今宵も劇場でお会いしましょう!

おおるりが赤裸々に綴る脱線転覆の感想記!(舞台やライブの感想です)

「エレンディラ」8/25マチネ

2007年08月25日 22時30分11秒 | 観劇(ストレートプレイ/人形劇)
今日は三回目。
三列目センターブロック右端は最前列以上に「あっきー席」で照れました

今日の舞台は泣かないで観たものの、ラストがお婆ちゃんの「せめてもう一度、あの愛が享けられますように」という言葉のように哀しくて、よりによってカーテンコールの最中でその余韻がきてまた涙がこぼれたわ。遅っ
以下は激しくネタバレにつき要注意!!

で、エレンディラ(美波ちゃん)だんだん怖いんですけど
「あんたは満足に人も殺せないのね」という時なんて、冷たいというより怖いです。
それを言われたウリセスも、前は「ええっ、そんなぁ~」って感じて狼狽していたのに、今日は「そんなこと言ったって」と瞬間ムッときてるし
日替わりの微調整なのかしら?

この舞台、簡単に言うと…、
「非情なお婆ちゃんと二人暮らしで毎日こき使われているエレンディラが不注意で火事を起こしてしまい、その損害をお婆ちゃんに弁済するために娼婦にさせられる。その後、どこの町に行っても人気の娼婦エレンディラはウリセスに出会い愛し合うようになったが、無垢な恋人のウリセス(無垢なのはこっち!)をたきつけて人殺しまでさせた挙句にお婆ちゃんの遺体から金目のモノを奪ってウリセスを置き去りにして逃げた」
というところまでが原作の小説の話なんですけどね…(…ん?なんか途中をすっ飛ばしすぎた? ま、興味があったら舞台を観るか原作を読んでね。)その後、ラストは脚本家のつけ足しで、「実はお婆ちゃんを殺したのはエレンディラで、後半のウリセスは彼女が作った幻だった」ということになっているんですよ。

今日は何年かぶりにばったりと遭遇した某さんと帰りにお茶しながら、
『エレンディラを「無垢」と言い切るのも、小説にはないラストの「実はお婆ちゃんを殺したのはエレンディラ」というのも、私は男たち(というか、脚本家さん?)のファンタジーじゃないかと思う』という話をしてきましたがね、
やっぱり原作どおりウリセスが殺したほうがしっくりくるし、エレンディラのことは恋人に人を殺させてしまう「無邪気な天然魔性の女」と思うので、その某マイミクさんと「またね」と言って別れた後もなんとなく考えちゃったのよね。

で、「ほんとうは自分が殺した」という話こそがエレンディラの晩年のファンタジーじゃなかったのか…つまり小説家が登場したあたりから、または小説家に語る「真実」からラストまでは彼女の死に際の夢ではないか……と無理やりに思ってみたらどうでしょう?
…って、「どうでしょう?」というのも何だけど、これなら私好みのラストと言えなくも無いわ。
夢見る昔に振った恋人は、最期まで永遠を誓いながら美しいままの自分を追い続けてくれる天使……これは女性のファンタジーじゃん、いかにも幸せにボケた婆ちゃんじゃん、とか思うんで。
「せめてもう一度、あの愛が享けられますように」なんだな、やっぱり。

……ということで、曲解だろうが何だろうが、いつもどおり「私好みに観ればいいのよ」のスタンスで来週の千秋楽を迎えることにします
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ゲキ×シネ「朧の森に棲む鬼」

2007年08月22日 22時33分24秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)
「欲望と絶望はよく似ている」って?

夕べは10月全国公開に先駆け、新宿バルト9にてゲキ×シネ「朧の森に棲む鬼」の試写会に行ってきました。舞台挨拶つきです。(ゲスト 市川染五郎さん、阿部サダヲさん、真木よう子さん、いのうえひでのりさん)
これの副題って「Lord of the Lies」っていうのね、知らなかったわ。

そんな予感はしていたけど、お正月に生の舞台を観たときよりも感動しました〈笑〉
これってね、みんなが絶賛する中で、私は今一歩ツボに入らなかったのよ。
それがなぜだかその時はわからなかったけど、このライっていう悪党の欲望の目指す到達点がわからない。
金も女も地位も、この人って実はあまり興味ないんじゃないかと思う。
目的もゴールも見えない欲望はいっそう絶望的ではあるわね。

で、高田聖子さん演じるシキブ、秋山菜津子さんのツナ、阿部さんのキンタの演技がゲキ×シネで改めて観るとほんとに凄くて、お姉さま二人は「こんなところで涙を流していたのか!」とそれぞれの心の動きがズシンと響く表情してるし、キンタは可愛い子分からラストでライに対峙する変化がとってもいいの!
この人たちの愛憎を一身に浴びなら、どこまでも悪に突き進むライはむちゃくちゃ色気に満ちた壮絶なワルになり、そして言うわけよ…つっても正しいセリフは覚えてないけど、「憎しみこそが快感だ」みたいなことをね。

オオキミに「ごめんねぇ~」と言いながら毒を飲ませたシキブの愛と欲望…それよりも強かった裏切りに気づいた時の驚愕の顔も、最愛の夫を殺されライを心底憎みながらも魅かれギリギリと歯軋りしそうなツナの顔も、そして、シュテンに恋して浮気気味だった(笑)キンタが見せた最初で最後のあの愛憎が混ざり合った表情も……全部がまっすぐ激しくライに向かっている。

それを思うと、キンタが目を刺されたとき、あのぞっとするような色気に満ちたライの笑いっていうのがね……なんかわかったような気がしたわ。
つまり「ライはキンタに憎まれてみたかったんじゃないか」。
え?ちがう? まあいいじゃない、そう思うと、私的にツボに入るのよ。
冒頭に書いた「欲望と絶望はよく似ている」は、今一番ハマっている舞台「エレンディラ」のセリフだけど、「朧の森」は「愛と憎しみは良く似ている」なのよね。

そして、嘘と裏切りによって得た「一直線の強烈な憎悪」を存分に浴びた末の壮絶な最期。
染ちゃんは、本当に!とっても!カッコよかったです
生の舞台ではよく見えなかったあの表情、みなさんも機会があったらぜひ観てください!

さて、舞台挨拶ですが。
染五郎さんは、大変インパクトのある格好で登場なさいました
パンク・ミュージシャン風? サイケな衣装にツンツン立てた髪、目の周りのメークがほんのちょっと歌舞伎風でもあるけどロックな感じ。
阿部さんが「これを知っていたら僕も……」とちょっと悔しがっていました。
ちなみに彼はトレードマークのハンチング帽、ジャージ風の上着に丈の短いズボンでした。

舞台挨拶もあったので、映画が終わって新宿の駅に着いたのは11時を過ぎていたかしら?
さいたまじゃなくて良かったよね~(笑)
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「ロマンス」

2007年08月19日 22時35分36秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)
世田谷パブリックシアターで「ロマンス」を観てきました。

チェーホフの生涯を四人の男優さんが世代によってリレー式に交代して演じる舞台です。
チェーホフの妹役の松たか子さん以外は一人何役も次々と入れ替わりますが、大竹しのぶさんをはじめ、段田安則さん、生瀬勝久さん、木場克己さんらの個性も力もある役者さんが揃っているのですぐに慣れます。
その中で、井上芳雄くんも遅れず頑張っていましたよ

「こまつ座のお芝居は泣ける」とどこかで見たような気がしますが、これは泣けないけど随所で笑えました。
ストレートプレイですが(ですよね?)、導入や合間に歌が入りますが不自然じゃなかったですね。
歌が無くても成り立つお芝居だとは思うけど、歌のシーンが良いスパイスになっていたんじゃないかしら。
だって、せっかく松たか子さんや井上芳雄くんがいるんですものねぇ…。

大竹しのぶさんは、以前「肝っ玉」という作品で初めて観て、随分と骨太な演技をする女優さんだなぁと感心しまたが、歌はそれをぶち壊すほど下手じゃない。でも、歌だけで感動させてくれるほどには上手くない。だから歌う場面では演技で補う部分が大きくて、それはそれでこの方の魅力が出ていると思いました。

松さんは……良かったですよ~、やっぱり。
トイレに並んでいるときに、「松さんって顔が小さいのねぇっ!!」という声が聞こえて思わず振り返ったら、それを言った人の顔がとんでもなく大きくてぴっくり
……って、関係ない話だけど かなり驚きだったので

で、お目当ての井上芳雄くんですが。
いろいろな芳雄くんが観られて楽しかったです。
あ~んな芳雄くんとか、こ~んな芳雄くんが楽しめます
ネタバレしないお約束なんでこれ以上は自粛しますが(笑)ひとつだけ言わせてね。
「芳雄くんって、某宮様に似ているかも」
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「犬顔家の一族の陰謀」/講談・神田 紅「怪談」

2007年08月19日 10時25分05秒 | 観劇(ストレートプレイ/人形劇)

「笑いのツボ」はともかく、私の「泣きのツボ」は他人とどこかズレていると実感した日。
昼から池袋サンシャイン劇場で「犬顔家の一族の陰謀」を観てきました。

これって、パロディの元ネタをどれだけ知っているかで、人によって笑いの量や質が違うと思ったわ。
「オペラ座の怪人」「コーラス・ライン」「キャッツ」「エリザベート」「ドリームガールズ」……ミュージカルって、女性のほうが観る機会が多いじゃない? 
エリザベートはご想像通りの場面が使われていて、元ネタを知らなくても面白く作ってあるものの、そこでゲラゲラ大笑いしていたのは私の周りじゃ女性が多かったから、男性客は「なんでそこまで笑うのか??」と思ったかもね。
横溝正史の作品も、その昔の映画も、最近の映画も、物真似されている有名人も…ほとんど知っていたので最初から最後まで笑えて無駄なく楽しんだ気分。
いや、だって世代が……〈笑〉

こういう「ただお気楽に笑っていれば良くて、後にな~んも残らない」新感線のおポンチ芝居っていいわ~!
日替わりらしき物真似もアドリブも面白かったです。
まあ何度も観たいとは思わないけどね。
河野まことさんが今年39歳とは年月を感じましたよ

この舞台が終わったあとは「池袋演芸場」へ落語と講談を聞きに行きました。
で、某落語家さんに言わせると、「こういった演芸はその場のもので、出演者と来ているお客さんだけのもの」で、ブログなどにあれこれ書くのは気に入らないそうなので、詳しく書きませんが、人気の女流講談師・神田紅師匠がトリをとるので会場は満員でした。
講談の演目の題名は聞きそびれてしまいましたが、内容は怪談です。
面白くて怖くて……そしてクライマックスで紅さんがお化けになり……私は涙がこぼれました。
…って、え?そこは泣くところじゃないですか? 誰も泣いてませんけど

ちなみにレミゼ・ファンの皆さん、
「ちがう、それはちがう。何もわかってないな」の一言って泣けますか?
エレンディラ・ファンの皆さん、
エレンディラが卵を割っているところからうるうるして、「あんたのおかげで借りがふえちゃったわ」で泣きたくなりません?
あ、でも赤いドレスで走りまわるところは泣くわよね?やっぱり。
そうそう、蜷川さんの娘さんの「さくらん」はダダ泣きしましたっけ。
花魁が男の上に乗りながら振り返った時とか……。
「嫌われ松子」では刑務所のシーンで、挿入歌にあわせてリズミカルに(笑)生活するシーンに泣けたわ。
映画「タイタニック」ではお婆ちゃんになったヒロインの、船室に飾ってある写真がダァーーッと映されるシーンが一番泣ける。
この最後のほうのシーンを観るために映画を三回観ました。

私の「泣きのツボ」ってそういうところです…って、どういうところなんだか

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「レ・ミゼラブル」8/17マチネ・ファン感謝デー

2007年08月18日 22時38分00秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)
二回に分けて取った連休の第二部二日目。
今日もめっちゃ遊びまくっています。
そして、幸運の女神さまは私が無欲である限り微笑み続けてくれているみたい
(欲をかいた宝くじはハズレました)

今日はこの夏のレミゼ3回目で私の最終日。
劇場に着いてはじめて「ファン感謝デー」だったことを知りました。
これがね、時間にすると30分ですけどお金出して参加させてもらっても良いくらいに楽しかったです

〈感謝デー アフター・トークの参加者〉
今井清隆・石川禅・森久美子・原田優一

今井さんは「日に日にマリウスが重く感じる」と言ってましたが、マリウスに痩せてもらいたいというよりは、自分が痩せなくてはと思っているとか。
開演前の円陣は、男性と女性に別れ、男性はその日のバルジャン、女性は森さんが掛け声をかけているそうです。
禅さんは今日が原田優ちゃんと一ヶ月ぶりだそうですが、今日は禅さんはジャベール。
博多では、なんと「禅マリウスと優ちゃんアンジョ」となるそうで、これはすごいですよね?
学生と引率の先生みたい〈笑〉
その時も禅さんは地毛(自毛?)で頑張り、優ちゃんアンジョはマリウスに敬語を使うそうで(笑)「マリウス、すこし休んでください」と言うそうです〈…って、もちろん冗談よ!〉
森久美子さんが司会なので、トーク全部が楽しかったです。

そして何よりのスペシャルは四人が歌を歌ってくれたこと
禅さんはグランテールから始まって、マリウスと変化するくだりを。
〈えっと、曲名なんだっけ?〉なんかすごく面白くて、上手だったんですけど…。

ファンテーヌの衣装に着替えて登場の森さんは「夢やぶれて」を替え歌で。
何の夢かというと、痩せる夢なんですよねこれが笑える!そしてこの日の本物ファンテーヌより歌が上手かった
もう一曲は、「これもぜひやりたい」とファンテーヌがバルジャンに唾を吐きかけるシーン。
「からかわないでよ~」から今井バルと二人で再現ですが、「カァーーッ、ペっ!」と唾を吐くので今井バルジャンも肩がふるえます。会場は大爆笑でした

優ちゃんは、トークではアンジョの衣装だったのに、森さんの歌の途中でわざわざ着替えてきて、なんと!ガヴローシュの衣装です!
そしてやはり替え歌。「子役上がりだってなめるな、どんなもんだい!」って面白い。そして美味しすぎます!!

最後に今井さんは、ギターを持って弾き語り。
アメリカのグランテールがギターを持って歌ったので自分もやりたいと思ったそうですが、ギターが弾けても「19年間も投獄されていたらギターを習っている暇があるわけない」というので(笑)、バルジャンの弾き語りは却下されたらしいです。〈ほんまか?!〉
今日は「ドリンク・ウィズ・ミー〈共に飲もう〉」と、英語で「彼を帰して」の二曲。
舞台の感動を二度も味わえてとってもお得でした。

さて、本編〈笑〉の舞台ですが。
禅ジャべが熱いです!
この役って、今まで何の思い入れもなく観てきましたが、禅さんのジャベにはうるうるきました。
今井バルジャンは何年か前に見ましたが、今回はもっと良かったです。そしてやはり熱い!
別所さんも好きだけど、同じくらい好き。感動しました。
やっぱり「ちがう、それはちがう」で泣いてしまう私。
鼻をすする音に周りの人はムッときたかも
コゼットをぐるぐる回すシーンでは、以前見たときはコゼットが目を回してふらついていたのに、今日はバルジャンがふらついてました。がんばれ~!
優ちゃんは二回目ですが、さらに上手くなっていて、熱く頼もしいリーダーぶりが素敵です。
ジョン・ケアードさんからは「常に(状況の)先を見るリーダーであれ」と言われたそうです。
藤岡マリウスは数年前と比べてずいぶんと声量が増しましたね。相変わらずは、どんよりと影を背負ったところですが、これはこれで好きなんですよ、私。
長い髪を後ろで束ねた端正なマリウスはカッコよかったです。
お初の知念エポは、ズコっと椅子からずり落ちそうな場面もありましたが、最後に亡くなるシーンは藤岡マリウスと相性もよく、噂通りに泣かせるシーンにしてくれました。

今年最後のレミゼは、三回見た中で一番感動できて嬉しかったです。
次にレミゼか観られるのは何年後かな。
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雪組公演「エリザベート」

2007年08月11日 22時42分20秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)
春あたりから背中に翼のある人をよく見かけるんですけど。

宝塚劇場に雪組公演「エリザベート」を見に行ってきました。

何かを説明するときには三つの理由を挙げると賢くみえるそうな。
で、トップ・スターさんの名前すら知らないヅカ音痴の私が、なんでまたキラキラの世界に行ってきたかというと…

1.ウィーン版にとても感動したので、そのパラレルワールドとして見ると面白そう。
2.新感線の「犬顔家の一族」でもまたパロディをやると聞き、DVDよりも生で観ておいたほうがもっと笑える気がしたから。
3.来年東宝でエリザをもし観るとして、「宝塚では○○だったよねー」なんて、一度は通のふりをしてみたい。

はいはい、三つ言ってもアホはアホですね。
宝塚は二回目だけど、ジェンヌたちの数の力、少女マンガのようなキラキラの力に目が覚めるわ。
今日は睡眠時間約三時間だったのに眠くならなかったのには驚いちゃう。
トート・ダンサーズ(で、いいんだっけ?)が特に面白いわねこれだけはウィーン版よりもずっと好き
あと、お約束のライン・ダンスも階段ショー(これ、正式にはなんていうの?)も大好きよ
出演者でいえば、ルキーニの音月桂さんがカッコよかったわ
乙女の髭も慣れだわね

楽しかったので充分に満足でした
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「エクウス(馬)」

2007年08月04日 22時44分38秒 | 観劇(ストレートプレイ/人形劇)
劇団四季の自由劇場で「エクウス(馬)」を観てきました。

少年はなぜ六頭もの馬の目をアイスピックで突いたのか?
信仰深い母親と、それに相容れない厳格な父親とに抑圧されて育った少年が馬に抱いた想いは何だったのか。
その異常な犯罪心理を解き明かす過程で、自らの「正常」をも問う精神科医。

…ということで、珍しく社会派のストレート。
マイミクのタケハ♪さんのお薦めです。
そしていきなり千秋楽。
出演者の熱演にカーテンコールの拍手が鳴り止みませんでした。

女性や小動物を殺害する際に、その行為において性的快感すら覚えるという異常な青年犯罪は時々耳にするけど、この少年はそれ特有の支配力や暴力に陶酔したわけでもなく、また抑圧された性の捌け口にしたわけでもなかったのがこの手の事件としては意外でもあり、舞台としては予想内。
むしろ信仰に近い感情を持ち、人知れず「エクウス」に対してはあらゆる罪の受け皿のように神聖化していた一方、馬の持つ体温と皮膚の感触に癒しと、エロティックなまでの触れ合いを求めた少年に対して、自分はそのように濃密な愛情と触れ合いの時間を妻と過ごすことがないと思う精神科医、この二人の緊迫したやりとりが凄かった。

家族が同じ部屋にいて、別々の世界にいるということ。夫婦が全く違う価値観で、それぞれのやり方で子供を抑圧するということ。
……でもそれは、よくあることじゃないの?
では、正常と異常のボーダーラインはどこにあるのか?
異常が、起こってしまった事件でしか見えないのなら、事件にならぬ異常を抱える人間たちは「正常に暮らしている」と言えるのだろうか?

……なんて、まあ、ぐるぐると考えさせられる舞台だったんだけどね
あのハリーポッターくんも挑戦したというこの社会派劇の少年役は「全裸」という話題もありの、繊細な難しい役で、今日の彼はとてもいい芝居をしていたと思う。
でもさぁ、全裸になる意味も意図も、この芝居を見たらわかったつもりだけど、やっぱ言わせてよ、
「それはどーしても必要ですか?」
だってねぇ…全裸を見に行ったわけではないとはいえ、「役者さんって締まったイイ体してんなぁ」とか「正面から見ているステージ・シートはどうなのよ?」とか「女優さんの○○の△が……」とかとか……見ていてついつい邪念が入っちゃうのって私だけ?

こう気が散っちゃうと、原作を大事にするのもいいけど演出しだいで半裸でも表現できるんじゃないか…などとこなれていない初心者は思うのであるよ。

それを踏まえて。
エレンディラで美波ちゃんが全裸って、そんなに必要なのかしら? 
その答えは五日後ね。
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