Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

ランラン川柳~最終回

2012-03-29 | 日記・つぶやき

 「アスパラ ネクストエージ」の”春号”が届いた。この号をもって終了するそうだ。したがって「ランラン川柳」も最終号となる。今回のお題は「新」または自由課題。

 受賞作を中心にいくつか紹介します。まず、過去15回の作品の中からの「最優秀ランラン大賞(自由)」は:

   赤ちゃんが  新米パパを  産み落とし    (54歳)  

* ランラン大賞(自由):
   ちょっとだけ  綺麗な嘘を  書く賀状     (58歳)

* 師範賞(新):
   新築の  頃は坂道  気がつかず       (66歳)
   新学期  ランドセルから  手足見え       (61歳)

* 佳作(新):
   手になじむ  頃に新機種  出てきそう    (73歳)
   あたらしい  恋らし散歩  せがむ犬      (72歳)
   新婚の  マニフェスト  いま命取り      (74歳)
   新米の  教師きたえる  新入生        (54歳)
   新品よ  使っていない  ボクの脳       (70歳)
   桜から  花は秋桜(コスモス)  新入学    (62歳)
   古着屋で  新たな服を  買う私        (33歳)
   アナログの  暮らしをとおす  新しさ      (61歳)
   新春の  シャンソンショー  言いにくい    (67歳) 
   新大臣  3月のちには  前大臣        (77歳)
   転勤の  度にカツラも  ニューモデル     (67歳) 
   新しい  眼鏡だあれも  気がつかん      
(72歳)
   筋忘れ  いつでも新たに  読める本      (58歳) 
   新婚の  頃は座れば  お茶が出た       (63歳)

《自由課題》
   万歩計  線量計持ち  いざ散歩        (63歳)
   里帰り  嫁の意向で  ホテル泊        (47歳)
   クラス会  初恋さがす  老眼鏡         (47歳)
   落ち葉焚き  人が散ったら  芋を出す     (73歳)
   着ぶくれの  せいにできるわ  冬が好き      (58歳)
   ワンコイン  ランチで捻り  出す学費      (67歳)     

 今回も、欄外掲載分も載せました。


SCOTの「シラノ・ド・ベルジュラック」

2012-03-27 | 映画・テレビ・演劇・芸能

 3月末と言うのに、またまた雪が降りましたね。25日(日)は霰が降るやら、陽が射すやら、訳の分らぬ荒れ模様の一日でした。

 その日、高岡文化ホールで、SCOTの「シラノ・ド・ベルジュラック」公演があり、観に行ってきました。文化ホールの公演の1,000円補助券を使わずにいたので、ちょうど持って来いでした。
 SCOTとは、言わずと知れた鈴木忠志さん主宰の劇団です。36年前に利賀村での演劇活動を始められました。腰を落としたまま歩く鈴木メソッドを取り入れた独特の演出で知られています。今までも、利賀山房や野外劇場で数回演劇を観ました。車椅子の「リア王」が印象に残っています。最近では、同じこの文化ホールで「エクソダス」を観ました。

 さて、「シラノ」は日本では人気のある演劇、「白野弁十郎」と言う翻案ものも聞いたことがあります。「鼻のシラノ」と言われる、この純愛物語はなぜか私の性に合わず、今まで 観たことがありません。1度は観てみたい、まして、SCOTならどんな舞台になるのだろう?と興味津津でした。(トップ写真はステージ…ネットより) ↓は、ホール入り口とポスター
        

        

 あらすじ:原作は、フランスの劇作家エドモン・ロスタン。
 鼻が大きくて醜いシラノは、従妹ののロクサアヌを愛していたが、彼女は美貌のクリスチャンを愛していた。シラノは自分の想いをロクサアヌに伝えるため、クリスチャンの恋文を代筆し、ロクサアヌは、その恋文の素晴らしさにクリスチャンを深く愛するようになる。
 やがてクリスチャンは、ロクサアヌが愛するのが自分ではなく、シラノの書く恋文であると知り、自ら望んで戦死する。クリスチャンが死んだために、ロクサアヌは尼寺に入る。シラノはロクサアヌを訪ねるが、その時シラノがクリスチャンの最後の手紙をそらんじて読み上げるので、ロクサアヌは自分が愛していたのはシラノだったことを悟る。(パンフより) ↓はシラノとロクサアヌ(ネットより…初台の新国立劇場にて)。

 何と言っても、鈴木氏の演出がユニークでした。ロクサアヌのセリフまわしは、歌舞伎のよう。5人の兵士たちは、明治維新の頃の侍のような衣装。器械体操のような所作とかけ声は、不気味な雰囲気。また、5人の芸者たち・女中たちは和服と洋服を折衷したような衣装をつけ、あの独特の、コサックのような歩き方、つま先から床に着ける歩き方が見事に決まっています。音もなく静かに、素早く、登場し、退場する、セリフはないが、重要な役回りです。
 ロクサアヌへの自分の想いを、美しい言葉を連ねて告白するシラノ。よどみなく朗々と、歌いあげるように。

 そして、所々で流れる音楽が、ヴェルディの「椿姫」。「乾杯の歌」や他にもよく聴きなれたアリアの旋律が高らかに響き、否が応でも感情が高ぶります。鈴木メソッドに圧倒され通しでした。言葉では上手く言えないので、You Tubeをコピーしました。短いので開いてみてください。 (初台の新国立劇場にて)

http://www.youtube.com/watch?v=yJN6sXCMqKQ

 利賀村は南砺市になり、この公演も南砺市が共催です。開演前に中学生が列を作っていたので、どこから?と尋ねると井波中学校の2年生とのこと。この悲恋に泣く「男の心意気」が理解できただろうか?


お雛さまと「やさしい魚(うお)」

2012-03-25 | 合唱

 3/24(土)、朝から3つも「今日行く所と用事(教育と教養)」があり、忙しい日だった。更に一つ増え、4か所を回った(最近はこんなことがないようにしているのだが)。GSでガソリンを入れ、演劇鑑賞会の会議に出て、茶々姫さん宅に寄った。
 高岡市坂下町の「ツルヤ人形店」が閉店するので雛人形のセールをしており、ようこ姫さんが買って来られた「内裏さま」を見に行ったのだ。このうえなく美しい男雛、女雛にうっとりする。お顔をよくご覧ください。(いずれ姫さんのブログにもアップされます) 心が癒されますね。

      

      
 コーヒーをいただき、しばらく雑談し(お茶のお稽古は欠席するので)、いったん帰宅。MiTUのアルトパートの練習にTaさん宅に駆けつけた。

 私たち、合唱団「MiTU」の今年のコンサートは、5/27(日)、モーツアルトの「雀のミサ曲」、源田俊一郎編曲の童謡メドレー、川崎洋の詩による組曲「やさしい魚」を歌う予定だ。童謡は知っている曲ばかりなのに、意外と難しく、速くて口も回らず苦労している。「証城寺の狸囃子」で読経が出てきたり、とても面白い編曲なのだが、♪ポコポコポン ポンポコポコポン♪など、上手くリズムに乗れず手こずっているのだ。童謡の練習のため、アルトパートは3月に入るとすぐにパート練習を始めた。

 でも、この曲までは、いつものようにテナーのAさんが、各パートの「音取りCD」を作ってくださり、個人練習も、パート練習も大助かりだった。だが、いよいよ「やさしい魚」のパート練習を次回から始めようと言う時、どうやって練習しようか?と誰もが思った。「音取りCDがあればね~」と言うOさんの呟きを聞き、Aさんからソフトを送ってもらい、自分なりに暇にまかせ、楽譜を入力してみようと思った。↓は楽譜。
      

 次の練習日にAさんにお願いし、ソフト(テキスト音楽「サクラ」)を送ってもらった。私がインストールするのに手こずっていると、傍にいた娘が、Googleで「やさしい魚」を検索したら、「合唱」ではなく「音源」が見つかった、と言うのだ。なんと、塩尻市民合唱団が作成したパート別音源がアップされているのだ。パソコンから音声が流れた時は、「ブラボー!」と手を叩きたいほど嬉しかった。さっそくAさんに送り、CD作成をお願いした。自分だけ持っているのは勿体なくて、すぐに、アルトのKiさんとTaさん(メールアドレスを知っているのは二人だけ)にも送った。
 その後、Kiさんは、戸出の「100満ボルト」へ2日間通い、店員さんにCD化する方法を教えてもらわれた。その執念たるや、涙ぐましいものがある。そんなわけで、次週には、希望者全員に「音取りCD」が配布された次第である。
        

 車の中や、台所で仕事をしながら流すもよし、楽譜を開ききちんと練習するもよし、ともかくこれで自習ができる、と言うもの。Taさん宅でのアルトパート練習もかなり捗った。私自身は都合で2度も休み、この日、24日に参加して皆の上達ぶりにビックリした。まだまだ速い部分は、リズムに乗れないが、鼻歌で歌えるほどにメロディーはかなり覚えた。アルトは半音が多く、転調もあり、とても難しいのだ。でも、本番には、皆さんに美しいハーモニーを楽しんでもらいたいし、自分達も楽しみたい。

 

 ちなみに、4つ目の用事は、夜の町内の自治会の新班長会でした。今年度は私が班長。これで最後のお務めになるだろう。


能「藤戸(ふじと)」~”蒼山会能楽大会 ’12”

2012-03-23 | 能楽

 3/18(日)、「蒼山会能楽大会」が開かれた。米島和秋さんの「師範披露」の会でもあり、念のため開演時刻が15分早まった。番組1番の私たちは8時集合だった。高岡市青年の家の玄関には、すでにお祝いの花々が一杯。(トップ写真)
 なはさんが大門から聴きに来てくださり、私たちの素謡「松虫」の写真も撮ってくださった。↓は、連調連管「早笛・舞働」。左、紋付袴のお笛の男性が、この日演能をされる米島さんです。
        

 ↓は、恒例になった「ちびっこ能楽教室」の仕舞と連調連管。連調連管は「竹生島」の早笛入りで、コイ合いの手も入り、長く難しい曲。大人顔負けの見事なアンサンブルでした。これは、高岡市生涯学習センターが「プレミアム講座」として数年前から開いているもので、山崎先生(謡と仕舞)、瀬賀先生(笛)、上田先生(太鼓)が指導しておられます。
        

        

 舞囃子「胡蝶」(これについてはいつかまた書きます)が終わり、いったん帰宅。娘を連れて会場に戻った。見所には観客がどっと増えていた。なはさんの他に、佐○さん、安○さん、もちろんようこ姫さんの顔も見える。そのうち高橋市長も来られ、緊張した雰囲気の中でいよいよお能が始った。

 《能》 師範披露 「藤戸」
 シテ:米島和秋 ワキ:苗加登久治 ワキヅレ:北島公之 
 アイ:荒井亮吉
 大皷:野尻哲雄 小鼓:住駒幸英 笛:瀬賀尚義 
 地謡:大坪喜美雄、金森秀祥 他
 後見:広島克栄、山崎健

 あらすじと能面について、↓のブログに書きましたのでご覧ください。 
 http://blog.goo.ne.jp/67kiyoh/e/6284869cdb563995a702a73705ecaf1a

  http://blog.goo.ne.jp/67kiyoh/e/10118617f0b8b70162a0044a53c1536e

 〈次第〉の囃子が始ると、佐々木盛綱(ワキ)が郎等(ワキツレ)を従えて登場し、先陣の功で備前の児島を賜ったと述べ、訴訟ある者は名乗り出るようワキツレに触れを出させます。
      

 〈一声〉の囃子で、漁師の母(前シテ)が登場します。(能装束とは言え、地味な着物)
          

 母は、「昔の春に戻りたい」とさめざめと泣きます。
     

 盛綱が訴訟ある者と見て尋ねると、我が子を海に沈められた恨みのために来たと訴え進み出ます。盛綱は最初は、知らぬふりをしますが、子を亡くした母の悲しみに心打たれ、真相を告白します。
          

   子に先立たれ生きる支えを失った母がついには感情の高まるまま「我が子と同じ道になして」(同じ様に殺してほしい)と詰め寄り、ワキに払い退けられて伏し、「我が子返させ給え」と手を差し延べる所は、哀しい母の心情が表れ、涙が出そうになります。(横にいた娘は涙を浮かべていました。)
       動きは少ないですが、シテとワキの緊迫した場面で、シテは、向きを変えるだけで座ったままの所作が多く、難しいところでしょう。 

  ワキはシテに 弔いと、残された身内を助けることを約束し、下人(間狂言)に命じ家に送らせます。(中入り) ワキとワキヅレは弔いをします。
           

 〈一声〉の囃子で、漁師の亡霊(後シテ)が登場します。薄い水衣に腰蓑という出で立ちは漁師の姿です。杖にすがり、茫々とした黒頭と〈痩男〉の面は、シテが迷える亡者であることを表しています。
        
        

  亡霊は殺された時の有様を再現して見せます。特に杖を太刀に見立てて突き刺すところ、海に沈められて漂うところは、謡の言葉がはっきり聞こえなくても、想像しながら見ることができます。「能はイマジネーションで観る」と山崎先生はよく仰いますが本当にそうだと思います。
           

        

                          

         

  最後には、盛綱の弔いにより成仏して消えて行きます。

 「藤戸」は、「天鼓」と同じように、権力者により我が子を殺された親を前シテ、その子の亡霊を後シテとしたものでよく比較されるそうで、作者(たぶん世阿弥)は、「平家物語」巻十の話を基に、前場に母親を登場させ能にしました。 

 前半、無言で退場してゆく母の姿は哀れですが、領主の盛綱にくらべて、よほど人間的に強く、情愛に満ちて見えます。母の強さだけでなく、人間としての生き方を盛綱にも、観る者にも問いかけています。
 漁師の亡霊が成仏するのも、恨みや悲しみを、精神力によって喜びに変える、ことを観る者に伝えているのではないでしょうか。

 今までは、美しい能、勇ましい能、などとストーリーだけを追って観ていたが、今回、米島さんがシテを演じられると言うので、いろいろ読んだり調べたりして、少し見方が変わったか、と思う。
 さて、演能の後は、ニューオータニにてパーティが開かれ、市長さんを始めたくさんの人がお祝いに来られた。米島さんはお孫さんたちより花束を贈呈され、とても嬉しそうでした。ご苦労さまでした。


シニアのびっくり!楽しい!情報革命?

2012-03-21 | イベント

 3/17(土)午後、ウイングウイング高岡6階、男女平等推進センター会議室にて、「シニアのびっくり!楽しい!情報革命?高齢者、障害者の暮らしを変える、支えるICT最前線」と題する講演会があった。講師は「老テク研究会」事務局長 近藤則子さん。「東京大学先端科学技術研究センター人間支援工学分野交流研究員」と言う長い肩書も持っておられる。(実際には、気さくで元気なおばちゃんのイメージ。民生委員もしておられるそうだ。)
 主催は、e-toyama福祉部会。NAT(NPO法人ネットワークアシストたかおか)の共催である。昨秋以来娘がNATのお手伝いをしているので、今までもNATの事業を何度かブログで紹介した。今回は、高齢者の暮らしを支えるICT(Information & Communication Technology:情報通信技術)と言うので興味があり参加した。

 午前中はふれあい福祉センターで過ごし、「高福レストラン」で昼食後、なはさんと一緒にウイングウイングへ
 1時間半近くのプレゼンテーションの後休憩が入り、その後はフリートーキングだった。
       

 まず、米国のシニアネット代表 ルース・ギャレット博士(76歳)の言葉に納得する。”Refirement! not Retirement." (60歳は定年ではなく再点火の時、再点火のボタンはパソコンです。)
 そして、米国のシニアネットを参考に、日本のシニアネット活動を支援している例をたくさん紹介された。また、米国、韓国、オーストラリアの仲間と交流をしている例も。(その中の「メロウ倶楽部」は高岡にも会員が多く、代表のimaichiさんも出席しておられた)。

 事例を2つ紹介します。
 *電脳雛祭り:パソコンを使って雛祭を楽しむつどい。他地区のクラブ同士が交流できるし、病気や介護で外出の難しい高齢者、特に女性たちが自宅からも参加できる。スカイプで、画像を見ながら音声で話し合いもできる。

 *『おはよう伝言板』(大阪富田林のきんきうぇぶ):携帯電話を使って、毎朝メールが届く。返信して元気なことを発信し、相談や買い物も頼める。

 ◎ シニアはICTの何に困っているか?

   *聞いたことがない カタカナの意味がわからない。
   *使い方を教えてもらっても すぐ忘れる。
   *周りに使っている人がいないから メールを送る相手もおらず楽しくない。 
   *耳が遠くなり 電話の声が聞きとりにくい。
   *携帯電話を持っていても 電話をするのがやっと。
   *地デジテレビのリモコンボタンが使いこなせない。

 すべて当てはまりますね。

 ◎ シニアがICTを使えるようになるには?

   *今ある端末やサービスを学べるしくみを作る。→シニアネットクラブの普及。
   *良い講師を応援する。→インターネットイベントで盛り上げる。
   *高齢者に使いやすい機器やサービスを開発する。

 ◎ 一番重要なのは シニア自身に使いたいと思ってもらえること
   *楽しくないと使わない!
        面白くってためになる!
      少し お金になって
           みんなに喜んでもらえる!

 ◎ シニアがICTを使えると助かる(うれしい)のは誰?

   *娘(息子):携帯電話を買って連絡できるようになり、少し心配が減った。
   *町内の役員:防災訓練の連絡がメールでできるようになった。
   *自治体職員:避難所への情報提供など高齢者への連絡がやりやすい。
   *企業:ネット通販を利用してほしい。  

 災害時に、情報機器を使うことにより、社会での弱者である障害者、高齢者、子どもたちも必要な情報にアクセスでき、被害を免れることができる、と言うことも強調された。
 和やかなムードで終わった座談会の最後に、「こんな活動のパワーになる人は、”よそ者・若者・バカ者”ですよ。私はよそ者、皆さんは若者です。そんな人を巻き込んで活動を広げてください。」と仰った。皆が、「いや、私たちはバカ者です。」と応酬し笑いとなった。午前のふれあい福祉センターでの活動と言い、確かにその通りだと思った。


「高岡いいまち!協働のまち!」活動紹介フェスティバル

2012-03-19 | ボランティア

 3/17(土)、高岡市ふれあい福祉センターで、「高岡いいまち!協働のまち!活動紹介フェスティバル」があった。高岡市内で活動、活躍するボランティア、NPO, 市民団体、個人など、活動をアピールしたい人たちが集合し、紹介しあい、交流する会である。
 毎秋、「ボランティア広場」が開かれ、ボランティア連絡協議会に参加する団体はお互いに顔を知りあっているが、それ以外の名前だけ知っている団体とも交流できる、と言うのが楽しみだった。午前中は、「音訳ボランティア・あかね」のブースの当番だったので早目に行った。

 多目的ホール内で、ステージ発表、ブース展示があり、入り口付近に販売コーナー、サポナビ体験コーナーやNPO相談コーナーがあり、と言うふうに狭いスペースに全部まとめてある。隣のブースもすぐ見られるし、ブースを見ながらステージも見られるし、こう言うやり方もいい。
 11時に、入り口付近で「開会式」があり、テープカットも賑やかに簡素に行われた。↓は、挨拶と利長くんと家持くんのテープカット。
  

          

 まず、「協働」のシンボルマークの表彰でステージは始った。↓は、入賞者発表と表彰。採用されたのは高岡工芸高校の生徒さんの作品。
         

 その後次々にステージ発表が続いたが、先に、ブース展示をいくつか紹介します。↓は、私たちの音訳ボランティア「あかね」と、読み聞かせボランティア「らっこの会」のブース。「らっこの会」では乳児のあどけない笑顔がいっぱい。「あかね」は、「市民と市政」のカセットテープ録音の手順を紹介した。       

 ↓は、向かいのブースの「地域女性ネット」と「お産の学校」。「お産の学校」って?赤ちゃんをおんぶした若いママさんが二人で展示の最中だ。        
          

         「お産の学校」とは、妊婦さんだけでなく、これから出産を経験するだろう女性はもちろん、女性に限らず男性も、1度出産し次の出産に備えて来る人もおれば、娘のためにと子育て一段落した人も、さまざまな角度から『お産』を見つめる学校とのこと。
 いのちの上映会、食事と栄養、骨盤の仕組み、母乳育児の話…など12回の講座を受講すると卒業式で卒業証書がもらえる。小児科や産婦人科のお医者さんがサポートをしているようだ。

 ↓は、友人のつもさんが代表を務めておられる「シャキット富山35」。男女平等社会の実現を目ざし活動している。(トップは「金屋町まちづくり協議会」制作の金屋町の模型)。
        

  ↓は、「おもちゃ病院ぺんぎん」。
        

 さてステージは、↓の「リンベル」で始った。       

 
 ↓は、「車椅子レクダンス」。車椅子に乗っている人は観客から募って。踊りやすく楽しそう。私も座ったままで手を動かした。
          

 ↓は、「NPO法人親と教員の会こどものその」の園児たちと先生と親。なかよく”Believe”などを歌った。      
        

 ↓は、「自転車じゃんけん宅配便」。何だかわかりますか?注文の電話を受けると、自転車でその家まで駆けつけ、じゃんけんを届けます。ハイタッチをしてからジャンケンポンをする宅配便。面白いですね。他にもユニークな活動がたくさん紹介されていた。 そうこうしているうちに、なはさんが見学に来られた。なはさんは、大門で、「おたよりボランティア」をしておられる。一人暮らしのお年寄りに配るお弁当に季節のおたよりを添えるボランティアだ。高岡のグループを見学に来られた。
 一緒にあちこち覗いていると、かつて同じ職場にいた森○さんと会った。私がそうではないかな~と思いながら声をかけそびれていたら、なはさんが「あらぁ、お久しぶりやね~。お元気でしたか」と話しかけられ、久しぶりの再会を果たした。森○さんは、「病院ボランティアすずらん」に所属して活動しておられる。

 その再会も嬉しかったが、もう一つ嬉しかったのは、私たち「あかね」のコーナーへ、子どもをだっこした若い女性が、「ずっと、音訳に興味があったのですけど、どんな活動をしておられるのですか」と尋ねて来られたこと。転勤で横浜から転居して来たそうだ。子どもを保育園に預けている時間だけ、何かやってみたいと思っているとのこと。Iさんが、活動内容を説明し、次回の例会にお誘いしておられた。

 「富山新聞カルチャー祭り」とは別の、「いいまち高岡」を目ざすボランティア・NPO・市民団体のお祭りだった。佐○さんとも会ったので、センター内の「高福レストラン」で食事をした。        


富山新聞カルチャ祭り 2012・作品展示と舞台発表

2012-03-17 | イベント

 3/10、11(土・日)の2日間にわたって開かれた「富山新聞カルチャー祭り」は、なかなか大規模なものだった。富山県高岡文化ホールと高岡スタジオ(高岡市中川)の両方で、「作品展示会」、「舞台発表会」、「体験教室」、「お茶会」など、高岡スタジオでは、「水泳大会」、「囲碁大会」、「社交ダンス」など、くらうん会場では「コーヒー教室」まであり、パンフレットを見るかぎり、アレもコレもと触手が伸びる。2会場を回ると粗品がもらえる「スタンプラリー」まであった。

 だが、そんなに回れるわけはなく、特に今年は体験教室めぐりが目的だったので、舞台は友だちが出る番組だけ。
 ↓は、千吟会の詩吟「西郷隆盛」と、「楽しい新舞踊」のステージである。
                             

 作品展示も、友だちや知り合いの作品だけ。↓は、手毬と木目込み人形(トップも)。        

        

 作品を眺めていると、どこからともなくBGMが聞こえてくる。見ると、キーボードの体験教室らしい。なんと座って童謡を弾いている後ろ姿は、MiTUの仲間。あまりの熱心さに声をかけそびれた。「簡単キーボード」と言うの体験教室。来年はぜひこれも体験したい。
           

 富山新聞文化センターは、高岡教室の他に、富山はもちろん射水、新湊、氷見、小矢部、砺波、戸出教室があるようだ。全部でいくつの教室があるのか、チラシにはぎっしり細かく載っている。4月開講の新設講座に、「紅茶学」「フラメンコ」「漆芸入門」などなどがある。なんと多くの人たちが趣味やお稽古を楽しんでいることか、驚くばかりである。


能面「藤戸(ふじと)」

2012-03-16 | 能楽

 3/14(水)は久しぶりの晴天でした。急に用事で「米島モータース」に行くことになり、期せずして「能面」を見せていただくことになったのです。(と言うわけで、カルチャー祭りの体験コーナー訪問はお休みします)

 「米島モータース」は赤祖父、高岡総合庁舎のうしろ、クロネコヤマト宅配便のお隣にあります。近づくと、今までなかった「万葉の里」の大きな看板が上がっています。利長くんとかたかごの花が青空に鮮やかに映えています。
 社長さんの米島和秋さんが、3/18(日)、高岡市青年の家能舞台でお能を演じられます。山崎健先生の謡の会「蒼山会」能楽大会で、師範披露をされます。(詳しくは、↓の案内ブログをご覧ください)
 http://blog.goo.ne.jp/67kiyoh/e/6284869cdb563995a702a73705ecaf1a

 事務所でコーヒーをいただきながら、いろいろお話を聴ききました。「藤戸」は、1時間10分の長い能で覚えるのも大変であり、どんな日でも1日2時間のお稽古は欠かさないそうです。また、前シテは母親、後シテは息子の亡霊と言うように別人物であり、演じ分けやワキとのやりとりも難しいお能のようです。

 「ずっと聞きたかったのだけど、面(おもて)は両方ともつけられるの?」と聞いてみました。と言うのは、今までの演能の際は必ずご自分用に新たに能面を作ってもらい、自宅の座敷の能舞台に飾っておられるからです。
 「ああ、二つとも作ってもらった。見せてあげようか。」 願ってもないことです。そして、わざわざようこ姫さんと私二人のために持って来て、見せてくださいました。それが、↓の二つの能面です。一足早く紹介いたします。

 まず、前シテ用の「曲見(しゃくみ)」。中年の女性に使う面で、両頬にえくぼと言うか皺が刻まれています。「藤戸」では、息子を殺された母親の役で使われます。この細い目から外を見ながら演じられます。
   

 次に、後シテ用の「やせ男」。怨霊に使う面です。「藤戸」では、若い漁師の亡霊に使います。目が飛び出していて、自分の目との距離があり、外を見づらいそうです。
   

 ↓は、「曲見」の裏側です。額や両頬に綿や布をつけ顔に安定させます。
   

 ↓は、漁師の亡霊が持って出て来る杖です。家にあった竹で作ってもらったそうです。
   

 前場(まえば)では、母親が、佐々木信綱(ワキ)の太刀を奪い取ろうとしてつき返され、へなへなと座り込み(大事な見せ所の一つ)、すごすごと帰って行き、「中入り」になりますが、その間に、面と装束を変えるのです。その舞台裏を見たい気もします。
 さて、後場(のちば)では、漁師が自分が殺された時の有り様を、波間に浮かみつつ、または沈みつつ現わして見せます。ここが最後の見せ場だそうです。(山崎先生の解説より)
 
面を見せてもらい、解説を読み、ますます「藤戸」を見たくなりました。

 当日は、高岡市長も観に来られる予定です。


富山新聞カルチャ祭り 2012・色鉛筆水彩画と沖縄三線

2012-03-15 | イベント

 3/11(日)、高岡文化ホールで、富山新聞カルチャー祭りがあった。1時過ぎに友だちが「新舞踊」に出演するのでホールに入った。いくつか前の番組から見たら、千吟会の詩吟にKaさんが出ておられた。その次が、Saさんの舞踊、習い始めてから何年だろう、熱心にお稽古を積まれた成果が充分に発揮され、落ち着いたきれいな踊りだった。
 「和庵」でランチを食べた後、案山子さんと「はじめての沖縄三線」の席に座る。まず、撥の持ち方を習う。↓、右手人差し指を中に入れ、親指で押さえる。

 ↓ 3本の弦をはじくと音が出ます。

 左手で弦を押さえると、音階が鳴らせます。沖縄音楽の短調のような音階です。体験はそこまで。曲は弾かせてもらえなかった。

 私に教えてくださった先生です。射水教室で教えておられます。

 次は、色鉛筆水彩画。水性色鉛筆を使います。家にある子どもの使い古しではダメのよう。
     

 花の絵の下絵をコピーした紙と、水性色鉛筆が準備されている。ようこ姫さんは、「朝顔」、私は、「百合」を選んで書きはじめる。先の尖った色鉛筆の先端を使い、線を引くように色を塗る。塗りつぶしてはいけない。なかなか根気のいる作業だ。
     

 完成したようこ姫さんの朝顔。粘って最後まで描きあげられた。私の百合は、未完成のまま持ち帰り。
        

 ↓は、展示室に飾られた教室の生徒達の作品。花、景色、人形など何でも素材になるが、実に細かい描写である。
            

 ↓は、講師の先生の作品。キーボード教室のグループ発表会の時の記念写真をもとに描いた色鉛筆画です。本当の写真のようで、絵とは思えない。
   

 ↓は、案山子さんのグループ。皆さん、カラーコピーをもらったそうです。
          

 ところで、昨日絵葉書の整理をしていて、以前ようこ姫さんにもらったお手製の絵葉書を文箱の中に見つけた。彼女はずっと前から、水彩画に興味がありよく描いておられたらしい。タチアオイの花だ。
        

             


富山新聞カルチャ祭り 2012・透明水彩とアートラッピング

2012-03-14 | イベント

 3/10(土)、11(日)、高岡文化ホールで「富山新聞カルチャ祭り」が開かれ、踊りやキーボードを習っている友人からチケットをいただいた。土曜日は、久しぶりのお茶教室だったので、日曜日寒い日だったが、午前中から出かけた。ロビーでようこ姫さんと待ち合わせ。私は1昨年、やはり寒い日に来た覚えがある。

 たくさんの教室があり、たくさんの展示物と体験教室、ステージもたくさんの出しものがあった。少しずつ紹介します。
 最初に座った体験教室は、↓のコレです。
         

 先生のお手本を見て、富士山を描きます。紙と鉛筆、パレットに出した絵具、筆、水入れ、タオルなどなど、すべて一人分ずつ用意されています。絵の好きそうな小学生、男性2人、女性4人が生徒でした。
         

 ↓は、私の「富士山」、上に見えるのがお手本のコピーです。小中学校の美術の時間に描いて以来の水彩画。もう少し、上手く描けるかと思ったのに思うような色も線もだせません。「透明水彩」で、白い絵の具がなく、白は紙の色のまま、と言うのが難しい。
         

 次に「アートラッピング」の教室へ。「シャツ折り」で紙袋を作ります。よくもらうけど、自分では折り方を知らないので、応用できれば嬉しい。
 長方形の紙を使います。まず、短い方を片方を5cmほど折り、長い方は中央に向かい…予め折り目をつけておく…両端から折ります(中央を5mmほど重ねます)。
              

 ↓のようになります。
      

 5cm折った部分を上にして、シャツの袖を作ります。
      

 ↓は、裏から見たところ。
      

 次に、裾の部分を1cm巾に2回重ねて折り上げます。
         

 次に、↓のように、裏返し、重ねた部分を上にして襟を作ります。
     

 次に、↓の部分を、上に折り曲げて襟の下に挟みます。
       

 好みのリボンで結んでもよし、ネクタイをつけてもよし。↓は、左が私の作品、右は隣の若いお姉ちゃんの作品です。
             

 縦長の長方形の紙を使うと、もっと長い品物を入れることができるし、小さな紙で作ると楊枝入れにもなります。
 ↓は、ようこ姫さんの作品です。
      


娘の誕生日

2012-03-13 | 日記・つぶやき

 「三寒四温」は、中国北部や朝鮮の冬季の天候を言うそうですが、日本では春の初めによく使われますね(冬の季語だそうですが)。たしか、「春一番」が吹いたとのニュースも聞いたのに、今朝から真冬のようなぼたん雪が落ちました。昨日3/12は、娘の誕生日。「誕生日のお祝いの雪?」と娘は言っていました。彼女が生まれた年は、暖かい春で、予定日近い日に実家の近くの桜並木を散歩した話などを思い出して話してやりました。

 前日、「富山新聞カルチャー祭り」の帰りに、久しぶりに”samasama”に寄ると、テーブルの上に可愛い木の鳥(トップ写真)が置いてあります。背中をめくると赤ちゃん鳥が入っています。疲れていたので菊花茶を注文し、飲みながらゆっくりくつろいでから、帰りがけにふと思いつき、その鳥(クジャク)を買って帰りました(630円)。↓は、いつもの美味しいドライフルーツと菊花茶。チーズケーキはようこ姫さん持参のサービス券で。
         

 帰宅後娘に渡し、「プレゼント」と言うと、「へ~、何コレ?」 考えてみれば娘と一緒に誕生日を迎えるなんて、10数年ぶりです。定位置はテレビの前。すでにいろいろな動物が住まいしているので、娘は「こんにちは。仲間に入れてね。よろしく」などと言いながら飾りました。品物のプレゼントより、航空券の方が助かるようです。 
    

    

 誕生日当日には、マークからお祝いの花束とカードが届きました。年暮れに新年の紅白の生花をもらい、玄関に生けたのが少し色あせてきたところ、さっそく生けました。春の花、バラ、ストック、スイートピー、カーネーション…などなど、ピンク系でまとめてありました。
        

     

    

    

 玄関が、また明るくなりました。


マーク・セフトン 習作展

2012-03-12 | その他

 我が家の娘婿になるマーク・セフトンは、イギリスで仕事の傍ら絵を描いています。メールで時々写真が送られて来ますが、娘が”48arlington” と言うサイトを作りました。その中から何点か、私の好きな物を紹介します。(トップは”Music”・・・タイトルは娘が勝手につけました) ↓は、”Field(野原)"
       

 ↓は、”A study of scarlet(赤の習作)"
       

 ↓は、上から順に、”Forest(森)"、”Coast(海岸)"、”A view of the sea(海の風景)"
                  

            

           

  ↓に、他の写真も載っています。興味のある方はご覧ください。

   http://48arlington.wordpress.com/ 


久しぶりのお茶のお稽古

2012-03-11 | 日記・つぶやき

 昨年末からずっと、積雪で駐車場が使えないためお休みだった茶々姫先生のお茶教室が3月から再開された。3日は弟子たちにそれぞれ予定が入っており、残念ながらお休み。10日(土)が、遅まきながら「初稽古」だった。だが、二人欠席、一人はお孫さん来訪のため早目に来て早々に帰られ、お稽古は案山子さんと私だけ。ゆっくり、のんびり、でもお喋りはいつものようにで、お稽古をした。↑の軸は、「東山水上行(とうさんすいじょうこう)」は、茶々姫先生のご主人、呉山先生の書(傾いて見えるのは、斜め左下からとったため)、↓の床のお花は、土佐みずきと椿で清楚なたたずまいである。
              

 お点前の途中で、袱紗でお棗をを拭こうとしたら、なんとお茶碗の向こうに棗を置いていて(先生の見ておられないうちに)、手が宙で迷ってしまうと言うほどすっかり忘れていた。でも、拭く時に左手は覚えていたのだ、と一人感心してしまった。

 ↓、左の主菓子は「野に遊ぶ」(沢田屋さん)、春の花に蝶がたわむれている図、かな。右はよもぎ入りのお菓子と、らんじょ屋の「いちご大福」の作りたて。そして右は、先生。小篠綾子さん(テレビの小原糸子さん)と言うより、夏木マリさんのように姿勢がよく、斬新な洋服もお似合いです。
            


「蒼山会ご案内」~能「藤戸」

2012-03-10 | 能楽

 3/18(日)、高岡市青年の家3F能舞台にて、「第32回 蒼山会能楽大会」が開かれます。その舞台で、米島和秋さんが「宝生流師範披露」として、能「藤戸」を演じられますのでご案内いたします。
 蒼山会は、山崎健先生が主宰の謡の会ですが、米島さんは会長さんです。謡の他にも、笛と大皷を習っておられます。お能もすでに、4,5回演じておられ、私のブログでは「井筒」を紹介したことがあります。昨年、宝生流宗家から師範のお免状をもらわれました。

 ↑の番組表の、トップに山崎先生の「米島さん、この度は『師範』のご披露、本当におめでとうございます。・・・」の言葉が書いてあり、そして、↓は、米島さんの御挨拶です。
       

  9時半から始り、会員や招待の方の素謡、仕舞、舞囃子、連調連管などがあり、午後4時20分より、「師範披露」の能「藤戸」が始ります。終演は5時20分の予定です。
        

 「藤戸」とは、どんな能でしょうか。私も見たことがなく、謡もまだ習っていないので本もありません。そこで、ちょっと調べてみました。出典は「平家物語」、倉敷市藤戸町が舞台です。↓は、倉敷市「藤戸寺」、真言宗のお寺、源平合戦供養の寺として知られているそうです。 
           

 ↓は、この地で平家を破った佐々木盛綱の像。馬に乗り海を渡る姿です。
       

 この曲は、「平家物語」第十巻「藤戸」をもとに脚色されており、前シテは母、後シテは息子の亡霊というように、前シテと後シテは同一人物でないのが特徴の一つです。両方を米島さんが演じられます。ワキの佐々木信綱は苗加登久治さんです。

 《あらすじ》  佐々木信綱は、頼朝が伊豆の流人だった頃からの源氏の武将。藤戸の戦いで、先陣の功により備前の国兒島を賜った。新国主として意気揚々と国入りし、訴訟のある者は申し出よと触れを出す。

 実はこの先陣の功の陰には若い漁師の犠牲があった。盛綱は功を独り占めしようと、先陣の為の浅瀬のあり所を教えてくれた漁師を刺し殺し海に沈めてしまったのだ。この事を知った漁師の母は訴訟の場に現れ、我が子を返せと嘆き訴え盛綱を責める。盛綱もついには隠しきれず、その時の様子を語って聞かせると、母は我が子と同じく殺してくれと更に激しく詰め寄り、はね返されても、我が子を返せと責め寄り、嘆く。さすがに盛綱も哀れと思い、弔いを約束し母を家へ送らせる。無力のままとぼとぼと帰る母の姿…。〈中入〉

 盛綱が経をあげ弔っていると、痩せ衰えた漁師が現れ、理不尽に殺された恨みを述べ、刺し殺され海に沈められ苦しむ様を再現してみせる。が、やがて弔いの功徳により成仏するのだった。↓は、若い漁師の亡霊。
         

 ↑は、すべてネットからの紹介です。派手さはないが、母親と盛綱のやりとり、漁師の亡霊の恨みなど、演ずる側は難しいだろうし、見る側は興味のわくところです。お囃子や地謡に、東京や金沢から立派なプロの先生方がいらっしゃいます。 米島さんはとっくに仕上げておられると、山崎先生から聞きました。入場は無料です。時間のある方、興味のある方、ぜひお越しくださり、ご鑑賞ください。(ちなみにその日は、素謡「松虫」のワキ、「雨月」の地謡、連調連管「早笛と舞働」、舞囃子「胡蝶」の太鼓に私の出番があり、目下練習中です。)


映画「はやぶさ~遥かなる帰還」

2012-03-08 | 映画・テレビ・演劇・芸能

 2年前、小惑星探査機「はやぶさ」が7年ぶりに帰還したとのニュースに日本の国中が湧いた。小惑星の名は「イトカワ」、かつて日本の宇宙開発に貢献した糸川英夫博士を思い出し感無量だった。「また、失敗」と言うフレーズばかりが私の記憶に残っている。
 そして、昨年の砺波チューリップフェアで、「はやぶさ」のカプセルが展示されようこ姫さんのブログに詳しく載った。そんないきさつもあり、この映画はずっと見たかったのだが、封切の2/11日から1ヶ月も経つのになかなか機会がなかった。先日、なはさんのブログに紹介され、やはり見たいとネットで調べたら、高岡はもう1日1度の上映になっている。慌てて、7日午前イオンへ見に行った。↓は、ようこ姫さんのブログ、「はやぶさ打ち上げからカプセル回収」のようすが詳しいです。
  http://youkohime-1.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-e462.html

 ↓は、なはさんのブログ、「映画」の感想が細やかに書かれています。
  http://miwakawa78.at.webry.info/201203/article_3.html

 2003年5月、「はやぶさ」は鹿児島県内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた。宇宙へと飛び立つロケットを見守る関係者、報道陣、地元の人々、ファン達(もちろん子ども達も)。その瞬間、ウァ~っと歓声が上がり、拍手が起こる。打ち上げ成功!こんな光景は、遠くに住む私たちのまったく知らないことだった。その中には、朝日新聞記者・真理(夏川結衣)や、父親で破たん寸前の町工場を経営する東出(山崎務)も混じっていた。彼は、かつて「はやぶさ」が小惑星に着地する時の金属球の試作品を作っていた。 
 アメリカ、NASAから駆けつけたスタッフの"Congratulations!" の言葉に、プロジェクトマネージャーの山口教授(渡辺謙)は、「長い旅路の始りだ」と新たな決意で答える。(トップ写真も、↓も、ポスターより
     

 「イトカワ」と名付けられた小惑星は、地球とよく似た軌道で太陽系を動いている、わずか550m×300mほどの小惑星。その小惑星から岩石などを採取するのが「はやぶさ」の使命だ。「サンプルリターン」と言う言葉が何度も出て来た。今まで宇宙から地球に持ち帰られたのは「月の石」だけだそうで、「はやぶさ」が成功すれば人類初の快挙になる。

 ↓は、小惑星「イトカワ」(ようこ姫さんのブログより・四方から撮ったもの
     

 ↓は、探査機「はやぶさ」が「イトカワ」に着陸したところ(同上)。
     

 「はやぶさ」は、「イトカワ」まで、イオンエンジンを使った飛行を行い、自律的に(遠隔操作でなく、自力で)「イトカワ」に近づき、その表面から物質のサンプルを持ち帰るのが目的だ。イオンエンジンを開発したのが、藤中教授(江口洋介)とNECの森内(吉岡秀隆)のコンビ。森内は、4個のエンジンに「とうちゃん」「かあちゃん」と娘と息子の名前をつけ、「とうちゃんがダメになっても子どもは強いから」とエンジンへの思いを語る。また、「飛不動」にお参りして、山口教授から「神頼みですか」と皮肉を言われたりもする。(その山口も、最後は飛不動に出かけるのだが)。研究と利益の狭間で悩む企業の社員を、この人が演じると声や表情など、本当に人間味溢れる温かさを感じさせる。
 そして、長年の共同研究でお互いの立場を理解しつつも、意見が対立して激しく言い合う藤中と森内。

 燃料切れ、軌道の傾き、速度の低下などさまざまな困難が降りかかる度に、プロジェクトのメンバーは、「何ができるか」智恵を絞って対処する。その都度決断を下すのはリーダーの山口。決して諦めない。そしてようやく帰途に着いた「はやぶさ」は、途中で音信不通の行方不明になるのだ。毎日毎夜、「はやぶさ」からの音信を待って、交代しながら目薬をさして画面を見つめるメンバー。

 ついに、7年間の歳月を重ね、「はやぶさ」がオーストラリア、ウーメラ砂漠に着陸する。現地で回収したのは、藤中とカプセル担当の鎌田(小澤征悦)だ。↓は、カプセルの入ったパラシュート。砂漠の真ん中に落ちている場面が映画にあった。(ようこ姫さんのブログより
     

 結果はわかっているのだが、終始緊張の連続だった。最後に、辻井伸行の美しく雄大な音楽をバックに、過去の日本の宇宙開発の歴史が映像で流れた。「先人たちの積み重ねがこの奇跡を生んだ」との言葉のように、世に認められることなく、税金の無駄遣いなどと言われ、研究継続を断念した多くの科学者がいたことでしょう。
 そう言えば、昨年読んだ池井戸潤の「下町ロケット」も、宇宙研究を断念し町工場を継いだ社長が夢を捨てない話だった。映画の中で、山崎務が新聞記者の娘に言う「机の上ばかり見ていないで、顔をあげて空を見ろ」と言う言葉が印象的だった。