今宵も劇場でお会いしましょう!

おおるりが赤裸々に綴る脱線転覆の感想記!(舞台やライブの感想です)

「RENT」

2008年11月15日 19時12分21秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)
「クリー○を入れないコーヒーなんて」というので、
クリー○も砂糖も一応入れてみたのに、かんじんのコーヒーが薄すぎて
何を飲んでるんだかわかんないわよ!
…ってな感じ
「エンジェルみたいに愛したい!」と心から強く思えることができない「RENT」って
どうなのよ

私は別にコレの通でもないけど、映画版も去年の来日版もこの作品のテーマや歌が好きだし、その迫力を東宝さんが出し切れるとも思わなかったから、もし歌唱力とかで多少の不満があったとしても何も言うまいと思っていたのよ。
それで、歌に関しては良くも悪くも想定内。決してダメってことはなかった。
それに、前半に感じた、ビョーキとクスリと貧困と死の匂いの足りなさ加減も、まあしょうがないかなと思ったわ。やっぱりこの国じゃ限界があるだろうから。


でもね、
「一生の長さがどうであれ、その人生に真の充足感を得ようとするならば、愛されることよりもずっと愛することのほうが大切なのだ、どう愛するか、どれだけ愛せるかが問題なのだ」という感想に行き着かなければ、私にとってこの作品を見る意味がないの。
エンジェルの死には泣けなくても、エンジェルの愛に泣けないとね。
エンジェル役の彼は悪くなかったと思うんだけどね…。だから演出の問題かな。

そのなかで、「僕だけ傍観者」と歌い、ひとりだけ愛の舞台に上がることなくフィルムを回し続ける未來くんには、ちゃんとマークが入っていて、役を果たしていたと思う。
あと、ミミが後半でぐっと良くなって、彼女にはあまりドラッグの匂いはしなかったけど、死に近づく震えが感じられて泣けました。

この舞台って、まだ始まったばかりよね?
だから、今の時点で私にとっては物足りなかったかもしれないけど、キャスト達がそれぞれの役に深みを出していけば、もっと感動的になる余地はありそうなので、ぜひ頑張ってほしいと思いました。

「幸せ最高ありがとうマジで!」

2008年11月01日 19時14分16秒 | 観劇(ストレートプレイ/人形劇)
作・演出/本谷有希子
主演/永作博美

「リスカ(リストカット)なんかと一緒にしないでよ!病んでいるけど元気なのよ!明るい人格障害なのよっ!!」という女が、自分の誕生日に家庭崩壊の無差別テロを計るお話。

ま、要するに、誰もかれも多かれ少なかれビョーキよね?と、私なんかは思うけど、
彼女の線までイッちゃってて、なのに何のトラウマがあるわけでもない、「理由が見つからない」というのが最大の苦しみ、というのも珍しいな。
いや、珍しくないのかな? 

自分で自分を「ぶっ飛んでる」と言いながら「頭おかしいって言わないで!」とか言うかなぁ……。

私だったら、こういうエネルギッシュで傍迷惑な女は、ガシッ!と腕を掴んでですね~、
「はいはい、そんだけ元気なら、おねえさんとイイところに遊びに行きましょねぇ~!」と、連れていっちゃうかもね。
何処へとは言わないけどさ(笑)
そこには、元気で明るくてぶっ飛んだお姉さま方がみんな、本当に、最高に幸せそうな顔してるもんね。
ぶっ飛ぶ方向をね、変えればいいのよ。

このヒロインの永作さんは、最近じゃアラフォーの代表として、ますます魅力的ですが、
エキセントリックなこの役が似合っていました。
彼女がお目当てなのか、それとも演出家の本谷さんの人気もあってか、会場は思いがけず男性客多し。

男性は、この舞台をどう思ったかしら? 頭のおかしい特別な女たちの話と思ったかな?
そりゃあ、デフォルメされているところはあったけど、私はこういう女たちは結構多いと思うな。そして、何食わぬ顔で暮らしているのよ。
私が一番怖くてアブナイ人だと思ったのは、最初から奥さんだものね。
普通っぽい人にはご用心。

題名からして、もしかして泣ける舞台なのかな?と思ったけど
結構笑えるところの多い舞台でした。