3日目、三越劇場で観劇の予定。たまたま新聞に紹介されていた「花の元禄後始末」。場所が便利、開演時間も都合がよく、チケットもそう高くない。淡島千景さんと先日の「ハーヴィ・・」の時のNLTの役者さんが何人も出ておられるので決めた。喜劇らしい。
3日間、上野と九段下を何度も往復したが、地下鉄は「三越前」で乗り換える。この駅は以前2年余りOLをしていた時によく利用した駅で懐かしい。12時開演なので、辺りをしばらく散策した。文明堂の通りなど昔のままだが、工事中のビルがあったりで雰囲気は変わっている。
三越は新館が建ち、入り口には大きな暖簾がひらめいていた。トップの写真は2頭のライオンが座る正面玄関。下は横の入り口で、傍には広重の「名所江戸百景」の版画が展示され、越後屋(旧三越)の大店暖簾(おおたなのれん)が見える。これを真似て創業祭に作ったものらしい。
正面玄関を入ると、昔のまま中央ホールに「天女像・まごころ」がそびえていて、ちょうど午後のチェロコンサートのリハーサル中。東京芸大の卒業生らしい。聴きながら一休みをした。
6階の三越劇場は小ホールで目の前が舞台なので、親しみ易い。お弁当を買って席に着く。
元禄バブルが弾け、世は不景気の真っ只中。豪商紀伊国屋文左衛門(林与一)も裏長屋でニートになっている。もう一度商いをしたいが元手がない。そこで元花魁の妻(淡島千景)が思いついたのが「生前葬」。文左衛門を死んだことにして香典を集め、それを元手に一商売し一周忌には倍付けで返すというもの。
計画は順調に進むが・・・次々に愛人や子どもが現れ、将軍吉宗からまで同郷のよしみで香典が届く・・・さあ、どうする?道化役(進行役)として、福の神と貧乏神が何度も登場、不景気を嘆いては「政権交代」を何度も口にするのには、笑いながらも驚いた。
史実に基づいているかどうかは知らないが、大いに笑い、大いに楽しませてもらった。
お芝居はほんとに面白い。 これを持って3日間の小旅行はオシマイ。