とうとう来ました、来ちゃいました! 安芸の宮島へ。
念願叶って、うれしい~!
なのに、広島は前日の青空から一転し、朝からしとしとの雨だった。
え~っ!、私の予定では、前日と同じくらいに晴れてくれる筈だったんだけど?
でもねぇ、何でもかんでも自分の思い通りになんて、そんな都合良くいくわけがないのよね。
きっと神様にそう言われているのだろうと思い、観念して広島市内を出発。
船で海を渡って宮島へ着けば、その頃にはほとんど雨が止み、さすがに晴れはしないけれど、曇りの中を傘をささずに歩けるくらいのお天気になりました。
潮の満ち加減もまずまずで、海に浮かぶ厳島神社は静かな美しさをたたえています。
宮島の神様、ありがと~!
入り口で拝観料を払って社殿に入ると、なんと、笙や篳篥(ひちりき)、笛などの音が重なる雅楽の調べが流れてきました。
なんてグッド・タイミング!
これはね、広島に雨が降ってくれたからです。
もし晴れていたら、予定では路面電車で広島駅に向かうところ、私は雨が苦手なので思わずタクシーで西広島まで近道をしちゃったんですよね。
なので時間が短縮されて僅かに到着が早まり、その結果で雅楽流れる神事に立ち会えたというわけ。
本物の雅楽を聞きながら厳島神社の回廊を歩くのは何とも言えぬ風情があり、天気は曇っていても気分は上々です。
本社祓殿前の高舞台と、能舞台。
この美しい海を背景にして行われる管弦祭や能楽は、さぞかし幻想的で素敵でしょうね。
ロケーション最高の劇場だわ。
神様って、音楽や舞とか能とか、きっと芸能がお好きなのね?
「私と一緒だねっ!」と思わずハイタッチしたくなる(笑)
ん? でも、その宮島の神様ってどんな神様??
と、思ったら……
厳島神社に奉ってある神様は、「宗像三女神」と呼ばれ、美人で誉れ高い三姉妹の女神様たちなんですって。
調べてみたら、水や海の守り神であり、芸術や経済面でも広く信仰を集めているのだそうな。
三女神のうち、特に有名なのは「市杵島姫命(いちきしまひめ)」だそうですが、この女神様は後に神仏習合により弁天さま(弁財天)と呼ばれるに至り、「音楽や技芸、弁舌などの芸能に関する神威を発揮する」とも言われています。
なんだ~、そうだったのね。
つまり、厳島神社の神様は、ある意味、日本のいわゆる「ミューズの女神さま」でもあったのね?
私をこの地まで呼んでいたのは、もしやこの方だったりして?
私が今年に入ってから、ずっとこの地が気になってしかたないと言うと、「きっと何かに呼ばれているのでは?」とみんな言うから、いったい何かと思ったら、私を呼んでいたのは、きっとこの芸能好きな三女神たちだったに違いない。
うん、きっと、そうだわ。そういうことにしとこう(笑)
しかぁ~し! 宮島の神様は普段は実はここじゃない!
と、旅行出発のわずか二日前に仕事先の男性からレクチャーされる。
山の上まで登るのはキツイから弥山(みせん)はパスしようと思っていたのに、「わかってないな~! 宮島にいくなら弥山の頂上に行かなきゃだめだよ。あそこの景色は凄いんだからぜひ見てもらいたいよ」とまで言われ、曇っているから絶景は諦めてはいるものの、せっかくなので紅葉に色づく弥山をプチ登山となりました。
厳島神社を拝観したあと、まずは紅葉谷公園へ。
紅葉谷公園
宮島は、つい一週間前ではまだあまり色づいてなかったものの、この二、三日で一気に紅葉の色が深まったのだとか。
もみじといっても、いろんな種類があり、木々によって様々な赤がある。
朝の雨に濡れた落ち葉のしおらしさよ…。
なんと美しい日本の自然。日本の秋。
紅葉谷公園の先から二本のロープーウェーを乗り継ぎ、降りた山の中腹からは大変!
ひたすら山道を歩きます。
結構きついです。 がんばれ~!
やっとこさ辿りついた弥山の山頂。
知り合いの話によると、この山の頂上こそが神様が宿る、いわばパワー・スポットなのだそうです。
よく晴れた日には、奇跡のように素晴らしい景観が臨めるそうですが、あいにくの曇り。
山頂から下界を眺むれば、ただ白きに曇っているばかりで、まるで仙人になった気分です。
そう、仙人や神様はいつも山の頂や雲の上にいるので、実はこんなふうな眺めの日のほうが多いのかもしれないわね?
でも、心の目で遠くを見れば、なんとなく下界が見えるような気がしたりして。
そんな、不思議な感覚も面白い。
それにしても、せっかくここまできたのに天気がよくないのは残念よね?
山のパワーはチャージしたし、雲ばかりを見ては、あまり長居もできないし、お弁当もないので早々と降りることにしました。
ところが!
十メートルばかり降りたら、突然頭上が晴れてきて、なんと! 雲の合間から青空がのぞきます。
太陽までが姿を現しました。
え~っ、もしや、このまま島の上全域が晴れたら、「奇跡の眺望」とまでいわれる景色が見られるのかも??
迷いに迷って山頂に戻りました。だけどね~、この十メートルがキツイのよ! なんたって山の上だから。
そして再び頂上に戻ってはみたものの、そうすぐに晴れることもなく、やっぱり下界は白いままです。
な~んだ、思わせぶりね。神様って、やっぱりいたずらっ子だわ。
なんだか、三女神たちがクスクスと笑っているような気がしたりして。
そんなこんなで、下山してからは、さらに大聖院まで足を延ばし、そのあとは表参道商店街でお土産のもみじまんじゅうを買いました。
お昼は遅くなり、四時近くなってからお弁当のあなごめし。 商店街の焼き牡蠣は芳ばしくで思った以上に美味しかったです。
盛りだくさんで歩きつかれたので、予定より早くフェリーに乗り、海を渡ったところで、宮島の桟橋のロッカーに荷物を預けていたことを思い出し、あわててまた乗船して宮島に戻る。
旅行カバンを忘れて船に乗るなんて、まったく我ながらあきれるくらいに、うっかり者だわ!
「だって、疲れていたんだもの~。」と自分に言い訳をしつつ、でも、その忘れ物のおかげで、すっかり日は暮れ、大鳥居のライトアップも見れました。
人生万事塞翁が馬。
転んでもただじゃ起き上がらないから(笑)、結果オーライ!
ひとりだけど、最後までポジティブで楽しい旅となりました。
来年は友達と一緒に吉野桜を見に行く約束をしていますが、ぜひまた、ひとり旅もしたいです。
2011/11/22
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2011/11/23
【西広島-宮島口-宮島桟橋-表参道商店街-厳島神社-紅葉谷公園-弥山-大本山大聖院-表参道商店街-宮島桟橋-宮島口-宮島桟橋-宮島口-広島駅-東京】