令和最初の行幸になる「全国植樹祭」が尾張旭の愛知県森林公園で開かれた。式典には全国から9000人が参加したとニュースにあるから、それだけ新天皇皇后両陛下の行動に国民の多くが注目しているということだ。
「健全な森林は、林産物の供給のみならず、清らかな水、豊かな実りをもたらす大地や海を育み、さらに地球温暖化防止や生物多様性保全にも大切な役割を果たすなど、私たちに様々な恩恵をもたらしてくれる国民共通の財産といえる」という陛下の短い挨拶には、深いメッセージがその基調を流れているなと感じさせてくれた。
式典後の記念植樹では、天皇陛下がスギやクスノキなどの苗木を、皇后様がシデコブシやヒトツバタゴなどの苗木を、それぞれ植えられたという。
ヒトツバタゴは国指定の天然記念物、中部地方に特有の珍しい樹種で、5月から6月が真っ白な花の開花時期だから、ちょうど麗しい新皇后にふさわしかろうと選ばれたのだろう。
別名の「ナンジャモンジャノキ」といった方がわかるのかもしれない。もくせい科の落葉高木で、東アジアに分布するが、日本国内では伊勢湾周辺の低湿地、木曽川流域、それに長崎の対馬に自生するという、きわめて特異な分布を見せる。尾張の本草家、水谷豊文によって文政年間(1818-1831)に発見され命名された。自生地が少ないため、環境省のレッドリストに載っている、云々。という解説である。
ナンジャモンジャの並木は、我が万歩コースのひとつ、白鳥公園にもある。近くの大学に通う学生たちの通学路でちょうどよい日陰を作る。公園といえば、昨夜は両陛下の宿泊されたホテルの前の小公園に集まった市民たちが提灯を振ってお二人を歓迎したというニュースもあった。両陛下もすかさず部屋の室の窓から提灯を振り返し、柔らかな光の波が温かなムードを醸したという。
昭和天皇行幸の際の提灯行列のことを思い出したが、新天皇の振る提灯が発したメッセージは、それを見た人々にとってはとても象徴的なものだったに違いない。
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