。

ベッドなんて、二段ベッドしか見たことなかったし、普通は狭い部屋の壁にぴったりとベッドは置くものだろうに、後藤さんちでは、ふかふかのマットレスのベッドにベッドカバーというものがかかっていて、部屋の真ん中にド~ンと置いてあるのだ。

それに、ベッドには柵がない

(落ちないのかな…?) などと、田舎の子供はいらぬ心配をしてしまうのだった。

「部屋の真ん中にベッド」 というのがあまりにも強烈な印象で、肝心の後藤さんの部屋はどんなだったのか覚えてないけど、英語の絵本がいっぱいあって、私が 「英語習いたいんだ~」 って言ったら、後藤さんが 「私が教えてあげるよ。」と言って、流暢な英語で読んでくれて、それにシビレて帰ってきたことは覚えている。

後藤さんの家に行ったのは、そのとき一度だけだったけど、私の心の中に 「アメリカってすごいところなんだな~ いつか行ってみたいな~ 住んでみたいな~」 という強烈な憧れを残し、数ヵ月後に後藤さんはまたどっかの外国へ行ってしまった。

今思うと、なんであんな田舎の不便な場所に、海外駐在員の家があったのかが不思議でならない。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
すごくオモシロイお話ですね。 (ヨッシー)
2008-03-18 22:05:44
すごくオモシロイお話ですね。
私も田舎育ちなので、このときのえびふらいさんの感動がく手に取るように伝わってきて、読んでいてワクワクしちゃいました。ピアスにマミーは「おおぉぉぉ~~」ですよね。
ちびまるこちゃんが、はなわくんのウチに初めてお邪魔した時の感動にも似てるかしら?

憧れのUSA続編もありますか~?
アメリカで生活するようになるまでの続きが読んでみたいです。
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改めて読み返してみたら、ほんと、ちびまるこちゃ... (えびふらい)
2008-03-19 09:35:47
改めて読み返してみたら、ほんと、ちびまるこちゃんの世界ですね。

それにしても、よく考えてみたら、後藤さんのご両親(もちろん日本人)は、いくらアメリカに住んでいたからって、子供にピアスってすごいですよね?
私のうまれて初めての 「異文化体験」 でした。
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