今宵も劇場でお会いしましょう!

おおるりが赤裸々に綴る脱線転覆の感想記!(舞台やライブの感想です)

映画「クワイエットルームにようこそ」

2007年10月20日 23時52分36秒 | 映画

★★★☆☆
なかなか良かったですよ、内田有紀ちゃん、頑張ってたし。
え?そのわりには☆の数が少ないって?
だって、だってぇ~! 妻夫木くんの眉毛が繋がってるんだものぉ~
妻夫木くん、こういう方向で芸の幅を広げてくれるのも良いですけどね、今はカッコよくて可愛いブッキーを見たい私なんですよ。
鼻血出しているイケてない役が妙に似合っているのが、な~んか複雑な気分

で、舞台やテレビで、押し付けがましい演技を見せてくれた大竹しのぶさんが、そのまま役に見事にハマって、主人公じゃなくても誰でもブチ切れるに違いないというような、そんなおビョーキぶりが怖い。
蒼井優ちゃんは存在感あり!
宮藤官九郎はヘンな人が似合いすぎ。この人の彼女である内田有紀ちゃんの役もヘンだわ。

うん、そう。全体的に面白くはあったけど、この手を題材にしたわりにはそれぞれの人物の掘り下げ方が期待していたよりも希薄でした。
精神科方面の話って、いちいちそれをやると深くなりすぎるから入院患者たちをあっさりと描いてくれたのはいいけれど、ちょっと物足りない感じかな。
人は誰もが心の病にかかる可能性があり…もしかするとこの私も、クワイエットルームへ行くかもしれない……というメッセージも私にはここから感じられなかったし。いや、全くということはないですけどね、思ったほどには、ってことで。

最初は、「酒と薬をつい飲みすぎてうっかり精神病院に運ばれちゃいました」という感じのヒロインは、話が進むうちにクワイエットルームに行き着いたのも仕方ないな、と思いました。
でも、ヒロインがそこで何を感じ、何を得たのか……作者の言いたいことがいまひとつ私には判らなかったけど……そうか、入院している患者なんだから別に何かを得る必要もないないのか

それじゃどこが良かったかというと、精神科をコメディにして見せてもらったところかな。
人の営みを何かにつけて笑いにするのは嫌いじゃない。
そしてそれがギリギリで悪趣味にならず面白いのはさすが松尾スズキさんだと思いました。

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「キャバレー」

2007年10月14日 00時03分22秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)
青山劇場まで「キャバレー」を観に行ってきました。
演出:松尾スズキ 
出演:松雪泰子、阿部サダヲ、森山未來、秋山菜津子、小松和重 他

面白かったです~
有名なミュージカルですが、これは四季でも東宝でもこういうアプローチには到底ならないでしょうね。
松尾スズキさんの演出ってこんなに面白かったのね

なんといっても、秋山さんが老婦人の役!…それはないでしょうにと思ったら、これがイイ役なんだわ。歌もたくさん歌ってくれるしセリフが面白いのなんの
秋山さん、そ、そんなに面白い人だったんですかと、ますます好きになりました
で、それに負けず劣らず……っていうか別物的に超面白いのが阿部さんと小松さん。
この舞台はね~、最前列の皆さんが本当にうらやましかったですよ。
最前列センターの方達は阿部さんの客いじりの洗礼を受けます
このやり取りが笑えます。阿部さん、アタマの回転速いなぁ~
小松さんは休憩時間の終わりに「まだ席についてないのか?早く席に着かないとチョコポッキーを突き刺すぞ~!」と酔っ払いながら木の枝を振って客席を回ったりするし
遅くに帰ってきたお客さんがキャーキャー言いながら慌てて走っているのも可笑しい
それに松雪さんも未來くんも要所要所で面白いんですよ。未來くんの歌と踊りが少なかったのは残念ですが、今回は役者として持ち味を出していましたね。
役者さん全員が自分の役目をしっかりこなしてくれている舞台だったと思います

そんなこんなで最初からずっと笑いながら観ていましたが、秋山さん演じる老婦人の大家さんが婚約した相手(小松さん)がユダヤ人とわかり意外な展開になっていきます。
ここは第二次世界大戦前のドイツなんですね。ナチスが台頭する直前です。
ユダヤ人と結婚することがどういうことになるのか……。
そして、華やかなキャバレーのアンサンブル達がナチスの色に染まります。
それはぞっとするような光景。
ナチスに盛り上がっている中で、それまで明るかった未來くんと秋山さんだけが苦しい表情になります。そして阿部さんも複雑な表情に……。

話は変わりますが、この舞台は重要な出演者のことごとくにタバコや煙管を吸わせます。その場面がとても多い。
言っときますが、私は喫煙の是非を語るつもりはさらさらありませんよ。
でも嫌煙運動が盛んになりつつあるこの国で、ここまで徹底的に喫煙させる舞台を作ったのは何か意図があるんじゃないかとつい深読みしてしまうのよね。
ひとつの正義を叫ぶ全体主義のナチスの中にあって、孤立して異議を唱えることがどんなことか。迫害された人はどのように生きていくのか。
なんとなくね…それと体に悪くて臭い煙吐き散らす喫煙者を一緒にするなと言われそうですが……物思う秋の夜の帰り道でした。

まあ、そんな私の深読みは別として。
ミュージカルらしく華やかで、しかも笑えるこの舞台はお薦めです
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アンデルセン公園中川晃教コンサート

2007年10月09日 22時54分06秒 | ライブ/コンサート
アンデルセン公園の「中川晃教コンサート」ですが。
あっきーは夏に劇場とプールの往復で少しも焼かなかったせいか色白で、そのせいか、な~んか日本人離れしているように見えましたよ。
かと言って、欧米かというような顔立ちではないですけどね その白さは一般人じゃありません。

一時間のコンサートで、アンコールを入れて9曲くらい? 結構歌ってくれました。
やっぱりこの人の高音はすごいです。
マイクをさらう風の音にも負けていませんでしたよ。
「みんなのうた」の「セルの恋」は地元の子供たちと一緒に。
「もっと元気良く!」なんて先生みたいでした。本番にそれはないだろうに
そのあと客席の皆もコーラスに参加して歌おう!のコーナーになり、手拍子しながらコーラスを入れるのは楽しかったです。

しかしです。
たとえば、「1、2、3……」と数を数えているときに耳元で「8、4、9……」などと、変則的な数字を囁かれたらどうです?
私はそれと同じような苦行を強いられましたよ
隣のご婦人が手拍子が苦手な方で、周りに合わせて裏で打って二小節と続かない……で、表になるのもずっとならまだしも、それも続かず、変則的にズレズレの手拍子が延々と
そこまでいくと、つられてしまうこともないけどね。
でも、気持ち悪い~~
「お姉さま、無理なさらずともよいのですわ。手拍子が苦手でしたらお体を揺らしてお楽しみいただけばよろしくてよ」と何度言いたかったことか。

まあ、そんなこんなで朝も早かったし疲れましたが、あっきーは白いお顔がほんのりピンク色に染まるほど熱唱してくれて、聴き応えのあるコンサートでした。
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歌舞伎「俊寛」「うぐいす塚」

2007年10月06日 22時57分04秒 | 芸能/エンターテイメント
国立劇場で歌舞伎を観てきました。
「平家女護島」「昔語黄鳥墳(むかしがたりうぐいすづか)」
(出演)松本幸四郎 市川染五郎 坂東彦三郎 市川段四郎 中村芝雀 澤村宗之助 ほか

な~んか、久しぶりに日記を書いてますが
10月1日に男性社員の人事異動があって、その余波でとんでもなく忙しいです。
この忙しさが解消する見込みがないわ~
もう平日の夜に観劇するのは難しいかも……とか言って、来週の平日は二日分のチケットがあるのよねぇ。
だってチケットって、何ヶ月も前に買うから先がわかんないんだもん。

という愚痴はさておき。

歌舞伎ですが。
お安い二等席なのに何故六列目なのか謎が解けましたよ
役者さんは良く見えていいんだけど、首が痛い~
端から6番目でも横を向きっぱなし。国立劇場って横に広いのね。
でもまあ私は、同じ二等でも三階席よりはこっちのほうが表情が見えていいけどね。

「平家女護島」は松本幸四郎さんの俊寛が、船を見送る最後の場面に見ごたえがありました。
こういう有名な演目はやっぱ一度は観ておいて正解だよね~……なんて言いつつ時々意識が飛ぶ私
それで、ミーハーな私には「昔語黄鳥墳」のほうが楽しめました。
染さまが二枚目の王道をいってます
で、悪役ありで早代わりありで、女形の方々も若くて美しいし(若いと声も美しいのね)、言葉も比較的わかりやすく、初心者には向いているかもしれません。
途中で「おしりかじりむし~」があったりして笑えました。
染五郎さんは二枚も素敵だけど、私は悪役も好きだわ
テレビでちょっと披露していた鼓も聴けて良かったです。

それにしても、古典には自信があったんだけど、あの独特な抑揚やリズム感のセリフはなかなか聞き取りにくいわね。やっと慣れたころに終わってしまいましたよ
読むのはなんとかまだできても聞き取れないって、我ながら歯がゆいわ。
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