今宵も劇場でお会いしましょう!

おおるりが赤裸々に綴る脱線転覆の感想記!(舞台やライブの感想です)

いつかどこかで(12)たかが5年、されど5年!

2011年01月31日 22時40分11秒 | いつかどこかで(雑記)

こんばんは、おおるりです。

いつもの方も、初めましての方も、私の感想記(観劇記だけじゃないので、今度からそう言うことにしました) をご覧いただきましてありがとうございます。

表題の「たかが5年」なんですけどね、そういえば井上芳雄くんの10周年コンサートの感想の時に、私が芳雄くんの舞台を見始めてから五年が過ぎたと書いて、その時にコンサートのチラシの言葉を「たかだ10年…」って誤字を入力しちゃってるんですよね~。
たかだ10年って(笑)、高田さんの10年じゃないんだから。
それで、わりと早目に気がついたのですが、面倒だから放っておいたら、これがまたそういう記事に限って毎日のように誰かしら見に来てくださるのね(笑)
さんざんバカ丸出しで、まあ、いっか~!とか思ってたけど、この際だから直しておきました。

あ、のっけから脱線しているんですけど(笑)
五年といえば、先日のラジオ収録であっきー(中川晃教さん)も、「デビューしてからの五年とその後の五年を比べると、後半のほうがずっと濃密な五年間だった」と言ってましたが、(後半はまだ四年半ですけど、)とにかく前半の五年とそのあとでは、感触がそんなにも違っていたんですね。
それでこの前に改めて2003年のLIVE DVD「MATADOR ~闘牛士~」を見てみたら、歌を聴いて「あっきーが薄い~」って、やっぱ思いましたよ。
…って、あれ? そーいう意味じゃなくて?(笑)
いや、でも歌に現れているから。

で、私がなぜその2003年のコンサートや、その前に「モーツァルト!」の初演を見ていなかったのかというと、ちょうどその時期を挟んで、五年間ほど観劇断ちをしていて、いわば「土日休日限定の引きこもり」をしていたからなんです。
その頃はいろいろと大変で……とかいう理由はともかくとして(笑)
五年もそんなことをやっていたら、そろそろそれも飽きてきて…というか、気が着いたらとても寂しくなっていたので「頑張ってきた自分のご褒美に」と選んだのが、前から好きだった劇団☆新感線で帝劇の「SHIROH」だったわけです。
思えばそれがきっかけで、坂を転げ落ちるように舞台にハマり……なんて話もどうでも良いのですが(笑)
「石の上にも三年」と言いますが、さらに五年ともなると何かしら変化の時期、くぎりの時期になるのかもしれません。
方向は違うかもしれませんが、私の父も癌の手術を三度ほどやりましたが、「その後五年を転移せずに持てば何とか無事」と言われ、五年をすぎてお祝いしたことがありました。
今は年老いてはきても、お陰様で元気なようです。

そんなこんなの話はどこへ繋がるのかといえば…
先々週の土曜日に、女流講談師の神田紅師匠の塾生さんたちの発表会へ行ってきたんですけどね、私はこの発表会はここ数年の新春の楽しみにしているんですが、このほど友達に紅師匠の一字をいただいて「まれ亭千紅」という高座名がついていました。
今までは本名で高座に上がっていたのですが、塾生になって五年経つと名前がいただけるのだそうです。

これがね~、その五年過ぎて「紅」の一字がついた塾生と、そうでないご本名で出てらっしゃった塾生の方とでは全然違うんですよね。
少なくとも私が見た10人ではそうでした。
どこが違うかというと、講談ですから簡単に言えば面白いかどうかなんですけど、下手でも演目だの、講談師さんのキャラによっては面白いです。
でも、それだけじゃなくて、講談はナレーション役も含めて登場人物が何人も登場する、いわば本を見ない朗読劇であり、「一人芝居」のようなものですから、その演じ分けができるかどうか、そして噺手の見せる情景がそのままにお客さんに伝わるかどうかというのが、腕の見せどころみたいなんですよね。
ちなみに、友人の千紅さんは一人八役をそれぞれの性格で演じ分けていました。

私はこの発表会を数年続けて見ているので、友人の他にも今年はじめて高座名のついた方たちがあと二人ばかりいたのでその変化を見させてもらいましたが、ぐっと上手になられたと思いました。
この「五年たったら」と決めのたのは、もちろん紅師匠でしょうが、紅さんは流石です。
これがプロだったらもっと厳しい世界なので別の基準になるかもしれませんが、お稽古の励みにするくぎりとしても、五年はちょうど良いと思いました。

たかが五年、されど五年。
何にせよ、五年も頑張り続けることができるならば、それが花開くかもしれない。
たとえ花開かずとも、別の新しい道が見えるかもしれない。

もしも今、辛いことが続いていたとしても、これから五年後には何がしかの変化があるに違いありません。
それは、きっと良い変化であると信じましょう。

…って、べつに私は新興宗教の教祖を目指すわけじゃないんですけど(笑)
なんとなく、五年というと、あの観劇断ちをしていた「プチ引きこもり」だった私の五年間を思い出すので。
そして、あの時には想像もできない今を想って、つらつらと書いてみました。

私のこれからの五年間と、あなたの五年間が、どちらも幸せに向かう五年であるように、心からお祈りします。

…って、だからアヤシイ宗教じゃないっですって!(笑)

あ、そうそう。
先日私が聞きに行った「いさらい香奈子コンサート」の動画を入手しまして、いさらいさんご本人に許可をいただきましたので、その時の感想文に、ピアフの歌から「世論」という曲を貼り付けました。
画像は暗いですが、ご興味のある方はぜひ聴いてみてください。

そして、もう一曲、私の好きな曲で「あなたに降る雨」をこの下にも貼りますね。
今この時、画面の前のたったひとりのあなたへ…

では、いつかどこかの劇場でお会いしましょう。

おおるり

「あなたに降る雨」いさらい香奈子




「ゾロ-ZORRO THE MUSICAL-」

2011年01月30日 17時39分42秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)

今年は出かけるのを少し控えめにしようと思ってはいるけれど、一月はこの勢いのお出掛け続き。
お陰で書くものがいっぱいあって、今日は次々にアップしてるけど、家にいるからこれが書けたらこの後は先週の続きで友人が高座に上がった講談の話も書けるかな?
素人さん達の発表会だから「いつかどこかで」の世間話にからめるかもしれないけど。

で、なんだか「お久しぶり」な感じがした日生劇場で観たのは、V6の坂本昌行さんがロンドン版スタッフ立ち会いのオーディションにより主役を勝ち取ったという、総制作費がなんと!約10億円に及ぶという大作でした。
最初に言っておくけど、これはお薦めよ!

【スタッフ】演出=クリストファー・レンショウ 振付=ラファエル・アマルゴ 脚本・歌詞・原案=スティーヴン・クラーク
【キャスト】坂本昌行/大塚ちひろ/石井一孝/島田歌穂/我善導/上條恒彦 ほか

仲良しの若い女の子が「次は何の舞台を観るの?」と聞くから「ゾロだよ」とっ言ったら、「あ、知ってる!V6の坂本くんでしょ? 坂本くんってカッコイイんだよね。いいなぁ~っ!」っていうから「へぇ~、そうなんだぁ~?」と意外だったのよね。
って、ファンの方には叱られるかもしれないけど、彼女は20代だからV6よりも下の世代で、ついこの前にはヤマピーだの赤西くんが好きだって言ってたから。
で、坂本くんは知っているけど、「坂本くんって、カッコイイんだ? どんなところが?」と聞いてみたら
「坂本くんって、まずスタイルが良いんだよね。それに顔も、なんか前よりずっとカッコ良くなった」って。

ほうほう、それじゃあ、そういうことなら私はこの舞台は島田歌穂さん目当てだったけど、ぜひとも坂本くんをチェックしに行こうじゃないの!
…ってことで、…なるほどぉ~、坂本くんはスタイルが良い。
ゾロの黒いマントの衣装も、スパニッシュなお髭もよくお似合いだわ。
なるほどカッコいいよ、ほんとに。
それに何よりも、想像していた以上にミュージカルの歌が歌える人で良かった!!

まあだから、ジャニーズファンもミュージカルファンもどちらも楽しめる舞台なわけだけど、それなのにもったいない! なにが?って、土曜日だったのに二階席にはまだ空席がいっぱいあるじゃないの!
この劇場は二階も見やすいし、A席の料金はS席の半額以下だし、そしてこの舞台!
なんか最近は観に行ったものを頼まれもせずに勝手に宣伝している私だけど(笑) もし迷っている人がいたらぜひとも行くべし!

なんたって、この舞台ではその坂本くんのカッコよさや島田歌穂さん、石井一孝さんや上条恒彦さんたちのベテランたちの歌や演技が楽しめ、大塚ちひろちゃんも可愛いし、何よりも物語がわかりやすくて痛快で面白いです。
でも、それだけじゃなくって、私がハマったのは、海外の本場フラメンコダンサーズとスパニッシュ・ギタリストが出演していて、情熱と官能のフラメンコを楽しめるところだわ!

実は私、ここ数年、フラメンコを習ってみたいと、なかば本気で思っていたりして(笑)
あのフラメンコというのは、手拍子と足拍子で体が打楽器にもなって、大昔にパーカッションをやっていた私にはピッタリだし、スパニッシュの音楽もリズムも大好きなのよね~。
それに、ダイエットにもなりそうだし、姿勢も良くなりそう。
そのうえ、たまには胸の谷間を見せびらかすような衣装とか着てみたいじゃん?!せっかくあるんだからさ~、とか(笑)
いや、だけどお稽古事にハマったりしてしまうと、練習だ発表会だのって自由に出歩けなくなりそうなのでやめているんだけどね。

その素敵な胸の谷間を見せびらかしてくれた島田歌穂さんは、気位たかく情熱的で、だけども情が深いジプシー女がピッタリでした。
フラメンコもお上手です!
フラメンコは聞くところによると「私がこの世で一番イイ女」だと思わなければ、うまく踊れないと聞きましたが、ほんとうに島田さんのイルスはイイ女でした。

カテコでは出演者たちによるフラメンコで盛り上がり、私は見よう見まねでステージの上の方たちと同じような手拍子で楽しみました。
子役ちゃんたちも笑顔で嬉しそうに踊っていたのが可愛かったわ~!

フラメンコとスパニッシュ・ギター、また機会があれば、どこかで楽しみに行きたいと思いました。
…って、そんなことばかり言ってるから出かける用事がどんどん増えるのか(笑)


「テオ・ヤンセン展~生命の創造~」(日本科学未来館)

2011年01月30日 15時29分31秒 | 美術館/博物館/展覧会

先日お台場に行ったときにこれも観たので、やっぱ書いておこうかなと思って。

これね、展示されたものを巨大オブジェとか、ただの巨大カラクリ玩具だとか見て、ざっと目を通しながら駆け足で会場を周ればものの五分で見終わってしまいます。
最初の私がそうだったから(笑)
だけど、ちょっと待て! それじゃあ入場料の1,200円の元が取れないじゃん?
…じゃなくって! せっかくなのに、この面白さがわからないのは残念すぎるわよ!

というわけで、改めてじっくりと解説などを読みながら出口付近のビデオを観て、デモンストレーションも見させてもらったら、なかなか面白いんですよね。
もっとも、最初から興味深く観られた方には「あんた、何言ってんの?」なハナシだけど。

これはアートというよりは、まさに生命の創造。
作者…というか、生みの親であるテオ・ヤンセン氏は、オランダの元は物理学者だったそうで、今から35年ほど前に物理の研究を辞めて画家に転身したとか。
この「ビーチアニマル」を造り始めたのは1990年に入ってからだそうです。

なるほど~、これは物理が得意とするような頭の良い人じゃなきゃ創れないわ。
彼が生み出した新しい生命体「ビーチアニマル」はプラスチックチューブで作られ、風を食べて海岸に住んでいます。
ちょうど今、人気の某戦場カメラマン氏がテレビでも宣伝しているけど
この子がそれ↓

 この進化した巨大創造物はおりこうさんなので、触覚を持ち、物にぶつかると進行方向を自分で変えます。
また、海に入ると溺れてしまうので、苦手な水に濡れてもまた向きを変えることができます。
この子のエネルギーは風ですが、それを「食べ」てそれをペットボトルの「胃袋」に蓄えてしばらく動き続けることもできます。
デモストレーションではそれらの実験をしてくれました。

たぶん、有機物でないこの「ビーチアニマル」もまた生命なのだと理解し、そう思えるかどうかでこの展覧会の面白さが分かれるのでしょうね。
テオ・ヤンセン氏は、この子たちを最終的には人の手をいっさい借りずに自立して生き続けらことができるように進化させることが夢なのだそうです。
もしそうなれば、自分がこの世を去った後も、いつまでも自分の愛する海辺でビーチアニマルたちが生き続けてくれるだろう、って。
だから、これにはそういうロマンがあるのだけど…

私は思わず想像した。

もし…彼の夢が叶ったら…そして…
…もしも、いつか宇宙のどこかから巨大な隕石が降ってくるかして、人類や生命に有害な細菌だの放射能を撒き散らし、私たちやその子孫が絶滅してしまったとして……
その時、
誰もいなくなった海岸で、このビーチアニマルたちはそれでもなお風を食べながら、生き続け、浜辺を歩き続けているかもしれない…

そんな彼らの姿を想像しながら、しまいにはSFちっちくなロマンを感じたけど、まあだから、その情景はシュールっちゃ、シュール。
海岸に遺された人の想いのほうに、文学的なロマンを感じる私は、「命は限りあるから美しい。人は死に、花は枯れるからこそ愛おしい」、とか思うかな…やっぱり。
だけど、芸術家って、こんなふうに未来の先にまでも想いを残せて羨ましいかも。


「Are you ready?  Oh!  セイ!ヤング・オールナイトニッポンコンサート」

2011年01月30日 01時22分09秒 | ライブ/コンサート

【出演】谷村新司、泉谷しげる、ばんばひろふみ、あのねのね、笑福亭鶴光、ダウンタウンブギウギバンド

「セイ!ヤング」(文化放送)と「オールナイトニッポン」(ニッポン放送)は、1960年代の終わり頃から開始され、その後続いた伝説の深夜ラジオ番組です。
29日の出演者は1970年代に特に大人気だったパーソナリティーの方々です。

ん? 1970年代って?
私はまだ生まれてませんけど?
…とは、言わないけれど(笑)
今回一緒だったのは、その当時にまさに受験勉強をしながらこれらの深夜ラジオを聞いていたという人で、その昔十代の頃には谷村新司さんのアリスや泉谷しげるさんのコンサートにも行ったことがあるという人です。
それが、最近は家に引きこもって昼間からずっと鬱々としているようなので、ちょっと元気を出してもらおうと誘ってみました。

だから、私は自分の楽しみはともかく…という、引率者のつもりだったんですけど……
これが、なかなか面白かったんですよね~っ!
私も充分楽しみました!

放送コードにバシバシとひっかかりまくりで、「神聖な武道館なのに…」と言いながら続けられたシモネタ系のトークには笑ったし、あのねのねの、噂に聞いていた「アクのじゅうじか(開くの十時か?)」とか「猫のおんねん(そこに猫がおんねん!)」とかいうコミックソングは初めて生で聞ると、ベタな面白さがありました。

谷村新司さんの「昴」には「紅白歌合戦みたい~!」、「サライ」は「24時間テレビみたい~!」と思い、さらに「いい日旅立ち」には「JRのCМだぁ~っ!」と、いちいちとなんか得した気分。
谷村さんの歌って、いい曲がたくさんありますよね。

だけど!
意外や意外! …なんて言ったら、「このやろう!」とか怒られそうだけど、
私は泉谷しげるさんのステージが一番良かったわ! 
すごい!  この人の生の歌を初めて聞いたけど、こんな剥きだしのエネルギーぶつかるような歌を経験したのは初めてで、或る意味衝撃!
こんなこと言っちゃ失礼かもしれないけど、上手いとか下手とか、そういう次元を超越した感動がありました。
「春夏秋冬」は昔から何度もラジオやテレビで聞いたことがあったけど、生で聞いてみてはじめてこの歌の意味…というか、その中にある泉谷さんの想いが、それは私の中にもあるものだと気がつきました。
「今日ですべてが終るさ、今日ですべてが変わる、今日ですべてが報われる、今日ですべてが始まるさ」という歌詞は…ああ、そうか、そうだったのか…! なんて奥深かいのだろう。
泉谷さんはこの部分を、「今日の自分のためにしずかに歌え」と客席に促し、私は言われたとおりに、今日の自分のために歌いました。

でもって、泉谷さんの毒舌がまた面白い!ってか、スカッとしたりして。
「邪魔な拍手や手拍子はすんな! お前ら、手拍子すんなよ、合ってないし!」って(笑)
これはね~! 時と場合や曲によっては、客席の中にいても時々言いたくなっちゃうのよね~。
ステージの上からこれだけズバっ!と言ってもらえると私は嬉しかったりしてね(笑)

客席と一緒に歌うシーンでは、「やってない奴の顔を見るから客電上げろ!(客席のライトをつけろ)」と言って、立たせたり飛び跳ねさせたりと、お客さんにモンクを言いまくりで、でも結局は大盛り上がりもしました。
なにせ、客席は50歳、60歳代の方が多くて、スタンディングなんてあまりしないような世代じゃないのかな?
でも、この時ばかりは泉谷さんから無理矢理に注文をつけられて飛び跳ねている様子が楽しそうで、三階席から眺める私からは、一階二階の客席のみなさんがまるで若い人たちのように見えました。
泉谷さんって、凄くイイです!! 
毒舌でむちゃくちゃで、過激な乱暴者なのに、なぜかやさしくて、シャイで、とても可愛くて、私は突然ファンになりました。
帰り道でも、二人で「泉谷が良かったよね~!」と、そればっかり。

…そんなわけで、
ラジオの生番組のような面白さは書いてもきっと伝わらないと思うので、出演者の皆さんのトークの詳細などは省略しちゃうけれど、今は60歳を越えたというパーソナリティーの方々の暖かい気持ちが伝わったコンサートでした。
谷村新司さんの、「出会えたことは確かに奇跡だけど、再会できるということはもっとすごいこと」という言葉には人生の年輪を感じました。

思いがけず、楽しくて暖かいコンサートに参加できてよかったです。


「いさらい香奈子 新春ソロコンサート」

2011年01月29日 01時20分35秒 | ライブ/コンサート
今宵も誰かが旅してる

世界中で、
どこかの国を、
いつか過ぎ去る人生を…

そんな出だしだから、いさらい香奈子さん。
四谷の「ウナ・カンツォーネ」という音楽空間へ、いさらいさんと、その只今好評発売中のアルバム『ピアフという女』製作メンバー(音楽監督・渡邊匠/ピアニスト・今野勝晴)による、「いさらい香奈子 新春ソロコンサート」へ行って来ました。

シャンソンといえば、エデイット・ピアフの「愛の賛歌」などは特に有名ですが、実を言えば、私はいさらい香奈子さんの歌を聴くまでは、あまりシャンソンを耳にする機会がありませんでした。
いさらいさんの歌にしても、聴くようになったきっかけは友人に誘われたからなんです。
これが一夜にしてすっかりハマってしまったんですよね~!

ここ数年あたり、私が好きだと思う人たちが次々と、それぞれに私好みの何かを携えて現れては、私に新しい喜びや楽しみを教えてくれているような気がします。

そして、ここにきて自分の好きなものがギューっ!と身の周りに集まってきました。
…なんて、「世界は私を中心に回っている」みたいな言い草ですが(笑)

たったひとつしかない自分の人生。
この中では他の誰でもなく、自分こそが主役なのですから、時にはすべてが自分を中心にして自分のために回っていると考えてみると、良いこともそうでないことも、すべてがみな意味のある必要なものだと思えて、たとえ端からは一見して詰まらなそうな人生であったとしても、実は案外と…いえ、これはこれで、なかなかに味のある、不思議で面白い人生です。
まだ途中ではあるけれど。

…って、あら?
今日はなんで、こんな脱線をしたのかしら?(笑)

…だってね、起こる事の、すべてが自分にとって良いように進んでいると考えるのって、ほんとうは意外と難しいのよね。
けれども、もしそうしてみたら、もしかして世界が違って見えて、今まで知らなかったような幸せが何か掴めるかもしれない…とか、ふと思って…。
そして、こんなふうに、ふと思ったときには、私はとにかく書いておいたほうが本当にそうなりやすいみたい(笑)

「書いておいたほうが良い」といえば、冒頭の「今宵は誰かが…してる」という書き出しは、私は自分で勝手に「今宵はいさらいシリーズ」と呼んでいて、いさらいさんのライブや舞台に行くたびに「誰かが恋してる」とか「泣いている」とか続けて、今度で確か六回目になります。
で、わずか六回目にして、早くもネタ切れの危機を感じたので(笑)、今度のコンサートの前日に「次は何かしら?」と想像して、実は「今宵は誰かが旅してる」という出だしの四行だけは、前の日に期待と希望もかねて予め下書きで書いておいたものでした。
それでふたを開けてみると、まさに「旅してる」ようなコンサートだったんですよね。

世界のいくつかの国々を、誰かの人生を、誰かの恋の夢の中を…いさらい香奈子さんの歌で旅をさせてもらったような、そんなコンサートでした。
曲のセレクトも、その流れも、どれも期待していた以上に良くて、なんだか「私のためにありがとう!」と言いたくなっちゃったくらい(笑)
1stも 2ndも、どの曲もドラマティックで、その歌の世界が見えるので、いつもは「いさらいさんはこの歌に生きているのだなぁ…」と感じるのですが、今回はその歌を聞いている私自身もまさに主人公としてそこに生きているような気持ちになりました。

シャンソンは本来フランス語の歌ですが、日本の歌手が歌う時は大抵日本語に訳した歌詞で歌います。
いさらいさんの歌を私が好きなのは、彼女が歌うそのほとんどのシャンソンを、いさらいさん自身が訳しているからだと思います。
いさらいさんの書く詞が好きよ!
いさらいさんの訳した歌詞は生きているものね。
女優さんであり、脚本を書いたり演出もする彼女だからこそかもしれませんね。
物語が映像のように流れてくるし、生々しい息吹を感じます。
多才な方だわ。
それに、お茶目でカッコ良くて、もちろん歌が良い!

そういえば、このコンサートを行った「ウナ・カンツォーネ」というお店の名前は、イタリア語でUna canzone、「一つの歌」という意味だそうですが、一つの歌に一つのドラマ、それぞれの恋や人生がありました。
何度も涙が流れました。
期待以上に、ほんとうに良かったです。



※この動画はご本人から許可を頂いて掲載しています。

「FURUSATO~宇宙からみた世界遺産~」他(日本科学未来館)

2011年01月24日 23時00分08秒 | 美術館/博物館/展覧会
21日は夕方からお台場に用事があり(笑)それが中途半端な時刻だったのでいっそのこと有給休暇をとって一日中「遠足の日」となりました。

表題の「FURUSATO」は日本科学未来館の3Dドームシアターで上映される立体実写による作品で、私はこのあと同場所でのプラネタリウム「夜はやさしい」、と、未来館一階の特設展「テオ・ヤンセン展」、そして常設展と、館内のほとんどを見学しました。

当初の目的はそのプラネタリウム「夜はやさしい」だったのですが、それは夜の声を捉えて星空を眺めるというもので、原案とナレーションの谷川俊太郎さんはパンフレットで「このプログラムは夜の視覚空間と聴覚空間のいわば詩を媒介にした化合一を目指します」と書いていましたが、耳いっぱいに響く夜の音が私にはいささか賑やか過ぎました。

虫の音も、木々のささやきも、どこからか聞こえる夜行動物の遠吠えや息遣いも、町に溢れる夜の喧騒も、祭りの騒擾も、人々の語らい、恋人達のささやきや、誰かがもらした溜め息も……夜の音はそれぞれのボリュームや距離で聞いてこそ風情があり、情緒が刺激されるものかもしれない……などと思いました。


で、「FURUSATO」のほうなんですけどね、
これは3Dだから専用の目がねを使用して鑑賞するんですが、これが期待以上に良かったです!
老若男女にお薦めします。

「宇宙から見ると、自然の風景も、人類が作った景観も、共にひとつの地球環境」であり、地球はそこに住むもの全ての故郷です。
ここでは、ニュージーランドの自然遺産、エジプトの文化遺産、日本三景の一つであり文化遺産でもある厳島神社、そして同じ広島のもう一つの世界遺産、人類の負の遺産である「原爆ドーム」の世界三ヶ所の世界遺産を見ることができます。

その映像が凄いです!!
ほんとうにそこにいるかのように…たとえば、エジプトならば、ピラミッドの中に入り込んで、頭をかがめて狭い部屋の入り口をくぐっていたり、スフィンクスの足先にも今まさに触れられるのではないか?というほど近づけたりと、圧倒的な臨場感がありました。
ニュージーランドの満天の星空や自然も美しく、厳島神社には「改めてもう一度」ここに行って見たいと思いました。

もしかしたら、あと何十年かしてもっと3D映像が進めば、世界旅行の新しい時代が来るかもしれません。
映画館で映画を見るように、手軽に外国の観光地や秘境の地までも旅行ができてしまうのかも。

なんて、話は逸れましたが、この作品はその三ヶ所の世界遺産を、その地に暮らす子供達の目を通して語られます。
この子供達にもそれぞれのストーリーがありました。

構成は映画「おくりびと」の脚本でアカデミー賞を受賞した小山薫堂氏、ナレーションは下條アトムさんです。
とても素敵な作品でした。

「MUSIC HOT FLAVOR」公開収録1/21ゲスト/中川晃教(追記あり)

2011年01月23日 04時17分55秒 | イベント

東京ベイスタジオ「MUSIC HOT FLAVOR」
パーソナリティー:川辺保弘/ゲスト:中川晃教

とうとうこんなところにまで「私、来ちゃった」状態(笑)

遠征もイベント参加も滅多にしない地味で薄々なあっきーファンの二人組が、劇場やライブ会場で必ずお見かけするような濃ゆいファンの皆様に混じらせていただいて、「私たち、なんか浮いてないかしら?」ってな感じでしたが、あっきーファンの方々は皆さん暖かい人ばかりなので、寒空の中での待ち時間の間もずっと退屈せずに楽しかったです。

この日、あっきーに会いたい一心で公開収録に集まったファンのその数は、200人!…とか?
す、すごい!
ええ、自分でも知らなかったけど、どうやら私たち、分身の術が習得できてるみたいなんです~(笑)
ってか、パーソナリティーの川辺保弘さんに「声が大きすぎ」と笑われてしまった私たちって、よっぽどハイテンションな集団だったのね。

ところで話は変りますが、もし知らない土地で人に道をたずねる時、「一人だけに聞くのはその人が間違えるかもしれないから二人に聞け。三人が同じ道を言うならほぼ間違いなし」という教えを聞いたことがありませんか?

もし、これを読んでくださるあなたが、あっきーファンであるのなら、まさかこんな辺境の地の弱小ブログを真っ先に読んでいるとは思えないけど、よもや万一そうであるのならば、それは間違いというものよ!
こんなもの読む前に、さあ急いでググりましょうねぇ~っ!!
「MUSIC HOT FLAVOR 中川晃教」で検索すれば、ちゃ~んとしたレポが二人、三人とひっかかりますから、もうそれで「ほぼ間違いなし」!

そんなわけで、収録中にあっきーが「ブロガーの皆さん、うまく書いておいてね」と(声を出さずに)何人かにアクションした時には、私も思わずベテランのブロガーさん達へ「いや~、いつもありがとうございます! あっきーもそう言ってることですし、どうぞよろしくお願いいたします」と心の中で手を合わせてしまったわよ(笑)

まあだから、いつもどおり最初から苦手なレポとか書かないんだけどね、ってか、私は書けないんだけどね、番組内での話を簡単に言うならば、去年のFCイベントや今年に入ってからのメールの中でも語っていた「デビュー10周年目に突入する僕」について、川辺保弘さんのリードによってほとんど迷走することもなく、上手にまとめてお話ししてくれました、という感じでしたね。
…って、簡単すぎ(笑)

衣装はおわくりブログの写真まんまだけど、黒のパンツは丈がふくらはぎくらいの短めだったから、出入りの時は見なかったけど、靴はロングブーツだったのかな?
スタジオ内ではスリッパでした。
あっきーがスリッパを履いているところって、初めて見たかも。
なんて、「どうでもいい話」よね~!
だって、ほら、せめてラジオで見えない部分を書いておこうかと思って(笑)

ラジオでは見えない…といえば、あっきーは真正面の川辺さんがお話している時には時おり真剣な眼差し(まなざし)でジィ~っ!と見つめながら話を聞き、また時には笑顔で受け答えしていましたが、その合間には時々オーディエンスの私たちのほうにも顔を向けてくれたりとしていました。

ラジオ番組中に流された曲は三曲。
最初の「China Girl」 は2009年「THE LIFE IS CONTACT」の時のですね、たぶん。
二曲目の「Miracle of Love」(だっけ?)も、三曲目の「マイソング」の時も、ガラスの向こうのあっきー達の会話は聞こえないし、生歌じゃないしで、勝手にイントロ当てクイズならぬ、「これは、いつのどこそこのライブの時に歌ったアレだ」とかを当てて盛り上がる私たち(笑)
あっきーは日に焼けているけど、「どこに行ったのかしら?」とかね。
曲が流れている間はみんなずっとお喋りしていたもんだから(だって、そのCDは全員持っているわけだし)川辺さんは「なんて、やかましいファン達だ」と思ったかもね。

あ、そうそう、
トークの中で、私はただ一箇所だけ、あっきーに軽くお仕置きしちゃいたいところがあったんだけど、年下の成人男子なんかを相手に小言なんか言ってるとこっちの気持ちが老け込んじゃいそうでヤだから(笑) 自分の美容のために止めておこ~っと!

(追記)
追記っても、だからくだらないことばかりなんだけど(笑)
先ほども書いたように、あっきーはパーソナリティーの川辺保弘さんの目を見てお話ししていましたが、「28歳という結婚してもいいような歳になって」というような言葉を言った時には、そのごく短い間、おそろしく目が泳いでいましたね~!(笑)
そのたった二秒間くらいの目の動きと、突然にクシャっ!としたほんの一瞬の照れ笑いの顔を見て、「こういう表情は決して演技では作れないだろうな」とか思ったわ。

それから、収録後に二人で写真を撮る時に、その場所をあっきーが「あ、それじゃあこのあたりで」というように窓ガラスのほうに来て、そこにあった椅子を自らどかし、撮影後はその椅子をきちんとまた元の場所に戻していました。
あっきーらしいわね!


「鬼と遊ぶ展」ギャラリー・どんぐりころころ

2011年01月22日 23時21分19秒 | 美術館/博物館/展覧会

「鬼と遊ぶ展」 
【会期】 2011年1月8日(土)~1月25日(火)
【ギャラリー】 浦安 どんぐりころころ
千葉県浦安市堀江3-2-10
tel047-352-0778
東西線浦安駅より徒歩5分
http://members.jcom.home.ne.jp/donkoro/

金曜日はお台場で日本科学技術館のドームシアターで3D映像とプラネタリウムを観賞してから、夕方に中川晃教さん出演のラジオ収録を見に行き、翌土曜日には女流講談師・神田紅師匠の塾生発表会を上野で楽しみ、その後は浦安に足を延ばして作品展へ。

なんだって、そんな一辺に出かけたのかっていうと、時間短縮&交通費節約のためなんだけど、そんなわけで、書きたいもの、書いておきたいものがいっぱいよ!
どれもこれもが楽しかったし、すごく良い刺激にもなりいろいろと思うこともありましたが、順位からすると、浦安の作品展「鬼と遊ぶ」が会期終了間近なのでこれを書くのが先よね。

「見えないけれど、見える鬼のかたち」…この作品展は、鬼をモチーフにして様々な分野の作家さんたちが表現するそれぞの鬼が展示してあります。

鬼といっても、そのイメージはほんとに人それぞれですね~!
可愛らしい鬼や、やさしそうな鬼の作品のがたくさんで、ほのぼのしたり、微笑ましかったりと、心暖まるような作品展でした。
私は鬼というと、真っ先に思い出すのが子どもの頃に大好きだった絵本の「泣いた赤鬼」なので、もともと鬼って怖いイメージはないんですけどね、ここに展示されている作品のそれぞれの作家さんが、鬼をどのようなイメージで捉えているのかが伺われて興味深かったです。

鬼をたとえば、マイノリティー(少数派)であるとか、アウトサイダー的な存在と捉えることもできるかもしれない。
もともとは煩悩が具現化された姿なのでしょうけど、その姿も煩悩も、恐ろしいと見るか、悲しいと見るか、はたまた愛おしいと見るかで、同じモチーフでありながら作品の方向性が全く変わっていくようです。

そんな中で、思わずぐっと惹き込まれて見入ってしまったのが、友人の亀本みのりさんの作品、版画の「ai」です。 

鬼は指が三本しかないといいます。足りないのは「心」と「知恵」の二つです。
鬼は恋をしました。
恋をしたら、いつの間にか心が芽生え、翼が生えました。
そして、鬼はじっと自分の手を見つめながら涙を流します。
その作品がこれです。↓ 亀本みのり・作「ai」
           

煩悩に、誰かを想う心が加わると、それが恋になるのかもしれません。
翼は天使の羽根か、それとも悪魔のそれなのでしょうか…。
鬼は指が三本しかない手を見て何を思うのでしょう。
私はこの版画絵を見ているうちに、次第にこの鬼と一緒に泣きたい気分になりました。
今まで拝見した亀本みのりさんの作品のなかで一番愛しいと思う作品でした。
私も鬼をモチーフにして、いずれは何か創作してみたくなりました。

この作品展は今月の25日火曜日まで開催しています。
静かな路地の小さなギャラリーですが、お近くの方はぜひご覧になってみて下さい。
…って、今回は私、べつにまわし者じゃありませんけど(笑)

あ、そうそう、このギャラリーのご近所に清瀧神社という、境内に心地よい気の流れる神社を見つけたので、今年はまだ初詣をしていないのを思い出して参拝してきました。
神様のあとに鬼を見たことになりますが、どちらにも心が洗われたような気がしました。


いつかどこかで(11)「劇団ポリエステル」うっかり第二回公演って?

2011年01月19日 21時56分48秒 | いつかどこかで(雑記)

こんばんは、おおるりです。

いつもの方も、初めましての方も、私の観劇記をご覧いただきましてありがとうございます。

え~っと……あのぉ~、
最近、朝の五時ごろって、何をしています?
夜明け前に目覚めているあなたは、いったい何を想うのか……
私は爆睡してますけど。
その時、もしかしたらあなたの夢を見ているのかもしれませんね?

なんてね(笑)

ところで、この年末・年始は、「2010年に観た舞台」の数を数える友達がチラホラといましたけれど…そ、そんな観たもの参加したものを全部を数えるなんて…そ、そ、それは!… 恐ろしゅうございます!!(笑)
私は途中まで数えかけて、我ながら「げげぇ~っ!」と仰け反っちゃったわよ!
そりゃあ、世の中にはもっとたくさん舞台を観ている人はいっぱいいるし、私の倍以上観ている友達もいるんだから、私くらいは珍しくもないんだろうけど、人には「分相応」とか「身の程」ってものがありますって!
私の場合はそれを「げげぇ~っ!」ってなくらいに、遥かに超えちゃってるのよね~。
だけど、たぶん去年や一昨年にくらべたら幾分は減っているはずよ。
舞台だけでいうならば、作品数としては40かそこらじゃないのかな? リピートは別としてね。

その中で、どれが一番良かったか? な~んて、決められるわけがない。
なにせ、優柔不断な私(笑)
たとえば万人にお薦めしたい思ったのは「タンビエットの唄」だけど、音楽でガツーン!ときたのは、やっぱ佐渡さんの「キャンディード」よね。
あれは終演後にふらふらと足が震えました。
あとは、余裕があればリピートしていたかも?というのが「蜘蛛女のキス」だわ。
それから、それから……なんて言ってると、次々に思い出してキリが無いわね?
それに私の場合、「あっきーさえ出ていれば幸せ~!」みたいなビョーキもあるし(笑)

だから「去年の一番」は決められないんだけど、ある意味一番感慨深く「目からウロコ」だったのが、劇団ポリエステルという、私が見たなかでも最も若くて弱小で貧乏で未熟な彼らのお芝居でした。
…って、そこまで言うか! ってなくらいに正直な評価なんだけど(笑)
ごめんね、塩塚玲ちゃん、だって、ここで嘘を言ってしまうと、この後の話ができなくなるんだもの。

去年旗揚げしたばかりの劇団ポリエステルは、東京じゃいくらでもありそうな学生(もしくはOB?)の手作りの小さな劇団です。
私はちょっとご縁があって、去年はお祝いがてらに彼らの旗揚げ公演「五月雨式~夜桜は散りたがった」を観に行きました。
で、予想通りにとっても小さな芝居小屋で、セットも衣装もチープなことこの上ないです。
だけど私、予想外にとても感動して思わず泣いてしまったんですよね。
あの作品はたぶん私が去年観た40くらいの作品の中では10番目くらいには好きだし、心に響いたと思いました。
その時の感想が↓これです。
「五月雨式~夜桜は散りたがった~」

この脚本と演出を手がけた高原フヒトさんは、まだきっと、とても若いのでしょうね。
私はこの筋の通でもないので彼に才能があるのかどうかはわかりませんが、この脚本も演出も、とても好きだと思いました。
才能はわかりませんが、才気はあると感じました。私好みの(笑)
そして、ぜひ次の作品も観たいと思いました。

才能はつまり能力のことだから、自ら努力して磨き上げていけばきっと伸びるはず。
そんなこんなで、彼らがこの一年間、どれほど自分を磨けたかどうかがわかる第二回公演のお知らせが来たので、そんなプレッシャーを与えつつ(笑) ここにもお知らせさせてください。

…って、つまり今日の私は、彼らのまわし者なわけ(笑)
ご興味とお暇がある方は、ぜひ観に行ってやってください。
私はもちろん行きますが、今度はどう転ぶかわからない、イチかバチかを楽しみに観に行きたいと思います。
ちらりと聞いた感じでは、なかなか良さそう。

あ、そうそう、この小さな劇団の旗揚げの中心者のひとり、塩塚玲さんは私の知り合いですが、彼女はバレエがお上手で(小さい子を教えているらしい)、大学でも演劇を学び、出演経験としては「国際フォーラム」という大きな劇場で「赤毛のアン」などに出演していました。
私の好きなハンサム系のステキな女の子です。
今年はなんと! 夏からハワイに留学するそうですから、より大きな成長が期待できそうです。
もし彼女が大きな夢を叶えたら、私はあこがれの「楽屋訪問」を体験させてもらうつもりなので(笑)、今後ぜひとも頑張ってほしいです!!

若い夢を応援してくださるあなた! 
私と一緒に「もしかして、うっかり大きな宝の原石を拾っちゃったかも?」な経験をなさってみませんか?
二月はぜひ「劇団ポリエステル」を観に、@TINY ALICEでお会いしましょう!

↓以下、宣伝。

劇団ポリエステル うっかり第二回公演
「バックアップベイビーズ~私本χ訳聖書~」


【脚本・演出】高原フヒト 
【出演】
塩塚玲/岡雄一/竹島由華/伊藤宏晃/大久保裕太/小島菜奈子/田老優雅/若松宏枝/菅原賢人

2011年2月
11日(金):15時・19時
12日(土):13時・18時
13日(日):13時・18時
@TINY ALICE
一般:2000円
高校生以下:1000円
リピーター割(2公演目):1000円
当日:2500円
※諸事情によるcastの変更はご容赦ください。
以下は塩塚玲さんのブログよりの抜粋です。

「僕でなければならない
守ることも 捨てることも
勝ち取らなくてはいけない

全ては砂になり朽ちていくこの世界で
今日も空から声が降りてくる

心から血が流れても、もう耳を塞がない 

あなたに生きてほしい
その気持ちすら捨てて

笑っていよう その手で選んだというのなら
君がオリジナルであるために…

主宰劇団の第二回公演です。
未来世界を舞台に生きるとか死ぬとか考えます。

」公式HP
PC→http://tennen.ho-zuki.com/main.html
携帯→http://lyze.jp/tenpoly/

主宰劇団の第二回公演!!役替わり公演となっております。A・B違う役で出演。笑って、泣いて、笑っていただければ幸いです。チケットはお取りしますので、お手数ですがご連絡くださいませ。

皆様のご来場、心よりお待ちしております!」

塩塚玲 
Akira Shiotsuka
http://ameblo.jp/akira-shiotsuka/

 


「時計じかけのオレンジ」

2011年01月16日 18時06分42秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)
※この観劇記はネタバレしています。
でもって、あえて辛口にしてますのでご注意ください。

原作・脚本:アンソニー・バージェス 
上演台本・演出:河原雅彦 
出演:小栗旬 橋本さとし 武田真治 高良健吾 山内圭哉 ムロツヨシ 矢崎広 桜木健一 石川禅 キムラ緑子 /ほか

これの映画版って、名作だったんだって?
私は観ていないけど……まあ、特に観なくてもいいや(笑)

まあ、過激っちゃ、過激。
次々に繰り出される目を覆いたくなるような強烈なシーンには唖然。
私は生の小栗旬さんを見るのは「カリギュラ」で一度見て以来だけど、今回もまた惜しげもせずに脱ぐのよね。
もちろん、それは良いんだけどね(笑) 
去年の暮れの吉田鋼太郎さんくらいに、ぎりぎりに脱いでましたっけ。
今回も遠いお席だったからよく見えなかったけど。

そして、またしても狂気。…え? 狂気?
う~ん、これは…狂気とは、ちょっと違うんじゃ?

確かに暴力シーンや強姦シーンは強烈だったけど、これは狂気から来る所業というよりは、私には「バカすぎるガキ共がドラッグに力を借りて、度を越してオイタをし過ぎてしまいました」というように見えたんだけど。
狂気ネタの大好きな私だけど、この少年の狂気は(あるとするならば)底が浅くって、どうも感じないなぁ~。
そういや「カリギュラ」の時の小栗さんの狂気も、彼は演技が上手いのだろうけれど、ググっ!と惹かれるものがなかったのを思い出したわ。
それはきっと、小栗さんが「板の上で本気で発狂しているんじゃないか?こんな舞台を続けて彼は大丈夫なんだろうか?」と心配してしまうような憑依型の役者さんじゃないから…なのかしら?

まあ、それはともかくとしても、その小栗旬さんの演じたアレックスという少年よりは、その暴力的な性格を矯正しようとして無理矢理に世界中の暴力シーンを見せ続けて彼の精神を犯し続けたドクター・ブロドスキーのほうに、私はより狂気を感じました。
こういう何食わぬ顔をして自身の行いの異常さがわからない人のほうがずっと恐ろしいです。

それでこの劇の行き着くところは何なの? とか、思っていたら、結局は「善も悪も選択できてこそ自由なのだ、人は自由である権利がある」って、そういうこと?

だけどさ~、アレックスくん。君はさ~、これまでに何度でも女たちを強姦して、あげくの果てに殺しちゃっているじゃない。
女に気持ちイイも悪いも選択の余地を与えずに、無理矢理に強姦してきたじゃない。
それは、つまりあの狂った医者が君にやったことと、おんなじなんだよね。
「選択の自由」なんて、坊やはどの口がそーいうこと言うのかなぁ…

強姦されて死んでしまった女性は体が傷つけられたことよりもなお、精神を蹂躙され冒されてその苦痛に狂ってしまい、生き続けることができなかった。
でも、アレックスは医者にあれだけヤラれちゃっても、吐き気がするだけで、あげくにまた「治療」されて元に戻ったじゃん?
ほんとうに発狂したら、あんなふうに簡単に元に戻ったりはしないよね?
…だから、なんだか底が浅くて生ぬるい!
ってか、足りないのよね~! 私には。

で、アレックスは芝居の最後に「これをどう観るかはみなさんの選択にお任せします」みたいなことを得意そうに言ってたけど、…って、もちろん役柄としてだけど…だからそういうふうに挑発的に言ってくれるもんだから、私もついそれに乗って辛口の観劇記にしてみたんだけどね(笑)
私の選択としては「観なくても良かった」と思ったんだけど、この前見た演劇雑誌で小栗旬さんが「(おめでたい新春に)こんな舞台を観なきゃ良かったと思ってくれれば、ある意味成功だ」というようなことを言っていたので、別の意味で私はそうだったから、「じゃあ良いんだ? ここまで書いちゃってても」って感じ。
だって、なにせ選択の自由だものね。
これはロックだ! 反抗だ! 精神の自由だ! …って、そういう舞台らしいから。

劇場内は立ち見客もいっぱいで、大盛況でした。

「十二夜」

2011年01月09日 22時55分18秒 | 観劇(ストレートプレイ/人形劇)
「十二夜」~潮風の中で朽ちた、祭用仮舞台における海原の恋物語、難破船の記憶
【作】ウィリアム・シェイクスピア
【演出】串田和美
【出演】松たか子、石丸幹二、りょう、荻野目慶子、大森博史、真那胡敬二、小西康久、酒向芳、内田紳一郎、片岡正二郎、目黒陽介、小春、つのだたかし、飯塚直子、片岡亀蔵、串田和美、笹野高史


……ねえ、
ひとは、どうして恋をするの?

なんつって(笑)
私はシェイクスピアには(にも?)疎いので、「十二夜」を観たのは初めてです。
演出の串田さんは解説のチラシで「原作の戯曲から思い描いた新たな発想が、随所に織り込まれています」と語っていましたが、この演出は楽隊が音楽を奏でながら登場するところから、エンディングまでが私はとても好きだと思いました。

陽気な楽隊の調べと大道芸人、その行列に着いて行く海辺の町の人々……その祝祭の有様には「エレンディラ」を思い出します。
「エレンディラ」の時もやっぱり「恋もまた祝祭なのだ」と思ったことも思い出したわ。

「十二夜」は有名な戯曲なので、ストーリーをご存知ない方はすぐに調べられると思うけど、これは簡単にいえば、船が難破して生き残った双子のうちの妹のほうが、生きのびるために兄そっくりに男装したために巻き起こる物語で、コメディー仕立ての恋愛劇です。
その劇が、海辺にこしらえた祝祭のための仮設舞台で演じられて、その町で起こった本当の騒ぎのようでもあり、全くの劇のようでもあり、その境界を曖昧にしているところが面白いです。

この物語にはいくつかの「片想いの恋」があります。
片想いって、ライトの当て方次第で、他人からみれば悲劇にも喜劇にもなるのかもね?
なればこそ…、

恋をしましょう、恋を! 男も女も。

すべては祝祭の夢なのだから。 
そしてきっと、人生にもたまには祝祭の日々が必要なのだわ。

とかね(笑)
私はこれを観ている間、ふとある歌を思い出していました。
「何せうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ」(閑吟集)
まあ、これは別に恋の歌じゃないんだけど(笑)
意味は「何になるだろう、まじめくさってみたところで。どうせ、一生は夢だ。ただ、狂えばいい。」というもの。
こういうラブ・コメディーとか観ると、つまり他人事だからこそお気楽にそう思っちゃったりしてね。

で、冒頭の「ひとはどうして恋をするの?」なんだけど(笑)
人は生まれながらに寂しくて、「もうひとりの顔ともうひとつの心があればもう寂しくはないだろう」というので神さまに頼み、一つの体に二つの顔と二つの心を作ってもらったというわけ。
でも、それはすぐに上手くいかなくて、それを別々の体にしてもらい、その二人が元の半身を求めて恋をする…という、そんなエピソードがありました。
二つに別れているものが、一つになるほうがずっと気持ちが良いから恋をするのですって。

へぇ~っ、それはロマンチックな説だけど…
え、でも、それならば……
って、いやいや、せっかくだから無粋な突っ込みはやめとくわ。

ところで、この舞台を観に行ったのは、それは、松たか子さんが好きだからよ!
双子の兄妹、一人二役を松さんがどう演じてくれるのか楽しみだったのよね。
松さんはこのために切ったというショートヘアーも良く似合って、無理に男っぽく作りもせず、衣装すら着替えることもなく、二人の「声の澄んだ少年」を自然に演じていました。
だけど、この兄妹が舞台上に同時に現れるシーンはどうするわけ??
と興味深々で観ていたら……

このシーンがなんとも言えない!!
私はこの短いシーンを観ただけでも、この舞台を観た甲斐があったと思いました。
二人の台詞をひとりで、ほとんど間を空けずに、声音も顔の向きも変えもせずに言い分けたその演技には、流石!…とか、それは技術的なことよりも心の込め方なんだろうけれど、そんな感想はともかくとしても、私はこのシーンひとつで、この舞台が一瞬ラブ・コメディーだったということを忘れてしまったくらいです。

双子の妹は自分の半身ともいえる兄を失ったと思い、心の中に兄を想い、だから兄そっくりの服を着て、兄がそこにいるように暮らしていました。
それでも片割れを無くした喪失感がとても強く、あまりに寂しくて、心の中で生きる兄に向かい「傍に来て!」と求めています。
この時の松さんの台詞にはほとんど泣きそうです。ってか、泣いたし。

私の魂の片割れよ、傍に来て!

そんな叫び。
ひとは何故に、寂しいのだろう…。

恋は「来い」という求めの心なのだ…というのは何の小説で読んだのか忘れましたが、
この舞台を観たら、片想いの恋の成就よりもなお、魂の片割れのような存在である双子の兄に再会できたことのほうにハッピーエンドを感じました。

それにしても、ここ数年少しずつ観ているせいか、シェイクスピアの面白さがわかりかけてきたみたい。
思わず劇場で「快読 シェイクスピア」という文庫本を買っちゃいました。

映画「最後の忠臣蔵」

2011年01月08日 07時06分55秒 | 映画

監督:杉田成道
キャスト: 役所広司、佐藤浩市、桜庭ななみ、安田成美、笈田ヨシ、山本耕史、伊武雅刀、風吹ジュン、田中邦衛、片岡仁左衛門

この映画は、なんだか気になる。なんだろう?…ツボに入りそうな気がする。
観に行かなくちゃ!
というので仕事帰りに行って来ました。

  

この物語は、吉良邸に討ち入った赤穂浪士の話…ではなくて、それぞれに重大な使命を受けてひそかに生き残った二人の男の、知られざる物語です。
なので、チャンバラを見せ場にしない侍の話だから、それだけにかなりストイックな方向に行くだろうというのはむろん想定内だったのだけど…

だけど、この話のところどころに挟まれるシーンは、人形浄瑠璃の「曽根崎心中」です。
それも叶わぬ恋を遂げるため、男女が手に手を取って心中するクライマックスのシーンなのよね。
つまりストイックな「武士道の世界」とは正反対ともいえる、俗世の物語であり、恋情が優先の「情念の世界」なわけ。

…う~ん…… 
ちょっとこれね、この先は盛大にネタバレしちゃうと思うので、このあと10行ほど下がります。
ネタばらしされても良いと思う方は、その先でお会いしましょう(笑)
ではっ!










討ち入りの生き残りのひとり、前夜に逃亡した瀬尾孫左衛門(役所広司)が受けた密命とは、実は大石内蔵助と側女の間にできた子どもを保護して育て上げるというものでした。
その子ども…つまり、大石の落しだね(隠し子)の可音(かね)は16年の歳月を経て、清らかで凛とした美しい女性に育ちます。
そして、家臣でありながら育ての親ともいえる孫左衛門(ひこざえもん)に恋心を抱いています。
この彼女の恋心というのは隠しようもなくて、でも子どもの頃とは違い、いまは家臣として距離を置いている孫左衛門に苛立っています。
このもどかしく揺れる乙女心を演じた桜庭ななみさんは、杉田監督が手塩にかけて育てただけに、なかなかの好演でした。

けれども、ある日、孫左衛門を御付にして人形浄瑠璃を観に行った芝居小屋で、可音は大きな商家の跡取り息子から見初められてしまいます。
これはかなり良い縁談です。
その跡取り息子は山本耕史さんだし(笑)可音に一目惚れするまでは「女嫌い」だったといわれるほどに真面目で誠実そうで、そのうえ二枚目でお金持ち。
で、突然沸き起こった縁談を孫左は進めます。
孫左衛門の使命とは、可音を護って育て上げ、彼女を幸せにすることなのですから。
それで結末としては、可音はその商家に嫁いでいくんですけどね、
では、孫左のほうではいったい彼女をどう思っていたのか?
彼もまた、いつしか可音に恋心を抱き始めていたのではないか……?

これがね~、
少なくとも彼の抑制された表情からは、とうとう私はそれを見ることができませんでした。
「武士に寂しい恋しいはないのです」と言う孫左は「私がいないと寂しいと思ってくれないのですか」という可音に「少しは…」と微笑むくらいで、最後まで本音を見せません。
彼は「武士ですから」と「使命」という言葉を繰り返します。
武士ですから、自分の感情に溺れてはいけないのでしょう。

けれども、その二人のやり取りの合間に時折挟まれる、例の人形浄瑠璃の、あの情念の恋の心中シーン。
それは彼の心の対称を表すのか、あるいは抑え込み、押し殺された感情の象徴なのか……。
わからないはずなのに、なぜだか私は幾度も涙が溢れてしまいました。

彼の使命の全うは武士としての命の終りでもあり、可音との歳月と思慕への別れでもありました。

ああ、そうか……だから、心中…ね。

それにしても、あくまでも心の中を見せずに、可音にはただ微笑んで尽くし通した孫左にはほんとうに泣けました。
曽根崎心中の二人の頭上には彼らの魂がゆらゆらと漂い、現世では一緒になれないその魂があの世で重なることを誓いますが、可音との思い出を胸に描いたのちに、ようやく主君と仲間の元へ旅立った孫左の魂は、いったい何を望んだのでしょうか。

(追記)
尻切れトンボのような上記を書いてからつい寝ちゃったけど(笑)
「だから、心中…ね。」の何が「だから」なのかっていうと、
切腹も心中も自殺であることには変わりない。
「同じにしないでくれ」って、誇り高い武士のほうは思うかもしれないけど。
だけど、どちらも現世で生き続けることや死の恐怖よりも、なお勝る想いがあるのでしょうね。
「武士の魂」という言葉も良く聞くけれど、やっぱり魂に重きをおいてそれを美意識の果てに向かわせる人達というのは、どちらにしても死の世界が怖くないのだろうと思ったわ。


いつかどこかで(10)~迎春~

2011年01月03日 16時48分17秒 | いつかどこかで(雑記)
明けましておめでとうございます

昨年中にこのブログに遊びに来てくださった皆さん、本当にありがとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
そして、今日初めましての方は何にご興味があって偶然こちらにお出でくださいましたか?
このブログは私の日記のうちの感想記だけを集めた「思い出のアルバム」のような意味合いが強いので、それだけに独断と偏見に満ち溢れて脱線ばかりしていますが、もしお気に召して頂けましたならば、これも何かのご縁ですし、どうぞまた遊びに来てくださいね。

ところで、このブログも開設してからようやく一年が経ちました。
掲載している記事の日付はほとんど書いた日に合わせていますので、もっと前からあるように見えますが、まだたった一年なんですよねぇ…。
ほんとうに「辺境の地で目立たずひっそりと立っている小屋」のようなブログです。

実は観劇記などを私が書き始めたのって、今となっては昔懐かしいニフティのパソコン通信時代からですので、かれこれ十数年も前のことです。
最初は本好きの集まるコミュニティーで読者感想などを書いていましたが、その後すぐに読書だけでなくお芝居も好きな方たちが集まる半クローズドのような狭い場所…といっても常に数百人のアクティブがひしめいていましたが…そこで舞台の感想なども含めたいわゆる「雑談」を書きながら遊んでいました。

で、そのパソコン通信が終焉してからはしばらく文章を介して遊ぶ場所を失い、少しして元の知り合いたちとまたお話しがしたくてmixiに入ってなんやかんやと日記を書くようになり、その中で再び観劇記も書くようになったわけです。
このブログを読んで気付いた方もいらっしゃるかも知れませんが、観劇記の中で「マイミクさん」という言葉が時々混じっているのはそういうわけなんです。

ですから、私の記事の基本は自分の親しい友人たちに向けて「こんな舞台を観てきたよ~!」「でね、こんなふうに感じて思ったんだ~」というご報告なので、文章がしばしば「…よね~」とか「…じゃん!」なんていう馴れ馴れしいお友だち言葉になっています。
それでも多少真面目に語りたい時などは「です、ます」調にもなりますけど、その時の気分に左右されていて、ひどい時はひとつの記事の中で、最初に友達言葉で書いていたのに、書いている途中でお茶なんか飲んで気分が変わったら口調が変わってしまったりと、私の文に慣れてくださっている方は諦めているでしょうけど(笑)初めてお読みになられた方にとっては随分と読みづらい思いをさせてしまっているかもしれませんね。
でもまあ、感想記に関しては上手な文を書こうという気持ちは全くなくて、なるべく自分に率直でありたいと思うので、きっと今年もまたこんなふうに続いていくのだろうと思います。

「感じる、想う」と書くように、感想はひとりとして同じようにはならないと私は思っています。
ですから、同じ舞台を観ても好き嫌いはあるし、その理由もまた人それぞれなのでしょう。
私の感想を読んで共感してくださる方もいるだろうし、逆に「それは違うんじゃ?」と疑問や反感を感じたり、また「そのシーンでなんでその脱線??」と呆れたりする方もいらっしゃることでしょうね。
私のほうは案外と自分と違う意見の他人の感想文なんかを読むのも好きなので、自分がとても感動した作品をこき下ろしている感想も興味深いと思うし、また反対に詰まらないと思った舞台に大感動している感想に出会ったならば、それはそれでまた面白いと思ったりもします。
いずれにしても、「へぇ~、そうなんだぁ~?」と、幾分お気楽に(笑)自分と違う他人を興味深く受け入れられるキャパやアンテナを常に持って、楽しく生活していけたらいいなぁ~とか思っていますので、皆さんもこのブログで多少お気に障ることがあったとしてもどうか「この女は頭がおかしいんじゃないか」程度に聞き流してくださって(笑)、所詮他人の意見なのですから、お気楽に読んでいただいて、共通点や相違点を楽しんでいただけたら幸いだと私は思います。

なぁ~んて書くと、いかにも「私の書くものにクレームつけないでねぇ~っ!」という予防線を張っているようでもありますが(笑) それもあるんですけど(笑)
この約14年間くらい私がどれだけの文をネット上で書き続けたかは計り知れないですが、一度もクレームをつけることなく読み流してくださったお心の広い大人の皆さんに支えられて書き続けていることは確かです。
ほんとうにありがとうございます。
でも、もし何か私が誤った情報を流してしまったり、また、単なる好き嫌いや批判を越えて誹謗中傷めいたことを書いていると思われたなら、どうぞご遠慮なくご指摘ください。
また、ブログはアクセス数に比してコメントがとても少ないですが、(また、コメントしようのない記事を書いているせいもあるのかもしれませんが)、もし何か感じてくださるところがあれば、それもご遠慮なくコメントをお願いいたします。
場合によってはこちらの都合でお返事が遅れることもありますが、必ずお応えしたいと思います。

あ、そうそう!
そそっかしいのは元々ですが、最近、感想記って一杯飲んでから書くことも多いし(笑)視力が低下していることもあって誤字脱字が以前にも増してとても多いようです。
気が付けば直すこともありますが(って、言ってるそばから「気が着く」なんて書いてましたけど)、ほったらかしておく時もあります(って、おい!)
それも、「この女は頭だけでなく目もおかしいんじゃないの?」程度に、適当に突っ込みいれながら(笑)正しい漢字や送り仮名などに脳内変換して読んでくださると助かります。

さて、話は変って、2011年の今後の観劇予定ですけど。
世の中の不況のせいばかりとも言えず、もともと私には贅沢すぎる観劇という趣味にハマってしまったせいで、ここ数年はじわじわと生活が圧迫されていますので(苦笑)、今年は今までよりも観るものをぐっと減らさなければいけないところに来ているようです(泣)
あれもこれも観たいと思うとキリがないんですよねぇ…。
でも、去年中に既に去年の勢いで買ってしまったチケットの舞台はもちろん楽しみますよ。
そのあとは、たぶんアッキー(中川晃教さん)中心になってそれ以外はグッと我慢の子になるでしょうね。

振り返ってみれば、今まで観た舞台は私に多くの感動を与えてくれたし、心を豊かにもしてくれましたが、「人生にどうしても観なければいけない舞台」…「これを観て私の人生は確かに変わってしまった」というほどの舞台なんて実はほとんどなくて、少なくとも私の経験では五年に一本あれば奇跡のような幸運です。
そうと知っていればなおさら、今後もアッキーの舞台は外したくないなぁ…などと思っています。
舞台そのものだけでなく、アッキーを通じて知り合った友人たちも私の人生を豊かにしてくれていますし。
また、アッキー関係だけでなく、もとから観劇を通してお付き合いしてくださっている友人・知人の皆さんも、もちろん私の大切な宝物です。


こんな長文にここまでお付き合いしてくださっている、画面の前のあなた、
もしかすると、今年、いつかどこかの劇場で、あなたとも私が隣り合わせに座ることがあるかもしれませんね。
それが良い出会いになったとしたら、私はとても幸せです。

いつかどこかで、劇場でお会いしましょう!


おおるり