今宵も劇場でお会いしましょう!

おおるりが赤裸々に綴る脱線転覆の感想記!(舞台やライブの感想です)

天野喜孝・弓彦「ファンタジーアート展2020」

2020年12月12日 21時37分25秒 | 美術館/博物館/展覧会

天野喜孝・弓彦「ファンタジーアート展2020」新宿アイランド 2020/08/11

この絵、「桜姫」に魅せられて、いつまでも長々と立ち止まる私に、会場のスタッフの方はわざわざ絵を外してくださり、ライトをあてて近くでじっくりと見せてくださいました。
椅子に座りまじまじと眺めながら、スタッフの方といろいろお話ししてると、やがて、こう聞かれます。

「この絵がもし自分のものになったとしたら、家のどこに飾りたいですか?」

この絵は一点物の特注品で、特別に貸し出されて展示されたものですから、全国で同時に開催される展覧会の、全ての会場で見られるわけではないそうです。他の作品のように買えるような作品でもありません。

でも、もし…もしも、この絵が手に入るとしたら……
私はちょっと考えて、言いました。
「いらないです、欲しくないです。」

こんな凄い作品を、うちなどに置いてはいけない気がする、私のような者が持ってはいけないような気がしたので。
あまりにキッパリと言い過ぎたので、スタッフの方から「珍しい方ですね」と鼻白むように言われてしまいました。
しまった! せっかく見せてくださったのに、大人気のない失礼な言い方をしてしまったかも? 
たぶん、こういう会話から「では、他の絵はどうですか?もっとお安く手に入りますよ」なんて発展して販売に続くのでしょうし、たとえ買えなくても、もうちょっと言い様があったかも。だってこれは無料の展示会であり、同時に販売会でもあるのだもの。
コロナ禍の中、みんな頑張っているのに、なんか無駄なお仕事させてしまって申し訳ない気分。

ああ、これに限らず、どこに行っても、何を、誰を、どれだけ好きになっても、ろくにお金にならず、Twitterで気の利いた呟きもせず、宣伝もできない、使えないお客さんの私……。

とか、思ってプチ落ち込んだ、令和2年の、ある夏の日。

そう、だからこれは、もう4か月も前のお話。
「ファンタジーアート展」は今年に入ってからすぐ、全国で開催されていましたが、春ごろには外出自粛していたので、夏になってようやく見られました。


で、なんで今になってこれを書いているのかというと、今日ふと、「桜姫を私が飾るとしたらこのブログしかないだろう」と思いついたので(笑)
私はこの絵をプリントされたポスターくらいは買ってきましたが、まあでも、本物は全然違います!

モデルは一目でわかる!歌舞伎の玉三郎さんです。
透き通るような白い肌に唇の鮮やかな赤、うなじから肩にかけての何とも言えない色気に凄みを感じます。流された瞳が妖艶です。

この絵は上質の黒い漆(うるし)の上に、特別な手法で版画されており(といってもハイテクに乗せるのだと思う)、桜姫の髪などに舞い散る小さな桜の花びらは螺鈿(らでん)です。
着物の柄の金は、金箔をただ貼るのではなく、丁寧に何度も叩き込んであるそうですし、とにかく、どこもかしこも大勢の方達の手により、たくさんの技術が施されているのだそうです。そのため、深く艶やかな漆黒も、上品で豪奢な金も、光の加減で色がさざめくように変化する螺鈿の輝きも、なんとも深い味わいで、この妖しい美しさは実物を見た方でしかわからないと思います。
やっぱり、本物を、生で、自分のこの目で見なきゃ!

そして、私が何か作品を好きになるということは、それに「魂を持っていかれる」ことではなく、逆に「魂を分けていただき自分に取り込む」ことなのだと、改めて思ったのでした。
欲しいと思わないでも、愛した瞬間に、ある意味すでに手に入れてしまっているのだから……。(勝手に言わせておいてください)

ところで、天野喜孝さんのイラストといえば、有名なのは何と言っても「ファイナルファンタジー」でしょうか。私もⅣぐらいまでですが、ゲームやりましたよ!
幻想的だし、どのキャラも魅力的ですよね!
展示会の会場は、ゲームファンと思わしき男性もたくさんいらしてました。

あと、有名なのはタイムボカンもそうですし、小説の挿絵では「吸血鬼ハンターD」とか「アルスラーン戦記」とか多数です。
だけど、私が好きになったきっかけは、何たって栗本薫さんの小説「グイン・サーガ」の表紙と挿絵。

この二冊の写真はうちの本棚にある文庫本ですけど、このグインとリンダにも展示会で会えました。
これらは「桜姫」と違って1点物ではないので、たしか販売していたと思います。
実物はリンダ(白虹)のほうがサイズが大きいので値段は高かったですが、まあそんなに驚くようなスゴい高価ってこともないと思います。リトグラフなので。どうやらローンも組めそうです。

とか言って、絵を買わない私は、ちょっとしたグッズ・コーナーもあるので、桜姫のポスターの他、卓上カレンダーとかの細々としたグッズをいくつか買いました。
あと、ネットで予約すると記念のオリジナルクリアファイル(またはマウスパッド)がもらえます。



この展覧会は、今は大分や福岡で開催中のようです。
来月(2021年1月6日〜12日)にもまた東京に来るそうで、新宿アイランドなら職場から歩いてすぐだし、仕事帰りにでもできればもう一度行きたいです。
(↓ファンタジーアート展HP)
https://artvivant-fantasyart.net/

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「上橋菜穂子と〈精霊の守り人〉展」@世田谷文学館

2016年05月05日 15時58分01秒 | 美術館/博物館/展覧会

「上橋菜穂子と〈精霊の守り人〉展」@世田谷文学館 2016/05/01

NHK総合で実写ドラマ化された、人気ファンタジー小説「精霊の守り人」の展覧会に行ってきました。
世田谷文学館はムットーニ氏の「からくり劇場」が毎日定刻に上演されるので、毎年行くのは半分はそれが目当て。もう半分は特別展が目当てですが、去年も坂口安吾絡みで来た場所です。

京王線の芦花公園駅は、新宿から来るなら普通列車(各駅)で8駅目。特急などは止まらないのでご注意です。
その芦花公園の南口から右に歩いて徒歩5分。のんびり歩いても10分はかからないと思います。 
   
入場料800円を払って手渡される入場券は紙なんですけと、手首に巻く「バングルチケット」になり、暗闇の中に入ると紋章が浮かび上がります。
これ↓なんですけど、フラッシュたいて写真を録ったら紋章が見えるわけないですよね!私ったら、相変わらすお馬鹿ですね~
  
 特別展内で撮影が許可されている場所は限られていますが、まずは入り口の所に女用心棒バルサの鑓があります。記念写真を撮りたい方にはこちらがお勧めです。
展内にはドラマで使われたバルサとチャグムの衣装が展示されていましたが、そこも撮影スポット。
 
綾瀬はるかさん達が着たこれらの衣装には、NHK衣装部の並々ならぬこだわりが見えました。使われた素材は、長年衣装部が所蔵していて経年変化したものを組み合わせたものだそうで、非常に手が細かいです。そして、皮を編みこんだ茶色いバルサのベストは、震災復興を目指す宮城県南三陸の人々の手で制作されたものだそうです。
人の手によって自然の恵みが丁寧に織り込まれた二着の衣装は、守り人シリーズの世界にぴったりでした!
  

  
もうひとつの撮影スポットは、チャグムが体験する目に見えない世界「ナユグ」が体験できる小部屋です↑
ここは狭い部屋ですが、鏡張りになっているので暗闇の床に映る光が全方向に広がって見え、奥行きのあるナユグの世界が体験できます。
水の世界が次第に変化する様子を写真に撮ってみましたが、自分の姿が写らないようにしたので鏡の壁がほとんど入らなかったのが残念。
床に足を下ろすと、まるで足元の水面がざわめくような面白い仕掛けがあるので、実際は写真よりもっと幻想的で、ちょっと万華鏡の中にいるような感じもしました。
この部屋の中で、先ほどのバングルチケットを見ると、蛍光塗料の・・・じゃなくて(笑)魔術?の力でバングルに紋章が光って浮かび上がります。

上橋さんの小説「守り人シリーズ」は、私はつい最近の3月に入ってから一巻目の「精霊の守り人」を読み始め、とても面白かったので文庫本版を一気読みしました。
一気読みと言っても、主に通勤と帰宅の電車の中が読書タイムなので一日に一冊といった具合ですから、文庫版全11冊を読み終えたのはテレビドラマの第二話の頃だったでしょうか。つまり、にわかファンなので上橋菜穂子さんのことはほとんど知りませんでした。
上橋菜穂子さんは文化人類学を研究していた方でもあり、小説だけでなく評論もお書きになってますし、世界20カ国も旅をしていて、たくさんの異文化に触れてきた人だったんですね。それらの貴重な資料を拝見していると、やっぱりこういったファンタジーが生まれるには、作者の想像力は言うまでもありませんが、実際に見聞きしたり体験した「経験」が物凄く重要なんだろうな、と思わずにいられません。それも、その経験が血となり肉となっていればこそですね。
守り人シリーズの世界は現実にある国や土地ではありませんが、まるで実在する世界を実際に見ているかのようなリアリティのある描写は、こういった旅の経験が土台になっているのでしょう。上橋さんが世界各地を旅して目に留まった物の写真や、そのディティールに注目する上橋さんの言葉などがとても興味深いです。
少女の頃からの空想の旅と、現実の旅と・・・この二つが合わさって精霊の守人は生まれたんですね。

ところで、こういった文学館や展示会は私は「たまに観る」程度ですけど、その面白さとは、小説家の経歴や作品の背景を知ったり関連の品を見たりすることで、新しい視点で作品の世界を捕らることが出来たり、より深く理解して今まで以上に作品が楽しめたりと、「作品ありき」の面白さですよね~。
それにしても、その見せ方には時代を感じさせられました!
なんといっても、展示品の中に肉筆の原稿がありません。
昭和の文豪たちの文学展にあるような、肉筆の原稿用紙がないので、作者本人が実際に行った推敲の跡や校正の赤い字の手入れなどはありません。
最近の多くの小説家がそうであるように、上橋さんも小説をパソコンで書いているんですよね。もっとも最初のうちはワープロでしたので、初期のワープロ機械が展示されていました。
小説の生まれる過程が見られる生原稿がないのは残念ですが、これからは益々そうなっていくのでしょうね。
でも、その代わりに(?)会場のところどころに映像があり、画面の中では上橋さん自身が展示品に関してのエピソードを語ってくださったりしています。
そのどれも興味深いお話でしたが、小説が英語に翻訳された時の脚本家さんとの二人三脚のやりとりについてなど、上橋さんのお顔を見ながらご本人の言葉を聞かせてもらううちに、次第に上橋さんに親しみを感じつつ、楽しく見ることができました。
ドラマとのタイアップといい、映像といい、文学展は今後ますますこういったふうになっていくんでしょうね。

世田谷文学館の「上橋菜穂子と〈精霊の守り人〉展」は7月3日(日)まで。
ちなみに、冒頭に書いたムットーニ氏の「からくり劇場」は常設展の入り口付近にありますので、守り人ファンの方にもぜひお勧めします!
 http://www.setabun.or.jp/

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ロベール・クートラス展「夜を包む色彩」松濤美術館

2015年02月12日 21時20分55秒 | 美術館/博物館/展覧会

『パリ・モンパルナスで生まれたロベール・クートラス(1930-1985)は、苦学しリヨンの美術学校で学んだ。画廊と契約を結び幾つかの個展を開いたが、それはどれも彼の理想とかけはなれていた。画廊と決別したあとは、ひたすら一人だけの孤独な作業にのめりこむしかなかった。-中略- 
 沸き起こる物語を夜ごと描いたカルト(タロットカード様の絵)、それを彼は「僕の夜」と呼んでいた。どこで発表するでもない6000枚にも及ぶこのアトリエでの密室の作業は、クートラスの孤独な夢想のなかから生まれた、人生そのものである。』
  

6000もの夜を、彼は何を想い過ごしてきたのだろう。

・・・というわけで、渋谷区にある松濤美術館へ行って来ました。

    

松濤美術館へは初めて来ましたが、とても素敵な美術館です。
建物のデザインも素敵ですが、中も落ち着いた雰囲気でゆっくり見ることができ、大変居心地の良い空間でした。 
      

クートラスは幾つかの賞もとり、画廊と契約した時期もあったそうです。
しかし、自分の望む絵を描かせてもらえないことや、「早く描け」と言われることが次第に耐えがたくなりました。
昼間は画廊に出す絵を、夜には自分の描きたい絵を描き続ける二重の生活は、クートラスの心身を疲れさせ、彼は自らその契約を解除したといいます。
そして、55歳でこの世を去るまでの17年間は、極貧生活のなかで夜ごとにお金にもならぬカルト作りに没頭しました。
毎夜一枚作るそれらの作品を、クートラスはお金に換えるのを嫌ったそうです。

という、自分を貫いたクートラスの人生は、遺作管理人の岸真理子さんが書いた「クートラスの思い出」という本に記されていますが、そのサンプルは展示室でふかふかのソファーに座りながら自由に目にすることができます。
で、今更言うのもなんですが、私は絵を見るよりも本を読むほうがずっと好きなんですよね、やっぱり。
それで思わず「クートラスの思い出」を長々と読みふけってしまいましたが、 クートラスの人生をこれほどまでに詳細に知り、深く理解していた岸真理子さんと彼とは、常人に計り知れない濃密な関わりがあったようで、それは「恋人」と言うにもどこか違います。
クートラスは岸さんへ「僕は君を愛していない」と言ったそうですが、最後に自分の人生そのものである作品の全てを彼女に託したということは、、岸さんを「魂の理解者」として位置づけて大切に思っていたことに間違いはないでしょう。

      

クートラスの人生は非常に興味深く、彼の作品が天才的であるかどうかは私にはわかりませんが、少なくとも彼の人生とその精神世界は天才のそれであったように思います。
彼はアーティストでなければ生きられない人で、そうであり続けることは、評価や賞賛、お金なとの何にも代えられぬ必須であったわけです。
その孤独な世界に興味を惹かれるのか、平日の昼間なのに、展示室には次々と人が絶えずに訪れていました。

それで、クートラスの人生はともかくとして、肝心の絵なんですけどね、
拾ってきたダンボールなどを材料にしたという沢山のカルトには、まるで子供が作ったような素朴さを感じました。
ひとつひとつに技巧の良し悪しとか、「上手いか下手か」とか、そういうのを推し量る見方は意味ないと思いますが、この作品を「好きか嫌いか」で見ようとしても、あんまり面白くないんですよね。
ただ、「なんだか面白いなぁ」と、私の感想はそれだけなんですけど。

ここに展示されているのは遺された6000点もの作品のうちのほんの一部でしょうけど、全部が違うデザインかと思えばそうでもありません。
クートラスにはお気に入りのモチーフが幾つかあったようで、「股間から覗く顔}とか「蛇の絡みついた木」、聖母子、メデューサ、人面の蝶や鳥など・・・同じような図案のものがたくさんあります。
なかには、「私にも描けるかも?」と思うような、波線や渦巻きや水玉もあるし、文字だけのカルトも多数ありました。
同じモチーフを使い、少しずつ変化させた、その繰り返しを見るのも面白いです。 しかもこれ、ひとつの夜に一枚なんですよね。
私は多少調べてから見に行ったので、「この一枚のカルトが、ひとつの夜なのか」と興味深く思いましたが、何の予備知識もなく見たら古代絵を見る面白さを感じたかもしれません。


松濤美術館のロベール・クートラス展「夜を包む色彩」は3月15日まで。
http://www.shoto-museum.jp/

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「第4回有田川町絵本コンクール受賞者原画展」に行って来ました♪ 

2015年01月23日 10時58分42秒 | 美術館/博物館/展覧会

東京から和歌山県の藤並駅は遠い!
迷いに迷った末に、やっぱり行って来ました。
夜行バスを使っての超ケチケチ旅行でしたが、帰りに京都に一泊して大変有意義な旅になりました。

原画展を開催している「ちいさな美術館」は藤並駅の中にあります。
    

原画展の入り口
    

平日のお昼前なので、もしや誰も見に来てないかも?・・・とか思ったら、中にお一人のお客さん。
じっくり見てくださっていらして感謝です 
展示会場は「ちいさな美術館」の、ちいさな一角。 

 


    

電車の都合もあり、滞在時間約一時間弱しかいられませんでしたが、小さなお子さん連れのお母様や学生さんなど、短い間に5人も来ていただきました。
嬉しい~! ・・・・ですが・・・・・・私の担当した文章でなく、ほとんどの方は主に絵のほうをご覧頂いていたようで
やっぱり絵本は「絵ありき」なんですね~!
係りの方によると、私が到着する直前には「文は誰が書いたのか」などと訊ねてくださった方がいらしたそうで、お会いできなくて残念!

ところで、コンクールの講評の時に、選考委員の先生から「桜の色が綺麗だった」と言ってくださったラストシーンがこちら。チラ見です(笑)

          
 版画絵 亀本みのり 作

そして、私が一押しの一枚。 インパクトがあります!

          
  版画絵 亀本みのり  / 文 松田 弓 
『大きな家、にしきのきもの、キラキラ光る金ぎんや、七色にかがやくほうせきも、鬼は にんげんのものが、なんでも ほしくなりました。』

この作品、「やくそくの花」は、食いしん坊で欲張りな鬼と、女の子・おハルちゃんとの、温かくてちょっぴり切ないお話です。
絵本は有田川町の電子図書館で見られるそうですが、これを見るには地元の幾つかの図書館で登録する必要があるそうなんです。
ざんね~ん! 「作家の方達には見られるように検討します」とは言って貰えましたが、やっぱり何とかして出版してくださるところを探したいです。
(追記1:「やくそくの花」は有田川町立図書館ウエブライブラリーで読めるようになりました。
(ログインなしで読むことができます)
https://www.d-library.jp/aridagawa_lib/g0102/libcontents/search/?ny1=%E3%82%84%E3%81%8F%E3%81%9D%E3%81%8F%E3%81%AE%E8%8A%B1&sbtn=keyword

・・・というわけで、帰りに京都の車折(くるまざき)神社に寄って、授賞のお礼と出版実現のお願いをして来ました。
そして、どうか素敵な次回作が降りてきますように
  
京都の嵐山近く、車折神社の境内にある芸能神社は芸能・芸術の神様なんです。
赤い玉垣は芸能人の方達の名前がずらりと並んでいます。ご贔屓のお名前を見に来る参拝客もたくさんいらしてました。
また、有田川町の皆さんとお会いできますように。そして車折神社にお礼参りができますよう頑張ります

   

* * * *

おおるり こと、松田 弓(←これはPN、雅号は煌月)の創作ブログへ絵本の下書きにした原作(文のみ)を掲載しました。https://ameblo.jp/e20081/entry-12460159494.html
「重ねの夢、重ねの世界」 http://ameblo.jp/e20081/
木版・切り絵作家 亀本みのりさんのブログ
http://mhan.exblog.jp/
亀本みのりさんの作品HP
http://mkgallery.hp-tsukurumon.jp/

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「第4回有田川町絵本コンクール 受賞者原画展」@ちいさな駅美術館

2015年01月18日 15時01分35秒 | 美術館/博物館/展覧会

「第4回有田川町絵本コンクール 受賞者原画展」

【開催場所】ちいさな駅美術館

和歌山県の有田です。

私、松田弓と、画家の亀本みのりさん共作の「やくそくの花」は、1月17日から22日(木)まで展示しております。



お近くの方はぜひ~! 
有田みかんで有名な長閑な町ですので、ミカン狩りのついでにいかがでしょうか。
 私も行きます。そのご報告は後日。

開館時間 ○火~金:午前10時~午後7時 
○土・日・祝日(振替休日):午前10時~午後5時
 休館日

月曜・年末年始

※月曜日が祝日・振替休日にあたる場合、翌日の火曜日を休館日とします。
ただし、連休等の場合、翌日以降の最も近い平日を休館日とします。

所在地 

明王寺37-1(藤並駅2F) 

連絡先 0737-52-2580

○JR藤並駅下車すぐ。駅構内にあります。
○自動車でお越しの場合は、阪和自動車道有田ICから約5分です。(下の地図を参照してください。)
 

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「ムットーニワールド からくりシアター」八王子市夢美術館

2013年11月04日 02時21分33秒 | 美術館/博物館/展覧会

大変! あっという間に、もう11月じゃない!
ぐずぐずしていたら終わっちゃう! 急がなきゃ!!

2009年、2011年にも行った八王子の夢美術館の特別展、「ムットーニワールド からくりシアター」の第3弾!

【会期】 2013.09.13(金)- 2013.11.24(日)
【開館時間】 10:00-19:00 入館は18:30まで
【休館日】 月曜日(祝日の場合、翌日火曜日が休館)
【会場】 八王子市夢美術館

    

この特別展に行ったのは、初日の次の週くらいだから、9月の後半の話。
今回は展示期間が長いので、あと二、三回は行けるだろうと思っていたのに、気がついたらもう11月なのね。
ムットーニの世界が好きな人、まだ見たことがないけど興味のある人、リピーターの方々も! 残すはあと三週間ですよ~!
この間に、私もなんとかして、もう一回は夢美術館に行こうと思います。

そう、だからこの感想は9月に行った時のことなので…
え~っと、なんの作品だったかな? 
最初に見た作品のところで、電動仕掛けの扉が光と共に開いた瞬間、近くにいた小さな女の子がパチパチと拍手したのよね。
2歳か、3歳くらいかな? すご~く小さな可愛い手で、拍手の音も小さくペチペチしてて、口は「わぁ~い!」と開いて瞳がキラキラと輝いているの。
「手をたたいて喜ぶ」って、本当はこういうことよね?
「感動しました」「楽しかった!」の意思表明とかじゃなくてね、こういった興奮の、無意識の動きが拍手の原点よね~。
なんて、改めて感心しちゃった(笑)

だけど、ムットーニの世界が開く瞬間の、わくわくする気持ち、そこから溢れ出た煌びやかな夢の世界を初めて目にする、、あの何ともいえない期待と興奮は、 あの小さな女の子でなくても、私にだって同じこと。
今回の特別展で初めて見た作品の「ジャングル・パラダイス」では、次の場面へ展開するごとに私も「おおっ!」とか「わ~っ!」とか言いながら(って、心の中でだけど)いちいち手を叩きたくなりました。
前に武藤氏も言ってましたが、「初めて見る時の感動」って、たった一度限りの特別なものですよね~!

もちろん、初めてでなくても、何度見ても、ムットーニの世界にはその時々の感動があります。
作品の奥行きは、見る人の胸の中に広がって、それぞれの中に物語が生まれたりもします。

で、私の好きな見方は、まず初めに一人で見て、それから上演会でムットーニ氏の語りを聞きながら観る。
そして、改めてまた一人で見てみると、より楽しめます。
その武藤さんの語りがすごく素敵なんですよね~!
音楽も良いです!

というのは、毎回書いてるんだけど(笑)

八王子は都心からちょっと遠いかもしれませんが、出かける価値あります!
小さな箱のようなものから、大掛かりなものまで、それぞれの作品の扉が開いてから閉じるまでに数分の時間がかかり、展示された作品全部を観るとかなり見応えがあり、時間もかかりますので、ぜひ上演会のある日に、時間に余裕を持って出かけることをお勧めします。


【展覧会イベント】
「ムットーニワールド からくりシアター」上演会  (申込不要・計19日/38回)
作家自らが作品中で展開するストーリーを語り作品をご紹介します。
11月は土曜日・日曜日・祝日開催
14:00〜/16:00〜 ※いずれも45分程度を予定
無料(ただし観覧料(500円)が必要です。 

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かめもとみのり 木版画展

2013年04月07日 02時57分19秒 | 美術館/博物館/展覧会

浦安の小さなギャラリー「どんぐりころころ」で開催中の、「かめもとみのり 木版画展」に行ってきました。

亀本さんとは、もう6年くらい前になるのかな? 私がmixiに感想記を書き始めてしばらくしたころ、舞台の話をきっかけに知り合いになった方です。
たしかその当時は画家として活動休止中だったようで、私は彼女がこういった作品を創る方だとは知りませんでした。
どこでどんな人と出会うかって、わからないものですね~。

浦安の小さなギャラリー「どんぐりころころ」に行くのは二回目。
前は「鬼」をテーマにした、たくさんの作家さんたちの共同展でしたが、今回は個展ですから彼女の作品のみ。
ブログなどで拝見していた作品の実物が見られて、写真ではわからなかった版画独特の刷りの風合いがよくわかりました。



彼女の作品は版画なので、同じ作品でも、一枚一枚に乗せる色合いにより世界が変わって見えたりします。
わりと原色が多く、黒い線とともにインパクトのあるそれは、まるでステンドグラスのようだと言われることもあるそうです。
モチーフも天使などがあり、そう思えばキリスト教的なテイストもありますが、私はどちらかというと仏教の要素を感じます。
この↑上の写真の右の青い絵などは、中央が天使のモチーフで、背景はどことなく曼荼羅を思い出させます。
めずらしく原色ではなく全体的に淡い青を乗せた作品で、これはこれで素敵ですが、これなども違う色合いで刷れば、もっと曼荼羅ふうにも、またステンドグラスっぽくもなりそう。
それを思うと、版画って面白いですね。
彫り上った時点で、色によるイマジネーションの幅だとか、さらに進化する可能性を残しているところが面白いと思います。

版画絵は大きめのものですと、一枚を彫るのに三ヶ月かかり、刷るのにも体力がいるそうで、何度か重ね刷りもし、一日に三枚も刷ったらかなり疲れるのだとか。




最近では、生演奏の音楽とコラボレーションしながら製作過程を見せるイベントをしたりと、意欲的に創作活動を続けている亀本みのりさん。
彼女の作品は個性的で、その「亀本ワールド」ともいえる独特の世界には、暗さと鮮やかさが同居しています。

それにしても、私の写真の撮り方が下手
これじゃあ作品がよくわかりませんよね~。
一枚にたくさんの作品を写して欲張りすぎでした(反省)

ところで、亀本さんはここ数年で絵本なども創作していらして、この個展では去年の作品で「雲姫」という作品が見られます。
物語の文も彼女の創作で、雲のお姫さまが太陽に恋をするという、可愛らしいお話です。

そして、今年はなんと! 新しく作成する絵本は、文章のほうを私が書かせてもらうことになりました。
私が書くと文字数が多い(笑)
去年書き上げたそれは、小学校の低学年用にと、なるべく削って削って削り倒しましたが(笑) 個展が終わったら、その私の書いた物語にいよいよ絵を彫ってくださるそうで、11シーンと表紙をあわせて、全部で12枚の絵で出来上がります。
とっても楽しみ!!


この個展は、東西線の浦安駅から五分ほど歩いた、民家の合間にある小さなギャラリー「どんぐりころころ」で、4月8日まで開催しています。
作品はその場で購入することができますが、もちろん見るだけでも!
お近くの方は、ぜひともお気軽にご覧になってみてください。

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プラネタリウム「スキマスイッチ 宇宙の奏(かなで)」

2013年03月23日 11時20分51秒 | 美術館/博物館/展覧会

@池袋サンシャインシティ コニカミノルタプラネタリウム「満天」
【音楽】スキマスイッチ
【ナレーション】櫻井孝宏 (さくらい たかひろ) 

今週の水曜日、春分の日に池袋で一日中遊んできました。

昼過ぎから友達と待ち合わせてお洒落なスパ(温泉)、夜には映画「ライフオブパイ」を観ましたが、その前に少し時間があったので、一人でプラネタリウムを見てきました。

池袋サンシャインのプラネタリウムは初めて。
子供の頃からプラネタリウムは大好きで、小学生時代は夏休みになると毎年のように見ていました。
あの頃から私は、プラネタリウムが始まるあたりの、夕暮れの町に徐々に暗闇が広がって星がひとつ、またひとつと瞬きだす時間と、それから、最後に夜が明けはじめ、星々とその夢が消えて朝が動き出す時間、その二つのごく短い「狭間の時間」を見るのが好きでした。

それにしても、子供の頃から比べると、プラネタリウムの映像ってすご~く進歩しているのねぇ~!
ちらっと予告がありましたが、ここで夜にしか見られない、「オーロラの詩」も臨場感があって、とても幻想的で良さそうです。


で、この日に見た「宇宙の奏」ですが、
「137億年の宇宙の歴史を1年の暦にたとえたら、人類の登場はいつ頃か?」の説明があり、宇宙の時空の壮大さを思えば人の一生はほんの一瞬にすぎなくて、その一瞬の中の、奇跡とも言える出会いの大切さを感じさせてくれるというものでした。

星空とスキマスイッチのコラボレーションになっているというので、私はもっとスキマスイッチの曲が次々に流れてくるのを想像していましたが、流れた曲は三曲(後記:四曲でした)で、詩の内容を元にして物語仕立てになっているとか、そういうものではなく、プラネタリウムといえばプラネタリウムらしい、説明の多い内容でした。

果てしなく壮大で果てしない歴史を持つ宇宙と、人間のとても身近な日常の、一瞬を歌うスキマスイッチ。
この二つの持つ時空、距離感のあまりの違いが面白いです。

最後に満天の星空を目にして聴く「奏」には、いままでにない種類の感動がありました。
この星の同じ時代、同じ場所に、大切な人とともに生きている奇跡を感じます。
この歌は恋愛の歌かもしれないけれど、私は自分がこれまでに出会った人達の顔・・・家族や友達も含めて・・・何人かの姿を思い出して、その出会いを思って胸が熱くなりました。

「奏」って、ほんとに良い歌ですよね~。しみじみ。
スキマスイッチは、何気にベストアルバムを持っていたりします。



ああ、そうそう!
この日は水曜日だったので、映画館と同じくレディースデーでした。
チケット代は女性のみ割引がきいて、800円。 
お得でした~!

「時間の止め方」
「光る」
「奏」
「惑星タイマー」

   

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「東日本大震災チャリティー展」アートコンプレックス・センター

2012年03月15日 02時41分53秒 | 美術館/博物館/展覧会

「東日本大震災チャリティー展」
2012年3月13日(火)~18日(日)
開館11:00 閉館20:00(最終日は17:00まで)
アートコンプレックス・センター
http://www.gallerycomplex.com/


あの日、あの時から一年が経ちました。
テレビの報道番組などを目にするにつけても、復興にはまだまだ支援が必要なのだと実感せずにはいられません。

そして、今年もまたアートコンプレックス・センターにて「東日本震災チャリティー展」が開催されると聞いたので行って来ました。
チャリティーということで出展作品はすべてお手頃な価格で出品されていますし、購入後は即日お持ち帰りすることができます。
売上金は義援金として日本赤十字社へ寄付されるそうです。

知り合いの版画家、亀本みのりさんが今年も参加なさっていたので、作品がまだ残っていたらぜひ購入したいと思いましたが、早々に売れてしまったそうです。
ひと目でも見られなかったのは残念ですが、彼女の作品が一人でも多くの方から愛されたら良いなと思っていますので、どなたかに気に入られて買われていったのかと思うと、それはそれで嬉しいです。

それで私が今年購入したのは別の方の二枚です。
先ずはこれ↓、手島のり子さんという方の作品で、縦横12センチの小さなものです。


ピンク色が美しくて幻想的なこの作品は「多くの誘惑」という名がついていました。
どこに飾ろうかしら? 
どの部屋に飾っても映えると思うので迷う~。

そしてもう一枚は一番最初に目に付いたもので、ひと目で気に入ってしまったデジタル画です。
ん? それにしても、去年購入したものと作風がとてもよく似ています。
作者のお名前は違いますけど。
左が昨年買った、滝沢莉音さんの「新しい明日」、右が今年購入の二宮れのさんの「いつか届くように」という作品です。
 
 「新しい明日」          「いつか届くように」

ね? 似ているでしょう?
描き方やモチーフも似ているけれど、何よりもスピリットが同じ。
これが別の作者のわけがない! と思い、家に帰って調べてみたら案の定、同じ方が改名して出品していたものでした。
好きなものは、やっぱり好き。
すぐに見つけてしまうものだし、名前を変えたってわかりますよね。
この作品は、家に帰ってすぐにパソコンを置く場所の目の前の壁に飾りました。
今もこのイラストを目にしながら書いているところです。
「いつか届くように」という名前も良いですよね。
私も希望を持たくなくては。


ところで、この「アートコンプレックス・センター」というギャラリーでは、チャリティー展の他にもいくつかの小さな個展やイベントなどが開催されていました。
それで、チャリティー展のある部屋と同じ二階で開いていた個展もついでに寄って見てきましたが、その中で美大生の方が卒業制作を中心に展示した「いくつかの夜と昼」という個展がなかなか良かったので、「ついでに」と言ってはなんですが、ご紹介しちゃいます。


「いくつかの夜と昼」と題されているのに、この部屋に展示されている絵はすべてが夜の絵でした。
その中でも写真の絵が私はとても好きだと思ったので、受付の方に「この絵は何処ですか?」と聞いてみたら、長野県だそうです。
という、お返事してくださったのは作者ご本人の今井可菜さんだったのですが、今年に美大を卒業する(した?)というのですから、とてもお若いお嬢さんです。
彼女は今、ひたすら夜が描きたいそうで、昼を書くと暗くなってしまうのだとか。
でも、この夜の絵にはどこか明るさもあるんですよね。
白い雪、それを照らす光に人のぬくもりを感じます。

それで帰り道に改めて思ったのですが、私はこういった美術作品にしても、音楽や歌にしても、演劇も、そして小説や詩などを読むにしても、好きという気持ちに創り手がプロもアマも関係ないし、有名だとか無名だとか、人気や他人の評価、値段や技術の差ですらも全く関係ないんですよね。
好きか、そうでないか、それだけが全てに一線上にあって、それ以外は私にはどうだって良いことなんだと、つくづく思います。
なので、好きなものを瞬時にキャッチする直感が大切。そんな時には名前すらいらないのかも。
贅沢って、高価なものに囲まれることではなくて、好きなものに囲まれることかもしれないな。

ホワイトデーにチャリティーに行き、好きな作品に出会えて嬉しかったです。
それを自分で自分にプレゼント、ってところが何だかな~、って気がしないでもないけれどね(笑)


東日本大震災チャリティー展」

2012年3月13日(火)~18日(日)
開館11:00 閉館20:00(最終日は17:00まで)
アートコンプレックス・センター
http://www.gallerycomplex.com/
東京都新宿区大京町12-9 2F
tel/fax 03-3341-3253
info@gallerycomplex.com

<会場>
アートコンプレックス・センター 2階ACT1
東京都新宿区大京町12-9
tel/fax 03-3341-3253
http://www.gallerycomplex.com/
info@gallerycomplex.com

<協力作家>
飯田哲夫 / 手嶋のり子 / Minzow / takuchi / HEJSAN / 黒乃やこ /
ninko ouzou / 和也 / 古原 徹也 / こまつたかし / 佐々木 竹翠 / たんたん /
そらみずほ / 岩間利恵子 / Piggy Girl / mah / 一紅 / 岩崎 絵里子 /
moco / 花木玲子 / 二宮 れの / 遠藤みちよ / えだもとかおる /
伴 克子 / カシワギマリ / 亀本みのり / 石澤知絵子 /
トモ / 粉川江里子 / velonyca toto / ひゆうことは / ヨシダシオリ / 福士 悦子 /
よこうちなおみ / 川瀬大樹 / KOALA / 真姫 -Maki- / 小林真理江

<義援金 寄付先>
日本赤十字社
http://www.jrc.or.jp/

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「ムットーニ ワールド からくりシアターⅡ」(八王子市夢美術館)

2011年05月23日 02時45分30秒 | 美術館/博物館/展覧会

ムットーニ・ワールドを観に行く時にいつもご一緒してくれる友達が、私に向かって「ほんとうにムットーニが好きなんだねぇ~」と感心するように言ってましたけど(笑)
そうなの。好きなの、ほんとうに。
ムットーニの作品って、ひとつひとつが小さな劇場みたいなんだもの。

人形たちの動きにはそれぞれに予測のできない展開があり、その都度に奥行きのある物語が感じられて、月があり星があり、光があって、煌く夜の宇宙があります。
音楽のセレクトも良ければ、口上にも味があり、私はそれらのことごとくが心の琴線に触れるので、時々涙が出るほどに感動してその世界にぐっと惹かれるのを感じます。

八王子市夢美術館は都心からはちょっとばかり遠いですが、ムットーニ・ワールドは絶対に観る価値があると思います。
観覧料が500円というのも嬉しいです。
そして、これを観るならやっぱり金曜・土曜・日曜の、ムットーニ氏の口上のあるお時間に行かなくちゃ!
口上がなくてももちろん楽しめますが、ムットーニ氏自らも言っていたように、「口上付で観ると、めっちゃ楽しいです!」
口上のある上演会は申込み不要で無料ですから、ぜひとも時間を合わせての観覧をお薦めします。

その口上とは、氏いわく「後付けで、でっち上げ」なんですって(笑)
ですから毎回ぴったり同じ口上でもないのが楽しみでもあります。
それにしたって、作者本人が後付けしているのですから、その世界がより深く感じられてとても素敵です。
ムットーニ氏の静かな語り口のそれを聴いていると、時々私はこの人形そのものなのではないかと錯覚すらしてしまいます。
もしかすると、私はこの人形で、私の人生もこの箱の中の夢ではなかろうか…なんてね。
それは見て聴く側の想像が引き出されるような作品だからなのでしょう。
ムットーニ氏は、「口上は僕の後付けでつくったものですから、皆さんは皆さんの物語を創ってください」と仰います。
作品を見ていると、それぞれの胸の中に物語が生み出される…それもムットーニワールドの特徴なのだと思います。

今回も展示されて嬉しかった「カンターテ ドミノ」は、いつ観ても感動で胸がいっぱいになります。
教会でパイプオルガンを弾く男の天に天使が昇るというものですが、そのパイプオルガンの賛美歌も凄く良いんですよね。
カンターテ・ドミノとは「最も新しき歌」という意味で、最も新しき歌とは、だから「最後の歌」だそうです。
今この時、神に捧げる最も新しき、最後の神の賛歌とはすなわち「黙示録」。
その電動じかけの女神(天使?)が讃美歌の極まりと共にゆっくりと天に昇っていく様や最後に光溢れる宇宙への感動は、この作品を見た人にしかわからない…と言ってしまうとおしまいですが(笑)何度見ても胸を打たれます。

他には、私がこの日初めて見たものの中で、「眠り」という作品が私は特に好きだと思いました。
女性と、その女性を鏡に映した二体の人形が向かい合ってまわるうち、その鏡の姿は単なるシンメトリー(鏡像)ではなく、もうひとりの彼女ではないか? …という不思議な作品は、いつかどこかで見た私の世界に重なるような気がしてツボでした。
上演会の最後に見せていただいた「クリスタルキャバレー」も、新作のウィングエレメントも、どれもこれもが良かったです。

ところで、今回の初日に武藤さんはトランペットを用意していて初日にはそれを吹いてくれたそうですが、私が行った次の日の土曜日は喉を悪くしたとかでその演奏が聴けなかったのは残念でした。
ほんのちょっぴり歌ってくださった歌もとても素敵だったし、それももっと聞きたかったです。
口上の絶妙な間合いといい、声といい、ほんとにマルチな才能がおありで、この世界が総合芸術に至ったのには、ムットーニ氏の幅広さからしても納得できます。

「すべての旅人と、夢追い人に、祝福を!」という総合芸術のムットーニ・ワールド。
観るごとに、好きにならずにはいられません。

<!-- 日産グループ 企業CM(ムットーニ)  -->

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「写楽」(東京国立博物館 平成館)

2011年05月21日 03時02分14秒 | 美術館/博物館/展覧会

この展覧会は17日火曜日に「ブッダ展」のついでに行ったのですが、ついでどころか、こちらのほうが展示数がはるかに多いし、会場も広いし、かなりボリュームがありました。

東洲斎写楽は寛政6年(1794年)五月に役者絵で華やかにデビューしたと言いますが、たったの10ヶ月ほどで忽然と姿を消してしまった謎多き人です。
その短い期間に140図以上の版画を世に出し、たぶんそのほとんどがここに展示されていると思われます。
それらの作品を、展覧会では四つの製作時期に分けて展示されていました。
写楽だけでなく、他の絵師の作品も多数見ることができました。
歌舞伎の同じ演目の同じ役者さんの絵でも、写楽の描いたものは異色というほど大胆で個性的です。
役者さんの内面までも描いた写楽の斬新な作品には、当時の人はさぞかし驚いて心浮き立ったことでしょうね。

けれども、顔をクローズアップした大胆な初期のその大首絵も、二期には姿全体、三期では背景も描かれるようになり、そうこうして変化するうちに写楽らしさがだんだん失われ、四期ともなると他の絵師の作品と比べてもあまり大差ないと思われるほどに没個性的に見えます。
そして、当初の人気は薄れ写楽はそのまま姿を消してしまうのですが…。

人気がなくなってきたから、個性的でなくなったのか。
個性的でなくなったから、人気がなくなったのか。

これは、前者でしょうね。
なぜなら役者絵は作品であって「作品」ではないんですよね。
役者絵は興行側からすると、それは舞台のチラシであり、ファンにとってはブロマイドの役割がありました。
写楽の初期の作品には役者たちの内面までもを描き、女形でも「男が演じている」ことを画面に隠してはいません。
だから美しいかどうかというと、その観点からいうと他の絵師たちの絵のほうが美しかったり、格好良いものだったりします。 
ファン心を知る者としては、やっぱり好きな役者さんの絵は美しいほうが人気があっただろうと容易に想像できますよね。
実際、フライヤー(ちらし)の写真が実物以上に素敵だったりすると萌えるし(笑)
もしこの現代に写楽がいて、自分の御贔屓の役者さんのアップを書いてくれたなら…
「いや~ん、この顔、面白いんだけど、ちょっとひどぉ~い! 私の御贔屓はもっと素敵なんだから綺麗に書いてくれなきゃいや~っ!」とか文句言ってしまいそう(笑)

ところで、「その数と質において、空前絶後の展覧会」というわりには、私はいまひとつ楽しめなかったのは、展示作品の多くが歌舞伎を題材にしたもので、私が歌舞伎に疎いからです。
歌舞伎を知っていたら、この展覧会はもっとずっと面白かったに違いありません。
特に写楽と他の絵師たちが、同じ場面を描いたものなど…「ああ、この絵はあの場面ね?」なんて、舞台を思い出しながら見比べてみたらかなり楽しそうです。
その絵の役者さんたちが当代の歌舞伎役者さんたちのご先祖様であったりするでしょうしね。

と思うのは、私はやっぱり絵も好きだけど、舞台好きだからですね。
写楽の作品をいつの間にか、貴重な美術作品としてではなく、パンフレットやチラシのように見ようとしていた自分に気がつきました(笑)

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「手塚治虫のブッダ展」(東京国立博物館)

2011年05月18日 01時36分09秒 | 美術館/博物館/展覧会

「仏像と漫画でたどる釈迦の生涯 手塚治虫のブッダ展」
(東京国立博物館本館特別5室)

この展覧会と28日から公開の映画、「どっちを観てから観るか?」と悩みましたが、6月の土日はすでに出かける用事で埋まってしまっているので、先に展覧会を観に行くことにしました。

それにしても今、上野が楽しい! あちこちと魅力的です!
パンダで賑わう上野動物園のすぐそばに建つ美術館や博物館の数々。
「あれも観たい、これも観たい!」と興味はいろいろありますが、でも今日はこのためにわざわざ有給休暇を取ったので一直線です。

映画にもなる「ブッダ」とは、言わずと知れた手塚治虫さんの漫画の題名でもありますけど、お釈迦様のことです。
この展覧会はその漫画の原画や実際の仏像を見ながらお釈迦様の生涯をたどったものです。
って、題名のまんまやんか(笑)

そういえば、先日まで本屋さんで「岡本太郎コーナー」だった場所が、いつのまにかこの「ブッダ」のコーナーに様変わりしていました。
本屋さんではブッダ展の入場100円割引券のついたチラシやしおりがおいてありますから、今から観に行く方は、先に本屋さんでゲットしてくださいね。
私はその折に、ちくま新書の「仏教の身体感覚」(久保田展弘・著)を買いました。
例によって難しいことは適当に流しながら読みましたけど、かなり興味深い本でした。
これは身体感覚という視点から仏教史を辿り、救済の本質を見直していくという本です。
それと、博物館では「ブッダの教えがよくわかる」(ひろ さちや・著)という本を買ってきました。
ぺらぺらとめくってみたところ、釈迦を一人の思想家として捉えている本で、とても解りやすそうです。

ところで、私は自分が無宗教の人だと思っていますが、それは「生きている人を真に癒し救うのは人でしかない」と思っているからなんですよね。
私にとって宗教にふれることは仏教に限らずキリスト教であれ何であれ、その思想・哲学を学ぶことであり、そこからの気づきであり、時に共感であり、さらには「それは自分にとってどういうことなのだろう」という思考の対象のような気がします。

けれども、この展覧会や本で改めてブッダの教えを見てみると、仏教の教えは確かに私の中にも根付いていたことがわかります。
「諸行無常」(全てが常ならず変化する)「諸法無我」(あらゆる事物には、永遠・ 不変な本性である我がない)という思想に共感し、そしてあらゆるものに執着やこだわりを持たずに生きたいと思う私の終(つい)の理想は、たぶん「涅槃寂静」に近いです。
「私の思う最も崇高で美しい存在は私という宇宙に存在し、けれども最も卑小で醜いものも私の中にあるのだろう」という思いも、そして「私は全てにいて、全てにいない」と思うのも、「私はここにいて、ここにいない」と感じるのも、それらはみな仏教が基礎になっていたのだろうという気がしました。
そういえば、幼稚園は仏教系だったので、そのあたりから刷り込まれていたのかもしれません。

かなりいろいろと思うところがあったので、映画「ブッダ」を観るのが楽しみになりました。

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「生誕100年 岡本太郎展」(東京国立近代美術館)

2011年04月30日 14時18分51秒 | 美術館/博物館/展覧会

最近さぼりがちだったので、書きたいものがたまっています。
この「岡本太郎展」は4月6日に見に行ったもので、「開催中に書けばいいや」なんて後回しにしていたら、この展覧会も5月8日までなのであと一週間ほどで終ってしまいますね。
月日の経つのがやたら早くて、なかなか追いつけない今日この頃です。

今年は岡本太郎さんの生誕百年ということで、一月あたりからはもう、大きな書店ならばどこでも岡本太郎さん関連のコーナーが置かれていたほどに盛り上がっていましたよね。
なにせ作品集はもちろんですが、岡本太郎さんの名言集がとても良いですから!!
人生や恋愛に関しての名言もさることながら、私はこの方の芸術に関しての名言には、書店で思わず涙ぐんでしまったほどに勇気付けられて励まされました。
って、つまり立ち読みだったりするんですけど(笑) 純粋に芸術に立ち向かった人の言葉は、そのままに「自分を生きる」言葉でもあると思いました。

そんなこんなで、この「岡本太郎展」は開催の前から楽しみにしていました。
とは言うものの、私は、この人の作品が好きかどうか?という話になると、実を言えば微妙です。
ほんとうを言えば、「嫌いではないけど、特に好きでもない」といったところ。
あの原色を多用した数々の作品には強いエネルギーを感じるものの、「好きか?」と聞かれれば、「どうもねぇ…」と首を傾げたくなります。
それを言えば、ここ数年で見たシャガールにしろ、上村松園さんにしろ、私は彼らの作品の全部が好きなわけではありません。
けれども展覧会のたくさんの作品の中で、ほんの一枚か二枚、ずっと立ち止まっていたい作品に出会うので、それを目的にこうして出かけているのかもしれません。
美術に疎い私が見たいのは、たぶん「人」であり「物語」なのでしょう。
そうして考えてみると、岡本太郎さんの作品には彼の「人」が強く現れてはいますが、あまり物語性はありません。
ですから、私の好みとはちょっと外れていますが、1947年の作品「夜」と、1948年の「夜明け」はとても好きだと思いました。
「夜」という作品は、絵の一部に女性の後姿が描かれているのですが、彼女はその背中にむき出しの短刀を後ろ手にして握っています。そして彼女が眺める夜の世界は精神世界の「夜」であり、孤独な抽象の世界です。
「夜明け」のほうは、さらに抽象的で、暗闇と、暗闇だけではない混沌とした夜の世界の向こう側に、眩しい明日の光を見るような作品で、その闇にも光にも、どちらにも強いエネルギーが感じられました。

ところで、今年に入り、版画家の友人と雑談した折に話したことですが、
彼女の作品は形あるモチーフがあったりするので、自分の作品は「抽象と具象の合間にある」そうなんですね。
私はこの言葉がいつまでも頭に残ってまして、創作でいずれ私の書きたいものも実はそこにあるのだな、という気がします。
だから、私は彼女の作品にも惹かれるのかもしれないなぁ…などと思っていましたが、岡本太郎さんの作品は「抽象的だが、必ずしも抽象とはいえない」ものなので、その彼の、精神にある形無き抽象の世界に出没し、または混じり合う、具象の現れ方はとても興味深いと思い、大きな刺激になりました。

……とかね…
そういった私自身の下手な創作についての想いなんかは、このまま続けて人に語るのも恥ずかしいのですが、だから岡本太郎さんの名言集にはほんとうに背中を押される気がします。

『うまかったり、まずかったり、きれいだったり、きたなかったりする、
ということに対して、絶対にうぬぼれたり、また恥じたりすることはない。
あるものが、ありのままに出るということ、 まして、それを自分の力で積極的に押し出して表現しているならば、 それは決して恥ずかしいことではないはずだ。』

うん。そうは思うんだけど、でも正直言えば、ちょっとくらいはうぬぼれてみたいような、そんな作品をひとつくらい創ってみたいよなぁ…。
とかも、思うけど…(笑)

常にアグレッシブに何かに対決してきた岡本太郎さんの作品は、それだけに強烈であり、学生時代には民俗学や哲学を学んだということもあってか、深い人間に対する愛情や、芸術や命に立ち向かうこと、孤独、人生への問いかけ…、どれをとっても圧倒的な力を感じずにはいられませんでした。

全部見終わってから、改めて、「岡本太郎の作品を好きか嫌いか」と聞かれたら、もしかしたら私は、「好きでもなく、嫌いでもない」ではなくて、「好きであり、嫌いでもある」のかもしれないと思いました。

そう思える男性は魅力的だわ。

岡本太郎さんはとても魅力的な方でした。


「明日の神話」(渋谷駅 連絡通路)

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「東日本大震災チャリティー展」アートコンプレックス・センター

2011年04月14日 23時50分42秒 | 美術館/博物館/展覧会

迷子の子猫ちゃんじゃなくても、道に迷ったときには、おまわりさんに聞くのが一番!!

四谷のアートコンプレックス・センターという素敵な洋館で開催されている「東日本大震災チャリティー展」へ行って来ました。
ちゃんと辿り着けて良かった~(笑)
実は私、超方向音痴で地図が苦手、動物的な感も全くないので、初めての道はいつもドキドキよ。
アートコンプレックス・センターは静かな住宅街の中にひっそりとあって、お写真でみた昼間の佇まいもステキだけど、夜は屋根の上に月が昇り、まるで絵本の中の建物のようでした。

チャリティーですから、どの作品も普段よりもぐっと手に入りやすい価格に設定されていたようです。
なので、前から欲しいと思っていた、亀本みのりさんの版画絵「ai」と、もう一作品、滝沢莉音さんというアーティストの「新しい明日」という、幻想的なデジタルアートの絵を買わせて頂きました。

                            
              亀本みのり「ai」  

「ai」は前にもご紹介した版画絵ですが、「鬼は指が三本しかない」といいます。
足りないのは「心」と「知恵」です。
恋をした鬼はその手を見て泣いています。
けれども、いつの間にかハートは赤く脈打ち、背中に小さな羽根が生えました。

私はこの版画絵を寝ながら見られる場所に飾りたいと思います。
不思議な夢を見られそう。
              

                        
             滝沢莉音「新しい明日」

「新しい明日」の左上が光って見えるのは、額縁が光ってしまったのではなくて、その部分が明るい朝のような、そういうイラストなんです。
色彩がとても綺麗で、鳥や羽、草花があり、よく見ると空が見え、その中心の輪は時計です。
これは玄関に飾ることにしました。

なお、これらの収益金は全額日本赤十字に義援金として寄付されるそうです。

「東日本大震災チャリティー展」
4/12(火)~4/17(日)
11:00~20:00 最終日は17:00まで
入場無料
会場 アートコンプレックス・センター
地下ホール・2階ACT1
03-3341-3253
アクセスその他詳細は
http://www.gallerycomplex.com/jishin_act/index.html

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「KURO展」'It is nervous though it is a contemporary. '

2011年02月19日 23時41分02秒 | 美術館/博物館/展覧会
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