やがて半年が過ぎようとする東北大震災。不幸にして命を落とした人々の中にはいまだ遺体も遺品も見つからないという、思い切れない気持ちを抱える遺族も多いことだろう。
今日読んだIPODのニュース。シンガポールのストレイト・タイムズ(AFP電)には、「911の死者の判別に苦労する科学者たち」という記事が掲載されている。
前代未聞の米本土での連続テロ事件が起こって10年目の記念日を前にして、被害者の身元判別作業は今も継続されており、4割余が未だ未確認状態なのだという。
死亡証明は当然ながらずっと以前に出されており、死者の身元判別に法的義務はすでに無いのだが、観察医務院の法医学部では、倫理・道徳的観点から今も継続しているのだという。
911のツインタワーテロ攻撃で落命した被害者の名前はすべて判明しているが、爆発・火災・崩落があまりに大規模でありすぎた為、わずかに残された遺体の肉片の一部から個人を特定することは至難の業だという。
今週になって遺体判明が出来たのは、当時40歳だったアーネスト・ジェームス。WTCでの被害者2753名のうち、1629番目の確認被害者というわけだ。
崩落現場から引き出された遺体の場合は、歯型・写真・指紋といったこれまでの確認方法で身元チェックを行ったが、飛び散った肉片などの確認作業は、考えただけでも確認の難しい悲惨な状況だったということが想像できる。
集められた肉片は21817個もあった。多くの死者がばらばらの状態で見つかったというわけだ。1000人以上が未だに確認出来ないということは、霧消してしまった死者もたくさんいるということになる。
外部とは完全に遮断され消毒された環境で、NYC観察医務院の法医学チームは、現在、WTC現場から回収された6314の骨片を相手に、悲劇の主を探す作業を継続している。
AFPの記者は研究室の窓越しに、ロボットによる骨片洗浄作業と、血縁者から採取したDNAデータベースとマッチングする気の遠くなるような作業を観察している。
ドイツ銀行ビルの屋上で見つかった硬貨サイズの骨片から、これが事件当時、ツインタワーで働いていたヒトのものだと特定することもできたが、こうして苦労しながらDNAタイプを見つけても、多くの場合、すでに確認された被害者のものだったということが多いため、作業は自ずと時間だけがかかることになる。2006年以後、身元が確認できたのは僅か40名弱でしかない。
時には、DNAデータベースとマッチしない場合も出てくる。これは、血縁者がDNA提供をしていなかった場合とか、事件当時に現場にいたDNA未登録の不法移民者の遺体の一部ということもあるのだという。
ストレスがかかる仕事だが、未だに望みを捨てられない遺族にとって、さらに下マンハッタンのコミュニティや、NYCの法医学グループにとっては、間違いなく意義と意味ある大切な作業だというわけである。
9月11日の10周年記念日には、故人の名前を刻んだ記念碑がグラウンドゼロ近くの現場でお披露目がされるのだという。遺骸が見つからない1124名の遺族たちは、石碑に刻まれた名前を読みながら何を考えることだろう。当日も法医学チームは人知れずに骨片のDNA分析を続けているわけだ。
今日読んだIPODのニュース。シンガポールのストレイト・タイムズ(AFP電)には、「911の死者の判別に苦労する科学者たち」という記事が掲載されている。
前代未聞の米本土での連続テロ事件が起こって10年目の記念日を前にして、被害者の身元判別作業は今も継続されており、4割余が未だ未確認状態なのだという。
死亡証明は当然ながらずっと以前に出されており、死者の身元判別に法的義務はすでに無いのだが、観察医務院の法医学部では、倫理・道徳的観点から今も継続しているのだという。
911のツインタワーテロ攻撃で落命した被害者の名前はすべて判明しているが、爆発・火災・崩落があまりに大規模でありすぎた為、わずかに残された遺体の肉片の一部から個人を特定することは至難の業だという。
今週になって遺体判明が出来たのは、当時40歳だったアーネスト・ジェームス。WTCでの被害者2753名のうち、1629番目の確認被害者というわけだ。
崩落現場から引き出された遺体の場合は、歯型・写真・指紋といったこれまでの確認方法で身元チェックを行ったが、飛び散った肉片などの確認作業は、考えただけでも確認の難しい悲惨な状況だったということが想像できる。
集められた肉片は21817個もあった。多くの死者がばらばらの状態で見つかったというわけだ。1000人以上が未だに確認出来ないということは、霧消してしまった死者もたくさんいるということになる。
外部とは完全に遮断され消毒された環境で、NYC観察医務院の法医学チームは、現在、WTC現場から回収された6314の骨片を相手に、悲劇の主を探す作業を継続している。
AFPの記者は研究室の窓越しに、ロボットによる骨片洗浄作業と、血縁者から採取したDNAデータベースとマッチングする気の遠くなるような作業を観察している。
ドイツ銀行ビルの屋上で見つかった硬貨サイズの骨片から、これが事件当時、ツインタワーで働いていたヒトのものだと特定することもできたが、こうして苦労しながらDNAタイプを見つけても、多くの場合、すでに確認された被害者のものだったということが多いため、作業は自ずと時間だけがかかることになる。2006年以後、身元が確認できたのは僅か40名弱でしかない。
時には、DNAデータベースとマッチしない場合も出てくる。これは、血縁者がDNA提供をしていなかった場合とか、事件当時に現場にいたDNA未登録の不法移民者の遺体の一部ということもあるのだという。
ストレスがかかる仕事だが、未だに望みを捨てられない遺族にとって、さらに下マンハッタンのコミュニティや、NYCの法医学グループにとっては、間違いなく意義と意味ある大切な作業だというわけである。
9月11日の10周年記念日には、故人の名前を刻んだ記念碑がグラウンドゼロ近くの現場でお披露目がされるのだという。遺骸が見つからない1124名の遺族たちは、石碑に刻まれた名前を読みながら何を考えることだろう。当日も法医学チームは人知れずに骨片のDNA分析を続けているわけだ。