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Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

「婦人公論」6/22号

2021-06-24 | 

 6/21日、SAさんが「婦人公論」を届けてくださった。 私は午後から、ガソリンスタンドやあぐりっち、大阪屋ショップを回っていて留守にしていたので玄関前の牛乳ケースの上に置いてあった。

 特集が「つながって、支え合って『ひとり老後』を機嫌よく」。 まず、ノンフィクション作家の澤地久枝さんと社会学者の上野千鶴子さんの対談が載っている。 澤地さんは90歳、昨年自宅で転倒し要介護生活を送ったそうだ。 隣に住んでおられる弟さんが見つけてくれるまで、4時間倒れたままだった。 骨折して要介護4に認定されたが、今は要介護2だそうだ。 今でも、毎月3日国会正門前に立ち、「アベ政治を許さない」と言うアピール行動に参加している。

 👇は、柴田理恵さんの「故郷・富山で暮らす母の『本気』が私を動かして」

 柴田さんのお母さんはもうすぐ92歳。 4年前に、要介護4と認定されたものの自宅で一人暮らしを熱望し、リハビリや様々な準備を経て実現し、自立した暮らしを続けている。 理恵さんが遠距離介護の様子を語っている。4年前に腎盂炎と診断され入院した時、「お正月には家に帰りたい、美味しいお酒が飲みたい」を目標にリハビリを頑張ったそうだ。 

 自宅に戻るお母さんが安全に暮らせるように、介護保険を利用し手すりを増やし、介護ベッドをレンタル、食器もコンパクトに収納するなどの準備をした。 ケアマネさんと相談してデイサービスは週2回、それ以外の日はヘルパーさん、看護師さんなど毎日誰かが訪問するように手配、一人暮らしとは言え介護保険のお陰で日々誰かが見守っているようにしているそうだ。 本人の希望にそい、本人もまた目標をかなえられるように努力したと言うことだ。

 富山の女性の記事が偶然にも同じ号に大きく取り上げられており、元気づけられた。


本「身がわり(母・有吉佐和子との日日」

2021-05-29 | 

今まで何度も書いたが、NHKラジオ第2「朗読の時間」の「紀の川」をずっと聴いている。 そして、かつて有吉佐和子さんの住居があった、杉並区堀ノ内妙法寺の近くに住むasaちゃんからの情報や、佐和子さんと同じ高校、大学出身の川越のTOさんの思い出話を聞き、自分までが親しい関係であるかのような錯覚を覚え、娘さんの玉青さんの著書を2冊続けて読んだ。

 玉青さんがイギリスへ語学留学していた夏、佐和子さんは53歳で早逝された。 その5年後に出されたのがこの本、「身がわり~母・有吉佐和子との日日」である。  

 👇 高岡市立中央図書館で借りたのだが、この古さ、本の傷み具合から見るとよほどたくさんの人 に読まれたのだろう。

"作家の子”、”有吉佐和子の娘さん”、と言われ続け、ずっと「自分」と言うものものがなかった、と半生を振り返り、後悔の念を綴っておられる。 そして、今も母の身代わりをしているだけ、と…。 が、その後20数年が経ち、母代わりだった祖母秋津さんとの思い出を「ソボちゃん」に書かれた。 私はそちらを先に読んだ。  今、「身がわり」を読み終え、母、佐和子さんとの体験、会話、心情がより強く響き伝わって来た。

 まさに「紀の川」そのもの、女4代のゆったりと、しかも激しい生き方、また明治、大正、昭和との世の中の変化を改めて感じた。


本「ソボちゃん」

2021-05-20 | 

 少し前に有𠮷玉青さんの「恋するフェルメール37作品への旅」というエッセイを読んだ。 「ソボちゃん」は、その時のオランダ旅行と思われる場面から始まっている。 玉青さんの祖母(秋津さん)と母(佐和子さん)はかつて父親の仕事の関係でインドネシア・ジャカルタ(当時はバタビアと言ったらしい)で暮らしていた。 インドネシアはオランダの植民地だった。 
 たまたま入ったレストランでインドネシア料理を食べ、帰り際お店のインドネシア人らしき女性から「ダー」と挨拶される。 「ダー」は「バイバイ」のこと。 祖母がいつも「ほら、ダーしなさい」と言っていたことを思い出します。 作家生活で多忙な母に代わり祖母に育てられた玉青さんは、いつか大好きな祖母の思い出の国、インドネシアを訪ねたいと強く願っておられそれがかない、この本を書かれたのでしょう。 私個人的には、退職の数年前ようこ姫さんと二人、ノリちゃんに連れられて初めて海外個人旅行に出かけたのが、インドネシア、バリ島だ。 ウブドやジョグジャカルタで「ジャランジャラン」とブラブラしながら1週間も過ごした懐かしい思い出がある。

 👇は、本の表紙。 「祖母と襖の落書きの前で。3歳頃」

 さて、この本を読むきっかけはもちろん「紀の川」である。 今、NHKラジオ第2「朗読の時間」で藤田美保子さんが読んでいる。 全50回、あと10回を残すばかりとなった。 和歌山県を流れる紀の川はゆったりと下りながら周りの川を取り込んでしまう、そんな川に例えられた女3代の長編小説である。 母、はなに反発し、新しい時代を歩もうとする娘文緒が「ソボちゃん」だと言うのが、なんか不思議で微笑ましい。 「紀の川」の中で、病気がちな、文緒の娘華子が佐和子さんです。 53歳で早逝するが、学生時代から書き始めて以来、数多くの小説、劇、ルポなどの問題作を書き、書き終えるごとに入院していた、と玉青さんは語っている。 彼女が留学中に母の訃報が届き、帰国し喪主を務めたそうだ。 

 従姉とのインドネシア旅行の最後は、バリ島だったようです。
 
「スラバヤへ、そしてバリへ あとがきにかえて」にこんな文章があります。

 ” 折々に強烈な印象を残した母に比べ、祖母との思い出は穏やかです。 教えられたことは滋養のように、内側から効いています。 その効力は、祖母が亡くなって半世紀が経とうとしている今なお、衰えることがありません。…”

 👇は、従姉の撮影による著者近影。インドネシア・ジャカルタにて。


杉並・堀ノ内 妙法寺~「紀ノ川」

2021-05-02 | 

 5/2(日)、「今日からこそ」と前夜から意気込んでいたのに…。 朝起き上がれない。 一度は起きるのだが、着替えたり朝食をとった後つらくなり横になる。 SIさんが、ラインや電話、玄関まで来てくださったが元気が出ず、結局「コーラスいちご」は休んだ。 昼近くまでゴロゴロしていたのは寒かったせいもあるかもしれない。

 昼頃、asaちゃんからラインが入った。 彼女が今一緒に住んでいる娘さんのマンションが、東京杉並区堀ノ内にある。 いつも行くスーパーの近くに「妙法寺」と言うお寺があり、境内に有吉佐和子さんの石碑があるそうだ。 有吉さんはクリスチャンだが、この境内を通り道にしていて、小説の案を練ったりしてこのお寺をこよなく愛しておられた。 没後、吾妻徳穂さん、山田五十鈴さんなど舞台やお芝居の方達が石碑を建てられた、と言うのだ。

 asaちゃんは日曜日の朝、近くまで散歩に行き、写真を撮って送ってくださった。 妙法寺は、日蓮宗のお寺。 53歳で早逝された有吉さんの碑は、六角形の鉛筆型をしているそうだ(碑の写真はネットから)。 

 

 住宅も近くにあり、有吉さんの娘さん、玉青さんの本名「清水」の表札がかけられていたそうだが、今は違うらしい。 玉青さんは現在、大阪芸術大学の教授。

 「らじるらじる・聴き逃し」の「朗読の時間」で、半分ほどまで読み進められている「紀ノ川」。 ちょうど、佐和子さんの母親らしき登場人物が大学に入学するあたりだ。 好きな時間に楽しんで聴いている。 杉並で生まれ育った玉青さんの作品も読んでみたい。


マンガ「大家さんと僕」

2021-03-02 | 

 SAnoさんに「大家さんと僕~これから」を借りて読んだら面白かったので、第一巻を高岡中央図書館で予約した。中央図書館に予約すると、伏木、戸出、中田、福岡図書館の在庫も調べて貸し出すシステムなのでとても便利だ。

 👇は表紙。この最初の漫画で、「手塚治虫文化賞」を受賞したのだそうだ。そして、今回その賞の選考委員になった、と先日の新聞に大きく掲載されていた。 

 👇は、見開きに書いてあるそれぞれの自己紹介。 大家さんも僕も、東京生まれ東京育ち。 大家さんの好きなものは「伊勢丹、NHK、羽生結弦くん」。 僕は、お笑いコンビ「カラテカ」のボケ担当。 テレビのバラエティーでうまく喋れないのが悩み。大家さんとはとても話が合う。

 米寿の大家さんは、私より少し年上。 でも、戦中生まれで戦後の日本をずっと見て来た私とは共通点がいっぱい。 ほぼ同じ体験をしている。 ものの考え方がとても良く似ていて嬉しくなる。その暮らしぶりが大変参考になるのだ。 一晩で読めるのでお茶教室の友人やSAnoさんにお貸ししようと思っている。


本「キネマの神様」

2021-02-24 | 

 先日、青年劇場の「キネマの神様」を観て、セリフが聞き取りにくかったせいもあり(特に映画のタイトルや内容)モヤモヤ感が残ったので、原作が読みたくなった。 図書館に予約を入れたらすぐに案内があり一気に読んだ。

 👇 「キネマの神様」: 原田マハ 作、文藝春秋社 2008年刊

 原田さんのお父さんは大の映画好きな方で、小学生の時にお父さんと「初デート」して映画を観に行ったそうだ。「父と映画のことをどうしても物語にしたくて、10年前に父をモデルにこの本を書いた」と言っておられる。

 40歳を前に突然会社を辞めた娘。映画とギャンブルに依存する父は、心筋梗塞で倒れた挙句に多額の借金が発覚した。娘はどうかして父を再生させようとする。マンションの管理人をしている父の「管理人日誌」には、ほぼ毎日映画の感想が書いてあり、謂わば「映画日誌」で、それが17年間分200冊もあった。
 父が通っていた映画館が、古ぼけた名画座「テアトル銀幕」、支配人はテラシンこと寺林新太郎。近くに建つシネコンの波に揺れながらも、映画を愛する馴染みの客たちの支えで細々と経営を続けている。

 ひょんなことから父が書いた映画感想をブログにして発信しないかと言う会社が現れ、ギャンブルを禁止された父は、ネットカフェでパソコンを習いブログを書くようになる。大好きなギャンブルと映画のうち、ギャンブルを捨て映画一筋の余生を送るようになったわけだ。娘も母も大喜びで応援する。ブログの反響は大きく、日増しにアクセスが増え、会社の映画誌の売り上げも上がる。
 そのうち娘の後輩だった女性(アメリカ在住)から、自分が翻訳するから英語版を世界に向け発信しないかと提案され、会社全体で取り組むことになる。そして、長年引き籠りだった編集長の息子が俄然力を発揮するのだ。

 世界の映画ファンからの反響もすごく、ある日アメリカの”ローズ・バッド=Rose Bud(薔薇の蕾)”と言うブロガーから攻撃的な書き込みが入る。ケヴィン・コスナーの”フィールド・オブ・ドリームス”についてだ。どうもプロの映画評論家らしい。が、ローズ・バッドと言うハンドルネーム以外誰かはわからない。その後も、「プライベート・ライアン」、「タイタニック」、「アメリ」、「戦場のピアニスト」、「イングリッシュ・ペイシェント」、「Shall we ダンス?」、「七人の侍」まで、5ヶ月間で20作品を巡って激論をぶつけ合った。

 とは言え、相手はプロ、父の方は一介の老人に過ぎず、太刀打ちできないのだが、二人の間にはほのぼのとした友情が生まれてくる。数か月アクセスがないと心配でたまらない父は、何度もローズ・バッドに呼びかける。そのうちアメリカ最大のテレビ局のトークショーに彼は出演し、伝説の評論家リチャード・キャバネルだとわかる。彼は、父に向って呼びかけメッセージを送るのだ。彼は末期ガンで入院していた。もうブログに書き込みはできない。
 そして、最後の願い事だと、「君に会ってみたい。一緒に一番お気に入りの映画館で、一番好きな映画を観たい」と言うメールが届く。が、その願い事は叶わなかった。父娘二人で成田を発つ前日に、リチャードが亡くなったとのメールが届く。彼が人生最良の映画と言ったのは「ニュー・シネマ・パラダイス」だった。

 ヴァイオリンの調べ、柔らかなピアノの音色。シチリアの海の風景、テーブルの上の黄色いレモン…と映画の最初のシーンを表現している。そんな細かい場面までは覚えていないが、私もこの映画を映画館ではもちろんTV放送でも何度も観た。あの可愛い少年トトが映写室に潜り込みフィルムを回すのを手伝う場面が懐かしい。いつか再放送されたらまた観てみたい。


マンガ「大家さんと僕~これから」

2021-02-20 | 

 前日にイオンで久しぶりの「映画と買い物」をしたら、その夜一晩中息苦しくて一睡もできなかった(12月に滝乃荘へ行った時と同じ症状だ)。 翌日は日中も横になり寝たり起きたりで過ごした。 その時読んだのがこの漫画本。 かなり前にSAnoさんに借りたまま、他の本があり後回しになっていた。

 矢部太郎と言う人も知らないし、テレビでドラマ化された?ことも知らないのだが、「ほのぼのとした本だよ」とのお薦めだった。

 👇は表紙。 ピンクの洋服に眼鏡の女性が大家さん、80代。 隣の男性が矢部さん。 トホホな芸人と書いておられるが、「カラテカを結成、舞台、ドラマ、映画でも俳優として活躍。 初めて描いた「大家さんと僕」で「22回手塚治虫文化賞短編賞」を受賞。 


 👆 二人が「伊勢丹」のマークに座っているのは、大家さんの好きなものが、「新宿伊勢丹」、NHKと羽生結弦くんだからかな。 

 👇は帯封。 「大家さんと僕」の後、続編「『大家さんと僕』と」を出し、好評だったので「~これから」が出版されたらしい。 私が読んだのは3巻目と言うことだ。

 80代と言えば、私と同じくらい。 東京生まれ、東京育ち、住まいは新宿、一人暮らしになってから2階を貸間にされたらしい。 私は中野に2年間、三鷹に2年間いたが、休日に出かけるのは新宿だった。 伊勢丹はもちろん、紀伊国屋書店、中村屋、タカノフルーツパーラー…など懐かしい。
 👇は、中村屋のカレー、お店の後ろにアトリエがあったこと、今も美術館があり中村黒光の娘を中村彜(つね)が描いた「小女」を大家さんが見に行くことなどが描かれている。

 👇は、同級生とシャンソンコンサートを聴きに行く大家さん。 「僕」も誘われて一緒に行くと、元気なおばあさん達も立ち上がると急にお年寄りに見えた…そうな。 今の私と同じ。

 二人の関係、周囲の人たちとの関係がほのぼのとして、病気の事、介護の事、末の住処のことなど、切実な話題も出てくる。 1巻も読んでみたくなった。


本「夢見る帝国図書館」

2021-01-30 | 
   らじるらじるの「日曜名作座」を聴いていたら、中島京子さんの「夢見る帝国図書館」の放送劇をやっていた。西田敏行と竹下景子が二人でいろいろな役柄を演ずる。5回で完結と言うから原作の本は短編かも?と思い、図書館に予約した。
 
 👆の本には帯封がないが、こう書かれているらしい。「本がわれらを自由にする~明治に出来た日本初の図書館と戦後を生きた喜和子さん。ふたつの物語は平成でひとつに~
 
 上越新幹線、北陸新幹線ができる前は、上野駅が東北や北陸から東京へ行く玄関口だった。昭和33年に上京して4年間余り東京で暮らした私にとって上野は懐かしい場所。「公園口」を降りると東京文化会館、西洋美術館が目の前。博物館、都美術館、動物園…などよく行ったものだ。
 「帝国図書館」は、今は「国際子ども図書館」として博物館の後方の位置に建っているらしい。実は私は場所も知らない。が、asaちゃんのお孫さんが沖縄から上京した時、いの一番に行きたいと言ったのがこの「国際子ども図書館」だったそうだ。本好きの子にはたまらない図書館なのだろう。
 
 実は、前身の「帝国図書館」は、明治5年文部省により設置された書籍(しょじゃく)館、で湯島聖堂内にあったそうだ。が、その後何回もの戦争のため戦費に予算が回され、蔵書を増やすのも書庫や閲覧室を増設するのも、延期や中止、移転を余儀なくされる。お金を儲けない図書館は戦時には無用とされるからだ。
 本を愛する人たちが図書館存続に努力を続け、多くの文豪たちが図書館へ本を読みに来る。そんなエピソードがいっぱい詰まっている、図書館を主人公にした「夢見る帝国図書館」のストーリーと、戦後幼い頃に上野に住んでいて晩年もそこで過ごした喜和子さんの一生とを並行して、主人公の作家が語っていく…そんな物語だった。
 
 もう東京へ行っても、あの広い上野公園は歩けないだろうな~。でも、もう一度行ってみたい。

予約の本が2冊同時に!

2021-01-21 | 
 川越のTOさんから、寒中お見舞い(大雪お見舞い+コロナお見舞い)の電話がかかった。久しぶりだったのであれこれ話した後、角田光代さんの「源氏物語」を紹介された。上中下・3巻の愛蔵版で、読み易くわかり易いとか。市立図書館で検索したら貸し出し中だったが、予約をした。

 しばらくしてから、そのTOさんや千葉のasaちゃんが(二人ともラジオ愛好家)利用しておられる「らじるらじる」の「日曜名作座」をたまたま聞いていると、面白そうなドラマを放送していた。♪チャ~ラ ララララ♪で始まる古関裕而のテーマ音楽と共に「日曜名作座」は今も健在だ。以前は森繫久彌と加藤道子の二人のラジオドラマだった。今は、西田敏行と竹下景子が引き継いでおられる。
 今やっているドラマのタイトルは「夢見る帝国図書館」。中島京子の同名の小説が原作らしい。5回で完結と言うから短編かも?と思い、またまた図書館に予約した。中島京子は以前、「小さいおうち」を読んだことがあり、映画も見た。黒木華を最初に見た映画だ。上野界隈の話で馴染みの地名や建物が出て来て興味深い。それにしても、帝国図書館って、どこのこと? 

 さて、困ったことに予約した2冊の本が同時に届いたのだ。「源氏物語」はもっと遅いと思っていた。受け取りに行って驚いた。両方ともハードカバーの重い本だ。しばらくは読書三昧になるな~。

本「名画で読み解くイギリス王家12の物語

2021-01-08 | 
 12月の初め頃、偶然にもBS日テレの「ぶらぶら美術館・博物館」という番組を見た。1/11()まで、「上野の森美術館」で開催されている”KING & QUEEN展”と言う美術展の紹介だった。英国王室のドラマティックな500年を名画で紹介する番組だった。

 ゲストの一人が中野京子さん(👆の写真で右から2人目)。展示された王や女王、王子や王女の肖像画を紹介しながら、王室の歴史だけではなく、描かれた人物の生き様や時代の背景が語られ、こんな時期でなければすぐにでも上野へ行きたくなるような名画の数々だ。

 せめて、と図書館で借りたのが👇の「名画で読み解くイギリス王家 12の物語」だ。

 チューダー家、ステュアート家、ハノーバー家(ウインザー家)の歴史が、肖像画の名画とともに紹介されている。
 👆は、表紙の絵、ポール・ドラローシュの「レディ・ジェーン・グレイの処刑」。イギリス初の女王、九日間の女王、と呼ばれるレディ・ジェーン・グレイはわずか16歳だったそうだ。

 名画として残されているのはほとんど肖像画だが、中には風刺画や「ロンドン塔の王子たち」のような歴史の断面を覗かせる絵もある。私自身イギリスは2度訪ねたが、ロンドンは初回だけ。ロンドン塔はコースに入っておらず行かなかった。ここで多くの王族や政治家たちが処刑、暗殺されており、イギリスの王室の歴史は血みどろで怖い。日本では戦国時代のようなものか。
 いずれにせよ、コロナ禍で自粛生活中に読む本としては適さなかったかも。

本「戦争は女の顔をしていない」

2020-12-09 | 
 最近は目が疲れるのと根気が続かないのとで、読書に時間がかかる。かなり前にSE子さんに借りた漫画本がなかなか終わらず返せなかった。漫画本ならすぐ読めるわ、と思ったがそうは行かなかった。

 👇は、表紙。タイトルは「戦争は女の顔をしていない」 漫画化したのは小梅けいとさん。




  👆の帯封にもあるが、ノーベル文学賞を受賞した史上初のジャーナリスト、スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチが、500人に上る第二次世界大戦従軍女性たちを取材し、集めた証言集である。それを漫画化したのがこの本だ。
 ソ連では第二次世界大戦で100万人をこえる女性が従軍し、看護婦や軍医としてのみならず兵士として武器を手にして戦った。しかし戦後は世間から白い目で見られ、みずからの戦争体験をひた隠しにしなければならなかった――。500人以上の従軍女性から聞き取りをおこない戦争の真実を明らかにした、ノーベル文学賞作家の主著。と、澤地久枝さんは解説しておられる。

 日本では「銃後の守り」と言われ、竹槍訓練、水のバケツリレー、千人針を縫う、軍需工場での勤労くらいか。戦場へ行ったのは看護師だけだと思うが、ソ連では洗濯部隊、飛行士、狙撃兵、機関士、斥候…など志願兵とは言え、男性と同じように戦った。
 一人一人の証言をもとに、描かれた女性兵士たちは可愛らしい少女の姿…。が、国のために戦う気持ちは男性と同じ、いやどこの国も同じ。

 漫画だから読み易く、また漫画はセリフだけだから、はっとするセリフが散りばめられている。誇りを持って戦っていた健気さに何度か涙した。
     

本 「歳月」

2020-08-27 | 
 川越の渡〇〇さんから月に一度の割合で、メールか葉書か電話がある。彼女の気分や時間で使い分けているのかな~と思うが、意外と受け取る私の気分や時間とぴったり合うことが多く、電話の場合は長くなってしまう。
 1ヶ月ほど前に聞いたのが茨木のり子さんの詩集のことだった。この方は、15歳で日米開戦を、19歳で終戦を迎えられたそうだが、「わたしが一番きれいだったとき」と言う詩は、国語の教科書にも載って、当時読んで感動した。    
    わたしが一番きれいだったとき
    街々はがらがらと崩れていって
   とんでもないところから
   青空なんかが見えたりした

   わたしが一番きれいだったとき
   まわりの人達が沢山死んだ
   工場で 海で 名もない島で
  わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった

・・・・・・・・・・・・・・・

 と言う風に続くのだが、渡〇〇さんが言うには、のり子さんが亡くなられた後、亡き夫のことを書き綴った未発表の詩が出て来たそうだ。子どもさんはいらっしゃらなかったので、甥御さんが整理して出版されたそうだ。
 それが、👇の詩集「歳月」である。 さっそく図書館で借りた。



 夫婦二人の日常生活が目に浮かぶような詩がいくつも綴られている。
 その中から「歳月」を紹介します。

 「歳月」
 真実を見きわめるのに
 二十五年という歳月は短かったでしょうか
 九十歳のあなたを想定してみる
 八十歳のわたしを想定してみる
 どちらかがぼけて
 どちらかが疲れはて
 あるいは二人ともそうなって
 わけもわからず憎みあっている姿が
 ちらっとよぎる
 あるいはまた
 ふんわりとした翁と媼になって 
 もう行きましょう と
 互いに首を締めようとして
 その力さえなく尻餅なんかついている姿
 けれど
 歳月だけではないでしょう
 たった一日っきりの
 稲妻のような真実を
 抱きしめて生き抜いている人もいますもの

これから読む本 「原発ホワイトアウト」

2020-07-23 | 

 コロナの夏、家にいると時々ご無沙汰している遠方の友人から電話がかかり、長話になることがある。先日続けて二人の川越の友人から電話をもらった。川越は「小江戸」と呼ばれるほど、東京には近い。さぞ、窮屈な毎日を送っておられることだろう。

 一人は、小中高と一緒だった城端出身の同級生、MOさん。5月に運転免許証を返納したそうだ。霞が関(川越にもある)の駅まで歩いて10数分、時にはバスで、荷物のある時はタクシーで移動するそうだ。彼女は長唄を習っているのだが、都内の先生宅に行くのは自粛中。7月からオンラインレッスンだそうだ。
 「え?ケータイで?」と聞くと、ガラケイしか持たないけど、スピーカー設定にして、声を聞いて直してもらいお喋りもしながらレッスンを受けるのだそうだ。たぶん個人レッスン。楽しそう…。

 もう一人は、大学のクラスメート、TOさん。登山と読書が好きで「らじるらじる」の愛好家。岩手県が新型コロナウイルス感染ゼロの話が出て、子どもの頃盛岡に住んでいたけど、南部藩に伝わる県民性かもね、と感想を一言。彼女は茨木のり子さんの詩が好きで、今晩年に書いた「歳月」と言う詩集を読んでいるそうだ。「じゃ私も」と、図書館に予約した。

 そこでふと思い出したのが、ずっと前になはさんにお借りしてそのままになっていた数冊の本。「いつまででもいいよ」との言葉に甘え、後回し後回しになり本棚にずっと飾ってあった「ホワイトアウト」。今冬、映画「FUKUSHIMA 50」を見た時も思いつきもしなかったが、今こそ読んでみようと思う。

 👆 帯封に、”告発ノベル”と書かれているように小説形式らしい。読後感想を書きます。


本 「ペテロの葬列」

2020-06-30 | 

 数年前、私が入っていた合唱団に「バッハアンサンブル富山」に所属している団員の方が2,3人おられよくコンサートを聴きに行った。「マタイ受難曲」と「ヨハネ受難曲」を続けて聴いた記憶がある。ヨハン・セバスティアン・バッハが、新約聖書の「マタイによる福音書」と「ヨハネによる福音書」のキリストの受難の場面を、合唱、ソロ、楽器により表現した受難曲であり、キリストの予言通りペテロが雄鶏が鳴くまでに3度キリストを否認する場面が強く印象に残る。キリストの12人の弟子の一番弟子だったにもかかわらず…。キリストの死後ペトロは深く涙するが、キリストは磔刑ののちに洞窟墓に安置され、三日後に肉体を伴って復活する。
 イエスの復活の奇跡を目の当たりにして、ペテロら使徒たちは「神の子」イエス・キリストへの真の信仰に目覚め、世界中に伝道の旅に出る。ペテロは使徒のリーダーとなってキリスト教会の基礎を築いた。
キリスト教徒が迫害されていたローマに乗り込み、皇帝ネロに捕らえられ、逆さ磔になって殉教する。

 👇は、レンブラントによる「聖ペテロの否認」(アムステルダム国立美術館)… 中央の白衣の人物がペテロ、右奥のこちらを振り向く人がイエス・キリスト。(この写真では見にくいが)

  👆の絵画がテーマになっているらしい、「ペテロの葬列」(宮部みゆき著)。宮部みゆきの本は、「理由」、「模倣犯」、「火車」など、いくつかタイトル名を聞いたことがあるが、完読したのは朝日新聞に連載された「荒神」だけだろう。
 たまたま外出自粛で家で過ごす時間が増え、今まで見なかったTVドラマや過去の名作映画など見ることが多くなった。その中の一つが「ハケンの品格」。小泉孝太郎を初めて見ていいな、と思っているうちに「ペテロの葬列」に行き着いた。目下CSで再放送をしている。

 第一回、長塚京三のバスジャック事件が迫力があり、乗客との交流が興味深く、予測できない展開に心を奪われた、と言えば大げさだがともかく面白いのだ(目下4,5回目か?)

 とうとう図書館に本を予約し、今日取りに行ってきた。他にも読み止しの本があるのだが、ま、並行して読んでみようと思う。


100分de名著「平家物語」

2020-05-19 | 

 5/19(火)、天気予報では雨模様だったのに午後は晴れてきた。窓からは青空が見える。短時間でも草むしりをと計画していたので外へ出た。 風が強い。が、気温が高いからそう寒さは感じない。1時間ほど、道路側の雑草だけとるつもりだったが草が風で飛ぶし、30分で切り上げた。 かなりスッキリとした。残りは、晴れ間を見ながら少しずつ片付けよう。

 その後、車で文苑堂と接骨院を回る。文苑堂では、NHKテキスト「100分de名著・平家物語」を買った。家でテレビを見る時間が増え、今まで見たことのない番組を見ることがある。これもその一つだ。
 先週夜、琵琶の伴奏で「平家物語」を朗読する能楽師の方の番組を見た。これが面白かった。2回目の「奢れる者久しからず」で、平家に陰りが見え始める頃から清盛の死まで、能「頼政」も出てくるし、「橋合戦」の朗読もある。朗読と解説をされるのは、能楽師の安田登先生。下掛宝生流ワキ方の能楽師で、著書も多数だそうだ。司会は、伊集院光さんと安倍みちこさん。

 途中から見ただけだったが、昨日また偶然にも3回目を途中から見ることになった。「俱利伽羅落(おとし)」から「木曽最期」まで北陸が舞台の場面で、これも面白かった。

 最後の第4回は、5/25(月)午後10:25~10:50
 3回の再放送は、5/20(水)午前05:30~05:55
                 午後00:00~00:25

 1年前のアンコール放送のようだ。

 👇は、テキストの表紙。解説の安田先生は言っておられる。「『平家物語』はフィクション。歴史上の出来事をベースにしているが、細かい部分では史実と異なる部分が多い。登場人物たちにはある種のキャラクター化が施されている。」また、「文章が素晴らしく、そのリズムにより臨場感が表現される。」 

 👇 「平家物語」挿絵~俱利伽羅落

 👇 猫間中納言との会見。

 👇 初めて狩衣でぎこちなく宮中へ出仕する義仲。