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おおるりが赤裸々に綴る脱線転覆の感想記!(舞台やライブの感想です)

映画「マレフィセント」

2014年07月20日 16時43分36秒 | 映画

※この記事にはネタバレが含まれますので、ご注意ください。

お久しぶりですが

秋にバレエ「眠りの森の美女」を見る予定なので、その前にこの作品が見られて良かったです。

とはいえ、物語はバレエの「眠りの・・」とはだいぶ違います。
あちこちで語り継がれた民話にも、グリム童話にもない、いわゆる新作のアナザーストーリーというもので、ディズニーのアニメ映画「眠りの森の美女」とも全く趣(おもむき)の違った作品でした。
(って、ディズニーのアニメは見てないんですけど、ストーリーをネットで調べたところ、そもそもディズニーのアニメ映画ってのは、民話をかなり現代的にアレンジした話だったんですね。)

私はこういうアナザーストーリーって好きなんですよねぇ。
「オズの魔法使い」は好きだけれど、その裏の物語である「ウィキッド」はもっと好き。
子供の頃に御伽噺を読んで疑問を抱いたり、その結末に納得いかなかったりする人や、または物語に深く入り込んで自分好みに想像を膨らませてしまう人って、きっと世界中にいるんでしょうね。
それで各地の民話が少しずつ違っていたりもするのでしょうけど、「ウィキッド」やこの「マレフィセント」のように、裏側の視点から捉えると物語が全く別の話になってしまうのが私にはとても面白いし、元の作品よりも人物像がちゃんと描かれているので納得がいくものだったりします。 

で、大抵の話では、「眠りの森の美女」の悪い魔女(妖精?)は、ただ理由もなく最初から邪悪ですよね?
なので、王女の誕生祝の式で除け者にされ、それに怒った悪い魔女が腹いせに王女に呪いをかけるのですが、映画「マレフィセント」では、魔女がそこに至るまでの話が明かされます。

マレフィセントは「真実の愛」に絶望した人(妖精だけど)だったんですね。
その昔、邪悪のかけらもない無垢な心の妖精だったマレフィセントは人間の男と恋に落ち、二人は「真実の愛のキス」をします。
その愛が憎しみに変わるのは、欲に走った男の裏切りだった・・・とまあ、そういうことなんですが、だから眠りにつくオーロラ姫の呪いを解く方法が「真実の愛のキスにより」というのは、彼女にとっては絶対に解けない完璧な呪いだったわけです。
「真実の愛などない」という絶望の人だから。 
けれども・・・という物語。

これを見ても、愛を憎しみに変えるのは簡単ですね。
愛を裏切り、踏みにじれば一瞬です。
ところが、憎しみに凍りついた心を溶かすためには、一瞬では無理。 
恋は一瞬で落ちるものかもしれないけれど、愛は時間をかけて育み、少しずつ実感していくものなのかもしれません。
なので、「一目惚れの恋では真実の愛にならない」というのは「アナと雪の女王」と同じ結末です。
「アナと雪の女王」がヒットした後なので、この映画の結末も見ているうちに想像できてしまったのは残念なところですが、 私はマレフィセントが次第にオーロラ姫に愛情を感じていく場面がとても好きだと思ったし、その愛に納得しました。

まあ、だからね~
前にもどこかで書いたけど、舞台や映画の物語を見続けていると、男の愛・・・てか、男性の恋心って全部が嘘とは思わないけど、、少なくとも持続性に乏しくて大概に当てにならないものだって気がしちゃうんですよね~
私自身はべつに男に裏切られたり捨てられた経験はないし、特に恨んでもいないんですけど(笑)
王子様とお姫様が結ばれて「めでたし、めでたし」という結末は、二人の人生の途中経過の、ひとつの山場にすぎないでしょ?
死ぬまで見届けなきゃ、その愛がどんなものだか本当のところはわからないと思ったり。


それにしても、王子様って、やっぱり白馬にまたがっているんですね(笑)やっぱ、お約束ですよね。
この王子様はなんで従者の一人も連れずにのこのこやって来たのか知れませんが(笑) 寝ている姫に勝手にキスするのをためらうし、あまり欲が深くなさそうな人畜無害な雰囲気が良いです。


王子様とお姫様が結婚してめでたしな話を見ると、たいがいに「でも、あの面食いで考えなしな王子様がちゃんと名君になって国を平和に治めたりできるのかな? それより面食いなだけに、将来はまた若い美女に浮気したりするんだろうな~?」などと、思わず想像しちゃう私ですが、この王子様がオーロラ姫を裏切ると、きっとマレフィセントに酷い目に合わされそうなので恐ろしくてできないでしょうね(笑)
それを思えば、二つの王国が一つになる最後の場面はあまりに短絡的な結末かもしれないけれど、少なくとも原作よりはずっとハッピーエンドかもしれません。

  

コメント
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