5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

カッコウとポックウ

2016-05-17 22:17:29 | 自然
昨日は小暗き夜半に鳴くほととぎすのことを書いたが、ほととぎすはカッコウ科の鳥らしい。だから、郭公もほととぎすの仲間。ツツドリ、ジュウイチという鳥も仲間らしい。

坪内稔典先生の「季語集」、夏の句の動物の項目に「郭公」がある。カッコウと鳴く鳥だから「郭公」、わかりやすいと、先生は云って、山頭火のこんな句を載せている。

「あるけばかっこう いそげばかっこう」

「歩けば格好 急げば格好」なんてことになると、今の若い連中のことになって、ずいぶん意味が違ってくるなとバカなことを考えた。

郭公は渡り鳥だというが、知ららなかった。ちょうど今頃、繁殖のために日本列島にやってくるという。山頭火も初夏の信濃でかっこうを聞いたのだろう。

カッコウ科の鳥はいずれも托卵性らしい。他の鳥の巣に卵を産んで抱卵も育雛もおまかせをしてしまうずぼらな性質。郭公の托卵はモズやオオヨシキリ、ホオジロなどにお願いするという。

さらに、郭公の雛は巣の主の雛より早く孵って、巣にある卵を外に放って平気なんだとか。鳴き声はのんびりとやさしいが、その習癖は手前勝手で油断がならないと先生は書いている。

渡り鳥の郭公は朝鮮半島にも飛んでゆくらしい。お仲間のJさんのブログにもソウルの史跡で郭公を聞いたとある。

鳥の名前は韓国語で「ポックウ」、鳴き声は「ポックウポックウ」だそうだから、かっこうと鳴く鳥が郭公だと云うのと同じである。ポックウとカッコウ。二言語はやっぱり、どこか似ているなと思う。

坪内先生が引用している郭公の句は本村弘一のこの句だ。

「郭公は今朝引っ越していてみどり」

街中でも緑がずいぶん濃くなった。





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