今宵も劇場でお会いしましょう!

おおるりが赤裸々に綴る脱線転覆の感想記!(舞台やライブの感想です)

「ヘンリー六世」

2009年11月21日 22時24分30秒 | 観劇(ストレートプレイ/人形劇)
ユルユル~っと書きます。
あの浦井くんヘンリー六世のユルユルさを見習って(笑)

第一部 百年戦争
第二部 敗北と混乱
第三部 薔薇戦争

…と、まあ長い長い!
昼の11時から始まって夜の10時くらいまでだったかな。
ありがたいことに、話がだんだん面白くなって、第三部が一番面白いから観ていられたけど、時間的には限界よね~。
岡本健一さんのリチャード三世は好き嫌いがあるのかもしれないけれど
私はわりと好きだから、このまま「リチャード三世」三時間(?)に続いてくれても、それを観てみたいと思ったけど、さすがに日が変わってくれなきゃエコノミー症候群で倒れるかも。

お話は、有名なシェークスピアの物語。
ヘナ~っとした王さま、ヘンリー六世に気の強い嫁マーがレットが嫁いで、白薔薇だの赤薔薇だのと王位を巡って、ぐっちゃぐちゃに裏切りに寝返りがてんこ盛り。
古今東西、王家なんてあんまり幸せそうには見えないのに、なんであんなに王冠がほしいのかねぇ…。
そりゃまあ、貧困に喘いでいる下級層が富と栄光に憧れたり、少しでも明るい世の中にするために戦いたいっていうのはわかるけどさ、そうでない者たちがこぞって権力を得るために多くの血を流し、その結果不幸になるのが愚かしく悲しい。

そんな中で、浦井くんのヘンリー六世はなんとな~く浮世離れしているくらいにニヘラ~っとしていて、その寂しげな子どもが時折見せるような無邪気そうな微笑に、なんか癒される私(笑)
役者さんたちは、かなり凄いメンバーで、これぞ役者!みたいな、声が腹から出ていて見応えのある演技を繰り広げてくれたんだけど、その中では浦井くんひとり、そのニヘラ~っ!という浮遊感のある存在を貫き、その結果、最終的にはあのヘンリー六世がとても魅力的に見えたんだから、これはもうなかなかナイス!でした。

特に村井国夫さんと中嶋しゅうさんの二人の森番(木こり)とヘンリーの3人のシーンは好きだわ~。
だって、あんなに豪華な木こりってふつうないわよ!(笑)
その二人が、平民で訛ってたりしてね。
森をふらふらしているヘンリーに出くわしてのトークが笑えるんだわ。
私が王だというヘンリーに向かって、王冠がないではないかと言う。
ヘンリー六世は、その時は王位を簒奪されていたから実際には王じゃなかったかもしれないけれど「王冠は心の中にある」と言った台詞、あの浦井くんが言うから妙な力が入ってなくて、なんか、誰の心にもそうなんじゃないかって思いました。
で、その後で、浦井くんの癒しの微笑みがね~、ニヘラ~っと、ふわ~っとして、思わずこっちも微笑みたくなりました。
実際にはクスクス笑っちゃったけどね。
それに浦井ヘンリーはよく泣くんだわ。
きっと役に入ると悲しくなっちゃうのよね、あの状況じゃ。
わかるよ、わかる。だからね、涙…っていうよりお鼻ふいてチーンさせてあげるからこっちおいで~ とか言いたくなっちゃうの

私が大好きなソニンちゃんは、ことごとく憑きまくっていて、一部のジャンヌ・ダルクも良かったけど、二部のインチキっぽい占い師(巫女?イタコ?)の役が面白かったな~!
そのあと三部の皇太子エドワードなんかも、ソニンちゃんは台詞がない時でも繊細な少年の心が乗り移っているかのように、心が揺れていたりするのがよくわかる。
ソニンちゃん、好きだぁ~っ

マーガレットの中嶋朋子さんも気の強い乙女から気の強い王妃、気の強い母親へとの変貌(笑)がなかなか良かったです。
あの役を、来年は大竹しのぶさんが演じると思うと、どんだけ~!って感じで楽しみです。

長い劇の終りには、この前の「コースト・オブ・ユートピア」のように役者さん側から客席への拍手もあり、一日がかりの長い劇だからこその充実感込みで面白かったです。
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「SUGA SHIKAO FUNK FIRE'09」

2009年11月12日 21時08分24秒 | ライブ/コンサート
きゃ~あんっ

シカオが~っ
シカオが~~っっ

アタシの人生で、いちばん近くにいるぅ~ 
実際の距離も、気持ち的にも~

入場整理番号は2000番とちょっとで、18時会場から30分もかかってやっと入れました。
でも、その後ろにも人がいっぱい!
どんだけスゴイんだ!
会場にはでっかいミラーボールがくるくるキラキラです。

始まる直前はね、一階の前のフロアでかなり後ろのほうだったのよ。
だけど、シカオ(いつの間にか敬称略!シカオちゃんなんてよべない)…そう、シカオが登場したとたん!
ザザッと前の人達が前に詰まる。
でもって、それにつられて私も着いて行く。
…で、気が着くと、気が着くと、ステージにわりと近い
顔がちゃんと見えるよぉ~
カッコイイ~! セクシー! カワイイ~! エロ~い!(笑)
今まで武道館の一番後ろとか、ホールの二階席とか、球場のスタンドとか…遠くからスクリーンと一緒に見ていた人が、すごーく近くて燃える 
ファイヤーーっ

今度のライブは
「バラードもポップスもなし。ぜんぶFUNK!
今夜はばっちりストレス解消して、明日からまた頑張って行こうぜ!」
みたいな
だから、一曲目の「ドキドキしちゃう」からアンコール最後の
恒例の「イジメテミタイ」まで、全曲がノリノリです!

二時間あまり、私はぜんぶあわせても1分はじっとしていなかったと思う
こ~んなに踊りまくったのは初めて。
踊って、叫んで、笑って、手を振り上げて…イッってもうた

過激なシカオ語録としては
「俺のライブは、恥ずかしがらずに下半身で聞け!」とか
「ライブは***だ!」とか
「お前ら全員****させてやる」とか
もう、ちょっとこれ以上は伏字でも書けないというとんでもない伝説が多々ありますけど、
今回はそんな過激な発言はなかったものの、ライブそのものが刺激的で、すっごく楽しかったです

私は一人で参戦したけど、ひとりで良かったかも。
あんなふうに、ほんとうに人目を構わずに踊りまくって、みんなと一緒とはいえ、大声もだしちゃって、たぶん客観的に自分が見えたら、もうすごーく恥ずかしいと思うの
アブないヤクでラリってる人みたい
ひたすら気持ちイイのに浸って、きゃーきゃー騒いでいるのに、時おり歌詞に涙が出ちゃう。
完全に、シカオにラリってました(笑)

だって、
なんでこのひと、こんなに近いんだろう。

なんだかね、
貝の蓋が…アサリとかハマグリとか…そんな普段は硬く閉められたフタがパカッと開いて
中のムキミがさらされちゃったような気分。
だって、そんな裸の歌詞がピッタリと全身にきて、あっちこっちの蝶つがいが緩んでしまうのよ。

踊りながら笑いながら涙して、クレイジーな快感
もっとアタシをどうにかしちゃって!って感じね(笑)

誰が言ったか、まさに
「集団公開エッチ」(爆)

あぶねぇ、あぶねぇ、癖になりそうだわ。

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「錦繍」2009/11/07 

2009年11月07日 22時30分05秒 | 観劇(ストレートプレイ/人形劇)
原作 宮本輝著「錦繍」
演出 ジョン・ケアード
出演 鹿賀丈史/小島聖/中村ゆり/石母田史朗/西牟田恵/野沢由香里
   植田真介/神保共子/清水幹生/高橋長英

わ~いっ!久しぶりに観劇記だぁ~!
…って、なんか自分で喜んでますけど(笑)
なんと今月は舞台はこれと、あと「ヘンリー六世」のぶっ通し、
12月は「ヘドウィグ」と「シェルブールの雨傘」しか予定がない!
と~っても大人しいじゃないの?、私にしては
でもその代わりにライブが続くのであった。
あっきー→いさらい加奈子さん→スガシカオ→あっきー→スガシカオ→あっきー
…って、なんか、自分でもわけわかんないお好みミックスだけど(笑)

ところで、この「錦繍」はまず本が良いです!
と思ったら、宮本輝さんの原作だったのね。なるほど~!
で、霊によって…じゃないよ!…例によって予備知識をろくに仕入れずに、思い出したらそうか、ジョン・ケアードだったのね。
「レミゼ」や「ジェーン・エア」に続いて、今年は私、またしてもジョンさんに泣かせてもらったことになるのね。

まるで上質の素材を最高に生かして調理された逸品のお料理を味わうがごとく、原作の良さが伺える演出と、さらに深みのある鹿賀さんたち俳優陣によって、シンプルではあるけれど、じわじわとした感動に何度も涙が流れてしまいました。

あ、なんか日本語ヘンじゃないですか? 
まあ、いいか。推敲するのが面倒だ

この劇は男女それぞれ5人ずつで計10人の役者さんたちにより、主人公とその元奥さんとの二人の手紙を読み進めるという形をとって進行していきます。
原作がそうなんでしょうね。手紙で進む小説ってやつですね。
過去から現在に何があったか、告白を含めた手紙の内容で明らかにされていきます。

主人公の男(鹿賀さん)は、かつて中学の同級生だった愛人に無理心中を計られ、彼女は亡くなり、自分は生き残るのですが、そのすぐ後に妻と別れます。
それから何年かして、その妻が手紙を書くのですね。返事を期待しない手紙を。

返事を期待しない手紙というのは、どういう意味があるのだろう…。

だらだらと書くその手紙に、何が本当に言いたいのか自分でもわからないと彼女は言います。(もちろん、手紙の中で)
これは手紙形式での、一対の男女の個人的な大河ドラマのようでもあります。
だから、長い小説のごく一部で何が言いたいのかわからなくても、全体を通して何かが感じられるように、彼と彼女の長い手紙を通してなんとなく見えてくるものがあるんですよね。
その「なんとなく」とか「曖昧な」とか「何故かふと」とか言う言葉というのは、なんか私がよく使う言葉でもありますけど(笑)
なんというか、その上手く言葉にならない部分にこそ説明のつかない共感を感じたりします。

たとえば、この物語の途中でモーツァルトの「レクイエム」が何度がかかるのですが、その「レクイエム」を聞いて、元妻の女性が「ふと感じる」んです。
「生きると死ぬことは一緒ではないか」と。
どうして突然そんなことを思ったのか、その理由や意味は何なのか、彼女自身もわからない。
でも、その言葉を聞いて、モーツァルト・マニアの喫茶店のマスターは確かに「何か」を感じます。
そして、終盤では主人公の男が思います。
はっきりとは覚えていませんが、確か…「人は業を背負って、魂はその業を抱えて宇宙に還る。生きると死ぬことが一緒というのはそういうことではないか」というような…。
う~ん、うら覚えだから伝えにくいんだけど

理由もわからず「何故かふと」頭に思い浮かぶ言葉って、案外とそれから何ヶ月とか何年かして、とても重要なキーワードになったりすることが私にもあるので、これは不思議なことだと思います。

まあ、なんていうかね、それ以外にも幾らかスピリチュアルな要素もあって、ジョン・ケアードさんの舞台ってそういうところがあるでしょ?
「ジェーン・エア」なんかも、原作がそうだからでもあるけど、最後のほうで、「ジェーン!」と彼女を遠くから呼ぶ聞こえないはずの声が聞こえて、それに導かれたりしてね。
なんとなく、現実的な思考から一歩外側、あるいは内側の部分を非常に大切に扱って、繊細に描くのが上手な演出家だという気がします。
ただ生きることで背負う罪の意識とか、心の闇や光とか…。
どうもそのあたりに私のツボもあるんで、今日もまた周りのお客さんたちが普通に観ている中で、ひとり泣かされちゃうのよね~(笑)

ところで、今日はボイスで「しまった!寝坊した、遅刻する~!」と騒ぎながら電車に乗りましたけど 無事に10分遅れで済みました。

で、今日のお席はF列のほぼセンターという良席で、しかも前の席はなんと欠席! 視界をさえぎるものはなく、多いに目立ちながら、鹿賀さん達の演技はセンター中心で行われるゆえに視線がバシバシ飛んでくることといったら、あの「死神」の香川照之さんどころじゃありません。
私はいつも役者さんの視線がこちらに来たときは、彼らの集中を乱さないために(ってか、ミーハーゆえに?)じぃ~と見返すことにしてますけど(笑)鹿賀さんの目力はとても強くて今日こそはタジタジでした。
思わず目を反らして「負けた!」と思った私です
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いさらい香奈子さんのミニライブ

2009年11月07日 21時10分05秒 | ライブ/コンサート

今宵も誰かが泣いている

世界中で。
どこかの街で。
どこかの酒場のカウンターで。

いさらい香奈子さんのミニライブにまた行ってきました。
三回目にして、タイトルがシリーズになったかも(笑)
最初は「今宵も誰かが歌ってる」で、次がたしか「誰かが恋してる」。
でもって、今夜の「泣いている」ってのは自分のことだけど
もう人生辛くってね~ズズッ!←鼻をすする(笑)

…ってゆーのは、半分冗談だけど、半分はマジでして
私としてはいつだって平凡に、平穏に、荒波が立たないようにと、
ただそんな安らかな生活を目指しているっていうのに、
なんだって、そんな簡単そうなことすら思い通りにいかないのかしら…

などという愚痴はともかくとして

今夜のライブはいつものように30分のステージが三回で、いさらいさんの歌うピアフの世界がどれもドラマティックで、なんかやたらツボに入っちゃったのね。
涙腺弱くて
それで、なんか一人で勝手に涙が止まらなくて…。

ところで、

あなたは夢の中で夢を見たことがありますか?

私は夢の中で起きて目覚め、「ああ、今夢を見ていた」という夢を見ることがありますけど、
そう思っている自分もまた夢の中の自分だった…というややこしい夢を見たこともあります。
では、幾重にも重なる夢から醒めていると思うこの今もまた、夢ではないという確証は?

たとえば、

女がふらふらとした足取りで、パリの裏通りを歩いています。
彼女の心の中には、絶え間なくシャンソンが流れています。
歌の中を生きる女性はみな彼女自身です。
若く美しい彼女は、いつも歌と共に恋をして、その世界は薔薇色に輝いたり、あるいは悲しみの涙色に沈んだりしているのです。

ある時、女は去ってゆく恋人を想い、帰りを待ちわびて涙を流します。
ある時、女は街に立つ仕事をしながら、恋するアコーディオン弾きと二人で店を出す夢を見ています。
ある時、女は自分が町中の人の首をはねろと命じる海賊の花嫁であると夢想します。
ある時、女はウブな小娘のふりをして男を部屋に連れ込みベッドに誘います。
ある時、女は「あなたのためならどこへでも行ける」と情熱的に愛を誓います。
ある時、女は…
ある時、女は…

パリの街をふらふらと歩くその女性は狂っているのです。
狂女は頭の中に絶え間なく流れる歌の主人公であり、恋をし続け、そしてその歌のとおりに一人ぼっちです。
その姿。
ほんとうの姿は、灰色の髪をくしゃくしゃにして、汚れた襤褸を纏う醜い老女なのです。
近くによれば、酒と埃と汗の悪臭が放たれているに違いありません。
誰もがその薄気味の悪い狂気を放つ老女から目を背け、見なかったことにして通り過ぎます。
けれども現実が見えない彼女は、永遠に夢を見続け、その顔は幸せそうにも苦しそうにも見えたかもしれません。

だけど…、
永遠と思われたその夢から目覚めた時、目覚めた女…私は、パリになどいない。
狂った老女でもなかった。

パリになんか行ったことがないのに気がつきます。
ここは…ここは…きっと、東京のどこかです。
そして、小さな店でシャンソンを聞き、カウンターに頬杖をつきながら静かに涙を流していたりする。気の良い女友達の隣で。
……これがまた夢だったら?


なんて、ね。

こっそりと、そういう楽しみ方をしてみましたとさ。
…ってな今夜でした(笑)。
つくづく自分がややこしいってば!!(笑)

いさらいさんの今夜のМCは、例の詐欺師の女性の話題と、
「愛を誓うなんて…(簡単に)できない!」ってな話で、とっても楽しかったです。
イイ女だなぁ~
12月に演出する舞台も行けたらいいんだけど…クリスマス・イブくらいしか日程が空いてないかも?! 
そんなことしてられるのか?>私
まあ、基本的にやりたいことやりますけど(笑)


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