5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

オーメン

2021-03-08 21:39:33 |  ニュース

愛知県発表の8日のコロナ状況は、感染が8人(延26199人)死亡が3人(累544人)だった。県内で1日の感染者確認数が1ケタに落ちたのは去年9月22日以来、167日ぶりだという。

午後の訪問客(高齢女性)に「隣の市に比べて我が町のコロナワクチン接種は遅れるらしいわよ」と言われた家人も調子をあわせて憤慨しているのが玄関先から聞こえて来る。しかるにNHKの電話アンケートでは現内閣支持率が2ポイント上昇して不支持を上回ったと出たらしい。何かが変だ。

名古屋城のシンボル「金の鯱」が空を飛んで地上に降臨したという記事が中日夕刊一面にカラー写真付で載っている。

カラーでないと「光り輝く金色」が表現できないと思ったのだろう。一尾が1・2トンの巨体を持つ鯱の飛行を手助けしたのは大型シコルスキー。どこからチャーターしたのだろう。

これは「コロナウイルス感染拡大で草臥れた市民たちを元気づけよう」という名古屋市長の判断らしいが、市長選挙を来月に控えたこのタイミングに、愛知県知事のリコール作戦に与して大きく低下した自らのポイントを稼ぎたい下心が見える。天守閣の木造再建を言い続ける彼のレガシー造りの為だとも言えるだろう。

2005年の愛知万博以来16年ぶりの空中飛行である。城内二の丸にある県体育館、その名も「ドルフィンズ・アリーナ」の広場に降りた鯱の夫婦は都市が吐き出す大気に汚れた体を念入りに洗ってもらい、明るい「山吹色」の輝きを取り戻していた。

3月中旬から7月中旬まで4カ月間は、二の丸広場と都心栄のヒロバスで市民に公開されるが、尾張藩ゆかりの木曽町と中津川市にも出張が予定されているという。オリンピック聖火の通過に合わせたのかもしれない。鯱夫婦も政治利用されて大変だ。

鯱は火除けのシンボルだといわれる。古くは寺の厨子を飾った鯱が、城の天守に登った最初は織田信長の安土城だったというが、天正十年の本能寺の変で主を亡くしたこの城は、山崎で光秀が殺された後に本丸を焼失している。その経緯も理由も謎だ。

東日本大震災から10年目のメモリアルが来る。「天災は忘れた頃にやってくる」とは寺田寅彦の有名なことばだが、水を吐いて城市を護る鯱を降ろしている間に次なる災厄に名古屋が見舞われないようにとひそかに祈りたい気分である。

 

 


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