Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

文学座公演「くにこ」

2014-12-22 | 映画・テレビ・演劇・芸能

  12/12(金)、高岡文化ホールで演劇鑑賞会12月例会として文学座「くにこ」公演があった。運営担当サークルだったこともあり早目に集合、一緒に見る友人達とホール内の「和庵」でランチ(いずれ紹介します)。その後観劇、その後搬出の手伝い、さらにその後交流会にも参加した。↓は、開場後の入り口。       

          
 舞台が開くと、昭和の初めのこと、舞台中央に蚊帳が吊ってある。中で三姉妹がものすごい早口で何やら喋っている。「おじゃったもんせ」は「ようこそいらっしゃいました」 「あいがた」は「ありがとう」 「ずんばい」は「たくさん」などなど。どうも鹿児島に転居したばかりで方言の練習のようだ。この他に男の子が1人、向田家は4人の子どもたちと、父、母、祖母の一家。父の転勤でしょっちゅう転居していた。

 「くにこ」は、不慮の飛行機事故で早世された向田邦子さんが主役だが、彼女の伝記と言うのではなく、彼女が書いたドラマ、エッセー、小説も取り込みながら、一人の女の子が物語の母になるまでを描くフィクションだそうだ。くにこを演ずる栗田桃子さん(蟹江敬三さんの娘さん)は紀伊国屋演劇賞・個人賞を受賞された。もちろんチームワークは抜群、しかも栗田さん以外の8人の役者さんがいくつもの役を演じ分けておられるのも見もの。

  舞台は回り舞台のように回転し、次々と速いテンポで場面が変わって行く。笑っているうちに次のシーンの笑いがやってくる、と言うほどよく笑った。くにこの成長物語と言うより、向田邦子がいつも核として大事にしていた「家族」の物語である。戦中派の頑固な父親、献身的に尽くす母親、しっかり者の長女、そして妹達と弟、ちょっとハイカラな祖母。就職のこと恋愛のこと、父の囲い女も登場し、くにこは売れっ子作家になっていく。

 私自身は子育て中だったか、好みが合わなかったか、「寺内貫太郎一家」や「時間ですよ」はかすかな記憶しかない。が、「阿修羅のごとく」や「あうん」、「父の詫び状」などは何度も見ておりとても印象深い。テーマ音楽や誰が演じたかも鮮明に覚えている。随筆「眠る盃」の中の「字のないはがき」の場面など、頑固だが愛情深い父親の姿を思い出し、とても懐かしかった。自分の人生をふり返る気持で最後まで楽しませてもらった。

 さて、搬出の仕事が終わり、アルファ・ワンで交流会。私のテーブルに栗田さんと関輝雄さんが座られた。関さんはなんと六役を演じられたそうだ。小学校の先生、母方の祖父、社長、息子、山下…もう一つは?関さんからは、文学座が久保田万太郎や岸田国士によって生まれた劇団と言う話を聞いた。
 栗田さんの言葉によれば、高岡会場は笑い声が絶えず、とてもやりやすかったそうだ。静かな会場は一体感が持てないのだろう。栗田さんは「父と暮らせば」で、高岡へ来られることが決まっています。
 ↓は、塩田朋子さん。この方も両方のお祖母ちゃん、老婆、ベテラン女性社員、囲われ女…と大活躍。声がよく通り、シャキシャキとユーモラスな動作などいっぺんにファンになった。       

 ↓は、言わずと知れた角野卓造さん。写真を撮るのに夢中で話の内容は?ともかく貫禄があります。でも気さくなイメージ。角野さんの奥さんは倉野章子さん。同じく文学座の女優さんで滑川市出身の方。「初雷」で高岡に来られました。なはさんは、初めての交流会だそうで楽しんでおられました。なはさんのサークルは、今度新入会員を二名迎えられたので、印象に残る例会になったことでしょう。           


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6 コメント

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Unknown (茶々姫)
2014-12-23 10:48:06
清姫さん
演劇鑑賞の交流会人柄がわかって楽しいですね。一度だけ参加したことがあります。サインの色紙をもっいてます。最後の恋のものでした。
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Unknown (清姫)
2014-12-23 10:54:55
茶々姫さん
そうでしたね。覚えています。最後の恋?どんなお芝居だったかしら?音無美紀子さんが出ておられましたね。良い季節だったからか大勢の参加でしたね。「楽園」はほとんど歌なので、きっと楽しめると思いますよ。前の席がもらえるように、SI子ちゃんに頼んでみますね。
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Unknown (なは)
2014-12-24 16:52:40
清姫様
昨日、読んだのにコメントを書き忘れています。「くにこ」は最初から鹿児島弁と姉妹の仲の良さで笑わせられました。私など、蚊帳の中で三姉妹でワイワイガヤガヤやっていたのを思い出し、父が「そのうちに喧嘩になるよ」と心配していたことなでも思い出して、懐かしい光景でした。
ずっと気をそらさぬ事件が起きるので、あっという間の二時間でした。俳優さんたちのスピードが心地よく、あんなにしゃべってしゃべって、凄いものですね!
今回も笑って笑って泣いてでした。
交流会もあの俳優さんたちが近くで親しく話して下さるなんて感激でした。
栗田桃子さんに「父と暮らせば」でお目にかかれるのが楽しみです。
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Unknown (清姫)
2014-12-24 20:15:19
なはさん
なはさんとこも3姉妹でしたね。あのように賑やかで仲良しだったのでしょうね。「阿修羅のごとく」は4姉妹。しっかり者の次女が八千草薫さんでした。
「父と暮らせば」、映画も舞台も見ましたが、栗田桃子さんとなれば早く見たいです。「楽園」は写友会の旅行と重なるか、連日になるか、のようですね。
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Unknown ()
2014-12-25 01:57:13
おかげさまで、私も見させてもらいました。
面白くて、笑っているうちに、あっという間に終わりました。
辛気臭くない演劇はは好きです
私も書こうとしていますが、書くとなるとなかなかまとまりません
あまりに上手に書いてあるので、なおさら書きづらいかも・・
しばらく暖めて、(そのうち、段々忘れていく)からのんびり、つたない文で書くことにします
そのときは、大いに参考にさせてください
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Unknown (清姫)
2014-12-25 18:56:58
姫ちゃん
良いのが見られてよかったですね。向田邦子さんのTVドラマはとても好きでした。劇団の人たちは、皆さん芸が達者ですよね。
来年のラインアップも面白いですよ。「父と暮らせば」は10月です。昔、りえさんの映画も見ました。原田芳雄が父親の幽霊でしたよ。
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