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Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

富山県宝生会春季能楽大会

2021-06-27 | 能楽

 コロナ禍のため能楽会の行事も延期や中止が続いているが、2年目の今年は公演が少しずつ復活している。 県宝生の会は昨年も開かれたが私は出なかったし、観にも行かなかった。 今年は早くから素謡「八嶋」のツレが当たっていた。 6月末なら体調も良くなっているかと思ったが一向に良くならないまま当日が迫って来た。

 6/26(土)、夫の月命日の日でお寺さんが早くからお参りに来られ慌ただしいのでお茶教室は休みにしてもらった。 午後、翌日の県宝生大会の準備(絽の着物や袴をチェックし、持ち物を揃える)。 翌日は集合時刻が早い。いつもと違う道を通ろうと思っていたし、試しに時間を測ってみようと思い立った。 富山能楽堂は富山空港の近く。 いつもは1時間近くかかる。 古沢経由の道も5分くらいの短縮なのでそう違わないとわかった。 能楽堂の裏のプロの先生方の駐車場には、すでに名前の書いた立札が立ち準備万端整った感じだ。 明日はいったんここに止め荷物だけ運び、一般駐車場へ回るつもりだ。 

 👆は、番組表と「八嶋」の本。
 この曲は「田村」、「箙」と共に勝ち戦の修羅物です。 舞台は八嶋の浦。 西国行脚の旅の僧が夕影せまる頃八嶋の浦に到着し、塩屋の主に一夜の宿を借りました。 この浦は源平両軍が合戦をした古跡なので、僧は主にその戦物語を所望します。 主は易
き事だと、元暦元年三月十八日の戦いの有様を詳しく、目の当たりに戦いを見るが如くに物語ります。 
 
 平家は海、源氏は岸にいて、義経が鞍に立ち名乗り上げた様子はさすがに大将であった。 平家方も口争いは終わり、船を寄せて磯に下りて敵を待った。 このアンダーラインの部分が私(主の従者)のセリフの内容だ。 ところが、「終わり」の文字がよく見えず「残り」と読んでしまった。 読んだとたんに慌てて、次の「一艘」を「一騎」と言ってしまった(お稽古の時も間違えた個所だ)。 船が馬になってしまったぞ。 さらに慌てて「下(お)り立って」を「くだりたって」とつなげてしまった。 ここまで2~3行の文を完全に創作してしまったわけだ。 戦の様子をシテとの掛け合いで再現する場面でかるく速めに謡う個所だが、勝手にリズムに乗ってごまかして
しまった…。 あ~ぁ である。 高めの見台を用意してもらい、眼鏡なしで読める配慮はしたが、一重に練習不足であった。 お役の方、地謡の方達に申し訳ない事であった。 ガックリして疲れてしまい、第2部が始まる前に帰って来た。


瑞龍寺 「燭光能」’21

2021-05-21 | 能楽
 
瑞龍寺「燭光能」 ’20

 今週初め頃から、東京方面からたよりが届くようになった。三鷹の義妹からは「まだバスに乗れない」と、川越の友人からは「早く電車に乗りたい」と、杉並に住む友人からは「孫に頼まれた急ぎの......
 

 

 👆 は昨年の「燭光能」の私のブログです。 無観客で行われたこと、高岡能楽会の定例能も中止になり、久しぶりのお能鑑賞だったことを書いている。 今年は、定例能が5/16(日)に行われ、「黒塚」を充分に堪能したので燭光能は無理しなくても、と考えていた。 が、整理券をいただいたので、瑞龍寺は近いことだし、出かける気でいた。 

 少し気温が下がり、2,3日肌寒い日が続き、背中がスカスカするな、と思っているうちに咳が出る、頭がぼーっとする、歯痛も始まる、24日(月)はワクチン接種の日だし、発熱すると大変、と思い取り止めることにした。 ようこ姫さん、なはさんには申し訳なかったが、法堂まで歩く元気も出ないのだ。

 👇は、「北日本新聞」のwebから。 ラインの「北日本新聞」には動画まで出ていた。 境内や法堂の様子、読経の光景、演能、瀬賀先生の大写しと笛の音。 こうして見るとやはり見たかったな。 渡邊茂人師は、おそらく瑞龍寺では初めてシテを務められるのではなかろうか。

 高岡 燭光能は、前田利長公の33回忌法要に3代藩主利常公が金沢のお抱え能楽師を高岡に招いて能を奉納、一般にも披露した記録が残っており、当時は瑞龍寺が建設中だったため加賀藩の御旅所(御旅屋町)で行っている。 これを再現して後世に残そうと保存会創立の昭和59年の利長忌から毎年奉納されている。…

 今年の能は、「杜若」。
  シテ:渡邊茂人  ワキ:苗加登久治 

  大皷:飯島六之佐  小鼓:住駒幸英  太鼓:徳田宗久  笛:瀬賀尚義
  地謡:藪俊彦 金森隆晋 山崎健 浅谷之信


高岡定例能 ’21「黒塚」

2021-05-19 | 能楽

 高岡定例能は、年に一度高岡伝統芸能館の能舞台で演じられるお能である。 一部で会員謡曲大会、二部でプロの先生方の、仕舞、舞囃子、能が演じられる。 昨年はもちろん中止、今年は一部の会員の謡曲は中止になったが、二部は開かれると聞き楽しみにしていた。 会員のための演能なので無料だが、入場できる範囲で友人に声をかけてもいい。 早くからSAさんを誘っていた。 自分の出番がないので車で一緒に鑑賞する予定だった。 会場に入るとなはさんもおられ驚いた。 植木屋さんが早く終わられたので、一部がない事も知らず早めに着いたのだそうだ。

 👇は、二部の番組表。 上部が欠けているが、仕舞は「三山」、舞囃子が「氷室」、能は「黒塚」である。 三人とも若き能楽師(数年前の”若き能楽師のサラメシ”で登場した方達)、金井先生、金森先生の息子さん達である。 金森秀祥先生は高岡市出身、市内にご実家もありお母さまが住んでおられる。高岡開町410年記念で関野神社で奉納謡曲大会があった時、まだ学生だった次男さんの舞姿に目を見張ったのを覚えている。 そして今回は長男さんが「黒塚」のシテ役を務められる。

 3人とも素晴らしかった。 特に「黒塚」のシテ(前シテ:賤女、後シテ:鬼女)、金森良充師は声がよく通り、ワキカセ輪(糸繰車)を回す賤しく静かな女と鬼女に化し怒る姿を際立てて表現された。

 私のすぐ前の席に座られた白髪の美しい方が、時々ハンカチで目を拭っておられ、「もしや~」と思って終演後尋ねたら、やはり秀祥先生のお母さんだった。二人のお孫さんの舞台に感無量だったのだろう。
 👇は、4年前の私のブログ「富山薪能」での「黒塚」である。 この時は宝生流宗家宝生和英師のシテだった。

山薪能 ’17 - Ruby の会 (goo.ne.jp)

 お能の後、なはさん、SAさんと「トワイス」で食事をしたのだが、その時SAさんが、「蒼山会・会報」の山崎先生の解説がわかり易く、自然に興味が湧いてくる内容で真剣に観た、とコメントされた。
 👇は、「蒼山会・会報」です。 すでに3号まで発行されました。 先生にぜひお伝えしなければ。

 👆の「黒塚」の最後には、こう書いてある。

 「… 夜も更け寒くなったので女は薪を取りに出かけます。 この後のワキヅレ(能では間狂言)の演技が面白い、とくとご覧あれ。 ついに閨の内を見てしまい女の正体が鬼女だとわかり、逃げようとしましたが丁度そこへ鬼女が帰ってきます。 さあ大変、鬼女は怒って打ち杖を持って襲いかかります。 僧は数珠をもみ一心に呪文を唱え対抗します。 さてその結末は如何に、しっかりとお能をご覧ください。」

 鬼女は力尽き果て、自分を恥じながら夜嵐の中へ消えていく…。 


能の舞さまざま~NHK「にっぽんの芸能」

2021-05-18 | 能楽

  5/14(金)夜9時、NHK Eテレ「にっぽんの芸能」で『能の舞さまざま』の言う番組を放送した。 朝刊の番組表で見つけ、すぐに録画、能楽お囃子教室のグループラインで皆さんに伝えた。
 高橋英樹さんの案内、成城大学教授大谷節子さんの解説で、よくまとまりわかり易く、映像も美しく、楽しめる番組だった。

 能の中の舞とは、詞を伴わず囃子(笛、小鼓、大皷、太鼓)だけで表現する舞のことで、リズムや動きを楽しみます。 👇のような種類の舞があります。

 お能「絵馬」では、流派により違うが観世流では、中の舞(ちゅうのまい)、神楽(かぐら)、神舞(かみまい)の3つの舞が次々と舞われます。 私たち「蒼山会」では昨秋の謡蹟巡りの旅で「石動山」へ寄った時、「絵馬」の素謡を奉納したが前場だけだったので全く知らなかった。

 👇は、平安神宮での薪能「絵馬」(半能)の様子。

 👇 能「絵馬」後場。 ワキ、ワキヅレが登場する。 中央は天岩戸。

 👇 天照大神の中の舞。扇を持つ。

 👇 月読の明神の神楽。 手にはご幣。

 👇 手力雄の明神の神舞。 榊を持っている。

 ここまで半能「絵馬」を鑑賞した後、いくつかの舞が紹介された。
 👇は、序の舞「羽衣」。

 👇は、早舞「融」。 厳島神社の観月能だそうだ。 波に舞姿が写り美しい。 写真には写っていないが、太鼓方を故観世元伯師が務めておられ懐かしい。

 

 続けて「枕慈童」の楽、「石橋(しゃっきょう)」の獅子などの舞も紹介された。 一つのお能をじっくり鑑賞する、名人の芸を堪能するのもいいが、舞だけを取り上げる今日のような企画も楽しいものだ。


「蒼山会・ミニ発表会」

2021-05-11 | 能楽

 5/9(日)に予定された「一河会」の謡曲発表会が10月に延期になり、一度はホッとしたのだが、「せっかく練習したのだからミニ発表会を…」との声が上がり、前日の8日(土)に「浅井コミュニティーセンター」で内輪の発表会が持たれた。

 当日朝、中田の義妹が甥が釣った鰤と鯛の切り身を持って来てくれた。 一人分の刺身用で見ただけで元気が出る。 それまでは頭がガンガンして1日中寝ていたい、謡の会も欠席したい気分だったのに、素謡のお役が当たっていたので稽古不足なまま昼頃出かけた。 元浅井小学校だった建物は、2階建てで、新しく、広く気持ちがいい。 体が動きにくくてお手伝いは何もできなかったが、声が出るように、お役だけは最後まで謡いきりたいと思い参加した。
 👇は 男性の素謡、「吉野静」と「忠度」。

  

 👇は、仕舞「西王母」。

 👇は、仕舞「経政」クセ。

 👇は、仕舞「放下僧」。

 👇は、仕舞「殺生石」。

 👇は、山崎先生の仕舞「善知鳥」。

   

 もちろん直会は無しで解散だったが、先生の講評をいただき、3月以降のお稽古の成果を確かめ合う良い機会だったと思う。
 ここ、射水市浅井は昔から庄川がよく氾濫した場所だったそうだ。 地名も「島」と言う。 高岡市内の「鴨島」が千保川の中に浮かぶ島だったように、昔は大雨のたびに川は水路を変えていたのだろう。 この近くに住み、浅井小学校の卒業生でもあるTAさんがそんな歴史を説明してくださった。
 👇 2階の窓から見える元川の土手だったと思われる花壇(写真はボケているが棚田のように見える所が花でいっぱいになる。

 

 

 

 

 

 


蒼山会謡曲大会’21

2021-03-22 | 能楽

 3/21(日)、「第41回蒼山会謡曲大会」が「高岡市文化芸能館」で開かれた。 病気や家の都合、またコロナ禍を心配して出席できない人もあり、例年に比べ番組は少なかった。 私も、初めて太鼓を諦め、謡だけで参加した。

 連調連管(笛と太鼓、謡のアンサンブル)の「絃上(けんじょう)」では、地謡で参加したが初めての経験で新鮮だった(覚えていなくて紙を見ながらだが)。 「青山」、「絃上」、「獅子丸」と言う3つの琵琶の話で、お囃子は「早舞」である。 調子の良いリズムで私の好きな曲だ。

 素謡は2曲。「嵐山」ではワキ(旅の僧)を務めた。奈良、吉野の桜を京都、嵐山に植え替えて、京でも花見ができるようにした頃の話だ。 待謡が長くて息が続かない箇所がいくつもある。体調のいい時は難なく謡える個所なのだが…。 もう一つの素謡は「龍田」、これは地謡だけ、気楽に謡えるからか伸び伸びと声が出た。

 最後に連吟で「井筒」。世阿弥の自信作だそうだ。帰らぬ夫を待ち続ける女の霊を描いたもの。「伊勢物語」の「筒井筒」を元に構成されている。 能では後場で、在原業平の妻(紀有常の息女)が帰らぬ夫の衣装を身にまとい、子どもの頃共に遊んだ井戸に我が身を映して懐かしみ、序の舞を舞い夫を偲ぶ…。 その場面をSIさんと連吟で謡う。 美しいだけ難しい曲で、私の僧(ワキ)が在原寺で夜の月を眺めながら眠り込み、有常の娘(シテ)の舞を夢の中で眺める謡も、雰囲気が出ていないと何度も注意された。 本番では、息が続かず途中何度も息継ぎするので、雰囲気どころではない出来で残念だった。 地謡にMAさんに入ってもらい心強かったが、それまでSIさんと二人で本当に苦労した。

 茶々姫さんが、午前の「子供能楽教室」受講生の発表からずっと、見所で聴いてくださり嬉しかった。 出番が多く、係りの仕事も少し手伝ったのでゆっくり話す時間はなかったが…。 いつもなら他の会員の謡や仕舞、来賓の方の舞台もゆっくり眺めるのだが、移動するだけで息切れがひどいのでほとんど控室で休んでいた。

 👇は、仕舞「経政」と「羽衣」。


  👇 翌々日の「北日本新聞」より、仕舞「鵜飼」。

 直会は、飛沫防止アクリル板パーティションでテーブルを仕切り、お酒のつぎあいは無し、で進められちょっと寂しい。 主宰の山崎先生は、子どもの頃家の近くに伝染病の隔離病院があったことを話され、今までも様々な感染症を克服してきた歴史に触れ、コロナウイルスに打ち勝つように力を合わせましょうと挨拶された。


「蒼山会謡曲大会」を前に

2021-03-20 | 能楽

 昨年の今頃、新型コロナウイルス感染が広がり始めた頃、私の所属する能楽の会「蒼山会」の節目の大きな発表会に向け準備をしていたことを思い出す。1年経った今年もまだコロナは収束せず、さらに私個人の問題だが体調は悪くなる一方で、声が出ない、息が続かないと言う段階を過ぎ、立ち居振る舞いや着付け、荷物を持って歩くことさえ覚束なくなってしまった。 まったく情けないが仕方がない。

 前日の今日20日(土)、「高岡市文化芸能館」で「ちびっこ能楽教室」のお稽古や、会員の仕舞や独調、連吟などの申し合わせがあり、私も出かけた。早めに起きて体調を整えたつもりだったが、一向によくならない。 声にも力が入らないがともかく合わせた。

 👇は、「枕慈童」の独調のお稽古。 

 一旦帰宅し、近所の美容院へヘアカット、髪染めに出かける。 私と同年齢の美容師さんとは、子供たちも同じ小中高へ通い、町内の行事でも一緒、趣味は少し違うがコーラスやお芝居は二人とも好き。 体の不調、80歳過ぎてからの生き方、確定申告のことまで…話はつきない。 いっぱい喋って、気分もスッキリ。 元気もりもりで帰宅した。 髪もきれいにしてもらい、明日はうまく行きそう…。


能「船弁慶」

2021-03-06 | 能楽
 
平米公民館「能楽お囃子サークル」

 毎週木曜日午後は、平米公民館の「能楽お囃子サークル」のお稽古日である。 3月半ばの「蒼山会」の能楽大会に向けて、お囃子、お謡、仕舞のお稽古に熱が入って来た。 いつもなら、覚えて、......
 

 👆は昨年の私のブログです。 昨年はコロナ感染が始まったばかりの頃で、細心の注意をして「蒼山会」能楽大会を開こうと頑張っていたことがわかります。私の体調も良くないのだけど、それでも今年よりはずっとマシだったことがわかります。今年は残念ながら太鼓は諦めて謡だけにしました。連調連管「絃上」(早舞)も打つ人が増えたこともあり、地謡を謡わせてもらいます。 他に素謡「嵐山」ワキ、「龍田」地謡、連吟「井筒」ワキです。声は少し出るようになり、喜んでいます。

 さて、お稽古の後金沢別会能のチラシをもらいました。昨年は券を買いながら中止になり、返金してもらいました。演目、出演者はほとんど昨年と同様です。能「船弁慶」の子方(義経)が代わったのは年齢の関係でしょうか?

 👇は、右が昨年のもの、左が今年のチラシです。

 👇は、右が昨年のもの、左が今年のものです。子方(義経)は藪先生の息子さんでしょうか。

 今年も、皆さん行きたいね、と券を申し込まれました。私は当日皆に迷惑をかけたくないし思案中です。

 先週日曜日に、NHK「古典芸能への招待」で金春流の「船弁慶」が放送されました。ちょうど「天国と地獄」と重なり、録画がうまく行かず後半だけ観ました。

 👇 静御前(前シテ)の舞。

 👇 義経(子方)との別れ。

 👇 間狂言(船頭)が船を出すところ。船頭の所作、セリフがリアルです。熱演です。

 👇 後シテ(知盛の亡霊)が波間より薙刀を持って現れます。義経は太刀を抜き、弁慶は経文を唱えて立ち向かいます。この部分は、よく舞囃子で演じられます。

 改めて面白いお能だと思いました。4月までに身体がもう少ししっかりすればいいのですが…。


再び大雪? & 「蒼山会」謡曲大会に向けて

2021-02-19 | 能楽

 2/17(水)演劇鑑賞会の会合の日だった。 何度か欠席しているのでもちろん出かけるつもりで準備をしていた。 ところが昼前から雪が降り始め、止む気配がない。 今のうちなら車は出せるだろうが、道路はどんなだろう。 ただただ降り続く雪を眺めていると気持ちが萎えて来る。 これも体調のせいだろう。 病院やスーパーなど、どうしてもの用事でない限り外出は億劫だ。 結局断りのメールを入れた。

 👇は、ようこ姫さんからの写真。小矢部川土手が「ホワイトアウト」状態だったそうだ。KIMG2537

 翌日、2/18(木)は平米公民館の「能楽お囃子教室」の日。 朝30cm以上の積雪。 玄関前とカーポート前を除雪しなければならない。 ゆっくりと少しずつ、私が歩けて車を出せる最小スペースだけ雪を横にずらした。 エンジンをかけてガガガっと前進すると道路に出た。 よし、これで良し!

 👇は、14日(日)の高岡能楽会の謡曲大会のKI新聞の記事。 姫さんが切り抜いてくださった。 写真は、舞囃子「胡蝶」の舞台だが、紙面のスペースの関係だろうが左端の太鼓方(MAさん)がカットされている。 地謡も隠れている。 先生方も当のご本人も、「ま、そんなこともあるでしょう」と言う感じ。 私一人が「プロのカメラマンなのに下手くそ…」とプリプリしていた。

 いよいよ3月の「蒼山会」に向けてのお稽古が始まる。 謡は3曲当たっている。 
 
 一つは「嵐山」のワキ。 有名な吉野の千本桜は見事な美しさだが、都からは観に行くにはあまりにも遠いので、時の帝が花の種を取り寄せられ嵐山に移し植え替えられた。 「今年の春の花は如何?」との思し召しで勅使が嵐山へ遣わされる。 すでに花盛りでまことに美しい景色であり、花の下には花守の老夫婦がいて木陰を清め、懇ろに渇仰している…。

 もう一つは「龍田」の地謡。 (いずれ紹介します)

 三曲目は「井筒」。これはSUさんとの連吟。私はワキ。 有名な在原業平が紀有恒の息女と夫婦で住んでいた在原寺を旅の僧が訪ね、昔を偲び二人を弔う話、の最後の部分だけを二人だけで謡う。

 一か月たっぷりとあるので十分にお稽古したい。


高岡能楽会定時総会&会員謡曲大会 ’21

2021-02-15 | 能楽
 
高岡能楽会総会~試しの舞台

 2/9(日)、高岡能楽会の定時総会が開かれた。会員謡曲大会もあり今年度の活動がスタートしたわけだ。他の会の方たちとは今年になり初めて会うわけで、「今年もどうぞよろしく」の挨拶の場......
 

 👆は、私の昨年のブログです。 「試しの舞台」とありますが、今年も同じように「試しの舞台」としたいところです。これはあくまでも私個人の事で、昨年は年末の検査入院後の舞台、今年はコロナ禍中の外出自粛が続く中での舞台です。 体調が思わしくなく、途中で声が嗄れる、息切れがひどくなることがお稽古中しょっちゅうあるのです。本番でそうなれば?と、そんなことが私にとっては大問題でした。
 高岡能楽会としては、昨年はコロナ感染予防のため、定例能、薪能、三派謡曲大会、市芸術祭などの中止が続き、会員も増えず、このままでは2,3年後には薪能も上演できない危機に陥るのでは、と懸念されるそうです。

 👇は、総会の模様。ちょうど高橋市長(高岡能楽会会長)さんが挨拶に来られました。今期で市長を辞められるので記念品贈呈式もありました。

 総会後も、仕舞、素謡、舞囃子と続き、最後に番外仕舞「半蔀(はじとみ)」を山崎健先生が舞われました。舞囃子「胡蝶」と「猩々」の写真だけ紹介します。

  
 私がシテを務めた「蟻通」は、とても難しく、にもかかわらずしっかりとお稽古しないので、前日の申し合わせでまだミスを連発、本番で息が続くか途中止まらないか心配でしたが、出来栄えは別としてどうやら無事に終えられました。  👇は、高岡能楽会HPより「蟻通」。

 素謡では「土蜘」が素晴らしかったです。5人のお役と地謡が皆さん、よく揃って力強く、特に若い方が全身で謡っておられる姿に感動しました。

 直会は中止でしたが、合い間に他の会の皆さんと話せて楽しかった。特に職場で一緒だった若い友人が、市の「学游塾」で仕舞を習い始めたと見に来ておられ懐かしく話しました。以前福島先生の会でご一緒した方などとも親しく話せ、良い一日でした。今年最初の「能楽発表会」をどうやらクリアできたので、今年も体調に気をつけながらお稽古を続けたいと思っています。


素謡「蟻通」のお稽古

2021-02-04 | 能楽

 2/4(木)、「能楽お囃子教室」のお稽古日だ。 最近は、スーパーと病院以外はあまり外出しないので、平米公民館でのこのお稽古は、とても大切で楽しみでもある。
 が、この日は朝からあまり体調がよくない。声もかすれて十分に出ない。龍角散を飲むがあまり効き目がない。早めに家を出たつもりだったが、先生を始め皆さんもう来ておられ、お稽古は始まっていた。階段を上がるのだけでも息切れが激しかったので、残念だが太鼓の練習は見学だけ。

 しばらく休んでおられたOさんが、久しぶりに出席されお菓子を下さった。通町の尾山梅花堂さんの「土蔵造」だ。同じ校下なのでよく知っているがこんなお菓子があるのだ! どんなお菓子か楽しみだ。

 太鼓は、「絃上」、「岩船」、「枕慈童」など。見ていると打ちたくなるが、膝を打って我慢する。

 10日後の「高岡能楽会・謡曲大会」で、蒼山会の「蟻通」のシテを務めることになっている。声が出るか、息が続くか、が心配だ。

 《あらすじ》

 紀貫之(ワキ)が、歌道を究めたいと願い、和歌の守護神である住吉・玉津島へと参詣に向かっていると、途中で、日が暮れて俄かに大雨にあう。 暗闇の中、乗っていた馬まで倒れ込んで動かなくなり、途方に暮れる貫之。
 
するとそこへ、一人の老神職(シテ)が現れた。この地を通るとき、馬から下りなかったのかと、神職は問う。 実はこの場所は、蟻通明神という祟りをなす神の聖域だったのだ。 恐縮する貫之へ、和歌を詠んで神に捧げるようにと神職は促す。 貫之が身の潔白を訴える歌を詠むと、その歌を納受した神慮によって、馬は再び息を吹き返した。 貫之は、祝詞を捧げるよう神職に願い、神職は祝詞を上げて神楽を手向ける。 やがて神職は、自分こそ神の化身だと仄めかすと、鳥居の陰に姿を消してしまうのだった

 👇は、ネットから能「蟻通」。左は、神職(シテ)が傘をさして現れるところ。右は、神職が祝詞を挙げているうちに神がかりになるところ。

 

 謡だけを謡っていると難しい言葉が多く、面白みがない能だと思っていたが、能を観るとどうも違うようだ。

 👇は、ネットで見つけた「蟻通神社」の写真と、神社のブログにアップされていた絵。傘をさす神職と馬に乗った貫之が描かれている。

        


能楽初稽古 & 病院

2021-01-14 | 能楽

能楽 初稽古

 お囃子のお稽古10日間続く… 大晦日の夜、「稽古収め」。と称してキッチンで笛と太鼓のお稽古をした。以来、今日1/9日まで10日間一度も休まず続けている。 最初はた......

 👆は、昨年の私のブログです。今年は~

 1/14(木)、平米公民館の「能楽お囃子教室」の初稽古の日。この日は午前中は厚生連高岡病院の定期検診の日だった。いつもならギリギリ午後のお稽古に間に合うはず、が、この大雪で診察の様子が予想つかない。念のため遅れるかも?とグループラインにメールを入れたら4人欠席とわかった。
 病院の方も来患者が少なかったか、早めに終わった。昼食は諦めて平米公民館へ向かう。駐車場はバッチシ除雪済み。笛や太鼓の音が外まで聞こえる。ああ、もう始まっているな~。なんか気持ちが湧きたってくるから不思議だ。「岩船」と「絃上」、一人2曲ずつお稽古をした。ほぼ一か月家に引き籠りながらもまったくお稽古しなかったのに、手付の紙を見ながらだが掛け声もそれなりに出て、腕も上がって、気持ちよく打てた。自分でもビックリ。
 ちょうど鏡開きの日で、公民館ではぜんざいをふるまってくださった。

 以前は公民館で餅つきをして鏡餅を作ったそうだ。今年は、近所の吉田屋さんのお餅。塩味が効いて柔らかくとても美味しかった。できれば大勢でワイワイ言いながら食べたかったナ。

富山県民芸術文化祭2020年参加・秋季能楽大会~能「竹生島」

2020-11-25 | 能楽
 11/22(日)、今年初めて富山能楽堂へお能を観に行った。県宝生会の春季大会も富山薪能も観に行かなかったからだ。秋季能楽大会は馴染み深い「竹生島」だということ、シテが宝生流宗家、宝生和英師と言うことで頑張って(?)行こうと決めていた。行くからには蒼山会の素謡「葛城(かづらき)」も聴きたい、富山のマンションへ郵便物も取りに行きたい、と早めに家を出た。
 👇は、富山県宝生会のポスター。

 能楽堂へは予定より早めに着けた。駐車場も良い場所が空いていた。荷物もないし、能楽堂玄関までゆっくりとマイペースで歩くのでそう苦しくはない。ロビーで蒼山会の方達と出会い、しばらく雑談した後会場へ入る。第一部の会員素謡を5,6曲聴けた。蒼山会は「葛城(かずらき)」、日頃聴けない富山の方達の素謡が勉強になる。

 第二部:舞囃子「葛城」 大坪喜美雄 
             大皷:飯嶋六之佐  小鼓:住駒俊介
             太鼓:麥谷暁夫   笛:室石和夫
             地謡:佐野由於 他
     狂言「柿山伏」 山伏:城戸絃詩   畑主:能村裕丞 
       
     能「竹生島」 ツレ:葛野りさ シテ:宝生和英
            ワキ:殿田謙吉 ワキヅレ:北島公之、綿貫多聞
            大皷:飯嶋六之佐  小鼓:住駒俊介
            太鼓:麥谷暁夫   笛:室石和夫
            地謡:大坪喜美雄 他    
 
 私たち「蒼山会」の山崎健先生も地謡4名の一人として参加しておられる。「竹生島」は何度か謡のお稽古をしており、「天女の舞」の後のお囃子「早笛」、「働き」は連調連管でいつも太鼓を打つのでお馴染みである。が、その速さ、激しさ、緩急の差に驚いた。
 舞台の写真がないので、3年前の高岡薪能(瑞龍寺境内)の写真を再アップします。その年、お盆にお墓参りに来られなかった息子が8月末に帰省し、ちょうど薪能当日だったので観に来て撮影したもの。

 👇 2017年・高岡薪能(瑞龍寺境内)











「伸謡会」をゆっくり鑑賞

2020-11-20 | 能楽

風邪が治らな~い !!

 「傘寿」なのに元気だね!などと言われ、いい気になって日曜ごとに行事を入れていた…。10月はどうやら順調に過ぎ…11月にもなると…。3日の市芸術祭は特に何ともなく…無事に終わり…。......

 👆は私の昨年のブログだが、ちょうど今頃体がだるくて仕方がなく、「伸謡会」当日も着物の準備もして来たのに途中で帰ったのだった。数日後貧血で検査入院をし、3週間も病院で過ごした。 今年は大事を踏み「伸謡会」は最初から欠席にしていた。おかげでと言うのも変だが、見所でたっぷりと皆さんのお謡、仕舞、お囃子を鑑賞させてもらった。ちょっと動くと相変わらずつらいが、座って見ている分にはとても楽しい一日だった。

 👇 素謡「殺生石」。久しぶりの姫さんの謡です。

 👇 川原子供謡曲教室の子供たちの仕舞。


 👇 独鼓「鞍馬天狗」。


 仕舞の地謡も独鼓の地謡も全部子供たちだけでしっかりと声を揃えて謡う姿は見事だった。
 👇 城端の方たちの「三井寺」。今年は「芙蓉会」に来られなかったので久しぶりの再会だった。健康のことも含め近況報告など、昼食の時間もあっという間に過ぎる。

 👇は、連調連管「西王母」。小鼓方4名が最前列、後ろに太鼓方、お笛方は橋掛りまで連なり、地謡方も大勢でそれは見事な演奏だった。心はウキウキし、体が弾んでくる。


 そして素謡2番を挟み、舞囃子が6番続いた。
 👇 「猩々」。若い知り合いの方の初舞台と聞き、ぜひ聴きたいと思っていた。2,3年前に金沢能楽堂で隣り合わせの席に座り、小鼓を習い始める話を聞いたのを思い出した。若い方が能楽を始められるのは本当に嬉しい。


 👇 「巻絹」。神楽の舞。

 👇 「葛城」。序の舞。

 最後に、「絃上」(早舞)で絞められた。一日たっぷりと座ったまま能楽に浸った。動かないで撮った写真ばかりですが、アップさせていただきました。

謡蹟巡り~石動山(せきどうさん)

2020-11-02 | 能楽

謡蹟巡り~「安宅」、「実盛」を偲んで②~多太神社(謡曲奉納)

 私が所属するお謡の会「蒼山会」(山崎健先生主宰)では、毎秋かならず謡蹟巡りの旅に出ます。日帰りと一泊旅行が一年おきです。よほどのことがない限り毎年参加しています。 今年は日帰りの......

 
 👆は昨年の私のブログです。👆にも書いてあるように、今年の「蒼山会・謡蹟巡りの旅」は一泊旅行で鎌倉方面へ行く予定だった。が、新型コロナウイルス感染を避けて一時は中止が決まり、その後日帰りの旅に変更して実施された。行先は、「氷見・藤波神社」と富山県と石川県との県境近くにある「石動山」である。
 「石動山」は今回で3度目だ。最初はやはり「蒼山会」から。が、金沢からの帰りに寄る予定が暗くなってしまい、しかも大型バスだったので麓から山上へ懐中電灯をつけて歩いた。ワイワイ言いながら。2度目は「義仲を巡る歴史の会(県民カレッジ)」からだった。

 今回は神社で「コロナ収束祈願」の謡曲や仕舞を奉納するので、しっかりとお稽古を積んで来たのである。
 👇 バスの中でいただいたパンフレットの表紙。「石川県中能登町 国指定史跡 能登石動山」とある。

 👇 「石動山 散策マップ。石動山山頂大御前(564m)に本社跡があるらしい。


 👆の地図の右の黒屋根の建物(復元された大宮坊)で連吟、独吟、仕舞、一調を奉納した。
 👇 奉納額の縮小コピー。「コロナ収束祈願 奉納」とある。
 
 まず、連吟で「絵馬」。次に、👇 独吟「駒の段」(小督より)。

 👇 仕舞「羽衣 クセ」。

 その後、仕舞「大江山」。
 👇 最後に、仕舞・一調「藤」。

 雨は止み明るいのだが、なにぶん暖房がないので寒い。この「大宮坊」は石動山の中心的な坊で、最盛期(中世)には360余の坊、江戸時代には58坊すべてを支配した別当寺として、高い格式と権威を有していたそうだ。焼き討ちに合うなど何度も焼失し、平成10年頃から発掘調査が始まり14年に復元完成した広い大きな建物である。