今宵も劇場でお会いしましょう!

おおるりが赤裸々に綴る脱線転覆の感想記!(舞台やライブの感想です)

「TOMMY」東京千秋楽

2007年03月31日 22時06分05秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)
今日はとうとう「TOMMY」の東京楽日。

ああ、ほんとうにこの舞台が好きだぁ~!
もうどのシーンも愛おしく、時間が経つのが惜しい気がしましたよ。
あっきーの歌はなんて心地良いのかしら!
演技もまたじわっと変わっていました。
三重苦のときの視線が、最初のうちは斜め上のほうを向いていて、それがだんだん下がってきたと思ったら、今日はぼぉ~っと前方を向いていたんだけど、こっちのほうがより自然で正解だと思う。
それにしても前のほうのセンターに座っていた人が羨ましかったわ~! 
あれじゃ視線が合うわよね?
私が最前列のときにそうしてくれてたらよかったのに!(笑)

そういえば、前の観劇報告で、三重苦のトミーを見て何故だか唐突に「あれはいつかの自分だ」と思ったという話をしましたけどね。
まあ、すっとばして言えば、三重苦になるほどの苦しみを背負ったことはないものの、この私にだって現実逃避したくなるような時もあったし、はたから見れば笑っていても閉じている時もありましたよ。
でもトミーは閉じて自分しか見えなくても、それでもなお…というか、だからこそ「僕を見て、感じて」と歌うんですよね。それが切なく心に響きました。
だからこの舞台は、トミーを通した閉鎖と開放の心の旅でもあったのよね。
長い夜の暗闇と、朝が開くまぶしさ、澄み渡る青空の清々しさ……。
あの最初にわけのわからなかったラストこそ、その行き着く先だったような気がしました。

で、千秋楽の劇場内はカーテンコールで予想通り迫力のロック・コンサート状態となって、客席はほぼ総立ちでノリノリに手拍子をし、役者さん達は客席におりてくるし、あっきーも走ってくるし、大いに盛り上がりました。
私は通路側の席だったから間近に見られて嬉しいのなんの!
むちゃくちゃ楽しかったわ!!
その後の何回目かのカテコであっきーは「今日のお客さん最高!」だの「最初からこんな感じだったら良かったのにね」とか何とか言っちゃってROLLYに「メッ!」とかやられたりして(笑)、そーいうふうに無邪気に言っちゃうところがまた良いのよね~っ!

………。
はぁ~っ……(ため息)
かくして……あっきーの「大阪に来てね!」の声を耳に残し、私の狂乱の弥生は幕を閉じました。
私はもうしばらく、何の舞台も見たくない気分。
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「TOMMY」三回目

2007年03月25日 22時03分11秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)
昨日は「TOMMY」観劇三回目。
森進一が拓郎の曲を歌っても森進一の歌になるように、サザンの桑田が何を歌っても桑田節になるように…あっきーは何を歌ってもあっきーなのよね。天性の歌い手さんってそんなものだと思いますよ。
いのうえさんは「アッキーじゃなかったらTOMMYはやらなかった」と言ってたし、別にTHE WHOの映画の物真似を造る気なんかさらさらないだろうから、私はこのあっきーらしいトミーが見られて本当に良かったと思うの。

でも、三重苦から開放されたトミーが歌うシーン、初日はあっきーのコンサートみたいだったからそこだけトミーじゃなくてあっきーを見ていたのよね。
ま、それはそれでファンとしては充分楽しんだわけよ。

だけど昨日のあのシーンでは私は確かにあっきーじゃなくてトミーを見たわ!
あっきーはとうとうトミーを自分のものにしたのね。
演技も今までで一番良かったし、最後のシーンなんて感動したわよ。それは、あのわけのわからない映画版(でもそれなりに好きな映画)のラストでは感じることなかった、やっぱりわけのわからない感動。
…まあ、説明しようと思えばできなくもないけど、この作品に説明や解釈なんて無駄かと思うので、人それぞれ感じてね。

まあ、そんなんで今回見たあっきーは役に入っていたし、テンションも高くて良かったんだけど、その換わりにROLLYは初日に比べてややテンションが低かったような気がしたな。
初日の「ピンボールの魔術師」は彼も「この舞台に出られて、この歌が歌えて嬉しい!」という喜びが満ち溢れていたのよね。でもそれとこの役に必要なテンションとはまた別のものだからこれでいいのかも。
歓喜に溢れるのはトミーの役。ピンボールチャンピオンとしてもカリスマ性がトミーに比べて低い役だし…。
でもこの人が歌うと、いかにもロックオペラらしくなるし、トミー覚醒前の前半が華やかに盛り上がります。さすが!

右近さんは今回、トミーをコチョコチョするための大事な刷毛を落としてしまって、正直なあせりのシャウトが歌にぴったりのって笑わせてくれました。
あのトミーをいじくり回すシーン(笑)だけど、先週の私の連れ(ピチピチの十八歳)が「あの裸のお腹、きもーい!見たくなーい!」とひいてましたが、キモくてなんぼの右近さんよ(ほんとか??)十年前はもちっとやせてはいたが、全身タイツとかかなりキモくて素敵だったわ(笑)「紅天狗」のぶっとんだお姿も笑えたし。
変態アーニー叔父さんはハマってました。
それにしても、あれだけいじくり回された後で、まだ「僕をさわって」と歌うトミーはえらいヤツじゃ!(笑)

それと高岡早紀さんだけど、この人なんでこれに出てるかなぁと思ったの。
たってオペラだもんねぇ。でも二回続けて最前列で見たら表情がとても良くて、トミーママの美しく気だるい感じや、心配や諦めの交差や苛立ちがよく出ていて、さすがアップを見せるテレビ女優さんなのよね。…にしても、ずっと後ろの方で観ている人達ってそれがわかるかしら?
まあ、あの江守さんや沢口さんにまで歌わせちゃったいのうえさんだから、存在感重視で選んだのかもね。
だったら映画版トミーママのグチャゲロな泡と豆とチョコレートにまみれた壮絶なイマジネーションのシーンが見たいところだけど、さすがに舞台では無理だったか。残念!

ところでこの舞台、好き嫌いが別れるだろうと思います。
ロックが嫌いな人、新感線テイストを期待した人、起承転結・勧善懲悪が好きで訳がわからないとモヤモヤする人……ダメだろうなぁ、こういうの…。
だけど私はハマりました!
お金と時間さえあればもっと見たいです。
チケットが残り一枚で寂しいわ!
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「TOMMY」

2007年03月17日 23時37分19秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)
「TOMMY」二回目見て来ました。

初日よりもずっとよかったです。
最前列という良席だったせいもあるのかもしれないけど
今度は歌詞は聞き取れたし、役者さんの表情、あっきーの手の震え、誰かさんのお腹の肉のうねり(笑)まですみずみが見られ、ドラムやベースの響きが背中やお尻にガンガン響いて凄く幸せでした!
初日は演じるほうも見るほうもどこかぎこちなさがあって、
誰かの歌の出だしで「アレ?」と思う場面が二度もあったし、
こちらも「手拍子したいんだけどなかなか出来ない!」と消化不良な気分でした。
でも、今日はそういったぎこちなさが消え皆良かったし、手拍子もできました(^^)v

私はこの舞台、やっぱり好きです。
見るたびに好きになりそう。
映画版を観た時もそうでした。
最初はクレイジーでエキサイティングな映像にぶっ飛びました!
わけのわからないエンディングには、何かしらの説明を求め、自分なりに解釈を試みました。
でも各シーンをぶつ切りに繰り返して見ているうちにどうでもよくなりました。
そう、どうでもいい。
映像から、歌から受ける、ただただ「凄い」という感覚そのものが魅力なんじゃないか?

いのうえさんの舞台にもその魅力はありました。
激しいロックにのった数々のクレイジーなシーン!
アーニー叔父さんもいとこのケヴィンも、アシッドクイーンも凄まじい。
あっきーのトミーが痛めつけられているというのに、もっとやって~!もっともっと!‥‥なんて思っている私もクレイジー(^^;)
そのなかで何も見えない聞こえないトミーが内包する心の宇宙は、幼い子どものままに、その澄んだ声のままに無邪気で綺麗です。
トミーが玩具のロボットやぬいぐるみ(着ぐるみを着た役者さんですが)と心の中で遊ぶシーンはとっても楽しくて可愛くて、そしてほんの少し哀しい気がしました。

その三重苦から開放されたトミーが全ての感覚を外に解き放って歌い上げるシーンは、あっきーならではの輝くような場面です!
この人の声が歌がやっぱり好き!
「ピンボールの魔術師」は前半のROLLYもかなり迫力ありましたが、あっきーの歌には歓喜が溢れているようで気持ちが良いです。
新興宗教の教祖のような存在に祭り上げられたときでさえ、周りの思惑などは関係なく、世界に触れて何もかもを受け入れるトミーの素直な澄んだ心が感じられ、この生きて感じて開放する喜びこそあっきーの魅力であり、また「TOMMY」の魅力のひとつではないかと思いました。

右近さん、ROLLY、アシッドクイーンのソムン・タクさん、それそれの歌も良かったです。
子役ちゃんも可愛かった(^^*)
私は子どもの頃、姉のおかげで好むと好まざるとに関係なくロックを聴かされていましたが、あの時無意識に蓄積されたロックの記憶が身体を揺らします。

いのうえさん、もっとクレイジーに!もっとエキサイティングに!もっと感じさせて!
初日よりも好きになったこの舞台。
もっともっと好きにさせてほしい!
来週末、再来週末が楽しみです。
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