今宵も劇場でお会いしましょう!

おおるりが赤裸々に綴る脱線転覆の感想記!(舞台やライブの感想です)

オペラ「魔笛」

2012年04月30日 13時16分20秒 | オペラ

2012/04/28ソワレ @サンパール荒川

タミーノ役が武井基治さんだというので行ってきました。
武井さんというと、ミュージカル好きにとっては「レ・ミゼラブル」の司教さまです。
私はその司教さまは一度しか観てませんが、今年に入っては一月に「おコンサート」、二月にバロック・オペラの「プラテ」と続き、この「魔笛」でいよいよ二枚目役の武井さんを観てきました。

「魔笛」って、あのモーツァルトですよね。
「あのモーツァルト」って、あっきーでもヨッシーでもなく、ましてや育ちゃんでもなく武田真治さんでもないんですけど(笑)、なんかね~、今までいろんなモーツァルトを見てきちゃったせいか、「そういや、この曲って、あのモーツァルトが作ったんだっけ」なんて、妙に知った風な気持ちがするのが我ながらおかしいわ。
「オペラ劇場あらかわバイロイト」は肩の凝らない親しみやすい「市民のためのオペラ」という感じでしたが、あのシカネーダーとモーツァルトが目指した舞台はまさにこういうものじゃなかったかしら?
それにしても、その当人たちが知ったら驚くでしょうね。
時代が変わり、ずっと未来になってもまだ、しかも見知らぬ東洋の小さな国でもこんなふうに「魔笛」が上演され続けているなんてね。

けれども実を言えば、私はオペラの「魔笛」をこういう形でちゃんと通しで観たのは初めてです。
演目としては三回目かな。

一番最初に観たのは2008年の「ソウル・オペラ魔笛」というやつで、これはモーツァルトの旋律にアフリカの音楽を融合させた珍しいもので、ゴスペル調のソウルフルな舞台だったんですよね。
これがね~、面白かったと思うんだけどあまり記憶にないです。
なにせ感想を書いてなかったので。
感想を書かないと、何を思い、どこに感動したのか、次々と忘れちゃうんですよね~、記憶力が悪いから。
ところが、あまり面白くなかった舞台でも一応書いておけば、案外と後々まで断片的にでも記憶が残っていたりするんですけど。
それで、ソウル・オペラはたしか打楽器使いや歌の迫力が凄かったことが薄っすらと記憶にはあるものの、ほとんど忘れています。もったいないな~、書いときゃよかった。

二度目に観たのは、ついこの前の「ピーター・ブルックの魔笛」です。
あれはさすがに記憶に新しいですが、本当に面白かった! かなり良かったです!
で、この時の舞台で削ぎ落とされた部分はどこだったのか? という確認をする意味でも、今回の普通の(というのも何だけど)オペラ「魔笛」を観てきて良かったです。
と、言ってもね~、こうして休憩挟んで三時間あまりの舞台を観てみると、確かにあのピーター・ブルックが削ぎ落としたシーンとかが解りましたが、それでも物語を楽しむに全く不足していなかったことも解り、改めてピーター・ブルックの「魔笛」の素晴らしさを感じてしまったということなんですけど。
まあ、だからといって、この「あらかわバイロイト」の舞台が良くなかったというわけじゃありませんよ、もちろん。
やっぱりね、こういった基本的なものは観ておくべきですよね~。
できたらソウル・オペラの前に一度は観ておけば良かったかも。そうしたらもっとずっと楽しめたんじゃないかしら?、あのゴスペル調の音楽とか、エネルギッシュな演出とかもね。「へぇ~、こうきたか!」というような、色々な発見ができたのかも。

ところで、そのお目当ての武井基治さんのタミーノは端正な二枚目オーラが出ていましたよ!
テノールのお声にもだけど、佇まいにも。
って、そこはやっぱ大事でしょう(笑)
いくら台詞で「ハンサムだわ」とか、「なんて美しい!」とか説明されても、舞台の上の人がそうでないと、ビジュアル的な脳内変換って難しいんだもの。
オペラはね、観る人にそういう無理やりな力技が必要とされるのかも??ってところが私はちょっと苦手で、もちろん歌がある程度上手じゃなきゃ困るんだけど、ミュージカルのようなエンターテイメントに慣れた者にとっては、歌だけじゃなくて、見た目的にもハンサムはハンサム、美女は美女のオーラがある人(実際はメークで作ったとしても)に演じてもらったほうが嬉しいのよね。

なんて、ろくなこと書かないな~、我ながら。
音楽のこととか、歌のこととか、もっと他にましなことを書くことがないのか!って感じですけど。
感想がないわけじゃないんだけど・・・

だってね~、最近ね、見た目の力、「綺麗、可愛い、カッコイイ」姿形の底力って凄いものがあるなぁ~、なんてつくづく思うのよね。
それというのも、あの大震災以降、世のアイドル達がどれだけ多くの人を喜ばせて義援金を集めたのかを考えると、人って好ましい容姿の人をただ目にするだけでもどれだけ幸せなのかっていうのがつくづくと良くわかる。
この「魔笛」にしたって、タミーノは美しいバミーナの姿絵をひと目見ただけで命がけの恋をしたわけでしょ?
バミーナにしたって、ほとんどタミーノにひと目惚れだったし。
ひと目惚れの力ってすごいな、って思う。
もちろん、世の中には美男美女ばかりではないし、あの微笑ましいパパゲーノとパパゲーナのカップルだってほぼひと目惚れだったわけなんで、好ましい姿というのは人それぞれの本能なんでしょうけどね、顔にしろスタイルにしろ、声にしろ、雰囲気やただの思い込みにしろ(笑)、最初の印象で惹かれた相手にそこまで入れ込んでしまう率直さとかそのエネルギー、自分の本能への素直さが、ある意味私には羨ましい。

なんて、う~ん・・・どうも調子がわるい。
「魔笛」の物語、本来の面白さからどんどん外れた感想になっていくし。

やっぱりね~、疲れが酷くて、風邪気味で体調も悪くて絶不調だったんですけど、そういう時は悩むんですよね、行くべきか休むべきか。
二年に一回くらいはあるかしらね、チケットがあるから無理して劇場に行ったは良いけど、やっぱり座っているのもしんどくて、「家で寝ていたほうが良かったかも」と思うことって。
それでも、無理してでも行かなくちゃ!と思うのは、それなりにお目当てがあるからで。

というわけで、「なんじゃ、こりゃ?」的な感想(にもなっていない)ですけど、今回はお正月の「おコンサート」で、「武井さんの二枚目役をぜひ見てみたくなりました」と書いたので、その念願が思いのほか早くに叶いもしたことだし、オペラの「魔笛」が初めて通しで観られて満足でした。

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バロックオペラ「プラテー」

2012年02月12日 05時50分43秒 | オペラ

2012/02/08 @渋谷区文化総合センター さくらホール
【作曲】ジャン=フィリップ・ラモー
【演出・振付・構成】錦織佳子
【音楽監督】武久源造
【出演】プラテー:武井基治/フォリー:唐澤まゆ子/ジュピテル:麻野玄蔵/ジュノン:堀万里絵/テスピス/メルキュール:新津耕平/サテュロス/シテロン:加藤宏隆/クラリーヌ:小倉麻矢/モミュス:小林優/アムール:村田ゆう子/タリー:民秋理/イリス:錦織舞   他

珍しくオペラ。

先日書いたバレエ「こうもり」の感想には、友達から「バレエテクニックへの言及が皆無なのがスゴイ(ヒドイ??)」と言われましたけど(笑)
だって、バレエのテクニックとか基礎とか、私は本当に何にも知らないままに観ているので、言及したくてもできないんですよね。
それでもあれだけ楽しめたのだから、バレエの表現力の豊かさや踊りの美しさ楽しさって、本当に素晴らしいと思います。
難を言えば、ああいうのをたまに観るだけでも、私にとっては無駄に目が肥えてしまうことでしょうかね~?(笑)
何もわからないくせに、上質なものを見続けていると自然にそれが当たり前みたいになるので、そこそこに良いものでも物足りない気がして、生意気なことに「あら、これは随分と違う気がするけど、一体どうしたのかしら??」とか思ってしまう。
「贅沢が当たり前で育った子供」って、もっとそんな感じだったりしてね(笑)

さて、オペラに関して言うならば、バレエよりも更に私は馴染みが浅くて子供以下(笑)。なにせこの「プラテー」でオペラ観劇は、まだたったの二度目ですから。
オペラは知り合いに通の方がいて、前々から「初めてオペラを観るならば、あなただったら蝶々夫人あたりが良いのでは?」と言われていたにもかかわらず、去年はのっけから「サロメ」なんて濃ゆい演目を選んでしまいましたが(笑) 二度目に足を運んだ「プラテー」は、なんと!これが日本初演という超レアなものでした。

「プラテー」は18世紀に創られたバロック・オペラで、これは喜劇です。
テノール歌手が女装をして演じるプラテーは「うぬぼれ強く、醜い沼の精霊」という役どころで、カエルのように滑稽で醜い容姿を笑いものにされて、神々に利用された挙句に最後には酷い屈辱を受けてしまいます。

…という、たった一行で説明してしまうと、この物語の面白さは想像できないと思いますが(笑)
なにせ日本初公開なので、この物語を知っている人はほとんどいないと思いますけど、この物語を詳しく紹介しようとするとかなり長々となりそうです。
なので、この話の中心だけをさらっとごく簡単に言うのならば…

『雷の神・ジュピテルは、妻のジュノン(風の女神)の嫉妬深さにはつねづね業をにやしていたので、ギリシアの国王シテロンの一計によって一芝居を打つことにした。
その芝居とは、醜い沼の精霊の女王プラテーと浮気しているように見せかけて、その結婚式に妻のジュノンを招きいれ、プラテーの醜く滑稽な姿を彼女に見せて驚かせ(笑わせ?)、嫉妬に狂ったジュノンをなだめようというもの。
そうと知らないプラテーは、ジュピテルが本当に自分を愛していると信じ込み、ジュピテルがたとえ「どのような姿に変わろうとも私の愛は変わらないわ」とまで誓い、彼のプロポーズに浮かれる始末。
そしてプラテーとジュピテルの二人は結婚式をするのだが(って、このさわり、ジュピテルは重婚となるが神様だからか、それについては問題にされない) ジュピテル達の計画通り、そこへ嫉妬に怒り狂ったジュノンが現れる。
けれども、花嫁姿のプラテーのベールを外したとたん、ジュノンはプラテーの醜い顔に大爆笑。
こんな醜い者とジュピテルが結婚するわけがない。浮気は夫たちの芝居だったことに気づき、ジュノンとジュピテルは仲直りした。
ジュピテルの愛は偽りで、自分が神々達にからかわれていたと悟ったプラテーは怒り狂い、この計画の首謀者シテロンの喉もとを掴み、「こんなに酷い屈辱をするなんて!私が怒っているのは貴方よ!」と、復讐を近い、沼に飛び込んだ。』

と、まあ、できる限り簡単に書いてもこんな感じね。
つまり、ひどい話よ。
プラテーのどこが醜いって?? 
そんなことない!可愛いかったですよ~!!
プラテー役はテノール歌手の武井基治さんが女装したものですが、武井さんのプラテーは私にはとても可憐で愛らしく見えました。 
恋に浮かれてケロケロしちゃったり、恥ずかしげにケロケロしたり、ラブラブでケロケロしたりと(笑) 
そりゃあ、ほとんどカエルですけどね、あんなに無邪気で純情で、しかも全く罪なき乙女の心を騙して、笑いものにして、ああも残酷に踏みにじって良いものかしら?
ジュノンに笑われて自分が騙されていたと知った瞬間のプラテーの表情の変化は、見ていて本当に心が痛みました。
幸せの絶頂から突き落とされる驚きと痛み、そして悲しみと怒りとで顔色がさーっと変わったプラテーを見ると、それまでの彼女がコミカルに無邪気で面白かっただけに、あまりに可哀想すぎて同情せずにはいられません。
武井さんって、私はレミゼの司教さま役しか知りませんでしたが、思ったよりもずっとお芝居が上手な方です。
プラテーは歌うはもちろん、演じるのも難しかったと思いますが、このコミカルで「うぬぼれ屋」だけどどこか憎めない、可憐な心を持つプラテー役が武井基治さんにはハマり役だと思いました。
もしかしたら、今までこの面白い物語が日本はもちろん、海外でもあまり上演されなかったのは、こういったお芝居を演じて歌えるテノール歌手が少ないからかも?? なんて、オペラには門外漢の私などは思いましたが、武井さんは素晴らしかったです。ブラボーっ!!

って、つまり、そもそも私は、つい先月の「おコンサート」で聞いた武井さんの声がお目当てでこれを観に行ったわけで、それについても大満足でしたけど、「プラテー」という舞台そのものが、物語にしても音楽にしても見どころ、聴きどころがたくさんあり、オペラ初心者の私でもひと時も退屈することなく楽しめました。
もちろん、武井さんだけでなく、他の出演者の方々…特にソプラノ歌手の唐津まゆ子さんの歌などは「魔笛」の女王のアリアを思い出させるような素晴らしい歌声だったと思います。
また、チェンバロやバロックの古楽器を使った珍しい室内楽も、その豊かでやわらかい響きが心地よかったです。
そのうえ、これはオペラの歌だけでなくバレエ・シーンもたくさんあり、という総合芸術となっていましたので、このような沢山魅力ある舞台をこれ限りにしてしまうのは惜しいです。
またいつか再び、プラテーに、そして武井基治さんに会える日を楽しみにしたいと思います。

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オペラ R.シュトラウス「サロメ」&バックステージツアー

2011年10月21日 00時12分58秒 | オペラ

【指揮】ラルフ・ヴァイケルト
【演出】アウグスト・エファーディング演出
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【出演】サロメ:エリカ・ズンネガルド/ヘロデ:スコット・マックアリスター/ヘロディアス:ハンナ・シュヴァルツ/ヨハナーン:ジョン・ヴェーグナー/ナラボート:望月哲也/ヘロディアスの小姓:山下牧子/他

なんと! これが私の初オペラです。
いや、実はこれだけには近づきたくなかった(笑) 
なんたってオペラはチケットが高いですもんね~! うっかりハマってしまったら大変よ!
知り合いにオペラが趣味のご夫婦がいて、今まで何度か勧められていましたが、オペラはお金持ちの観るものだと思ってずっと逃げてました。
この「サロメ」にしたって、オペラとしてはそんなにお高くないほうだとは思うけど、一階のS席ともなると21,000円なんですって!
けれども、バレエと同じで三階の端や四階席のC席やD席ならば、案外とミュージカルよりもお安いくらいです。
でもまあ、演目や歌の種類からいって、私はやっぱりミュージカルのほうが好きだけど。
なのに、何故これを観に行ったかというとね…、

やっぱりどうしても知りたい!!
『サロメはなぜヨカナーンの首が欲しかったのか?』第二弾!(笑)

だって、首だよ?、首! 
生きてないのに「生首」とはこれいかに?!(笑)

って、ふざけているんじゃないんですけどね、ただ今夜も酔っ払っているだけなのよ(笑)
ちなみに、「生首」とは「斬って間もない生々しい首」のこと。
というのはわざわざ書くこともないけど、私は舞台上に生首が登場したときは毎回オペラグラスでまじまじと見て、なぜかその出来具合にひとこと言いたい人なのよね~(笑)
いや、だって良く出来た生首には職人芸を感じるし、そういう小道具までちゃんとしてるかどうかって気になるし(笑)
今回のヨハナーン(=ヨカナーン)の首は三階席だったので細部まではあまり良く見えなかったのが残念でした。
なんてことは、ともかくとして。

サロメはなぜヨハナーンの首が欲しかったのか??

これはね、物語を観れば、そりゃあ理屈では説明できなくもないわよ。
サロメは初めて惹かれた男ヨハナーンに拒絶されたことで、いっそうに狂おしく彼が欲しくてたまらなくなり、彼の命と残りの人生を奪ってしまった。
とまあ、さらっと書けばそんなところかしらね。

けれども、この舞台を観たら、やっぱり生首!

王ヘロデは実は妻の連れ子のサロメに色目を使っていて、サロメを自分のものにしたかったのね。
それで、サロメに「この杯に一度口をつけてくれ、残りは私が飲み干そう」とか「新鮮な果物を一口齧っておくれ、残りは私が食べるから」などと、かなり変態じみたことを言ってくどき、それが駄目なら、「サロメ、私のために踊ってくれ。ならば望みは何でも叶えよう」と言います。
サロメはそれを聞いて、かの有名な「七つのヴェール」という官能的な(ストリップまがいの?)ダンスを踊って、その引き換えに洗礼者ヨハナーンの首を所望したわけです。

そこで、王は洗礼者を殺すことを恐れ、サロメの希望を変えさせるために、いろいろと言うのよね。
王国の半分をあげても良い、世界に二つとない高価な宝石でも何でもあげるからそれだけは諦めろと、まあ~、サロメを甘やかすことといったらこの上ないです。
けれども結局サロメの希望通りにヨハナーンを殺させるのだけど、サロメの「首が欲しい」という気持ちは理解できません。
「命を奪うだけで良いではないか。実際に首なんぞもらっても気持ちの良いものではないぞ」というのは誰でも思うでしょうが、それでもサロメはやっぱりヨハナーンの生首が欲しいんですよねぇ…。
そしてサロメはヨハナーンの首に向かい、いったい何をしたのか。

サロメは斬りおとされたヨハナーンの生首に長々と話しかけ(もちろん、歌ですけど)、胸にかき抱き、そして最後には望みどおり彼の口にキスをします。うっとりと。
その狂った乙女の様子を王が見て、「あれは化け物だ、化け物を殺せ」とサロメを殺させるところで幕が閉じます。

というわけで、例の台詞、「お前の口にキスしたよ」に至るまでのサロメの言葉で興味深かったのは、サロメはヨハナーンが自分をしっかりと見ていなかったから彼は自分を愛さなかったのだ、ちゃんと自分の顔を見ていたら愛してくれたに違いないと本気で思っているらしいところなのよね。
サロメは男ならば誰でも自分の魅力には勝てないと自信があったので、そうではなかったヨハナーンが受け入れ難い。
自分の姿をしっかりと見たならば絶対に自分に恋したに違いない男とのキスは、ある意味、彼女にとっては当然な「二人の」恋の成就であったのかもしれない。
だから、生首。
そして、サロメの「愛されて当然の私」という我侭なアイデンティティーは守られた。

というのが、「サロメはなぜヨハナーンの首が欲しかったのか」第二弾での、私の感想になるかな、とりあえず。
この先は、来年の六月に宮本亜門さんが「サロメ」をストレートプレイで上演してくれるそうなので、それも必ず観たいと思います。
なので、この感想は、2012年6月「サロメはなぜヨハナーンの首が欲しかったのか」第三弾へTo Be Continued(笑)


さて、話は変わりますが、また当たりました!バックステージツアーが。
私の初バレエ「シンデレラ」以来だから、三年ぶり二度目の参加です。
開演前に申込みをするのですが、なぜか抽選で当たる気満々の私(笑)
外れる気がしなかったので、予定通りに参加できて良かったです。

今回は翌日に舞台を別の団体に貸す予定があるとかで、全部ではないですが、簡易的な格納作業が行われ、たくさんのスタッフさんがセットを片付ける様子が見られて珍しかったです。
舞台の上手の奥には次の舞台、バレエ「パゴダの王子」のセットも一部が既に運ばれていたし、これは日本初公開のバレエだそうで、そのセットも面白い!

劇場や舞台の解説をしてくれたのは、舞台監督の大澤さんです。
この方のお話はどれも興味深く楽しいものでしたが、劇場側の方が仰るにはこの日は何時にも増してとても詳しくて、普段はお話ししてくれない部分もお話ししてくれていたのだとか。
「今日は機嫌がとても良かったですが、今日の舞台の出来が良かったからでしょうね」とのことでした。

オケピの様子などは前に参加したときにも見ましたが、この日は指揮者が立つところに助手さんを立たせてくれて、どんな様子か具体的に見せてくれました。
その指揮者の場所は写真の四角い白い壁のところですが(ピンボケで残念!)、その壁には実は扉があり、指揮者が客席まで行って全体のバランスを聴きたいときなどにはすぐにその扉から後ろに出られるようになっています。
「サロメ」はオケの人数が多くて、オケピには総勢105人もの奏者が入っていたそうです。



そして、いかにもオペラらしいのは、舞台監督はもちろん、助手の方も全員スコアを持って仕事をしていること。
オーケストラの演奏のどこのどの辺りで何をしなければいけないか、それがわからないと仕事になりませんものね。
監督さんのスコアをちらりと見せてもらいましたが、譜面の合間に細かい字がびっしりと書き込まれていました。
このスコアはまた次の機会に使ったり、次の監督に引き継いだりするそうです。
お金で買うことのできない、宝のようなスコアですよね!

それから三年前にも見せていただいたモニターですが、モニターに映るのは舞台や客席ばかりではないんですね~!
なんと、劇場の玄関口の様子までもが監督のスイッチひとつで見ることができました。
そこで、「今日は遅れて入ってくる人がやけに多いな」という日には開演時間をずらしたりすることもあるそうですが、それでも遅刻した人が一生懸命に走っている姿が見えたりすると「ごめんね、始めちゃったから…」とか思うのですって。

また、終演後には客席をすぐに立って帰るお客さんが多く見えるとカーテンコールのタイミングを早めることもあるとかで、監督さんや助監督さんのお仕事って、上演中ばかりか前後にも、繊細でかつ冷静な判断が必要そうです。
幕が閉じているからって、うっかりと欠伸なんかしていると丸見えだったりしてね(笑)

とにかく、舞台もバックステージツアーもどちらも面白かったので、初オペラはとても満足でした。

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