三列目センターブロック右端は最前列以上に「あっきー席」で照れました
今日の舞台は泣かないで観たものの、ラストがお婆ちゃんの「せめてもう一度、あの愛が享けられますように」という言葉のように哀しくて、よりによってカーテンコールの最中でその余韻がきてまた涙がこぼれたわ。遅っ
以下は激しくネタバレにつき要注意!!
で、エレンディラ(美波ちゃん)だんだん怖いんですけど
「あんたは満足に人も殺せないのね」という時なんて、冷たいというより怖いです。
それを言われたウリセスも、前は「ええっ、そんなぁ~」って感じて狼狽していたのに、今日は「そんなこと言ったって」と瞬間ムッときてるし
日替わりの微調整なのかしら?
この舞台、簡単に言うと…、
「非情なお婆ちゃんと二人暮らしで毎日こき使われているエレンディラが不注意で火事を起こしてしまい、その損害をお婆ちゃんに弁済するために娼婦にさせられる。その後、どこの町に行っても人気の娼婦エレンディラはウリセスに出会い愛し合うようになったが、無垢な恋人のウリセス(無垢なのはこっち!)をたきつけて人殺しまでさせた挙句にお婆ちゃんの遺体から金目のモノを奪ってウリセスを置き去りにして逃げた」
というところまでが原作の小説の話なんですけどね…(…ん?なんか途中をすっ飛ばしすぎた? ま、興味があったら舞台を観るか原作を読んでね。)その後、ラストは脚本家のつけ足しで、「実はお婆ちゃんを殺したのはエレンディラで、後半のウリセスは彼女が作った幻だった」ということになっているんですよ。
今日は何年かぶりにばったりと遭遇した某さんと帰りにお茶しながら、
『エレンディラを「無垢」と言い切るのも、小説にはないラストの「実はお婆ちゃんを殺したのはエレンディラ」というのも、私は男たち(というか、脚本家さん?)のファンタジーじゃないかと思う』という話をしてきましたがね、
やっぱり原作どおりウリセスが殺したほうがしっくりくるし、エレンディラのことは恋人に人を殺させてしまう「無邪気な天然魔性の女」と思うので、その某マイミクさんと「またね」と言って別れた後もなんとなく考えちゃったのよね。
で、「ほんとうは自分が殺した」という話こそがエレンディラの晩年のファンタジーじゃなかったのか…つまり小説家が登場したあたりから、または小説家に語る「真実」からラストまでは彼女の死に際の夢ではないか……と無理やりに思ってみたらどうでしょう?
…って、「どうでしょう?」というのも何だけど、これなら私好みのラストと言えなくも無いわ。
夢見る昔に振った恋人は、最期まで永遠を誓いながら美しいままの自分を追い続けてくれる天使……これは女性のファンタジーじゃん、いかにも幸せにボケた婆ちゃんじゃん、とか思うんで。
「せめてもう一度、あの愛が享けられますように」なんだな、やっぱり。
……ということで、曲解だろうが何だろうが、いつもどおり「私好みに観ればいいのよ」のスタンスで来週の千秋楽を迎えることにします