5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

仏の産湯

2019-05-06 21:20:31 |  文化・芸術

灌仏会は、釈迦の誕生を祝う仏教行事。日本では毎年4月8日に行われるのが一般的だが、これは釈迦が旧暦4月8日に生誕したという伝承に基づいており、花まつりと呼ばれているとウィキにある。

「長の日を乾く間もなし誕生仏」一茶

寺々ではこの花まつり用に拵えた花御堂の中に童子の姿をした釈迦像を立て、参詣者は柄杓で甘茶を注ぎかける。これは無憂樹の下で生まれた釈迦が直ちに七歩歩んで「天上天下唯我独尊」と叫んだ。この時、八大竜王が天から清い水を吐いて産湯をつかわせたという有名な伝承にしたがった行事なのだという。

花まつりのハナとはやはり桜のことだろうと思える。灌仏会をいつ頃から花まつりと呼んだのかはわからないが、新暦4月8日頃の桜前線はずいぶん北に上がっているのだから、このハナはいろいろな花が一斉に咲き出す春のことを云っているのかもしれない。

この花まつりを旧暦でおこなっているところもあるようで、曹洞宗大本山「永平寺」の門前町、永平寺町もそのひとつだ。今日のNHKローカルニュースではその話題が取り上げられていた。

永平寺町の花まつりは観光協会の主催で毎年大型連休の最終日に行うのが約束のようだ。ちなみに旧暦4月8日は、今年の新暦だと5月12日になるから、一週間前倒しである。今日の祭りには、色鮮やかな装束で着飾った地元の子どもたち100人とその家族が、大きな白象の山車を引きながら永平寺を目指して参道を練り歩いたとある。

摩耶夫人の夢に現れた白い象が釈迦の誕生を預言したとされているところから、花祭りの呼び物にしようと地元民たちが20ほど年前に巨大な像を作ったというもの。

そんな白象といっしょに永平寺山門に到着した一行は花御堂の仏像に甘茶をかけて健康祈願をして10連休最終日を締めくくったということだ。子供たちの元気な成長を願うというのが花まつりの趣旨だとすれば、GWの「子供の日」に合わせるということにも意味があるのだろう。

「冷めきりし佛の産湯汲みにけり」 上田五千石




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