5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

ずんべらずんべら

2013-03-20 22:17:11 | ことば
ごんべが種まきゃ からすがほじくる
三度に一度は 追わずばなるまい
ずんべら ずんべら

俗曲というか民謡というのか、子供の頃に聞いただけの「ズンベラ節」の歌詞を思い出したのは、今日のニュースのせいだ。

この種まき権兵衛の故里、三重県紀北町では毎年法要をしてこの「地元の英雄」をしのぶのが恒例になっているらしい。今日がその当たり日で、権兵衛保存会が主催する「祭り」には子どもたちが権兵衛や殿様に扮する踊りや、手ぬぐいを被った女性女性グループによる種まきしぐさの踊りが奉納されたという。どうやら権兵衛さんは、町おこしの大事なキャラクターのようだ。

上村権兵衛は将軍吉宗治世の享保の頃、熊野相賀村便山に暮らした実在の郷士だという。大阪の陣で破れてこの地にに逃れた上村兵部が父(祖父かも)だとされ、権兵衛は元禄初年(1690))にこの武勇の家柄に生まれている。そのせいか、若年から武芸に秀で、特に鉄砲の名手だったようだ。

畑仕事にはさっぱり実が入らず、専ら鉄砲を肩に山野を駈け廻って稼いでいたというので、村人の間に「ごんべが種まきゃ」という人物評が出来上がった訳だという、判ったような説明もある。侠気のあった権兵衛は農民のため年貢免徐の嘆願をしたり、村人を襲う大蛇と戦ったりという民話も残っているというから、村の人気者だったのは間違いなかろう。「ごんべが種まきゃ」というのもご愛嬌である。

「ズンベラ」とは権兵衛の守り本尊「ズンベラ石」のこと。父が死際に「この石に我の一念を宿し置く。若しもの時には一心に念じ撫ぜよ。必ず霊験があろう。」と遺言して呉れたものだとか。これも民話っぽいつくり話のように聞こえるが、石は今でも宝泉寺に残されているのだそうだ。

さて「ズンベラ節」だが、WIKIにはクラシックの藤原義江が「権兵衛が種まく」という題で歌っているのだとある。そういわれれば、何処かでこれを聴いたような記憶もあるのだが。なにせ「三度に一度は」ものを忘れるのであるから、「ずんべらずんべら」が思い出せたでけでも正解だとしておこう。



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