2012/8/15マチネ
【会場】シアターコクーン
【作・演出・出演】松尾スズキ
【出演】古田新太/阿部サダヲ/多部未華子/皆川猿時/小松和重/江本純子/宍戸美和公/村杉蝉之介/平岩紙/少路勇介/オクイシュージ/大竹しのぶ/ 他
吃音(どもり)の男、妊婦の薬物使用で奇形に生まれた子供、ホテトル嬢、盲目の女にDV男のカップル、レズ、不発弾をコレクションにする風俗営業者、精神障害の女、新興宗教の狂信者たち・・・
エロスとタナトス、狂気と正気、異常と正常、愛と憎しみ・・・その境界線・・・いや、その真逆の変わり目のスイッチはどこにある??
でるわ、でるわ、放送禁止用語のオンパレード。
テレビでは決して見られない、舞台ならではの芝居。
舞台ならではの題材、脚本、演出、キャスティング。
これね~、お席が舞台から遠かったにも関わらず、オペラグラスを忘れたのは、もしかしたら良かったのかも??
毒々しい場面が満載、衝撃の展開の中で、どのシーンも役者さん達の細かい表情がよく見えなかったというのは、残念な一方、この時ばかりは、ある意味ほっとしたりして。
これがもし前の方の席だったりしたら、ずんずんとのめり込んでしまったりするのかな??
それはちょっと、今の私には面倒くさい。
遠目に眺めるに、ちょどよい舞台だった。
そう、私にとっては、あの登場人物たちの全てが遠い存在だ。
けれども、近くに寄れば、近い存在なのかも。
などと、わけのわからないことを言ってみる(笑)
多部未華子ちゃん、良かったな~!
古田さんや、阿部サダヲさん、大竹しのぶさんら、それぞれの狂気を演じるにふさわしい、強烈な個性を持った役者さん達の中にいて、多部未華子ちゃんのあの存在感の強さは見事だわ。
終わってみれば、「純愛だねっ」という、彼女の台詞がやけに心に残った。
こんばんは、おおるりです。
いつもの方も、初めましての方も、私の感想記をご覧いただきましてありがとうございます。
最初にあやまっておきますが、私は10月の『星めぐりのうた』で、中川晃教さんと山崎育三郎さんのどちらが「銀河鉄道の夜」のジョバンニ役を演じてくれるのかなんて、まったく知らないですし、予想すらもつきません。
そりゃあ発表前だものね。 もし知っていたら、自分で自分に驚くし(笑)
なので、これからする話にほとんど情報らしい情報はないし、何かを予想する話でもなく、さりとて期待するような話でもないのですが、いろいろと調べていたら、私にとっては、ちょっと連想ゲーム的に面白いな~という、ヒマなお話。
なので、誰にとっても、なんの役にも立たない、お話なんですけど…
あ、そうそう、
そういえば、この前、あっきー(中川晃教さん)のライブで、ドヴォルザークの交響曲「新世界」より第二楽章をアレンジした歌がありまして、その題名が「谷間の風」というものでした。
交響曲「新世界」第二楽章は、「遠き山に日は落ちて…」(歌詞:堀内敬三)で親しまれている、「家路」という歌として有名ですよね。
けれども、この曲には、そのもっと以前に、宮沢賢治が「種山ヶ原」という詩をつけていたそうなんですよ。
その「種山ヶ原」という詩は、あっきーの「谷間の風」とはだいぶ趣(おもむき)が違うにしろ、谷や風という字が混じっているんですよね。
あっきーがその「種山ヶ原」という歌を知っていたのかどうかは知りませんが、このドヴォルザークの交響曲は「銀河鉄道の夜」の文の中にも登場します。
物語の中では、ただ「新世界交響楽」とだけ書いてありますが、あの第二楽章であることは間違いなさそうです。
このことは、あっきーは意識していたのかな?
意識して、音楽的に連想して出来たのがあの「谷間の風」だったらば面白いし、そうでなくても、それはそれで面白いですよね。
宮沢賢治と、あっきー、二人が「新世界」につけた詞の、その世界観は違うものだったと思いますが、同じ曲を聴いて、あっきーもまた宮沢賢治と同じく、谷間に吹く風を感じていただなんて、興味深いですよねぇ…。
大阪のライブで、私はまだあの曲を「銀河鉄道の夜」とは関連づけていませんでしたが、もし次の9月のコンサートでもまた「谷間の風」が聴けるなら、それをちょっとだけ思い出してみるのも一興かも。
あ、そういえば、「星めぐりのうた」では、当然(?たぶん?)、「新世界」も使われるでしょうから、どのようなアレンジで聞かせてもらえるのか楽しみですよね。
(*後記:あっきーは楽曲提供の一人とのことです。なので、あっきーがアレンジするのではなさそう?)
ちなみに、宮沢賢治が「新世界」第二楽章に詩をつけた、「種ヶ原」というのは、こんな歌です。
↓
「家路」とは別物みたいですね。あの歌詞だったら、こういうアレンジにならないと思います。
この「種ヶ原」の元になったという詩もあって、そちらのほうが谷や風をより感じる詩でしたけど。
ところで、上記の話は私にとっては、ちょっとした「ついでの話」。
それよりも、今宵のタイトルなんですけど。
「続けて、ジョバンニ、あなたの声はわたしを酔わせる」
こんな台詞は、もちろん!「銀河鉄道の夜」にはありません!(きっぱり)
だって、これはサロメの台詞だもの(笑)
サロメといえば、我侭なお姫様が、「ヨカナーン、お前のくちに口づけするよ」とか言っちゃって、しまいには預言者ヨカナーンの首をはねさせて、生首にキスしちゃった、とかいう、あのキョーレツなオスカーワイルド原作の「サロメ」なんですけど、去年から私はこの話にハマっているんですよね~。
それで、サロメは先ずヨカナーンの声を聞いて「一目惚れ」ならぬ、「一声惚れ」をして言うんです。
「続けておくれ、ヨカナーン。お前の声はあたしを酔わせる」
で、なんで、その「サロメ」のヨカナーンが、ジョバンニかっていうとですね~、
ジョバンニという名は、キリスト教の聖人ヨハネ(洗礼者ヨハネ)にちなむイタリア語の人名で、そのヨハネという名前は、英語ではジョン、ヘブライ語ではヨカナーンといいます。
つまり、「ヨカナーン」と「ジョバンニ」は同じ名前。
「サロメ」に登場するヨカナーンが、預言者であり洗礼者であるヨハネをモデルにしているというのは周知の事実ですが、一方、「銀河鉄道の夜」のジョバンニもまた、洗礼者ヨハネを意識してつけられた名前だろうと言われているんですよね。
なんかね~、面白い!
他の人にはちっとも面白くないだろうけど(笑)、私的に面白いです!
あっきーは「新世界」という音楽から次々と連想するものがあるかもしれないけれど、私はヨハネで連想ゲームをすると、宮沢賢治が何を思いジョバンニという名前を使ったか、という興味もわいてきて面白いです。
まあ、だから、ぜんぜん全くちがうキャラなのに、私が去年からハマっている「サロメ」のヨカナーンと、あっきーが関わる「銀河鉄道の夜」のジョバンニは、どちらも、名前のみなもとは同じ、預言者であり洗礼者のヨハネだったという、ただそれだけの話で、最初に書いたように、何の役にも立たないお話なんですけど(笑)
きゃあ~、ごめんなさ~い、つまんない話を長々しちゃって!
つまり、ミーハーなんですよね。 私は基本的に、あっきーのミーハー(笑)
それにしても、「星めぐりのうた」のジョバンニは、どちらが演じてくれるんでしょうね?
そろそろ教えてくれないかしらね~?
*【8/27追記】
ジョバンニはどうやら、あっきーらしいですね。
なるほど~。
で、早とちりしましたが、音楽は坂部 剛さんという方で、あっきーは楽曲提供のうちの一人。
ってことで、今のところ間違いはないかな?
提供する曲は今までの曲か(だったら、どの曲?)、それとも新曲なのか??
楽しみですね~!
吉本百年物語「わらわし隊、大陸を行く」
【会場】なんばグランド花月
【脚本】長川千佳子 【演出】佐藤幹夫
【出演】水野真紀/木村祐一/山内圭哉/松尾貴史
里見まさと/河野智宏/藤原光博/水野透/候偉(コウ イ)/尹俊(イン ジュン)/佐藤正宏/逢坂じゅん
8月といえば、たしか去年も一昨年も、やはり戦争を振り返るような作品を観ていました。
今年はこの「わらわし隊、大陸を行く」が観られて良かったです!
日本の戦争の話というと、私はつい第二次世界大戦のことだと思ってしまうのですが、これは昭和13年のことですから日中戦争なんですよね。
その日中戦争のさなか、大阪の吉本の芸人さんたち「わらわし隊」が、軍の慰問隊として危険な中国大陸に派遣されたというのは、当時、実際にあったお話だそうです。
あ、もちろん、脚色はしてあるでしょうけど。
この舞台の目玉は、何と言っても「きれいなお姉さん」の水野真紀さん。
そしてそして!
中国から来た、二人の京劇役者さん!
大阪のなんばで、まさかの本格的な京劇の舞が見られたなんて、京劇に興味ある私には本当にラッキーだった思います。
6月の「舶来上等、どうでっか?」では、ミュージカルの世界から中川晃教さんを、
そして、この8月には中国から京劇役者の候偉(コウ イ)さんと、尹俊(イン ジュン)さんを連れてきたのは、ナイスなチョイスだわ!
やるな~、吉本 さすが、エンターテイメントの西の覇者
特に京劇の女形イン・ジュン君は、ごく短期間で慣れない日本語の台詞を覚えたりと、お芝居のほうも頑張っていましたが、何よりも最後のほうで見せてくれた京劇の踊りが、まあ、たおやかで美しかったこと
そして、美しいといえば、やっぱり水野さん。
近くで見ると、お肌がつるつるで、ほんとうにお綺麗でした。
その美しい頬を、涙でぬらしながらの熱演に、私も涙が止まらなくなりました。
そうそう、そんな時ばかりは、吉本舞台の長~い暗転が、涙を拭くのに丁度良かったりして(笑)
その水野真紀さんと夫婦漫才を組んでいる、旦那様役の木村祐一さんや、バイオリンの弾き語り芸人の松尾高史さん、そのほかのキャストの皆さんも、時々とぼけた笑いを誘いながらも、しっかりとした演技を見せてくれました。
この舞台、どの方が吉本の芸人さんで、どの方が客演の役者さんなのか、実をいえば、私はその全員までには見分けがつかなかったんですけれど、(と言うより、ほとんど意識しないで観ていましたが)、つまりそれくらい演劇として自然に楽しみました。
この物語は「舶来上等」と同じく、吉本百年物語という大河物語の中のひとつのエピソードですから、これひとつだけをみれば、起承転結の起伏とか、ケリのつけ方などは、やや弱いかもしれません。
もちろん、小難しく掘り下げたり、客席にことさら何かを問いかけたりもしていません。
でも、それもまた、「こうして時代は流れて移りゆき、次へとバトンタッチしていくのだろう」と思えば、この次の物語が楽しみでもあり、先を観たくなる面白さがあると思います。
私がもし大阪に住んでいたら、たぶん毎月観に行ってしまうかも。
だって、ミュージカルだの、京劇だのって、何でもお笑いとコラボレーションしちゃうんですから、この先何が飛び出るかと思うとわくわくしたりして。
それにしてもね、この舞台で「笑うことは、生きること」という台詞がありましたが、あのように死と隣り合わせの戦地にいて、実際についさっき大切な人や戦友を失い涙したすぐあとにでも、兵隊さんたちは吉本の芸人さんたちの芸を喜んで、笑うんですよね。
泣くことも、笑うことも、悲しむことも、怒ることも、すべては生きているからこそ、できること。
でも、どうせならば、笑って過ごす時間が少しでも多くあれば良い。
たとえ悲しみの中でも、いや、悲しみの中だからこそ、笑顔がこんなにも心に染みる・・・。
そんな舞台を観させてもらい、今回大阪に来たのは中川晃教さんのライブのためだったので、そのついでだったとはいえ、ふたたびグランド花月を訪れたのは正解だったと思いました。
2012/08/11
【脚本】デール・ワッサーマン 【音楽】ミッチー・リー 【作詞】ジョオ・ダリオン
【演出】松本幸四郎
【出演】セルバンテス/ドン・キホーテ:松本幸四郎 / アルドンサ:松たか子
サンチョ:駒田一 / 牢名主:上條恒彦 / カラスコ博士:福井貴一 / アントニア:松本紀保 / 神父:石鍋多加史 / 家政婦:荒井洸子 / 床屋:祖父江進
ペドロ:大塚雅夫 / 隊長:鈴木良一 / ギター弾き:ICCOU / ムーア人の娘:萩原季里 / ファン:美濃良 / ホセ/ロバ:山本真裕 / テノリオ/馬:中尾和彦 / ディエゴ:土屋研二 / パコ:柴崎義則 / アンセルモ:藤田光之 / フリオ:小川善太郎 / マリア:塚本理佳 / フェルミナ:片岡身江
え~っと、書きたいものが溜まってしまい、身動きできない状態です
ついこの前に大阪の吉本で観てきた「わらわし隊、大陸を行く」、その前の「ふくすけ」、それからやっぱり、あっきーの大阪ライブのことも書いておきたいし。
それぞれに想い、感じることはあったので、このままスルーしたくないのですが、もの凄い速さと勢いで頭の中を駆け巡るそれらを出力するのって、けっこうエネルギーが必要で~
で、この「ラ・マンチャの男」を私が観たのって、8月11日のマチネですけど、つい昨日(って、おとといか)の19日に1200回公演がありましたよね。
すごいですね、1200回って一口に言っても。
昭和44年からですって!
私が初めて観たのは十数年前ですから、もうとっくに平成でしたもんね。
その時は、いまサンチョ役の駒田一さんがロバの役をやっていて、その日の観劇の一番のお目当てがそのロバだったという珍しいお客でしたが(笑)、駒田さんがあのロバから床屋になり、サンチョとなって、今年はいよいよ帝劇でその姿が見られたのは嬉しかったです。
それで、
あら!
気がついたら、もうこんな時間(笑)
なので、いつかヒマができたら書き足しますが、とりあえず覚書に箇条書き。
・松本幸四郎さんは、数年前に観たときには体力的に心配したけれど、今回はあの時よりもお元気そうに見えた。70歳とは思えない。まだまだ続けて欲しい。
・松たか子さんのアルドンザは、あばずれ度が一層増していて迫力。歌に泣けた。
・アルドンサは、いつから「アルドンザ」になったの? ザに変えなくても、今までどおり「サ」でいいのに。
・駒田一さんサンチョの、旦那が大好き!はいいな~! やっぱり最後には泣けるわ。
う~ん、以上四つというのもなんだけど、
アルドンサのどこに泣けるのか、それは何故か?
そこら辺は、観劇後に友達と話していたときには想いがまとまらなかったけど、一日経ってふと自分で気がついたことがあり。
いつか追記します。
あと、ごく個人的な話だけど・・・・
最後の最後で、隣の友達を見て
「鳩が豆鉄砲食ったような」というのはこういう顔か!! とか思ったりして(笑)
いや~、良い思い出になりました。
2012/08/18
中川晃教 LIVE 2012 in OSAKA ~PopChic~ @Billboard LIVE 大阪
この歌声には、好きという気持ちを遥かに超えている。
いっそ哀しい。
この歌声、音楽、それがもたらした空気、時間の流れ、その流れの中に生きる、そのひと、そして、この自分・・・
どれをとっても、ひとつとして、そっくりとそのままに形として留め、手のひらの内に残すことなど出来はしない。
たとえ、どんなに精度高く録音されたとしても、別の日に最初から最後まで同じことをしてもらったとしても、だ。
夢売りびとは 楽しく美しい夢だけを売ろうとし
醒めた後の悲しみを語らず
希望と絶望の神様は、やはり同じ神にちがいない。
あまりに幸せすぎたので、私はここに来てしまって本当に良かったのか、それとも、いつものように留守番を決めこみ、寂しく悔しい想いに耐えていたほうがまだましだったのか、はかりかねて混乱する。
他にも好きな歌手は何人もいるはずなのに・・・。
この愚かしいほどの想いや執着を、いったいどうしたら良いのだろう。
東京であればいつも一緒にいるはずの、何人かの友人たちが目に浮かぶ。
ライブの様子が気になって、私たちの報告を待っているかも知れない。
感想を書くに、気乗りがしない。
読んだらきっと、そこにいられなかったことを、いっそう残念に思うことだろう。
その寂しさを思うと、私のほうがつらくなる。
なぜならば、私の想うそのあなたとは、いつかのこの私であり、
いまの私もまた、いつかどこかの、あなたなのだから。
やっぱり、私には、遠征など向いてないのかもしれないな。
楽しすぎて、嬉しすぎて・・・。
珍しくもない話だが、胸に腫瘍ができたそうだ。
精密検査の判定は、夏休みの最終日。
楽観はしていないが、悲観もまったくしていない。
たぶん、同じことなのだ。
とくとくとく・・・
左胸の、命の鼓動が波打つそばに、やつがいる。
まだ、もう少し、あと少しだけ。
いや、やっぱり、まだまだ足りない。
もっと、もっと長く、もっとたくさん、できる限りに夢見ていたい。
あの歌声があるならば。
今年の夏休みもまた、長いようで、あっという間に終わってしまうのだろう。
何日あったとしても、たぶん、同じことなのだ。
【原作】田中芳樹
【脚本】ヨリコジュン
【演出】宇治川まさなり
【出演】オリビエ・ポプラン:中川晃教 他
春に続いて、銀英伝の感想は完全にスルーしようと思ったんですけど。
なんで?って、どうせろくなこと書けないって、わかっているので。
でも、全く書かないと、ちょっと後悔しそうなので、やっぱり、あっきーのことだけでも少しは書いておこうかな。
で、銀河英雄伝説ですが、原作は、かなり昔に読んでいます。
ノベルズの初版からではありませんが、たしか「ユリアンのイゼルローン日記」がまだ出る前だったので・・・いつ頃かしら?・・・十五年以上前だと思うけど。
それから、その何年かあとにも全巻を再読していますし、その間に何巻かは読み直していたので、二回半くらいは読んだことになると思います。
この本はとても好きな作品です。
というからには、「原作ファン」に私は分類されそうですが、べつにマニアではありませんし、アニメなどにも感心がなく、この舞台ではあくまでも、中川晃教さんファンとして楽しみました。
でも・・・そうですねぇ、あえて原作ファンとしていうならば・・・この脚本家さんは、なんていいましたっけ?
ヨリコジュンさん、ね。 そのお名前、よく覚えておきましょう。
・・・と、それだけ。
あっきーポプランはですねぇ・・・
私のポプラン像、「軽妙洒脱な大人の男」というイメージとは、見事に180度違ったポプランでした(笑)
ポプランがキュートだとか、可愛い~!、だとか、熱い男ポプラン、ってのも、私としては有り得ないし、ナオミにああいうふうにアプローチするポプランも有り得ないんだけど、配役が決まった時点でそうなるような気もしたので、まあ、これはこれで良いんじゃないかな。
私の周りのあっきーファンは、みんな結構喜んでいたみたいだし。
「ヤン提督と暮していると、大人になれます」とユリアンは言っていたけれど、
「あっきーを応援していると、オトナになれます」と思う、私です。
って、時々、幼稚園児並みの「お子ちゃま」にもなっちゃったりするんだけど(笑)
舞台的には、日に日にテンションも高く、日に日にヘンな人度が増していたのは面白かったし、ここまで「まったくモテなさそうなオリビエ・ポプラン」というのも、ある意味、斬新で楽しかったです。
それより何より、私はこの舞台のために作られた、あっきー作詞・作曲の歌が聴けたのが良かったです。
どの歌も好きですが、特に「かんらん石のテーマ」はツボにはまりました。
この歌が聴けただけでも、「銀英伝、ありがとう~!」って感じ。
ぜひ、またどこかで聴かせてもらえたら嬉しいです。
2012/07/07
【出演】宮川浩<Miyakawa> 畠中洋<Hatanaka> 駒田一<Komada> & 麦谷八絵 / ピアノ:福井小百合
つい先日「ラ・マンチャの男」を観たんですけど。
その時にこのライブの感想を書き損じていたことを思い出したので、今さらですけど、さらっとでも書いておかなくちゃ、と思いまして。
このライブは、東京は大森の、閑静で瀟洒(しょうしゃ)な住宅街の一角にある、雰囲気のよい、小さいながらもなかなかに素敵な建物の中で行われたものでした。
だけど、場所がわかりにくくて、方向音痴の私ひとりでは決して辿り着けなかっただろうし、帰ってこれもしなかったでしょうね(笑)
なので、もちろん、友達に連れて行ってもらったんですが、その日、私は昼間っから別の友達と渋谷で酒盛りをしておりまして(笑)、そのあとは夜のライブに行くから一緒に行こうと、勢いでその飲み友達も拉致って三人で行ったという、めずらしい成り行きとなりました。
ってね~、
最近、こんなふうに「夏休みの日記」みたいに、だらだらと個人的な思い出ばかり書いているので、なかなか感想に進まないんですけど
私の本当の夏休みは今週の火曜日から始まったので、今日はその三日目です。
今年の夏休みは、いつもよりも舞台を観る予定が少ないので、時間があるぶん書き損じたものを思い出して書いておこうかと思ってこれを書いているわけですが、このライブは7月7日のことですから、七夕ライブだったんですよね。
これはね、ライブってよりも、プチ・ミュージカルって感じでした。
タイトルの行住坐臥、(おっ!一発変換した!)は、「ぎょうじゅうざが」と読みますが、意味は、同タイトルの劇中歌を作った宮川浩さんの解説によりますと、
『歩く、住む、座る、寝るという、生活する上で当たり前のこと、転じて、普段、常という意味らしいです。』
とのことで、もとは仏教用語なんでしょうね。
な~んて書くと、なんか小難しいステージのようですが・・・とぉ~んでもない! もう、のっけから可笑しいのなんの!
なにせ、話の始まりは、舞台「スカラ座の俳人」のオーディションのシーンから、ですもんね~。怪人じゃなくて俳人。でもって、あの年齢設定で、あのコスプレ!
なんかもう、肩から力がどぉ~っと抜けるような、脱力の、ゆるゆるとした笑いが満載。
この方達は、よっぽど好きなんだろうな~、こういうコメディーが。
しかも、あっちこっちと、そこはかとない手作り感(笑)
たまには、こういう緊張感のないライブも良いよねぇ~!
なんて、うっかりしていると、いやいや、歌を歌えばしっかり聴かせてくれるしね。
小さな会場で、声量豊かなこの三人が歌いだすと、思わず、「声、でかっ!」と、のげぞりたくなるような迫力がありました。
で、その、おちゃらけたシーンのあれやこれやは、ともかくとして(笑)
私はこの舞台の劇中劇として演じられた「夕鶴もどき」(あくまでも、もどき)が、わりとツボでした。
「鶴の恩返し」で有名な、あの物語をざっくり削って、ギュッ!と縮めたようなものですが、私がこの物語で外してほしくないところは、しっかり押さえてくれていたし、台詞も良かったし、歌もそれぞれ良かったです。
これを作ったのも宮川浩さんだそうですが、短いながらも、想いが「きゅっ!」と込められていて、とても好きだわ~、この「夕鶴もどき」。
「金持ちになる」という歌は、「レ・ミゼラブル」のテナルディエを思い出すような、駒田さんの小悪党ぶりが、楽しかったです。
麦谷さん演じる千鶴が、佐吉の背中に抱きついて言う台詞、「欲しがらないで。私だけを欲しがって」という悲痛な場面も、胸がきゅーんとしたりして。
そして、畠中さんの、ネイティブな山形弁の台詞も、「おらの千鶴」という歌も、この朴訥なキャラにはぴったりでした!
彼は悪党達にそそのかされて、小金欲しさに「もういちど機(はた)を織ってくれ」と千鶴に頼みますがが、そのお金で、あれもこれも買える贅沢な暮らしをしてみたいという、欲を覚えたからなんですよね。
でも、その贅沢な暮らしは、彼女と二人でなければ意味がなかったのに、最後には、その千鶴という一番大切なものを失ってしまいます。
自分の愚かさに、気づいた時にはもう遅い。
って、有名な物語ですから、今更こんな説明をすることもないんですけど(笑)
この物語は、「私のはたを織る姿を見てはならない。決して扉を開けてはなりません」という約束を破ってしまった男の話ですが、この佐吉は「好奇心に我慢ができなかった」というよりは、妻がやせ細っていくのが心配で、扉の前でうろうろ、おろおろしていたら、「つい成り行きでその姿を見てしまった」という感じの脚色になっていたので、最後の佐吉がいっそう哀れに感じられました。
私はこの話が好きなので、この短い劇中劇が観られただけでも、このライブ(?)に来た甲斐があったと思います。
豪華で大きな舞台もいいけれど、たまにはこういった、手作り感のある小さな舞台もいいわね~。
おちゃらけた面白さの中でも、歌はそれぞれに良かったし、ゆるゆると肩の力を抜いて楽しみました。
まあ、七夕の夜にしてはロマンチックに欠けたけど(笑)、結局また夜にも友達と三人で酒盛りもしちゃったし、今年の七夕は楽しく過ごした一日でした。
2012/07/22
ORIGINAL LOVE 『Overblow Tour!』@SHIBUYA-AX
このライブ、感想を書きかけのままにして、ついつい、これとは無関係な事情により、ほったらかしにしてましたけど。
だけど、そのままにしておいたら駄目じゃん! ってなライブだったのよ!
なにせ、ヤバかった
このライブのあと、三日間くらいずっと、朝っぱらから頭の中を「夜をぶっとばせ」がガンガンに流れてたもの。
朝から、「夜をぶっとばせ」 って
♪いますぐ
スピードを上げるから
キスしておくれ
ってな歌詞の、思わずアクセルをブゥーンと踏み込みたくなるような、「夜をぶっとばせ」がガンガン、ぐるぐる
朝の通勤電車の中から、帰りのほぼ終日まで田島貴男さんの歌声がメドレーになって鳴り響いていました
それというのもね~、
オールスタンディングのライブで、こんなに前のほうにいたのは初めて!、というような、もの凄い場所で聞いてしまったんだもの。
こういったオールスタンディング形式のライブじゃ、ああいうステージのごく近くって、まん前から直撃してくる歌のエネルギーはもちろんだけど、何よりも周囲のファンがひときわハイテンションで、まるで沸騰しているような、半端ない状態になっているものだったのね。
知らなかったわよぉ~
今回は整理番号30番台という「大当たり」だったので、フロア係の方の促すとおりに並んでみたら前から二列目になっちゃった、というわけなんですけどね、初心者があんな場所にいても良かったのかどうかは、あれから何週間も経った今でも、大いに疑問だわ。
いつも参加しているファンならば、当然お約束になっているコーラス部分とか、掛け声だけとか、手の振り方だとか、慣れない私にはよくわかんなくて・・・だけど、ええい!もう、ここまできたらやるしかないでしょ! 何とか頑張って一緒にやっちゃいました。
田島さんたちが接近するたびにキャーキャーと狂喜する可愛いお姉さん達に混じって、「私、悪目立ちしてなかったかしら? 大丈夫だったかしら?」と、いま思い出しても冷や汗ものだったりして。
まあ、それで、まじで悪目立ちしていたかどうかは知らないけれど、やや下手(しもて)側の、私のあたりにも、視線をバンバン飛ばしてくれるし、目の前にきてガンガンに歌ってくれるし、手を伸ばしてくれるし、おまけに、飲みかけたペットボトルの水までまいてくれるしで、そのたびに後ろからギュウギュウ押されて揉みくちゃになりながら、私もしまいにはキャーキャー言っちゃいました
この日、田島さんは、いったいギターを何本持ち替えたことか?
数えたわけじゃないけれど、記憶にあるだけでも・・・少なくとも7本以上は使っていたと思う。
エレキの前の時代の、なんとかっていう、銀色の珍しいギターもありました。(なんとかって・・・?)
あれは、「まるでハワイアンの音みたい」とか思ったら、本当にハワイアンのスチールギターの前の段階の、古い時代のギターなんだとか。
あとは、ツアーに出ると必ず新しいギターを何本も買ってしまうそうで、そのニュー・ギターなども披露してくれたりして、そんなMCも面白かったです。
男の人のそういう話を聞かせてもらうのって、好きなのよね~、私。
すごく嬉しそうで、楽しげで、なんだか少年みたい。
うん、そうそう、そういうところ。
セクシーな大人の魅力に、どこかしら少年っぽい部分が残っているところが、また良いのよね~
ツアー最終日の22日は、「♪終わりの始まりを ここで始めよう 今」という、一曲目の「LET'S GO!」から始まり、「♪サンキューさよなら いつか会えたなら また乾杯をしなおそう」という感動ののラストまで(なんと、アンコールが三回もあって、そのたびにしっかり歌ってくれました!)、ほんとうに熱くて濃ゆく盛り上がったライブでした。
って、かんじんの曲のことを書かないってどうなのよっ! > ぢぶん
またしても、ステージの感想というより、「夏休みの日記」になっちゃった
【セットリスト】
Let's Go
セックスと自由
灼熱
フリーライド
フィエスタ
ダンス
銀ジャケットの街男
あたらしいふつう
春のラブバラッド
哀しいノイズ
Love Song
接吻
カミングスーン
The Rover
Jumpin' Jack Jive
ボラーレ!
朝日のあたる道
好運なツアー
夜をぶっとばせ
R&R
バイク