今宵も劇場でお会いしましょう!

おおるりが赤裸々に綴る脱線転覆の感想記!(舞台やライブの感想です)

前楽「I LOVE YOU,YOU'RE PERFECT,NOW CHANGE」

2011年10月23日 04時11分46秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)

【演出】 JOEL BISHOFF
【出演】 中川晃教 白羽ゆり 神田沙也加 米倉利紀


この舞台、前にも書いたように、四人の役者さんがシーンごとに入れ替わって、「全く違う男女の愛の形を演じ分ける」というものなんですけどね、ですから名前もそのシーンごとにそれぞれ違うし年齢も性格も違うわけです。
でも、見様によっては、一人の男と一人の女の生涯を、年齢ごとに分けて見せられているようにも思えます。

前楽のこの日、このオムニバス形式の舞台が、私には起承転結のあるひとつの作品として感じられました。
「やっと」というべきか? 遅っ!(笑)

若いうちは、異性に自分を実物以上に良く見せたくて、ついつい背伸をする。
けれども現実の自分には自信がないから不安で、自分に無理もする。
心から愛する人に出会えないと、ついつい詰まらない相手と付き合ってみたりして。
理想の相手を追い求めても、なかなか巡り合えずにあせる。
やっと恋人ができ、「愛される喜び」の甘さに酔いしれることもあるけれど、男と女の違いに歩み寄ったり上手く向き合うことができず、相手への興味や理解よりもつい自分の要求のほうが優先して不満が吹き出る。
でも、やっぱり結婚はしてみたい。
と思って結婚してみたら、結婚の現実は甘いものではなかった。

そして山あり谷ありの紆余曲折を越え、歳月が流れ、人生の折り返しもとうに過ぎた頃になると、愛は若い頃とは別の形で深まって、二人で過ごした歳月と、それを共に乗り越えた相手が愛おしい。
その愛する伴侶が亡くなってみると、改めて一人が寂しくなり、歳をとっても新たな恋が生まれることもあるが、もう昔のように自分を実物以上に良く見せて背伸びをすることもなくなり、ありのままの自分を率直に見せることができ、ありのままの相手を受け入れることもでき、互いに慈しみあえるような、おだやかな恋ができるようになる。

と、まあ、だいたいそんな流れかな。
いや、だから私のことじゃなくって、もちろん、この舞台の話よ(笑)

なんか、改めて、というか、ぶっちゃけていうと、今日はじめて、面白おかしく笑えるだけじゃなくて、あたたかな良い話だな~と思いました。

ところで、今回の舞台は終演後にアフタートークショーなどのイベントが何度かありましたが、私は日程が合わずに一度も参加できなかったのが、今になってちょっと残念だわ!
あっきーのトークは面白いので前から好きですけれど、あっきーが一人で話している時は適当に心の中で突っ込みをいれたりするのが楽しいのよね~!
けれども、あっきーが誰かと会話をしているとき、私はその相手の人の反応がとても興味深かったりします。
あっきーは意外な反応をしたり、意外なことを言ったり、話を意外な方向へ飛ばすでしょ?(笑)
すると、普段人前に出るのが慣れている役者さんたちの素の人柄とか、ユーモアのセンスとか、懐の深さや器の大きさが垣間見えてしまうのよね~!
人って、想定内の事には取り繕えるけど、意外な事態にはどう上手くごまかしても素が出てしまうものだもの。

今まで、あっきーとお仕事する方たちって、本当に温かい人が多くて、たとえばコウケンテツさんや日野JINO賢二さんなんか、「こんな男性と結婚する人って幸せね!」と羨ましいほどにやさしくて素敵だし、原田さんにしても浅野さんにしても、みな懐の深い大人の方ばかりでした。
そして何よりも、たとえ表現方法や年齢などは違っても、互いにそれを越えて認め合ったりアーティストとして尊敬し合っているのがスゴイと思う。
あっきーがそんな素敵な方たちとお仕事していると思うとファンとしても嬉しいし、その彼らの素の部分を垣間見させてくれる、あっきーのトークっていろんな意味で私は楽しいです。
なにせ人を見るのが趣味だから(笑)

さて、今回の共演者の皆さんはどんな方たちだったのでしょうね?
明日の千秋楽打ち上げ会で、ファン仲間の報告を聞かせてもらうのが今からとても楽しみです。

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10/19「I LOVE YOU,YOU'RE PERFECT,NOW CHANGE」

2011年10月22日 10時23分34秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)

題名が長いので、観た日付のほうをタイトルの頭に入れてみました(笑)

あっという間に今日はもう前楽、明日は千秋楽になりますね~。
今日はランチの待ち合わせがあるので、これからあと15分もしたら家を出なくてはなりません。
なので、ちょこっと。

この舞台、初日に観たときの印象としては、アメリカンなファミリーレストランみたいなミュージカル。
誰でも少なくとも一品や二品、なじみのお料理があって、老いも若きも気軽に楽しめる。
すんごいご馳走ってわけでもないけど、みんな一緒に満足できで、笑顔で帰れるレストラン。
って、そんな感じのミュージカルだわ。

もっとも私は「ある、ある、そういうこと」っていうのがひとつもないので、もし同じ素材で同じ器具を使って料理しても、こういうふうには絶対にならないだろうなぁ、なんて思うので、それもまた面白いです。

それにしても、アメリカ人って、もっと自信満々で、ユニークで、愛情深くユーモアもある、コミュニケーション上手な人達かと思っていたら、そうでもないのかしら?

あ、でかけなきゃ!
また全然、感想になってない(笑)

だってこれ、面白いんだけど、感想がすごぉ~く書きづらいのよね~。

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「猟銃」その2

2011年10月22日 09時00分09秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)

10月10日に書いた「猟銃」の感想の続きなんですけどね、
すぐに書き始めたわりには途中で中断しちゃって、これが続かないんですよ。

なぜなら、愛人の娘はともかくとして、この大人の三人(男と妻と愛人)は、結局好きで三角関係をやっていた悪食(あくじき)の趣味の人達としか思えなくって…。
そもそもね、私は恋愛だけを描いた物語って、あんまり興味がないらしいのね。
特にこういったじめじめした三角関係に至っては、「よくもまあその関係を続けていられるものだ」と、彼らの人生を考えたりするとこっちまで鬱々としてくるし(笑)
もう韓国ドラマくらいに強烈な物語だったら面白いとか思うんだけど……。

まあだから途中で挫折したものの、物語の感想を書くには書いたので中途半端だけど載せてしまいます。

* * * *

この舞台は中谷美紀さんが一人三役を演じる一人芝居のようなものですが、実は舞台上の中谷さんの他にもう一人、セットの上の奥で猟銃を持った男性(ロドリーグ・プロトー)が半ばシルエットのような姿で存在しています。
その男性が十三年間も妻を騙し不倫をしていた男で、三人の女性の手紙はその男に宛てて書かれたものでした。

この作品は見終わった後にじわじわと感想が沸き起こるような作品かもしれません。
私は見ている間にはそうでもありませんでしたが、一日経ってから何故かあの猟銃を持った男のことが気になるようになりました。
男は愛人を持ちながら、妻のみどりのこともやはり愛していたのではないか…。
そうでなくては、妻を完璧に騙そうなどとは思わないでしょうから。
新婚の二十歳の、しかもあれほどに魅力的な妻を持ちながら、何故男は不倫などしたのか。
その背信の十三年間の緊張感は、そのままに、猟銃の銃身を上げ下げしつつ、引き金に指をかけながらいつでもその指を引くことのできたあの姿に重なるのではないかという気もします。
もしかしたら、男は自分が罪人でいたかったのかもしれません。

この男を挟み、妻と愛人はその男の愛の取り合いをしていたかのようではありますが、二人の手紙の中のどちらからも「あなたを愛しています」という言葉が終ぞ聞かれなかったことが私には興味深いと思いました。
女達のどちらの手紙だったか忘れましたが、「愛することを望むか」「愛されることを望むか」というエピソードがありましたが、愛人の彩子は実は彼女こそが以前に元夫から浮気をされた経験があり、その夫を愛する苦しみから逃れるために、みどりの夫に愛されることで癒されていたという女性でした。
ですから彩子は男に「愛されて幸せでした」とは言っても、「愛していた」とは言いません。
本当に彼女が愛していたのはたぶん、元夫のほうです。

一方、妻のみどりの手紙は、彼らの秘密がとうの昔に暴かれていることを叩きつけて嘲り、その大切に守り続けられた秘密と夫を切り捨てることにより一見溜飲を下げているようでありながら、語られない行間からは「私は愛していたのに、なぜあなたは私を愛さなかったのか」と強く詰り、悲痛に叫んでいるかのように私には感じられました。
彼女が夫と愛人の秘密を知っていながら黙っていたのは、愛よりもなお、二人への復讐、または来るべき日への長い準備のようにも思えました。

ところで、その妻のみどりの手紙を聞いているうちに、私がもし先に自分で小説を読んでいたならば、この女性をもう少し違うイメージで捉えただろうと思いました。
みどりは美しく魅力的な女性で、文面からは知性も教養もあるのが伺えて、読みようによっては口調も軽妙で、なかなかに面白い文章を書く女性です。
十三年間もこのような異常な関係に耐えていただけに、かなり屈折をしていていますが、それでストレートに核心に行けず、妙に余計な話を書き加えているところなどは、いかにも心に鎧を着ている女性の文章です。
とても我慢強い女性なのだと思います。そういうところは、見た目よりもずっと日本的な女性なのかもしれません。
二十歳から三十三歳までの、女性としては一番魅力的であり、愛されてしかるへき時期に、十三年もの間をよくぞ耐えて生きてきたものです。
それを思うと、あの真っ赤なドレスの妖艶で驕慢そうな姿には、演出上はともかく、女性の捉えかたとしては少々違和感を感じました。


* * * *

とまあ、ここまで書いて、そのあと自分でうんざりして挫折したんですけど(笑)

とどのつまりは、、「どうも、愛することと愛されることは、どちらも一方的では決して心の底から幸せにはなれないよね」ということかしらね。
そして、彼らの心の奥に棲まう蛇に関しては、結局、「あんなに可愛がったら巨大化するに決まってんじゃん?」って、そんな感じかな。

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オペラ R.シュトラウス「サロメ」&バックステージツアー

2011年10月21日 00時12分58秒 | オペラ

【指揮】ラルフ・ヴァイケルト
【演出】アウグスト・エファーディング演出
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【出演】サロメ:エリカ・ズンネガルド/ヘロデ:スコット・マックアリスター/ヘロディアス:ハンナ・シュヴァルツ/ヨハナーン:ジョン・ヴェーグナー/ナラボート:望月哲也/ヘロディアスの小姓:山下牧子/他

なんと! これが私の初オペラです。
いや、実はこれだけには近づきたくなかった(笑) 
なんたってオペラはチケットが高いですもんね~! うっかりハマってしまったら大変よ!
知り合いにオペラが趣味のご夫婦がいて、今まで何度か勧められていましたが、オペラはお金持ちの観るものだと思ってずっと逃げてました。
この「サロメ」にしたって、オペラとしてはそんなにお高くないほうだとは思うけど、一階のS席ともなると21,000円なんですって!
けれども、バレエと同じで三階の端や四階席のC席やD席ならば、案外とミュージカルよりもお安いくらいです。
でもまあ、演目や歌の種類からいって、私はやっぱりミュージカルのほうが好きだけど。
なのに、何故これを観に行ったかというとね…、

やっぱりどうしても知りたい!!
『サロメはなぜヨカナーンの首が欲しかったのか?』第二弾!(笑)

だって、首だよ?、首! 
生きてないのに「生首」とはこれいかに?!(笑)

って、ふざけているんじゃないんですけどね、ただ今夜も酔っ払っているだけなのよ(笑)
ちなみに、「生首」とは「斬って間もない生々しい首」のこと。
というのはわざわざ書くこともないけど、私は舞台上に生首が登場したときは毎回オペラグラスでまじまじと見て、なぜかその出来具合にひとこと言いたい人なのよね~(笑)
いや、だって良く出来た生首には職人芸を感じるし、そういう小道具までちゃんとしてるかどうかって気になるし(笑)
今回のヨハナーン(=ヨカナーン)の首は三階席だったので細部まではあまり良く見えなかったのが残念でした。
なんてことは、ともかくとして。

サロメはなぜヨハナーンの首が欲しかったのか??

これはね、物語を観れば、そりゃあ理屈では説明できなくもないわよ。
サロメは初めて惹かれた男ヨハナーンに拒絶されたことで、いっそうに狂おしく彼が欲しくてたまらなくなり、彼の命と残りの人生を奪ってしまった。
とまあ、さらっと書けばそんなところかしらね。

けれども、この舞台を観たら、やっぱり生首!

王ヘロデは実は妻の連れ子のサロメに色目を使っていて、サロメを自分のものにしたかったのね。
それで、サロメに「この杯に一度口をつけてくれ、残りは私が飲み干そう」とか「新鮮な果物を一口齧っておくれ、残りは私が食べるから」などと、かなり変態じみたことを言ってくどき、それが駄目なら、「サロメ、私のために踊ってくれ。ならば望みは何でも叶えよう」と言います。
サロメはそれを聞いて、かの有名な「七つのヴェール」という官能的な(ストリップまがいの?)ダンスを踊って、その引き換えに洗礼者ヨハナーンの首を所望したわけです。

そこで、王は洗礼者を殺すことを恐れ、サロメの希望を変えさせるために、いろいろと言うのよね。
王国の半分をあげても良い、世界に二つとない高価な宝石でも何でもあげるからそれだけは諦めろと、まあ~、サロメを甘やかすことといったらこの上ないです。
けれども結局サロメの希望通りにヨハナーンを殺させるのだけど、サロメの「首が欲しい」という気持ちは理解できません。
「命を奪うだけで良いではないか。実際に首なんぞもらっても気持ちの良いものではないぞ」というのは誰でも思うでしょうが、それでもサロメはやっぱりヨハナーンの生首が欲しいんですよねぇ…。
そしてサロメはヨハナーンの首に向かい、いったい何をしたのか。

サロメは斬りおとされたヨハナーンの生首に長々と話しかけ(もちろん、歌ですけど)、胸にかき抱き、そして最後には望みどおり彼の口にキスをします。うっとりと。
その狂った乙女の様子を王が見て、「あれは化け物だ、化け物を殺せ」とサロメを殺させるところで幕が閉じます。

というわけで、例の台詞、「お前の口にキスしたよ」に至るまでのサロメの言葉で興味深かったのは、サロメはヨハナーンが自分をしっかりと見ていなかったから彼は自分を愛さなかったのだ、ちゃんと自分の顔を見ていたら愛してくれたに違いないと本気で思っているらしいところなのよね。
サロメは男ならば誰でも自分の魅力には勝てないと自信があったので、そうではなかったヨハナーンが受け入れ難い。
自分の姿をしっかりと見たならば絶対に自分に恋したに違いない男とのキスは、ある意味、彼女にとっては当然な「二人の」恋の成就であったのかもしれない。
だから、生首。
そして、サロメの「愛されて当然の私」という我侭なアイデンティティーは守られた。

というのが、「サロメはなぜヨハナーンの首が欲しかったのか」第二弾での、私の感想になるかな、とりあえず。
この先は、来年の六月に宮本亜門さんが「サロメ」をストレートプレイで上演してくれるそうなので、それも必ず観たいと思います。
なので、この感想は、2012年6月「サロメはなぜヨハナーンの首が欲しかったのか」第三弾へTo Be Continued(笑)


さて、話は変わりますが、また当たりました!バックステージツアーが。
私の初バレエ「シンデレラ」以来だから、三年ぶり二度目の参加です。
開演前に申込みをするのですが、なぜか抽選で当たる気満々の私(笑)
外れる気がしなかったので、予定通りに参加できて良かったです。

今回は翌日に舞台を別の団体に貸す予定があるとかで、全部ではないですが、簡易的な格納作業が行われ、たくさんのスタッフさんがセットを片付ける様子が見られて珍しかったです。
舞台の上手の奥には次の舞台、バレエ「パゴダの王子」のセットも一部が既に運ばれていたし、これは日本初公開のバレエだそうで、そのセットも面白い!

劇場や舞台の解説をしてくれたのは、舞台監督の大澤さんです。
この方のお話はどれも興味深く楽しいものでしたが、劇場側の方が仰るにはこの日は何時にも増してとても詳しくて、普段はお話ししてくれない部分もお話ししてくれていたのだとか。
「今日は機嫌がとても良かったですが、今日の舞台の出来が良かったからでしょうね」とのことでした。

オケピの様子などは前に参加したときにも見ましたが、この日は指揮者が立つところに助手さんを立たせてくれて、どんな様子か具体的に見せてくれました。
その指揮者の場所は写真の四角い白い壁のところですが(ピンボケで残念!)、その壁には実は扉があり、指揮者が客席まで行って全体のバランスを聴きたいときなどにはすぐにその扉から後ろに出られるようになっています。
「サロメ」はオケの人数が多くて、オケピには総勢105人もの奏者が入っていたそうです。



そして、いかにもオペラらしいのは、舞台監督はもちろん、助手の方も全員スコアを持って仕事をしていること。
オーケストラの演奏のどこのどの辺りで何をしなければいけないか、それがわからないと仕事になりませんものね。
監督さんのスコアをちらりと見せてもらいましたが、譜面の合間に細かい字がびっしりと書き込まれていました。
このスコアはまた次の機会に使ったり、次の監督に引き継いだりするそうです。
お金で買うことのできない、宝のようなスコアですよね!

それから三年前にも見せていただいたモニターですが、モニターに映るのは舞台や客席ばかりではないんですね~!
なんと、劇場の玄関口の様子までもが監督のスイッチひとつで見ることができました。
そこで、「今日は遅れて入ってくる人がやけに多いな」という日には開演時間をずらしたりすることもあるそうですが、それでも遅刻した人が一生懸命に走っている姿が見えたりすると「ごめんね、始めちゃったから…」とか思うのですって。

また、終演後には客席をすぐに立って帰るお客さんが多く見えるとカーテンコールのタイミングを早めることもあるとかで、監督さんや助監督さんのお仕事って、上演中ばかりか前後にも、繊細でかつ冷静な判断が必要そうです。
幕が閉じているからって、うっかりと欠伸なんかしていると丸見えだったりしてね(笑)

とにかく、舞台もバックステージツアーもどちらも面白かったので、初オペラはとても満足でした。

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映画「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」

2011年10月16日 15時19分23秒 | 映画

相手が男でも女でも、誰かと映画を見に行く時は、やっぱり二人の好みが一致した作品じゃないとつまらない。
一緒に楽しめばあとで話が弾んでお酒が美味しいものね! って、最近そればっか(笑)
なので「アンフェア」は後回しにして、こっちを先に観に行きました。

  

猿の惑星シリーズを映画館で観たのは初めてかも。
でもテレビで全部観ているんじゃないかな。
第一作目のラストシーンはテレビの画面で見てさえも衝撃的でしたよね~!
なぜ地球があんなことになってしまったのか?
今回はその疑問が解けてすっきりしました。

個々の尊厳とは知性の高い人間だけが有するもののようですけど、人間じゃなくたって、少なくとも喜怒哀楽という感情を持つ動物ならば決して「無いことはない」と思いましたね。
天才でなくても、捕らわれて折に入れられた普通の猿たちの虐待シーンに心が痛かったです。
それは第一作目の、猿たちのした「知性低い人間」への扱いよりも酷かったかもしれません。

人類の滅亡をまねいたのは、人間のおごりと強欲さ。
まあ、そんなふうに思いましたけど、やはり薬の開発は進んで欲しいですよね。
癌にしても、アルツハイマーにしても、それをすっかり治す新薬が本当に出来たならば、どれほどの人が助かることかと思いますから。
この映画で知能の高いチンパンジーが生まれたのは、アルツハイマーを治す試薬の投与が原因でしたが、それをめぐって「善い人」と「悪い人」がとても解りやすく分かれていました。
悪人にちょっとデフォルメしすぎじゃないか?というのが、いかにもハリウッド映画らしいです。

なんて、これ以上書くとネタバレしちゃいますから、ほどほどにしますけど。
リーダーの条件は腕力よりも、やっぱり戦術に長ける知性と人心(猿心?)を捉える心なのね。
というのは、いかにも人間的な発想かしら。
最後は優れた知将のようなチンパンジーが繰り広げる戦いのなかで、、「毛利の三本の矢」だとか、義経を守る弁慶の「仁王立ちのシーン」とかね(笑) 猿VS人間の戦いは見応えがありました。
ラストはうるうるしましたが、結局人類は滅亡するのよね…。

想像通りに恐い映画で面白かったです。

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舞踊劇「サロメとヨカナーン」

2011年10月13日 00時40分20秒 | 芸能/エンターテイメント

【原案・原作】オスカー・ワイルド
【構成・演出】菅原道則
【音楽】HIROSHI WATANABE
【出演】市川段治郎/舘形比呂一/遼河はるひ/天野裕子/井上晴賀/松本なお
会場:Hakuju Hall

「お前のくちに、口づけするよ」 (サロメ)

この台詞が耳について離れません。

あなたが今、欲しいものは何ですか?


サロメはなぜヨカナーンの首が欲しかったのか?
それが知りたくて観に行ってきました。

凄いものを目にしました。
瞬きをする間も惜しかったです。

「サロメ」の舞台は紀元一世紀のパレスチナ。
主人公のサロメ姫は王妃の近親婚で生まれた美しい少女という設定です。
そのサロメを踊るのは、舘形比呂一さん。
ですから体は男性ですが、性別と体の違いなど何ほどの妨げにもならず、その理由すらも意味のないことだと思いました。
舘形さんの踊りは何て言ったらよいのでしょう。妖艶と言うにもどこか少し違う、まるで、処女の子宮から溢れて滴る赤い血を見るような踊りです。
…そう、言うならば、あれは…

ルナ・ロッサ…まるで、今にも熟れて堕ちそうな赤い月。

狂気の恋とは、無垢な心と飢(かつ)えし欲望に生まれるものかもしれません。
そして官能とは、好奇心をかきたてられる存在から煽られた、想像の世界の中にある。
たぶん、芸術も。
人の体の表現力とは、どこまで奥が深いのでしょう。
踊る舘形さんの姿はサロメそのものだと思いました。

ヨカナーン役の市川段治郎さんもまた圧倒的な存在感でした。
壁に映った影さえも生きているように見えました。

物語の始まりと終わりは、その市川段治郎さんと舘形比呂一さんのお二人が人形として舞台に置かれます。
その人形が命を吹き込まれ、操られる動きも面白く、二人がやがてサロメとヨカナーンとなり人として生きて踊りだし、最後にはまた二体の人形に戻っていくという演出も見応えがあって素晴らしいものでした。

「お前の全てを飲み干したい」と言い、目に見えぬがそこにあるヨカナーンの首から血を啜るサロメの狂気は凄まじく、私は何故か涙がこぼれてしまいました。

秋にふさわしい芸術作品。
それが12日と13日のたった二日間の上演だそうで、私は見逃してしまわずに本当に良かったと思いました。

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「猟銃」

2011年10月10日 02時06分19秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)

【原作】井上靖
【演出】フランソワ・ジラール
【出演】中谷美紀
    ロドリーグ・プロトー

「マイ・ブーム」ならば個人的に興味を持って自らハマることを言うのでしょうが、ここ数年、舞台を観ていると、そういった自発的な「マイ・ブーム」ではなくて、まったくの偶然にやたらと或るひとつの同じテーマが集中したり、同じ事象を続けて目にする時期というのがあったりします。

たとえば、「エレンディラ」のあった2007年はやたらと「背中に翼のある人」をよく見かけました。
去年の2010年の前半は「ピアノを弾く男性の背中」。
これは原田真二さんのライブから始まって、あっきーのライブでも何でもチケットを取るとピアノの後ろで背中を眺めることになり、「サ・ビタ」では駒田さんと育三郎くんの二人が客席に背を向けてピアノを弾いていましたっけ。
ああ、「宝塚Boys」 でもピアノを弾く浦井くんの背中を見たし。

それからしばらく、今度は数ヶ月のうちに何故か新興宗教がらみの舞台が三つか四つ続きました。
いずれも観る前には作品の内容も知らずにチケットを買っていたので、「こういう偶然は何だろうなぁ…」などと思いましたが、今年はあきらかに「一人で何役もの演じわけ」のある舞台を観ることが多いです。

先ずはお正月に見た「十二夜」の松たか子さんの、双子の兄妹演じ分けは凄かった!
衣装もメイクも変えずに、顔の向きや姿勢どころか声音までもを変えることなく二人の役を演じ分けた松さんの演技力には驚きました。
二月には「ピアフ」では浦井くんがイヴ・モンタンとテオ・サラポ―の二役を演じ、床嶋佳子さんと中嶋しゅうさんもそれぞれに二役。
同月の「シラノ・ド・ベルジュラック」では主役以外の六人で総勢50人近くの人物を、舞台上で次々と着替えての演じ分け。
7月の「ベッジ・パードン」では浅野和之さんが11変化。
9月には人形劇俳優のたいらじょうさんが、人形を遣いながらに約20人を演じ、つい昨日観た「I LOVE YOU」でも、中川晃教さん、白羽ゆりさん、神田沙也加さん、米倉利紀さんの四人がそれぞれに十数の役を演じ分けていました。
そして、ここにきて「猟銃」で中谷美紀さんの三役演じ分けです。

そりゃあ役者さんですから、いろいろな役をこなすのは当然かもしれませんし、今までもそういう作品はたくさんあったと思いますが、自分の観る舞台に限るなら、今年は例年にないほどに「演じ分け」を多く観ているような気がします。

まあ、「だから何?」ってな話ですけど(笑)
さすが、どの役者さんも見事なスイッチの切り替えぶり。
一瞬で別人格へ飛ぶという、職人芸とも役者魂とも言うべきこの「演じ分け」の技には、これから私が別のものを書く上で学ぶものが多々あるのかもしれません。
という、私の個人的な話は別としても(笑)、素敵な役者さん達の様々な姿がひとつの舞台で観られるのですから実に見ごたえがあります。

そして、その今年観た演じ分けの中でも特にこの「猟銃」は、演じ変わる変わり目の瞬間の中谷さんの姿がまさに「劇的」で、その変化の様子に目を見張るものがありました。
この作品が上演されたパルコ劇場と私はどうやら相性が良いらしく、今回もまた運に恵まれての最前列。
当代の人気女優、中谷美紀さんの素晴らしい演技と美しい姿態、細やかな表情の変化を間近に見ることができて本当に良かったです。

この舞台では休憩時間を挟まずに、最後まで通しで中谷さん一人が三人の役を脇にはけることなく変化させていくわけですが、それは三人の手紙として語られます。
愛人の娘、本妻、愛人と、三人の女性に変わる時の衣装や髪型の変え方がまず興味深いです。
最初に出てくる愛人の娘・薔子(しょうこ)の地味な少女姿から、妻のみどりに変わるその瞬間は、スルリと現れた赤いドレスが目にも鮮やな色合いであっただけに、息を呑むほどの急激な展開です。十代の少女からいきなり妖艶な三十代の大人の女性に変わったその表情を見るだけでも、何やら胸騒ぎを覚えます。
そして、赤いドレスの妻が彩子(愛人)に変わる時は、人格はこれもまた一瞬で変わりますが、衣装のほうは今度は手紙を語りながらの、ゆっくりと時間をかけての着替えです。
その衣装とは、左前に着る白い着物。つまり死者の装束ですが、遺書の手紙を書いている時は当然まだ生きているわけです。
生前の彩子が遺書を語りながら襟を合わせて帯を巻き、お太鼓を入れて帯締めを結ぶその動作は滑らかでありながらも充分に時間がかけられており、死に装束の着付けの完成に向かう時間がそのままに、徐々に死に向かう彼女の心の変化にも感じられました。
鏡を見ることもなく着物を着付けていく中谷さんのゆるりとした動作と静かな語り、その姿には日本女性の美しさや芯の強さが感じられてとても綺麗でした。


と、ここでいきなりですが、最初に余計な話をしてしまったせいでで、長くなったので休憩します(笑)
物語の感想は次回に続きます。たぶん。

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「I LOVE YOU,YOU'RE PERFECT,NOW CHANGE」初日

2011年10月09日 02時39分38秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)

【演出】 JOEL BISHOFF
【出演】 中川晃教 白羽ゆり 神田沙也加 米倉利紀

私はね~、春雨の入っているチャプチェが好き! 
トッポッキは辛くて美味しかったし、ジャガイモの鍋のアレは何ていう名前だっけ?
あれも美味しかったよね~!
って、何の話かっていうと、新大久保で食べた韓国料理のお話ね。
そのあと更に居酒屋を二軒もハシゴしちゃって、もうお腹一杯で、飲みすぎで、頭が痛~い!

そんなわけで、今宵は制限時間あと20分のちょこっと感想記。

この舞台は「12年に渡ってオフ・ブロードウェイで上演されていた大人気ミュージカル」なんですって。
「2人の俳優と、2人の女優。たった4人の役者が、舞台上でシーンごとに入れ替わり、全く違った男女の愛の形を演じ分けるのが本作の見どころ。
第1幕は、出会って恋人となり、結婚するまで。第2幕は結婚後。」
…という「」の中は公式サイトからのコピペね。

それで私はこれを見る前に「きっとあなたにも思い当たるエピソードがあるはず」って書いてあるけど、「そうかなぁ~??」と思ったら…
ないのよね。見事にひとつもない。
「ある、ある」ではなくて、「ないよ、それはないでしょっ!」と言いたくなる話ばかり(笑)
ってことは?
あれ?、私って、きっと一度も恋愛経験がないんだぁ~?
そうだ、そういうことにしとこう。嘘だけど(笑)
だって、この作品のエピソードについていちいち書いたら、自分から次々と言わんでも良いことを書いてしまうことになるし。

だけど、世間の人はみんな本当にあんなような恋愛しているわけ?
それはちょっと残念じゃないの?
いや、これはアメリカだからよね?
うんうん、そうよ、そうよね、コメディーだもんね。
それじゃあ、私的には有り得ないけど、笑っちゃおう~!
ってな感じで、とてもお気楽に楽しみました。

それにしても、あっきーのキスシーンを久しぶりに見た感じ。
だからちょっと珍しい感じもしたけれど、もっと珍しかったあの姿だの、あの台詞だのには……やっぱり笑っておきました。
うんうん、コメディーだもんね。

ああ、時間がきちゃった。

あいたた、やっぱり飲みすぎて頭が痛い。

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