今宵も劇場でお会いしましょう!

おおるりが赤裸々に綴る脱線転覆の感想記!(舞台やライブの感想です)

映画「海街diary」

2015年07月12日 16時22分55秒 | 映画

遡ること、6月14日。封切の翌日に見て来ました。

映画「海街diary」 2015/06/14

【監督・脚本】 是枝裕和
【原作】 吉田秋生
【撮影監督】 瀧本幹也
【出演】 綾瀬はるか/ 長澤まさみ/ 夏帆/ 広瀬すず
加瀬亮/ 鈴木亮平/ 池田貴志/ 坂口健太郎/ 前田旺志郎/ キムラ緑子/ 樹木希林/ 風吹ジュン/ リリー・フランキー/ 堤真一/ 大竹しのぶ

  

まぁ~、この姉妹の美しいこと!! コミックよりも美人すぎるってどうなのよっ?!ってなくらい、それぞれに綺麗な四姉妹。
    
こういう映画は好きよ。ゆっくりと流れる時間の中で、人が丁寧に描かれていました。
隣の男性は途中で寝ていたようですが
もしかして、はらはらドキドキの急展開とかドラマティックなストーリーとか、スピード感とか、そういうのを好む人にはスッキリとしない映画なのかもしれません。
意識が吹っ飛んでいた隣の男性はもしかして、この美人姉妹の誰かがお目当てだったのかしら? だとしても、それなりに満足したでしょうね。
なにせ四人とも美しいし、可愛いしで、それぞれに魅力的で、それだけでも見る価値があったもの。

ってね~、美人姉妹ってことだけを注目すべき作品じゃないし、外見よりも内面を感じてじわ~っと何がしかを感じる物語なんですけど(笑)
この四人姉妹の日常生活感が満載で、しかもリアルな感じがするだけに、ついついこの設定を現実的に突っ込みたくなりました。
もしもこの姉妹が全員男っ気のなさそうな、見栄えのしない容姿だったらどうなのかなぁ~とか、三人のお姉さんの一人でも失業したり結婚や独立をすると、残りの二人で中学生の女の子を育てて進学させたり、この古い家の維持やこの先修復したりする費用が大変だろうに・・・とか。
なんて、余計なお世話ですけど。

ところで先ほど「じわ~っと何がしかを感じる物語」と書きましたが、こういう映画は観る人の過ごしてきた人生によって感じるツボがそれぞれに違うんでしょうね。
私が一番感動したのは、すずと風太の桜のトンネルのシーンです。
好きな人を喜ばせたい、元気になって笑顔を見せて欲しい。
何の見返りも求めず、打算もない、少年の純粋なその気持ちこそが、「好き」という基本かもしれないな。
美しい桜並木のやさしい桜色が、柔らかに心にしみ込むような、とても素敵なシーンでした。

血のつながった家族だからこそ腹も立つし、心配もする。
家族だからこそ、許せないと思ったり、時間を経て許せたり・・・。

この物語は四人の一年間の日記ですが、その後、5年、10年後の彼女達が知りたくなりました。
でもって、思わず梅酒が飲みたくなりました


おまけ

この映画を観に行った翌週に、母と姉と三人で鎌倉に行って来ました。鎌倉は横浜の実家に近いです。
昔は格好のデート・コースのひとつでしたが、今となっては色気抜きで、三人のお目当ては去来庵のビーフシチュー!
なんと、これを食べるために2時間半も並んだんですよ~!
大きなお肉がいっぱい入っていて、柔らかくてすごく良いお味! 女三人、昼間っからビールで乾杯です。
 
そのあと、去来庵に近くて季節も良いからと、「あじさい寺」で有名な明月院にも行って来ました。
「明月院ブルー」と呼ばれるこの清々しい青は、ヒメアジサイで、心洗われるような美しさです。
うちの近所で見るような、その辺の紫陽花とは全然色味が違います!

このブルー、実際に見るのと携帯の写真とは微妙に色味が違います。実物はもっと「気持ちの良い」ブルーだと思いました。
姉と私の写真も機種が違うから同じ色には写りません。
でも、人の目もそうでしょうね。色は光の屈折だから、同じものを見ているようでも、それぞれの目に映る色も微妙に違うのかもしれません。

そんなことを姉と語り合いながら、でも同じものを見て「綺麗だね~」と言い合える家族がいて、美味しいものでお腹はいっぱいだしで、平凡だけど平凡なりに幸せな一日となりました。
明月院のあじさいの見ごろは6月から7月の上旬だそうなので、今はもうこのブルーは終わりかな?
鎌倉はそろそろ海の季節ですね~。

また鎌倉に行きたいな。
     

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映画「予告犯」

2015年07月12日 04時17分27秒 | 映画

お久しぶりです。なので近況報告。
自分を楽にしようと思い、3月に転職しました。・・・で、

あたしいま、シンジュクで働いてんの。

カッコ、椎名林檎風。なんちゃって~っ!
いや、本当のことですが、なんかこのフレーズがやけに気に入ってるんですけど(笑)
新宿って、東京でも一番雑多に建物があって、数多くの職業があり、それぞれの人生を抱えていて、ずごーく色々な貌やイメージを持つ街だなぁと思うんですよねぇ。
生きる道って本当に沢山あるんだな~とか、この街にいると思います。
とは言っても、私の仕事は転職前と同業のデスクワークなので、そんなに代わり映えはしませんが、仕事が楽になった分だけ収入は激減しました。
なので、これからは今まで以上に「本当の自分の幸せは何か?何を求めているのか?」を考えながら、お金の使い道には丁寧に(シビアに?)選択をし、生活を質素に変えていく必要があります。チケット代の高い劇場通いなんて、「たまのお楽しみ」くらいになりそうです。
でも、そういうのって、わるくないな~、とか思います。最近買った本に、貝原益軒の「養生訓」を元にした『清貧を楽しむ』(高橋聰典 著)というのがあるんですけど、ところどころ共感します。

「楽しいから」「好きだから」といって、欲を抑えることなく快楽に溺れてしまうと、それはやがて依存症になり「楽しみ」ではなくなってしまう。
人生に楽しみは必要だが、それを判断し、自制する「戒め」を持つことが楽しみを失わないことにつながる。 

・・・とまあ、この本の言う「食欲や色欲」にしても、趣味にしても、どんな快楽にも言えることなので、財源もないことだし、これからは今までのように応援している役者さんが出るからといって、「自分の好みでない舞台でも何でもかんでも観に行く」「好きな舞台はリピートして通い溺れる」というのはもう卒業することにしました。でも、観劇などの趣味はこの先も止めるつもりはないし、劇場で友達にも会いたいので、無理をせずになるべく細く長く続けていくつもりです。
いくら好きだからと言っても、経済的にも心身も疲弊するようでは長続きしませんものね?

それにしても、幸せって、やっぱりお金じゃないですよね~。 
収入が激減しても、去年より今のほうがずっと幸せ!

そんなこんなで、観劇よりもライブ! 映画を観るほうが多くなりつつある昨今。
春以降は「寄生獣-完結編」「シンデレラ」「海街diary」と立て続けに見たらポイントがたまったので、ありがたくポイントを使って「予告犯」を観てきました。 

 

 映画「予告犯」 2015/06/27

【監督】中村義洋
【原作】筒井哲也「予告犯」(集英社YJCジャンプ改)
【脚本】林 民夫
【出演】生田斗真/ 戸田恵梨香/ 鈴木亮平/ 濱田岳/ 荒川良々
宅間孝行/ 坂口健太郎/窪田正孝/ 小松菜奈/ 福山康平/田中圭/ 滝藤賢一/ 本田博太郎/小日向文世

この映画、キャストがすごく良かったです!
世の中を騒がせる「新聞マスク集団」の主犯、ニックネーム・ゲイツ役の生田斗真くんは知的だし性格も真面目でマトモ。
最初の新聞紙を被った映像が衝撃的なだけに、「何故この人がこんなことを?」という疑問がわき、ラストに明かされる動機に泣かされました。
泣かされたといえば、新人の福山康平くんの、あの透明感のある笑顔や、荒川良々さんの抑えた表情に流れる涙・・・なんかもう、切ない、切ない!
鈴木亮平さんは「天皇の料理番」のにーやんも素敵でしたが、何を演じても別人のようにハマる人ですよね~!
濱田岳さんも気弱なニート役がぴったりで、こんな善良そうな仲間達には似合わない過激な犯行には「なんで?なんで?」と疑問を持ちながらも、見ていてつい引き込まれてしまいます。
そして、まるでヒーロー気取りのようなこの犯行は、愚かといえば愚かではあるけれど、この人達が幸せになれない社会そのものを考えたりするんですよね。

話は変わるようですが、ここ数年、テレビドラマや映画の現代劇の画面に、文字が現れるようになりましたよね?
携帯のメール、Facebook、LINE、TwitterなどのSMSの短い文とか・・・
特に十代から三十代くらいまでの世代は、これで「会話」をしてない人のほうが珍しくもなりました。
私ももちろん、いくつか利用してますけど・・・・これって、いつまで続くのかしら?
かつてパソコン通信が流行り衰退したように、2ちゃんやmixiに翳りが訪れたように、LINEやTwitteも、みんないい加減に早く飽きてくれないかなぁ~、なんて思うのは私だけかしら?
特にLINEですね。今思っていることを、狭い中であまり深くも考えず即効で書くというのは、良きにつけ悪きにつけて頭の中を駄々漏れさせているのと同じだから、それでトラブルが起きないわけがない!とか思うんですよ。陰口や悪口っていうのはこっそりとささやけばその場で消えるけど、書いてしまえば一層に醜くなるのに、その場の共感を求めて他人を傷つけるなんて、そんなふうに使われるならば無いほうがましと思ったりもします。
とはいえ、法律で規制されるのは嫌だし、みんな早く飽きてくれないかなぁ~。・・・なんて、無理ですかね、やっぱり。そもそも道具よりも、それを使う人の問題だし。

この映画のゲイツくんがパワハラ社長に苛められる場面には憤りを感じましたが、それを慰めるふりをして影で悪口をつぶやいていた同僚達には嫌悪感を感じつつ、「でも、私にも有りえるかもしれないな~」なんて思ったり。いや、加害者と被害者、両方の立場で。

他にも日雇い労働者の、人間扱いされない状況とか、人としての尊厳とか・・・色々の問題を突きつけて、それでもなお、というか、それだからこそ、犯行の動機は私怨ではなくて主犯ゲイツの「命がけの友情だった」というのが、綺麗すぎて切ないです。
彼は四人の夢を叶えることで自分の夢を叶えたわけですが、それがこんな方法で、こんな結末になるしか無かったのだろうか?とか、 もし彼らにマトモな仕事さえあったならば、こうはならなかっただろうとか、そんなことを超えて、いっそ「良くぞ最後までやり通したね。」と、彼らをいたわってあげたいような、やり切れず悲しいような、清々しいような、切ないような、優しくあたたかい気持ちになるような、とても複雑な思いが後に残る映画でした。

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