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おおるりが赤裸々に綴る脱線転覆の感想記!(舞台やライブの感想です)

いつかどこかで(74)天川村・龍泉寺~So Bright ③~

2019年12月10日 01時05分29秒 | いつかどこかで(雑記)

京都のホテルを朝8時前に出発し、龍泉寺のある洞川温泉に到着したのはお昼前。移動時間が長いです。
次の日に予定している天河弁財天に至っては「神様から呼ばれた人、縁のある人しか辿り着けない」などど噂されているので、無事に着けるかどうかドキドキでした。
でも、台風や雪の時期を避ければ、電車とバスで案外と普通に行ける場所じゃないかな?
天川村アクセス→http://www.vill.tenkawa.nara.jp/tourism/map/


お昼ごはんは村の案内パンフレットを見て柳豊(やなとよ)の柿の葉寿し。とても美味しかったです!
 
こちらの鯖はお酢でしめずに塩でしめるので、鯖の風味を殺すことがないから美味しいのだとか。
そのやさしい味を生かすために、シャリは甘めにしているそうです。
私は少なめに四つだけ頼みましたが、お隣のグループはたくさんお代わりしていました。

腹ごしらえをした後は、面不動鍾乳洞に寄り道してから、いよいよお目当ての龍泉寺へ。
 
なぜ龍泉寺に来たかったかというと、その理由のひとつは「吉野の鬼」です。

2014年に版画家の亀本みのりさんと共作した絵本、「やくそくの花」の原文を書いたのは、それより二年前の2012年。
その文は絵本にする際にだいぶ削りましたが、もともとはこんな一行から始まりました。

「昔々、吉野の山おくに、小さな鬼が、ひとりぼっちで棲んでおりました。」 

当時は、実際に奈良の吉野に鬼がいたなんて全然知らなかったんです。
でも、今年の夏に何となく思いついて検索してみたら、なんと!吉野の山にはちゃんと鬼がいたんですよね!それも、前鬼・後鬼(ぜんき・ごき)という有名な鬼たちが。
なんだか嬉しい! ぜひ会いに行きたい!

というわけで、この方達にご挨拶。
 
前鬼と後鬼は、1300年前に修験道の開祖である役小角(えんのおづの)が使役したと言われている夫婦の鬼です。二人とも吉野郡出身で、夫の前鬼は赤鬼、妻の後鬼は青鬼で天川村にいたのだそうです。

私は偶然にでも吉野の鬼の物語を書かせていただいたので、そのお礼を言い……実はこの像の前で、こっそり小声で「やくそくの花」を朗読してきちゃいました 一応、「奉納」のつもりだったんですけど 
「ごめんなさい、図々しくて。でも、私の作った愛の物語を、心広くお受け取りいただけたら嬉しいです。」

(原作「やくそくの花」→https://ameblo.jp/e20081/entry-12460159494.html

それから、もうひとつ。
私が会いたかったのは、あれよ、あれ! 私の大好物、龍の天井画です!
天井にいる龍を見上げるのが大好きで、今まで京都や鎌倉の天井画を見て来ましたが、この龍泉寺の八大龍王堂にも大きな龍がいるんです!
八大龍王堂天上龍図 (狩野派、川面稜一画)
この龍も八方睨みで、構図は妙心寺の「雲龍図」(狩野探幽)と似てますね。角やひげ、前足の形、宝珠を握っていないのも同じ。
狩野派の流れで探幽を踏襲したのでしょうか。力強く、端正なお顔に大きな慈愛が感じられます。
かっこいいです!

しかし、なぜに私は龍の天井画がこんなにも好きなのか?

それも、今年の夏に突然思い出しました。
横浜にある今の実家は私が大人になってから建った家ですが、子供の頃に住んでいた家はいかにも昭和な木造建築で、天井が天然の板張りでした。
小さい頃、布団に入って寝ながら天井を見上げると、その木目模様の中に龍がいるように見えたんですよね。
「うちの天井に龍がいる」って。
たぶん今見たらそうは見えないのかもしれませんが、子供って想像力豊かですものね。ちょうどその頃「りゅうのめのなみだ」という本がお気に入りだったので、龍の姿が浮かんだのかもしれません。
だから、私にとって、龍とは、襖絵の中とか置物ではなく、天井にいて下から見上げるべきものになったのだと思います。
ずっと忘れていた事なのに、小さい頃からの刷り込みってスゴイ!

そんなこんなで、誰とも感動を共有することはできないけれど、私だけの興味を追及できた旅でした。
京都でも奈良の天川村でも、他の名所旧跡はさておいて、見たいものだけを見たあとは何処へも行かず、静かな時間をのんびりと過ごしました。



④天川村の二日目、天河大辨財天社へ続く。


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